がん保険の免責期間とは?がんと診断されても保障されないので要注意

がん保険には通常の保険と違い、「免責期間」というものが設定されている場合がほとんどです。この免責期間中にがんと診断されても、保障を受けられません。最近では、免責期間がないがん保険もあるので、がん保険に加入する際は予め注意し、自分に合った保険を選びましょう。

がん保険の90日間の免責期間(待機期間)とは何か

がん保険への加入を検討する際、90日間の免責期間が設けられていることが気になる、という方も多いことでしょう。


この免責期間の間は、がんに罹っても保障が受けられないのでは保険に入る意味がないのでは?と心配になりますよね。


しかし、がん保険に免責期間(待機期間)が設けられている理由には、加入者へのメリットも含まれているのです。


そこで、この記事では『がん保険の90日間の免責期間(待機期間)』について、

  • がん保険の責任開始日とは
  • がん保険の免責期間の仕組みとは
  • がん保険に90日間の免責期間が設けられている理由とは
  • 免責期間なしのがん保険の保険料とは
以上を中心に解説していきます。

この記事を読んでいただいたら、がん保険への加入を検討しているけれど、90日間の免責期間についてもっと詳しく知りたいという方のお役に立てるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

責任開始日を正確に知ろう

それでは、がん保険の説明に入る前に、一般的ながん保険の申込みから、保険の効力の発生までの流れを解説していきます。


一般的ながん保険は、加入後すぐに効力を発揮しません。

一般的には「申込み」・「告知(診査)」・「初回保険料の払込」の3つがそろってはじめて保険契約の効力を発揮します。

この保険の効力が発揮される日を責任開始日と呼びます。

例1:4/1に申込み、4/10に告知、4/20に初回保険料の払込

責任開始日:4/20


例2:4/10に申込み・初回保険料の払込、4/20に告知

責任開始日:4/20


例3:4/20に申込み・告知・初回保険料の払込

責任開始日:4/20


以上のように、申込み・告知(診査)・初回保険料の払込がどのような順番であったとしても、3つがそろった日が責任開始日とされます。


なお、保険会社によっては、初回保険料の払込を自動振替にすることにより、申込み・告知(診査)の2つがそろったときを責任開始日としている場合もあるので、責任開始日については加入する保険の約款などを確認する必要があります。

がん保険の免責期間の仕組み

がん保険の場合、その特殊性から通常の責任開始日から90日間の免責期間(待機期間)が設けられていることが多く、免責期間後(責任開始日から91日目(がん責任開始日)以降)にようやく保障開始となる場合がほとんどです。


 例えば以下のようになります。

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では、もう一度先ほどの例を挙げ、がん保険の場合の具体的なスケジュールを見ていきましょう。


例1:4/1に申込み、4/10に告知、4/20に初回保険料の払込

責任開始日:4/20

がん責任開始日:7/20

→がん責任開始日から90日後の7/20以降から保障が開始

7/19までにがんと診断されても保障は受けられません。


例2:4/10に申込み・初回保険料の払込、4/20に告知

責任開始日:4/20

がん責任開始日:7/20

→7/20以降から保障。7/19までにがんと診断されても保障は受けられません。


例3:4/20に申込み・告知・初回保険料の払込

責任開始日:4/20

がん責任開始日:7/20

→7/20以降から保障。7/19までにがんと診断されても保障は受けられません。


以上のように、通常の保険とは違い、がん保険では申込みをしてから保障を実際に受けられるまでに期間を要することがわかります。


そのため、たとえ責任開始日を過ぎていたとしても、がん検診を受け、免責期間中にがんの診断を受けた場合は保障は一切受けられないので、加入するタイミングには予め注意が必要です。

がん保険の免責期間が一般的に90日間の理由とは

では、なぜがん保険にはこのような免責期間があるのでしょうか?

その理由は、「公平性の維持」のためと言われています。

通常のケガや病気とは違い、がんの場合はがんという診断を受けるまで自覚症状があまり現れないこともあります。


例えば、がん保険への加入を検討している方が、実はがんなのに自覚症状がないためそのまま保険に申込み、加入後すぐに自覚症状が現れ、検査をしたらがんと診断されるケースがあります。


このような場合、たとえ保険の加入者に悪意がなかったとしても、保険会社からすれば不利となってしまいます。


そこで、一定期間免責期間を設けることで、保険会社にとって不利な事態をなくし、保険の加入者と保険会社との間の契約を公平なものにしようとしているわけです。


加入者からすれば、「そんなの保険会社の勝手では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、加入者側にもメリットはあります。


