がん保険は不要?「がん保険はいらない」という不要論を徹底検証!

がん保険は不要という意見の方もいます。この記事では、がん治療にかかる費用、高額療養費制度など公的保障で減額される負担額、がん保険で保障される費用についてしっかり考察し、さらに医療保険や三大疾病保険の保障内容も確認し、がん保険が必要か不要かについて検証します。

がん保険の不要という人の意見を知る

アフラックなどのCMでもお馴染みのがん保険とは、がん患者のみ対象になる「がん」に特化した保険です。

原則として、がん以外の病気は保障の対象とはなりません。


実際にがんにかかってしまったとき、治療費に困らないように、がんと診断されたときに支給される診断給付金(一時金)や、がん治療による通院に対して支給される通院給付金などがあります。


一方で、


  • 「公的保障で十分だから貯蓄があれば給付金は必要なく、がん保険は不要。」
  • 「医療保険に入っていれば、がん保険は不要。」
  • 「がん保険の保険料を払うよりは、貯蓄にまわしたほうが経済的に合理的だから、がん保険は不要。」

というように、がん保険不要論を唱えるひともいます。


この記事では、がん保険は必要なのか不要なのかについて、しっかり検証してみましょう。




日本人のがん罹患率は非常に高い、は真か

日本人の平均寿命が延びるにつれて、日本人のがん患者数は毎年増えています。

厚生労働省の発表によると、2人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなるというデータがあります。


つまり半分の確率でがんにかかるということです。


また、男女別で見ると、30代の頃は女性のほうががんになる確率が高く、50代後半より男性のほうががんになる確率が高くなり、60代以降では、男性の方が明らかに女性よりがんになる確率が高くなります。


ただ、実際にがんにかかるのは高齢者の方が大半で、若いころにがんにかかるひとはそう多くはありません。男女共に50歳以降から、がんになる確率が急激にあがるとされています。


高齢者の方の場合、収入は年金の場合が多いため、がんにかかったことにより働けなくなり収入が途絶えるというケースも少なく、ゆえに「ある程度の貯蓄があれば大丈夫だから、がん保険は不要である。」というがん保険不要論者の意見にも一見納得がいきます。


それでは、本当にがん保険は不要なのか、実際に自分や家族の誰かががんになったときのことを考えて、次にがん保険の保障内容について考えてみましょう。


がん保険の診断給付金(一時金)や入院給付金は不要?

がん保険に加入していることで得られる給付金を知ろう

具体的にがん保険が必要か不要かを考える前に、がん保険によってどんな保障がなされるのかを学びましょう。基本的に、がん保険で保障される給付金は、以下の4つがあります。このまとめでは、特約も含めています。

  • 診断給付金(一時金)
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 通院給付金

1. 診断給付金(一時金)とは

がんと診断されたときに支給される給付金です。一般的には100万円〜200万円程度とされていますが、これからのがん治療にかかる治療費についての不安を取り除いてくれます。


ただし、がんが再発・転移した場合に、二回目の診断給付金(一時金)が支給されるかどうかは、条件が保険商品によって違っており、加入する際には気をつけるポイントです。


もし、診断給付金(一時金)が一回きりのがん保険に入った場合、がんが再発しても診断給付金(一時金)が支給されないということです。


このような場合、一回がんになると、診断給付金(一時金)が支給されないとわかっていながらも、再発に備えて、保険料を支払い続けることになります。


もちろん、一度がん保険を解約し、新たにがん保険に加入したなら、診断給付金(一時金)を受け取ることはできますが、過去に一度がんにかかっている場合だと、新たにがん保険に加入することは難しいと思われます。

そのため、しっかりこの部分は気を付けましょう。


2. 入院給付金とは

がん治療での入院費を負担してくれる給付金です。医療保険の場合は1度の入院における日数に上限があったり、合計入院日数に上限があったりしますが、がん保険の場合は無制限です。


しかし、現在の傾向として、がん治療は通院がメインとなっております。そして一回の入院の日数も減少していることも考慮にいれる必要があります。具体的な平均入院日数は、1999年では平均40.1日、2014年には18.7日まで短縮されています。


3. 手術給付金とは

がんの手術費を負担してくれる給付金です。 給付金の金額は、保険商品や、手術の種類に依存しますが、手術の回数は無制限です。


がん患者に対する手術は逆に体力を奪い逆効果になる場合もあるように、また最近の医療技術の進歩により、手術の回数は減ってきています。一方で、抗がん剤治療をはじめとして、ホルモン治療や放射能治療などの治療方法が増えてきています。


