更新日:2023/03/02
70代以上の高齢者にがん保険は必要ない!保険で損をしないための知識
国民の2人に1人が罹患するがん。がんのニュースを耳にするとがん保険の必要性を感じます。一方で70代のがん保険の保険料は意外に高くなります。万一の備えはしておきたいけど保険料の高さは悩みどころです。70代のがん保険の必要性をさまざまな角度から分析していきます。
内容をまとめると
- 70代からがん保険に加入しようとすれば保険料が高い
- 高齢者医療制度・高額療養費制度など公的医療制度がある
- 公的医療保障・収入・貯蓄のバランスを自分で見極める
- がん保険が備え方として最適かお悩みの方はがん保険専門のマネーキャリアの保険相談を有効活用することがおすすめ!
- 70代を超えてがん保険を少しでも考えている人
- 高齢になってもがん保険は必要かどうか悩んでいる人
- がん保険で損をしたくない人
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 70歳・80歳の高齢者にがん保険の必要性が低い理由3選を解説
- ①現役世代より高齢者は医療費の自己負担額が少ない
- ②高齢者は保険料が高い |実際に保険料をシミュレーション
- ③年金による安定した収入がある
- 70代以上の方が知っておくべき公的医療制度2つを紹介
- ①高齢者医療制度
- ②高額療養費制度
- 70歳以上でもがん保険が必要と考えられる理由
- ①先進医療・自由診療などの高額治療を経済的な不安なく受けたい
- ②医療費で生活費・貯蓄が削られるのを防ぎたい
- ③70歳以上の高齢者はがんの罹患率が高い
- 70歳以上で持病があっても入りやすい保険2種類を紹介
- ①引受基準緩和型
- ②無告知型
- 高齢者ががん保険の加入を検討する際の選び方
- ①公的医療保険・収入・貯蓄とのバランス
- ②現在加入している保険の保障内容
- ③想定できるライフイベントに合わせて必要な保障を考える
- ④加入条件
- まとめ:70代・高齢者のがん保険の必要性について
目次
70歳・80歳の高齢者にがん保険の必要性が低い理由3選を解説
最近では最高85歳まで加入できる保険も出てきて、70歳や80歳の人でもまだ今なら加入できると思われている方は多いのではないでしょうか。
その反面70歳や80歳となり医療費も軽減されてくると、本当にがん保険などの保険は必要なのか、高齢者にがん保険の必要性はあるのだろうかと疑問に思われる方もいらっしゃるはずです。
そこでここでは、70代80代の高齢者にがん保険の必要性が低い理由を見ておきましょう。
- 現役世代より高齢者は医療費の自己負担額が少ない
- 高齢者は保険料が高い(保険料をシュミレーション)
- 年金による安定した収入がある
①現役世代より高齢者は医療費の自己負担額が少ない
高齢者にがん保険の必要性が低い理由の1つ目は、現役世代より医療費の自己負担額が少ないということです。
確かに年金収入だけとなると、医療費も高齢者医療費制度や高額療養費制度を利用すれば、たとえ入院生活が続いたとしても、それほど大きな金額になることもないはずです。
現役世代の場合は、がんになると仕事ができなくなり、大きく収入が減ってしまうこともあって、収入と医療費のダブルパンチとなってしまいます。
けれども高齢者は、がんになったとしても年金が減ることはありませんし、収入のある現役世代とは負担割合が違いますので、実際に医療費に支払う金額もそこまで大きくありません。がん保険に高い保険料を支払うのであれば、その分を貯蓄して医療費に充てることができます。
②高齢者は保険料が高い |実際に保険料をシミュレーション
高齢者にがん保険の必要性が低い理由の2つ目は、高齢者の場合は保険料が高いということです。
新規でがん保険に加入しようとする場合、ほとんどのがん保険に見られる条件の一つとして、加入年齢が75歳とされているところが多くなっています。
そのためここでは70歳でがん保険に加入すると想定して、実際にがん保険の保険料をシュミレーションしてみましょう。下記の表では、70歳の男性の場合ですが、それぞれで保障内容などは設定してある最低の条件でシュミレーションしたものです。そのため、払込期間などはそれぞれで違ってきます。
保険料 | |
---|---|
保険A | 5,245円 |
保険B | 5,488円 |
保険C | 6,496円 |
保険D | 7,008円 |
保険E | 10,635円 |
保険F | 18,857円 |
一例ではあるものの、掛け捨てがん保険で毎月これだけの保険料を支払っていくには、リスクが大き過ぎるのではないでしょうか。
