更新日:2024/11/15
がん保険の免責期間なしとは?免責期間なしのがん保険もプロが紹介
一般的に、どの保険会社のがん保険にも加入後保障が受けられない90日程度の免責期間(猶予期間)が存在します。しかし、近年免責期間がなく加入後すぐ保障が受けられるがん保険が登場しました。今回は、そんな責任開始日が速いがん保険のメリット・デメリットを解説します。
内容をまとめると
- 責任開始日とは免責期間終了日の翌日のこと
- がん保険を契約してから責任開始日までのことを免責期間という
- 基本的には免責期間はありだが、免責期間なしのがん保険も少なくない
- 免責期間中はがん治療を行っても「90日」または「3か月」保障が受けられない
- 免責期間がなく加入後すぐに保障が受けられるタイプのがん保険もある
- がん保険の選び方で悩んでいる方はオンライン無料相談「マネーキャリア」がおすすめ!
- がん保険における責任開始日について詳しく知りたい方
- これからがん保険への加入を考えている方
- 免責期間なしのがん保険をお探しの方
目次を使って気になるところから読みましょう!
- がん保険の免責期間とは?免責期間と責任開始日の考え方
- がん保険の免責期間のしくみ
- がん保険の責任開始日とは
- がん保険に免責期間が設けられている2つの理由
- 理由①:がんは自覚症状がほとんどない病気である
- 理由②:がんの疑いにより駆け込みでがん保険に加入する可能性がある
- がん保険の免責期間に関する5つの注意点
- 注意点①:免責期間も保険料は支払う義務がある
- 注意点②:免責期間中にがんが見つかったらがん保険の契約は無効になる
- 注意点③:がん保険加入時には責任開始日・免責期間をよく確認する
- 注意点④:がん保険加入時は健康状態を正確に告知する
- 注意点➄:がん保険の乗り換え時は新契約の免責期間後に旧契約を解約する
- がん保険の免責期間中にがんと診断されないためには早めの加入がポイント
- 免責期間なしのがん保険がある?
- 免責期間なしのがん保険のメリット
- 免責期間なしですぐ保障されるがん保険の2つのデメリット
- 免責期間なしのがん保険がおすすめな人
- 十分な貯蓄があるため一時金は必要ない人
- 空白期間を埋めるためにつなぎのがん保険を探している人
- がん保険に複数加入して保障を充実させたい人
- 参考:がん保険では保険会社によって異なる診断確定日にも注意する
- 病理診断でがんと診断された日をがん診断確定日とする場合
- がん診断確定の根拠となる検査実施日をがん診断確定日とする場合
- 参考:がんと診断されてから加入できるがん保険もある
- 自分に合ったがん保険を選ぶなら保険のプロに相談しよう
- がん保険の免責期間とすぐ保障されるがん保険に関するまとめ
目次
がん保険の免責期間とは?免責期間と責任開始日の考え方
保険には、加入者全員が平等に保障を受けられるように、不正受給を防ぐためのしくみがあります。
その一つが、がん保険の「免責期間」です。
まずはこの「免責期間」について、
- がん保険の免責期間のしくみ
- がん保険の責任開始日とは
以上の点について解説していきます。
がん保険の免責期間のしくみ
がん保険における免責期間とは、その期間中はがんと診断されたり、治療のために入院しても保障の対象とならない期間のことです。
それぞれの保険会社ごとに異なる免責期間が設定されていますが、たいていの場合は
- 保険期間開始日から90日
- 保険期間開始日から3カ月
- 保険契約の申込み
- 加入者による告知
- 第1回目の保険料払込
がん保険の責任開始日とは
がん保険の免責期間においてポイントになってくるのが、「責任開始日」です。
責任開始日とは、がん保険の免責期間満了日の翌日のことを指しており、文字通りその日から保障が開始される日のことです。
たとえば新規加入者が「2021年4月1日」に第一回保険料の払い込みを行った場合、
- 免責期間満了日:6月30日
- 責任開始日:7月1日
がん保険に免責期間が設けられている2つの理由
がん保険に免責期間が設けられている理由として、「不正受給を防ぐ」ことや「保険の公平性を保つ」ことについてすでに説明しました。
ここでは、これらの点についてもっと掘り下げて理解しておきましょう。
次からは、がん保険に免責期間が設けられている理由について、
- がんは自覚症状がほとんどない病気である
- がんの疑いにより駆け込みでがん保険に加入する可能性がある
理由①:がんは自覚症状がほとんどない病気である
がんは、自覚症状がないまま発病してしまう病気です。
ある程度進行してからでないと、自分ががんに罹患していることに気付けないケースも多いのです。