免責期間があることがなぜメリットになるのかと言いますと保険加入者の保険料の支払いが安くなるからです。


保険とはそもそも、多くの方から集めた保険料の中から、病気やけがをされた方への保険金などを支払っています。


そのため、支払う保険金が多くなればなるほど、自ずと加入者が支払う保険料は高くなっていきます。


つまり、保険金の支払い条件を厳しくすることは、多くの加入者にとって、保険料を安く抑えることにつながりメリットがあるといえるのです。

免責期間中にがんに罹ってしまったら

もし仮に、免責期間中にがんの検査を行い、がんと診断されてしまったら、残念ながら保険金などは一切支払われません。

契約自体が無効になってしまいますので、振込分は返還され、翌月から保険料を納める必要も無くなります。


最近では、免責期間なしのタイプのがん保険も販売されており、万が一のことを考えるならば、免責期間がないタイプのがん保険を検討する方がよいでしょう。

免責期間なしのがん保険と保険料を比較

では、免責期間がある保険と免責期間がない保険では、どのくらい保険料が違うのでしょうか。

全く一緒の保障内容の保険ではありませんが、似たような保障内容の保険を比較してみました。

①免責期間がある保険

例A:AF社がん保険


25歳男性の場合(平成29年3月31日時点)

【保険料】

2,390円

【保障内容(概要)】

・診断給付金

初めてがんと診断確定:100万円(一時金・一回限り)

初めて上皮内新生物と診断確定:10万円(一時金・一回限り)

・入院給付金

がん・上皮内新生物で入院:1日につき1万円

・通院給付金

がん・上皮内新生物で通院:1日につき1万円

・手術治療給付金

がん・上皮内新生物で所定の手術:1回につき20万円

・放射線治療給付金

がん・上皮内新生物の治療目的で所定の放射線治療:1回につき20万円

・抗がん剤治療給付金

がんの治療目的で所定の抗がん剤治療:1回につき10万円

・緩和ケア給付金

なし


②免責期間がない保険

例B-1:AX生命「治療保障」のがん保険


25歳男性の場合、基本給付金額10万円・上皮内新生物治療給付特約 特約基本給付金額10万円(平成29年3月31日時点)

【保険料】

1,130円

【保障内容(概要)】

・診断給付金

なし

・入院給付金

なし

・通院給付金

なし

・手術治療給付金

がん・上皮内新生物により手術:1回につき20万円

・放射線治療給付金

がん・上皮内がんにより放射線治療:1回につき20万円

・抗がん剤治療給付金

がんにより化学療法(抗がん剤治療):1回につき10万円

・緩和ケア給付金

ガンによる疼痛などの緩和のために緩和ケア:1回につき10万円


例B-2:AX生命「一生保障」の医療保険(入院保障部分のみ)

25歳男性の場合(平成29年3月31日時点)

【保険料】

3,030円

【保障内容(概要)】

・入院給付金

病気やケガで入院:1日当たり10,000円

・手術治療給付金

手術を受けた時:40万円~10万円


免責期間がないがん保険で有名な保険会社は、アクサ生命のがん保険です。


一方で、一般的ながん保険としてアフラックのがん保険と比較してみました。


AF社のがん保険は診断・入院/通院・手術・所定の治療に対する保障が一通りそろっていると言えます。


一方で、アクサ生命のがん保険には診断・入院/通院に対する保障がありません。


この部分を同じAX生命の他の保険で補おうとすると、AX生命の医療保険が挙げられます。


そうなると、

例Aの保険料:2,390円

例B(例B-1+例B-2)の保険料:4,160円

ということとなり、免責期間がない例Bのほうの保険料が約1.7倍保険料が高くなる計算です。


やはり、保険料のことだけを考えると、免責期間がある保険のほうが保険料が割安ということが言えるでしょう。

まとめ:がん保険の免責期間には注意しよう

この記事では、がん保険の免責期間について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • がん保険の責任開始日とは、「申込み」・「告知(診査)」・「初回保険料の払込」の3つがそろったときが責任開始日となる。
  • がん保険には、ほとんどの保険に90日間の免責期間が設けられている。
  • がん保険に免責保険が設けられている理由は、保険加入者の平等性を保つためである。
  • 免責期間に検診の結果がんと診断されても、保障を受けることはできない。
  • 免責期間を設けていないがん保険は、一般的な保険よりも保険料が割高になる。
以上です。

もしもに備えて加入するがん保険ですが、加入後すぐに保障が受けられないということを覚えておきましょう。

また、がん保険を見直して新たな保険へ乗り換える際には、無保険状態とならないよう、新たながん保険の免責期間が過ぎるまでは、以前のがん保険の解約はしないよう注意しておく必要があります。

ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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