ただ上記の表では保障内容はどれも同じではありませんが、最低の保障だけでは頼りないと思われるのなら、これ以上の保険料となるでしょう。たとえ75歳まで加入できるとはいえ、年金収入だけでこの保険料を補っていくのはおすすめできません。
こうして見てみると、結果的には高齢者にがん保険の必要性は低いと言えるのではないでしょうか。
③年金による安定した収入がある
高齢者にがん保険の必要性が低い理由の3つ目は、年金による安定した収入があるということです。
がん保険を勧める際には、貯蓄が無かったり、貯蓄に手をつけたくないとか貯蓄額が充分でない場合が多いはずです。そのためもしもがんになれば当然主となる収入がなくなってしまい、生活費と医療費の両方を負担しなければなくなります。そんな場合にがん保険に加入していれば、医療費と当分の生活費両方のサポートができるくらいの給付金が保障されています。
けれども高齢者の場合は、先ほども述べましたがたとえがんになったとしても年金がストップするわけではありませんし、減額されることもありませんので、入院して治療を行っていても安定した収入を見込むことができます。
そう考えると、無理にがん保険に入らなくても医療費分を貯蓄しておけば、高額療養費による限度額までぐらいなら特に問題なく支払うことができるはずです。
安定した年金収入があることで、がん保険の必要性は低いということが言えるはずです。
70代以上の方が知っておくべき公的医療制度2つを紹介
ここでは、70代以上の方が知っておくべき公的医療制度について紹介していきます。
- 高齢者医療制度
- 高額療養費制度
①高齢者医療制度
一般的に高齢者というと65歳以上の方を指していますが、日本の医療制度は次のように分けられています。
一般・低所得者 | 医療費負担割合 | |
---|---|---|
70歳〜74歳 | 前期高齢者 | 2割 |
75歳以上 | 後期高齢者 | 1割 |
現在70歳以降は上記の表の通りで、69歳以下の人の場合よりも医療費の負担割合が軽減されています。ただし、65歳を超えても現役並の所得がある人は、たとえ70歳を超えても69歳以下と同じように3割負担となります。
65歳以上になると退職して所得が下がって医療費が高くなる年代になるため、政府が医療費の負担を下支えしていますが、高齢者医療制度は、制度の改正がたびたび実施されています。
そのため現在の高齢者医療制度では、対象者には健康保険証と別に高齢受給者証が発行されます。対象者の70歳の誕生日前に送られてきますが、この高齢受給者証には医療費の自己負担割合と期限などが明記されています。
②高額療養費制度
高額療養費制度は、高齢者だけでなく公的保険に加入しているすべての国民が利用の対象となっています。
ただ通常外来のみで医療機関を利用している場合はあまり馴染みがないはずです。ところが入院などをされるとき、医療機関から高額療養費制度を申請してくださいと言われる場合が多いと思います。
これは、月の始めから終わりまでの1ヶ月間で医療機関や薬局で支払った金額が上限額を超えた場合に、超えた分の金額を支給してもらえるという制度となっています。そのため、高齢者に限らずびっくりするような医療費を支払わなくても良いということになります。
70歳以上に関しては、先で述べたように医療費の負担割合が軽減されています。では、高額療養費制度を利用するとどのくらいの負担割合になるのでしょうか。
年収 | 月単位の上限額(外来) | 月単位の上限額(入院等) |
---|---|---|
住民税非課税(所得が一定以下) | 8,000円 | 15,000円 |
住民税非課税 | 8,000円 | 24,600円 |
一般(〜年収約370万円) | 14,000円 | 57,600円(多数回の場合44,400円) |
現役並みの所得者(年収約370万円〜) | 57,600円 | 80,100円+(医療費ー267,000)×1%(多数回の場合44,400円) |
70歳以上でもがん保険が必要と考えられる理由
ここまでは70歳以上になるとがん保険の必要性は低いということを解説してきましたが、ここからは、70歳以上となってもがん保険は必要だと考えられる理由を見ていきましょう。
- 先進医療・自由診療などの高額な治療を不安なく受けたいから
- 医療費で生活費など貯蓄分が削られるのを防ぎたいから
- 70歳以上になるとがんの罹患率も高くなるから
①先進医療・自由診療などの高額治療を経済的な不安なく受けたい
70歳以上でもがん保険が必要と考えられる理由の1つ目は、先進医療・自由診療などの高額な治療を経済的な不安なく受けたいということです。
70代や80代になって進行性の悪性がんに罹ってしまったら、たとえ進行がゆっくりだとしても医師と相談しながら自分に最適な治療を見つけていくはずです。