そのため免責期間がないと、すでにがんに罹患しているにもかかわらずなんのペナルティもなく保障が開始され、保険金が支払われてしまう可能性があります。
実際にどれだけの人が症状に気づけないのか、国立がん研究センターの「がん情報サービス」の説明を見てみましょう。
主要ながんに罹患した際の初期症状について以下のように記載されています。
- 胃がん:初期症状は現れにくく、かなり先の段階まで無症状であるケースもある
- 大腸がん:初期症状は現れにくく、下痢や血便などの症状がみられる場合もある
- 肺がん:初期症状は現れにくく、血痰や胸痛など呼吸器系の症状がみられる場合もある
- 前立腺がん:初期症状は現れにくく、多尿や頻尿などの症状がみられる場合もある
- 子宮がん:初期症状は現れにくく、不正出血などの症状がみられる場合もある
- 卵巣がん:初期症状は現れにくく、触診することで下腹部のしこりに気づく場合がある
理由②:がんの疑いにより駆け込みでがん保険に加入する可能性がある
理由①の「がんは自覚(初期)症状が少ない」点を前提に考えてみましょう。
もし免責期間がなければ、初期症状に該当する症状が現れている人が「不安に感じた」または「がんに罹患したと確信した」ことで、検査前に駆け込みでがん保険に加入してしまう可能性があります。
そうすると、保険に加入してすぐに保障を受けられてしまうことになるのです。
この場合、健康な状態でがん保険に加入した人との公平性が失われてしまいます。
本来は将来の「がんに備える」ためのがん保険であるのに、ただ「保険金を受け取る」ためだけに加入できてしまうのです。
このような契約上の不公平さ、また不正受給をなくすために、がん保険には必ず免責期間が設けられているというわけです。
がん保険の免責期間に関する5つの注意点
がん保険に加入した方は、免責期間について「保障が受けられない」以外にも注意しておきたい点がいくつかあります。
次からはその注意点について、
- 免責期間も保険料は支払う義務がある
- 免責期間中にがんが見つかったらがん保険の契約は無効になる
- がん保険加入時には責任開始日をよく確認する
- がん保険加入時は健康状態を正確に告知する
- がん保険の乗り換え時は新契約の免責期間後に旧契約を解約する
注意点①:免責期間も保険料は支払う義務がある
がん保険は、たとえ免責期間であったとしても保険料支払いが発生します。
なぜなら、契約は第一回目の保険料支払いを行うことですでに開始されているからです。
もし免責期間だからという理由で保険料を支払わなかったら、通常の場合と同じように保険は失効してしまいます。
もしかすると保障金が支払われないのに保険料は支払わなければいけないなんておかしいと考える人もいるかもしれません。
しかし、この免責期間中の保険料も無駄になっているわけではありません。
もしもの場合受け取れる給付金のための準備金などとして計算されています。
たとえ保障が受けられないとしても免責期間はあくまで「契約期間内」であるため、きちんと保険料を支払うようにしましょう。
注意点②:免責期間中にがんが見つかったらがん保険の契約は無効になる
がん保険の免責期間中にがんだと診断確定された場合、ほとんどの場合においてがん保険の契約が無効となります。
その場合、実質的に保険契約は解約となり免責期間後も保障が受けられません。
そのため、
- 契約前にがんだと診断確定されていた場合
- 契約後(免責期間中)にがんだと診断確定された場合
注意点③:がん保険加入時には責任開始日・免責期間をよく確認する
がん保険の責任開始日は保険会社ごとに異なるため、加入前に責任開始日・免責期間について必ず確認しておく必要があります。
もし責任開始日や免責期間の日にちをきちんと確認していなかった場合、受けられると思っていた保障が受けられないということにもなりかねません。
ただし保険会社ごとに異なるといっても、
- 保険開始日(第1回目保険料支払日)から3カ月
- 保険開始日(第1回目保険料支払日)から90日
上記のいずれかで設定されていることがほとんどです。
この90日(3か月)はがんにかかっても保障を受けられないということをしっかり自覚したうえで保険に加入することが大切です。
保険を乗り換える場合、免責期間は保障を受けられないため、免責期間中は従来の保険を継続しておくことをおすすめします。
解約のタイミングを間違えないように気を付けましょう。
注意点④:がん保険加入時は健康状態を正確に告知する
これは他の保険にも共通している点ですが、がん保険加入時は保険会社に対して自分自身の健康状態や病歴等を正直に告知する義務があります。
もしこの告知義務に故意に違反した場合は「告知義務違反」となり、保険契約の解除または特約等の解除となり、以降は保障が受けられなくなります。