そのため手術給付金の恩恵を得られる回数は以前より減少しています。


4. 通院給付金とは

がん治療の際の通院費用を負担してくれる給付金です。がん治療は通院がメインとなってきているので、非常に嬉しい給付金です。


しかしこの給付金には支給条件がついています。

例えば、「退院後数年以内」であったり、「通院日数の上限」であったり、「(抗がん剤治療のためなどの)通院の内容制限」であったりなどです。


これらもがん保険加入時にはしっかり確認しましょう。


この他にも放射能治療給付金抗がん剤給付金先進医療給付金などがあります。



それではがんの治療費は実際どのくらいかかるのか見てみましょう。

がんの治療費ってどのくらいか知ろう

がん治療にはどのくらいかかるのかを確認してみましょう。

がんの種類にもよりますが、がんの治療費の総額はおおよそ50万円〜100万円となっています。


健康保険が適用される治療だけ済んだ場合、このうち3割の負担のみで済みます。


さらに、次に説明する高額療養費制度を適用すれば、もっと負担額が少なく済み、おおよそ月8万円ほどになります。


月8万円ですが、治療が長引けば、積み重なり、治療費はどんどん高額になっていきます。



高額療養費制度や傷病手当金制度など、公的保障の内容を知ろう

高額療養費制度とは、

1ヶ月の自己負担額の上限が決まっており、一定の上限金額を超えた場合に治療費が払い戻される制度のことです。もちろん払い戻されるとはいえ、一時的には自分で治療費を窓口で払う必要があります。70歳以上だと、さらに負担額は軽くなります。


傷病手当金制度とは、

病気などで入院し、仕事ができなくなったときに手当が支給される制度のことです。ただし、自営業の人で、国民健康保険に加入している人などの場合は適用されません。


これらの公的保障を適用すれば、がん保険には入っていなくても、貯蓄が100万円程度あれば、診断給付金(一時金)などがなくても、がんの治療費はなんとかなる場合が多いようです。


高額療養費制度など、これらの公的保障が、がん保険不要論を唱える人の一番の根拠と言えるでしょう。

がん保険の終身タイプは不要?

がん保険には、一生涯保障が続く終身タイプと、5年や10年など保障が一定期間の定期タイプがあります。

高齢になるほど、がんにかかる確率は高くなるので、終身タイプのほうが良いという人や、一方で、高齢者は収入が途絶える心配のない年金であり、貯蓄もある程度あるだろうから、定期タイプのほうが良いという人もいます。また70歳以降は高額療養費制度によってさらに自己負担額が少なくなるという良い点もあります。


終身タイプ、定期タイプの両方にメリットが存在するので、どちらのほうが良いのかは人それぞれです。しっかりと考えましょう。

がん保険と医療保険、がん保険と三大疾病保険との関係

がん保険と医療保険の違いとは?

がん保険はがんのみに対する保険、医療保険はがんを含む全ての病気に対する保険です。


それ以外にも、


  • がん保険では、診断給付金(一時金)など、がん診断時にまとまったお金が得られる。
  • がん保険では、入院日数が無制限だが、医療保険は上限がある。(60日、120日など)
  • がん保険では、90日間の免責期間がある。(加入後90日以内にがんにかかった場合は保障の対象外)

といった違いがあります。

医療保険と重複するから、がん保険は不要?

医療保険とがん保険、どちらの保険に優先的に加入すべきかについては、人によって様々な考え方があります。

高額療養費制度や傷病手当金制度などの公的保障があるので、医療保険は不要で、そして、がん治療で入院が長引くことによる致命的な経済負担の不安を取り除くため、がん保険には入った方が良い


という意見もある一方で、 


がんにならなかった場合はがん保険の保険料は無駄払いになり、また仮にがんになったとしても医療保険の保障内容で一定数負担額が減るので、がん保険は不要であり、医療保険に優先的に入ったほうが良い 


という意見もあります。


さらに、がんやがん以外の大きな病気への不安を取り除くために、がん保険にも医療保険にも両方入るという方もいます。 


(ちなみに、医療保険とがん保険の保障内容が重複していた場合、二重で給付金が支払われることになりますが、もちろん保険料も二重で支払うことになります。その場合は保障額を減らして保険料を安くするといった対策をしたほうが良いと思われます。)


そのため、医療保険と保障内容が重複するから、がん保険は不要ということは一概には言えません。

がん保険と三大疾病保険、どちらがいいの?