その場合に、先進医療や自由診療に耐えられるほどの貯蓄が無かったり、公的医療保険以外には保険に加入していないとなると、経済的な面で不安となってしまい自分の受けたい治療も受けられなくなってしまいます。
貯蓄額は充分にあるからという人でも、先進医療や自由診療を受けるとなると、公的医療保険での適用が無くなるため、全額を支払わなければなりません。治療方法によっては何百万ということも考えらます。
がん保険に加入していればすべて保障で賄うことができるかもしれません。それを考えると高齢者でもがん保険の必要性はあるということが言えます。
②医療費で生活費・貯蓄が削られるのを防ぎたい
70歳以上でもがん保険が必要と考えられる理由の2つ目は、医療費で生活費・貯蓄が削られるのを防ぎたいということです。
先ほども少し述べていますが、たとえばがんになって医療費を貯蓄で賄うこととしましょう。余裕があると思っていても先進医療や自由診療を選択すれば、多額の金額が必要になります。人は貯蓄額が多ければ多くなるほど、お金が実際に目減りしていくことに耐えられなくなるそうです。
あなたはどうでしょうか。老後資金として何千万円も貯蓄があったにもかかわらず、がんになったために半分以上のお金が医療費などに使われることに耐えられるでしょうか。
さらに普通に夫婦2人で生活していく分には特に困ってもいないし、年金と貯蓄で趣味や旅行に行けるぐらいの余裕があったとします。けれども70代を超えてがんになってしまったら、夫婦の生活は一変してしまいます。生活費も今までのようにはいかなくなり、必要以上に家計が圧迫されてしまうことも考えられます。
③70歳以上の高齢者はがんの罹患率が高い
70歳以上でもがん保険が必要と考えられる理由の3つ目は、70歳以上の高齢者はがんの罹患率が高いということです。
以下の表は、2017年の厚生労働省の「全国がん登録報告書」から人口10万人に対しての全部位のがんの罹患率です。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
60代 | 3271.6% | 1891.3% |
70代 | 6121.8% | 2706.2% |
80代 | 7764.6% | 3501.5% |
90代以上 | 10955% | 5727% |
このように、年齢を重ねるごとにがんになる確率も増えてきていることがわかります。ただがんの場合罹患する部位によって、60代から急増していたりするがんもあります。
若い方でがんに罹患する人もいらっしゃいますが、一般的に高齢者のがんの発症率は長く生きれば生きるほど高まってきています。身の回りの物を見ればわかるように、長く使っていればいるほどガタがくるものですよね。人間もそれと同じで、体の中の遺伝子が年齢とともに徐々に傷がついていき、蓄積されていった結果がんとなってしまうのです。
70歳以上で持病があっても入りやすい保険2種類を紹介
若い頃から持病を持っているという方は比較的保険に入っていない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。自分が若い時には入れなかった保険でも、70代になった今なら加入できる保険も存在しています。
- 引受基準緩和型保険
- 無告知型保険
①引受基準緩和型
持病があっても入りやすい保険の1つ目は、引受基準緩和型の保険です。
引受基準緩和型の保険では、まず3つの告知事項すべてにおいて「いいえ」を答えられる状態でなければなりません。
- 3ヶ月以内に医師から入院・手術・検査をすすめられているか
- 過去2年以内に病気やけがで入院・手術を受けているか
- 過去5年以内にがん・肝硬変・統合失調症・認知症・アルコール依存症で医師の診察・検査・投薬・治療を受けたことがあるか
また引受基準緩和型の保険には、医療保険やがん保険のほか定期保険もありますので、持病があるからと今まで保険をあきらめていたという方も、検討してみてはいかがでしょうか。
さらに最近では保険会社や保障内容によっては、たとえ引受基準緩和型の保険であっても1,000円台から加入できる保険もありますので、この機会に見直しを考えてみても良いでしょう。
②無告知型
持病があっても入りやすい保険の2つ目は、無告知型の保険です。無告知型の保険は、告知がありませんので、どなたでも加入できる保険となっています。
告知がなくても希望した保障が手に入るとなると、さすがに保険料は割高になるはずですし、さまざまな条件が設定されています。
特に無告知型の場合は、保険期間が短いものが一般的となっていて、無告知型の多くが持病や治療中の病気などに対しては保障が対象外となっています。
さらにがん保険や医療保険では多くの条件が設定されていますが、無告知型の生命保険の中でも死亡保険なら70代でも掛金が決まっているタイプのものなども存在しています。