告知義務違反が発覚して解約となる場合、いわゆる「保険料の払い戻し」があるタイプのがん保険であれば、いくらか解約返戻金が支払われる場合があります。
しかし、大半の場合、今まで支払った保険料は払い戻しされません。
また、告知義務違反が詐欺行為に該当するなど悪質だとみなされた場合は、解約返戻金も支払われないのです。
中には、たとえ告知内容に事実との相違があっても「保険会社は把握できないため問題はないのでは」と考える方もおられますが、
- 保険会社は必ず告知内容の事実調査を行う
- 入院履歴や通院履歴なども保険会社は把握できる
以上のような理由で、嘘の告知をしても後々高い確率で発覚します。
このように、告知義務違反は契約者本人にとってデメリットしかないため、加入時には健康状態を正確に告知するようにしましょう。
注意点➄:がん保険の乗り換え時は新契約の免責期間後に旧契約を解約する
がん医療は日々進歩しているため定期的にがん保険を見直し、時代の治療方針にあったものを選択する必要があります。
がん保険を乗り換える際の注意点として新保険の免責期間の間は旧保険を解約してはいけません。
免責期間の間は旧保険と新保険の保険料を重複して支払わなくてはなりませんが、万が一のときに保障を受けられない事態を避けることができます。
実際に免責期間のあいだに旧保険を解約し「多額の保険料をうけとれなかった…。」という人もいます。
がん保険の乗り換えで時は必ず新契約の免責期間がおわったあとで旧契約を解約しましょう。
ただし最近では免責期間に対し柔軟な対応をしてくれる保険商品もでてきました。
保険料の重複支払なしで、免責期間中は旧契約で対応し免責期間終了後は新契約で対応を開始するといった内容です。
免責期間についても保険会社の対応をよく調べて、自分に合った保険を選びましょう。
がん保険の免責期間中にがんと診断されないためには早めの加入がポイント
免責期間中にがんだと診断確定された場合、保険契約が停止されて保障が受けられなくなるという点はすでに取り上げたとおりです。
だれでも自分が「いつ自分ががんになるか」、また「いつ自分ががんだと診断されるか」ということを予測できません。
そのため、確実に保障を受けたい方は早めに加入手続きを行う方が良いでしょう。
がんは30代までであれば罹患率が低いため保険の必要性が低いのも事実です。
しかし、年齢が若いうちに加入しておくことで生涯にわたって保険料が安くなる保険もありますし、若くしてがんに罹患する方もいます。
とりわけ罹患率が高くなる40・50代以降の方は、免責期間中にがんだと診断確定されることを防ぐために、できるだけ早めに加入しておくことをおすすめします。
免責期間なしのがん保険がある?
じつはがん保険のなかには免責期間がなく、契約時から責任開始してくれる商品もあります。
すぐに保障が受けられるので魅力的に感じるかもしれませんが、デメリットも存在しますので注意してください。
免責期間なしのがん保険のメリット
- すぐに保障を受けられる
- 保険料が割安
免責期間なしですぐ保障されるがん保険の2つのデメリット
- 基本的に診断一時金がない
- 上皮内新生物は特約扱い
免責期間なしのがん保険がおすすめな人
免責期間なしのがん保険を特におすすめできる人とはどのような人でしょうか。
次からは、
- 十分な貯蓄があるため一時金は必要ない人
- 空白期間を埋めるためにつなぎのがん保険を探している人
- がん保険に複数加入して保障を充実させたい人
十分な貯蓄があるため一時金は必要ない人
将来がんに罹患したときのために備えて、すでに十分な貯蓄がある人にとっては、一時金が受け取れない基本保障のみのがん保険でも充分かもしれません。
基本保障のみで契約すると、特約を付帯したときより大幅に保険料が安くなります。
治療時の保障のみ受け取れれば良いと考えているなら、免責期間がなく基本保障に診断確定時の一時金が含まれていないタイプのがん保険を選択するのが良いでしょう。
空白期間を埋めるためにつなぎのがん保険を探している人
今まで加入していたがん保険から別のがん保険へ乗り換えようと考えている場合、通常のがん保険であれば保障を受けられるまで少なくとも3カ月ほどの空白期間ができてしまいます。
しかし、あくまでつなぎとしてでも免責期間のないがん保険に加入しておくことで、空白の期間を埋めることができます。
ただし、それだけを理由に、「いつでも解約して良い」という体でがん保険に加入してしまうと損をしてしまうかもしれません。
早期のうちに解約することになると、いわゆる「無解約返戻金型」保険などの場合には特に、支払った保険料が戻らず無駄になってしまうからです。
がん保険に複数加入して保障を充実させたい人
がん保険は複数加入することが可能です。