三大疾病とは、

  • がん(悪性新生物)
  • 急性心疾患
  • 脳卒中

のことを表します。


三大疾病保険とは、上記の三つの生活習慣病に加え、死亡や高度障害状態になった場合にも保険金を受け取れます。 


日本人の死亡原因の55%は「がん」「心疾患」「脳血管障害」です。


注意しなければならない点として、三大疾病保険の場合、あと二つは急性心疾患と脳卒中に限定されています。


例えば心疾患に含まれる心不全などは対象外となっています。


他にも注意しなければならない点は、3点あります。


  1. がんの中でも悪性新生物のみで、上皮内新生物には対応していない。
  2. 急性心疾患と脳卒中で保険金が下りる条件は、その病気になってから60日以上仕事に復帰できなかった場合のみ
  3. 一度保険金が下りると、その後保険金は下りない。

上皮内新生物と悪性新生物の違いは、簡単に説明すると、前者が軽いがん、後者が重いがんということです。 


前者はしっかりと治療をすれば転移も再発も可能性が低いと言われていますが、後者はすでに他の臓器に転移している可能性が高く、再発しやすいと言われています。 


がん保険と比較するなら、1と3について考える必要があります。


1については、がん保険の商品によっては、三大疾病保険と同様に、上皮内新生物には対応しないものもありますので、加入時には注意が必要です。


3については、がん保険の場合、がんが再発し、再び入院することになっても、入院給付金などは無制限であるので、がん保険のほうが良いと言えると思われます。


また再発の可能性の高い悪性新生物にしか対応していないのに、再発しても保険金は下りない三大疾病保険は患者に優しくない点があると言えます。


とは言っても、


  • がん以外の病気(急性心疾患と脳卒中)にも対応している
  • 三大疾病にならなくても解約時に大半のお金が返ってくる

というように、三大疾病保険にも、がん保険にはないメリットがあります。


またがん保険に、三大疾病特約という形で保障を追加することもできます。

がん保険が不要な人の特徴はずばり

ずばり、貯蓄が十分にある人です。

貯蓄が十分にある場合は、その貯蓄の範囲内で、がん治療の治療費をやりくりできるので、がん保険は不要という意見には納得ができます。


しかし貯蓄があるとはいっても、最近のがん治療には保険診療タイプではなく、高額な自由診療タイプのものがあります。


そしてがん保険の中には、自由診療タイプの治療費でも、がん治療の費用であれば、負担してくれるものがあります。


自由診療タイプのがん治療は、1000万円を超えるものもあり、この金額は貯蓄が十分にある方だとしても、がん保険で負担できたら嬉しい金額でしょう。


がん保険が不要な人の特徴として、貯蓄が十分にある人というのはある程度正しいのですが、貯蓄が十分にあったとしても、必ずしもがん保険は不要であるということにはなりません。

まとめ

今まで述べてきたように、「がん保険は不要」ということは一概には言えません。


がんにならなかったときに、がん保険の保険料が無駄払いになってしまうことを危惧する方もいますが、貯蓄が十分にある方であったとしても、もしがんになったときに大きな力になると思われます。


もし家族の誰かががんにかかったときに、家族が治療費を気にしながら、手術を受けさせたり入院通院をさせたりするのは、家族の経済負担以上に、がんになった本人が一番つらい思いをするでしょう。

自分や家族の誰かががんになったら、効果の期待値が低くても、少しでも治療効果のある確率があるなら、色々な治療にトライしてみたいと思うものです。


それなのに、がん保険に加入していないことにより、「この治療は自由診療タイプだから、治療費が1000万円を超えてしまって、治療を受けさせてあげられない」というような状況に陥る可能性があります。


また、がんにかかった本人も、本人は何も悪くないのに、家族に経済的な負担をかけてしまうことによる申し訳なさを感じてしまうこともあるかもしれません。


この記事では、がん保険が不要かどうかを議論する上で、がん治療の治療費を一番の論点として述べてきましたが、


実際には、がんの治療費以外にもお金がかかります。


入院が長引けば、差額ベッド代などをはじめとした公的保障外のものによる出費から免れません。 


そんなことにならないように、「がん保険は不要」と決めつけずに、一度がん保険の加入を検討してみてはどうでしょうか。

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