70代になりこれから保険を検討するなら、新規に病気をした場合の保障や死亡保険なら自分で選択することができるでしょう。
高齢者ががん保険の加入を検討する際の選び方
高齢者ががん保険の加入を検討する際には、何を重視してどのような選び方をすれば良いのでしょうか。
- 公的医療保険・収入・貯蓄とのバランス
- 現在加入している保険の保障内容
- 想定できるライフイベントに合わせて必要な保障を考える
- 加入条件
①公的医療保険・収入・貯蓄とのバランス
70代ともなると、60代で仕事をしていたという人も徐々に退職して年金収入となる方が多いのではないでしょうか。
公的な医療保険料を年金から差し引かれている場合、保険料を別に支払っていないためそこまでお金がかかっているイメージではないでしょう。
そのため70代になると年金収入がいくらくらいあって、貯蓄がどれくらいあって、毎月これくらいなら使っていけるという配分が各世帯でできているはずです。
そしてこれぐらいは医療費に除けておくとか、今後のための貯蓄など、家計のやりくりを見直している方も多いはずです。
もしも貯蓄が少なくて医療費への不安や心配があるのなら、収入と貯蓄のバランスを考えて、無理のない程度で必要な保障のみを検討してみてはいかがでしょうか。
②現在加入している保険の保障内容
70代の方の中には加入していた保険がもうすでに満期となってしまっていたり、更新するかどうか迷っている方もいらっしゃるでしょう。そして現在も保険に加入している方は多くいらっしゃると思います。
そんな方には、ぜひ現在加入している保険の保障内容を確認して、今もしも自分ががんになったりすれば、どのような保障が受けられるのかを今一度整理しておくことをおすすめします。
70代や80代になった今こそ、この保険が今の自分に必要か不必要なのかということがわかるのではないでしょうか。どうしてもこの先も不安でがん保険の必要性が自分にはあると思われるなら、躊躇せずにがん保険は残しておくなど、一つずつ考えてみてください。
③想定できるライフイベントに合わせて必要な保障を考える
また70代ともなれば今後予想できるライフイベントに合わせながら、自分に必要な保障を考えてみるのも良いでしょう。
70代ともなると老後の時間を満喫していらっしゃる方も多いと思いますが、今後に起こりうる出来事を想定しながら、自分に必要な保障を考えておかなくてはなりません。
今は年金収入だけで十分暮らしていけて、まだ貯蓄には手を付けることもなく暮らしていけているという方も、がんなどの病気になる可能性もありますし、介護を受けなくてはならなくなることもあるでしょう。
そうした病気や介護に対しての不安などに備えるために、もしもがんになったら、もしも介護生活になってしまったらと考えながら、自分に必要な保障を見つけていきましょう。
④加入条件
70代になると保険の必要性が低いとも言われていて、実際にがん保険への加入条件も70代ともなると厳しくなっていることも事実です。
特にがんの罹患率は年齢が高くなればなるほど高くなりますので、70歳で加入できたとしても保険料は高くなってしまうでしょう。
そのため高齢者ががん保険の加入を検討する際にはまず、
- 加入できる年齢かどうか
- 自分に必要な保障があるかどうか
- 保険料は家計を圧迫するものではないか
- 持病があっても加入できるのか
こうして一つ一つ確認しながら選択していくことができれば、お得にがん保険に加入することができるはずです。
まとめ:70代・高齢者のがん保険の必要性について
70代以上の高齢者のがん保険の必要性はあるのか、そして高齢者にとってがん保険は必要なのかを解説してきました。
その結果がん保険の必要性に関しては自分自身がどう考えるか、そして収入や家計の状況または医療費の負担割合によっても大きく変わってくることがわかったはずです。
ただし70代からのがん保険は保険料が高くなるため、保障と保険料のバランスや公的医療制度の保障などについてもよく考えて検討することが大切です。
公的な医療保障で賄えるのであれば、無理にがん保険に加入しなくても良いことなので、自分自身の今の生活状況や保険の加入状況なども確認することから始めてみましょう。
それでも迷ってしまったり、この保障だけは備えておきたいと思われる方は、マネーキャリアの無料保険相談を利用して、今の自分に合ったがん保険を見つけてみてはいかがでしょうか。
マネーキャリアならオンラインで気軽に相談することもできますし、何度相談しても無料なので気兼ねなく相談することができるでしょう。
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