そのため、入院や通院等の保障、診断確定時の保障に関しても、2つのがん保険に加入していれば両方の給付金を受け取ることができます。
できるだけ多くの保障を受けたいと考えている方は、従来加入していた保険にプラスするかたちで免責期間がないタイプのがん保険を契約するのもよいでしょう。
それら両方の契約を継続していくことで手厚い保障が受けられます。
ただし当然ながら保険料も2社分かかることになり、「払いすぎ」のリスクがあることは注意しておきましょう。
果たして2つもがん保険に加入する必要があるのか、家計状況も考えながら慎重に判断することが大切です。
参考:がん保険では保険会社によって異なる診断確定日にも注意する
がん保険において保障の基準となる「診断確定日」は、がん保険を取り扱っている保険会社によって異なります。
次からはその診断確定日について、
- 病理診断でがんと診断された日をがん診断確定日とする場合
- がん診断確定の根拠となる検査実施日をがん診断確定日とする場合
病理診断でがんと診断された日をがん診断確定日とする場合
まずケースとしてもっとも多いのは、がんの診断確定日を「病理診断によってがんだと診断された(最初の)日」としている場合です。
ここでいう病理診断とは、細胞レベルの検査により患者ががんに罹患しているかどうかを調べるものであり、
- 細胞診断
- 生検組織診断
- 手術で摘出された臓器・組織の診断
- 手術中の迅速診断
- 病理解剖
がん診断確定の根拠となる検査実施日をがん診断確定日とする場合
もう一つのケースは、病理検査によってがんに罹患していることが認められる対象の検査を実施した日を診断確定日とする場合です。
この場合、診断確定日ではなくあくまで生検組織の検査等が行われた日を「診断確定日」とするため、診断確定日が責任開始日より後でも、保障の対象外となる可能性があります。
たとえば責任開始日が「4月1日」で、診断確定日が「4月2日」であっても、診断確定の根拠となる生検組織の検査が「3月31日」である場合は、免責期間に含まれてしまうため保障されません。
以上のようなケースがあるため、加入時には必ず診断確定日の基準を確認しておくべきです。
参考:がんと診断されてから加入できるがん保険もある
通常、がん保険は過去にがんだと診断確定されている人や、現在進行形でがんの治療中であるという方は加入できません。
基本保障はがんによる「死亡保障」のみですが、がん以外の病気や交通事故、感染症や老衰などによる死亡も保障の対象となります。
具体的にどのような人が加入可能なのかというと、
- 前立腺がん
- 胃がん
- 甲状腺がん
- 皮膚がん
- 結腸がん
- 直腸がん
- 胆のう・胆管がん
- 肝臓がん
- すい臓がん
- 口腔・咽頭がん
- 食道がん
- 肺がん
- 喉頭がん
- 膀胱がん
- 腎尿路がん
- 子宮体部がん
- 子宮頚部がん
- 乳房がん
- 卵巣がん
自分に合ったがん保険を選ぶなら保険のプロに相談しよう
がん保険の責任開始日について理解すると、がん保険は適当に決めるべきではないと思ったのではないでしょうか。
自分に合ったものを選択しないと、いざ将来がんに罹患したときに保障を受けられない可能性があります。
実際のところ、今までがん保険以外の保険にも加入したことがないという方であればなおさら、数あるがん保険の中からどれを選べばよいのか分からないと思うのも無理はありません。
そこで利用できるのが、がん保険について保険のプロともいえる「FP(ファイナンシャルプランナー)」に直接保険相談ができる「マネーキャリア」というサービスです。
これは特定の保険会社を斡旋するものではなく、設計したライフプランに基づいてFPが、数あるがん保険の中から相談者にとってもっとも最適ながん保険を提案してくれます。
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がん保険の選び方について悩んでいる方は、ぜひ一度「マネーキャリア」を利用してみてはいかがでしょうか。
自分にあったがん保険について知りたい人は以下の記事でも詳しく解説しています!
がん保険の免責期間とすぐ保障されるがん保険に関するまとめ
今回はがん保険の免責期間についてさまざまな点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
免責期間と責任開始日は、保障を受けられるかどうかを左右する重要なラインであるため、加入時は必ずチェックしておき、わからない点があれば各保険会社に問い合わせましょう。
くわえて診断確定時の保障があるがん保険であれば、診断確定日の基準についても必ず確認しておきましょう。
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