火災保険と火災共済の違いとは?火災保険と火災共済を徹底比較

火災保険と火災共済を比較すると、共済は掛け金が安く割戻金があるというメリットがありながら、保障内容がカスタマイズできないというデメリットが存在します。火災共済には地震保険がなく、地震の特約を個人で付帯する必要があるため注意が必要です。今回は、火災保険と火災共済の違いについて解説します。

火災保険と火災共済の違いとは?

火災保険を選ぶ際に保険会社の火災保険と共済の火災共済のどちらを選ぶのが良いのか、迷っている方は多いかもしれません。


共済は営利が目的ではないため、掛金が安くお得です。


しかし、その一方で火災共済には注意すべき点があるのはご存知ですか。


火災共済に加入してから火災保険とは異なる点に気がつき慌てるのは避けたいものです。


そこで今回は「火災共済の特徴とメリット・デメリット」について

  • 火災保険との違い
  • 火災共済のメリット・デメリット
  • 火災共済の保障内容
  • おすすめの火災共済
以上のことを中心に解説していきます。                                                   
 

この記事を読んでいただければ、火災共済の基本的知識および注意点を知ることに役立つと思います。  
                       
ぜひ、最後までご覧ください。 



火災共済とは

火災共済とは建物や建物内の家財道具が、火事、落雷、破裂、爆発などによって被害を受けた場合に、その損害を保障する制度です。


保障の内容は火災保険と同じですが、制度仕組みが異なっています。火災共済は特定の地域や職場にいる人たちが、火災による被害が起きた時に仲間内で助け合うための制度です。


あくまでも特定のグループに属する人たちの助け合いのために作られた保障の仕組みであり、不特定多数の人々から保険料を集めて火災被害に対応することを目的とした火災保険とは設立の趣旨が異なっているのです。


なお、現在では火災だけではなく風水害や地震による被害も保障する共済が主流となっています。

火災保険と火災共済の違い

火災保険と火災共済は呼び方が違うだけで中身の違いはないのではないか。そのようなことを考える方は多いことでしょう。しかし、両者には大きな違いがあります。


たとえば火災共済のほうが掛け金は安くなっています。しかし補償のバリエーションの多さという点では火災保険のほうに軍配があがるのです。


その理由として、両者の間には制度を運営している主体と契約の対象としている契約者が違っていることがあげられています。そのことが両者の商品内容の違いとなって表れているのです。


そこでここからは両者の違いを次の3つに分けてさらにくわしく解説していきます。

  1. 運営母体とスタンス
  2. 契約の形態
  3. 契約の対象者

違い①運営母体とスタンス

火災保険の運営主体は民間の保険会社、対するに火災共済の運営主体は特定の法律に基づいて設立された公益法人となります。


両者の大きな違いは民間の保険会社が営利事業を目的とした組織であるのに対して、共済は営利を事業目的としていない点です。


営利を目的としている保険会社は事業発展のために市場の動向を注視して様々な保険商品の開発を進めていきます。サービス内容も充実させ、国内国外を問わずより多くの顧客獲得をめざしているのです。


しかし共済は営利を目的としていないため、市場動向を見据えた商品の開発やサービスの展開といった点で保険会社ほどの規模をもちません。また共済では特定のカテゴリーに入る人々を対象としているため、商品開発やサービス提供などは保険会社と比較して限定的なものになる傾向がみられます。


共済の掛け金が割安なのもこの理由からといわれています。

違い②契約の形態

火災保険不特定多数の顧客に対して保険商品の販売を行います。個々の顧客の年齢や性別、家族状況は異なるため、それに応ずるために商品の数も増えていきます。いわば、個人の状況に応じて補償の内容が決まるのです。保険料もその人の抱えるリスクに応じて決まることとなります。


リスクが高い人の保険料は高くなり、低い人の保険料は安くなるというのが火災保険といってよいでしょう。


これに対して火災共済は顧客の所属している組織や地域といった限定された範囲のなかで保険事業を行っています。いわば、個人としてではなく、その人が属する集団がもつリスクを一括りにして保障の内容を決めているのです。


そのため、保障の内容は集団の属性に応じた画一的なものとなりますが、掛け金は火災保険と比べて安くなります。


限定された社会集団のなかでリスクを分散することで互いを支えあうのが火災共済といえます。

違い③契約の対象者

火災保険が対象としているのは先述のように不特定多数の顧客となります。法人や個人の違いだけではなく、国内、国外の別も関係ありません。保険会社のなかには海外で事業を展開しているところも多くあり、契約の対象者を広く求めていることが見て取れます。


これに対して火災共済が対象とするのは、農業や水産業といった職業に従事する人、あるいは各都道府県などの特定の地域に居住する人、といった特定カテゴリーに含まれる個人や法人に限られます。


具体的には特定の地域や団体に属している人がその組織の組合員になることによって共済に加入する権利をもつこととなります。


ただし、簡単な手続きで組合員になることができる共済も多く、契約の対象者という意味では火災保険、火災共済の間に違いはないというのが現状です。

火災共済のメリット・デメリット

火災共済のメリットは次の点です。

  1. 掛け金の安さ
  2. 割戻金がある
火災共済では保障の対象と内容とを限定してリスクを下げ、それによって掛け金を安く抑えています。また、営利事業ではないため、利益分は加入者に還元することになっているのです。

反対に火災共済のデメリットには次の点があります。
  1. 保障内容が加入者の状況に関わりなく一律
掛け金が安い理由の裏返しとして、火災共済は保障を一律としています。そのため、保障内容は画一的であり加入者が自由にカスタマイズできません。

火災共済のメリット

火災保険は営利を目的とした保険会社が販売しています。


しかし、火災共済は、非営利団体が取り扱う補償で、非営利ならではの利点があります。


掛金が非常に安い


火災共済は、何より掛金の非常に安い点がメリットとしてあげられます。


毎月の掛金は、建物と家財を共に保障対象とするか、建物が木造か鉄骨造かでも金額に差が出るものの、概ね次のような家計にやさしい金額となります。

  • 建物(木造等)58坪以上、住宅保障額4,000万円→毎月の掛金2,800~3,000円
  • 建物(鉄筋コンクリート造)58坪以上、住宅保障額4,000万円→毎月の掛金1,680~2,000円
  • 家財(木造等)家財保障額2,000万円→毎月の掛金1,400~2,000円
  • 家財(鉄筋コンクリート造)家財保障額2,000万円→毎月の掛金840~1,000円

割戻金制度がある


この制度は、毎年度決算において剰余金が生じたならば、利用分量に応じ共済加入者に剰余金が還元される仕組みです。

火災保険を取り扱う保険会社には無い制度です。

ただし、年間数万円単位で戻ってくる金額というわけではありません。

1,000円程度が口座に振り込まれていれば、ラッキーと思った方が良いでしょう。

火災共済のデメリット

火災共済は保障範囲が火災、風水害、落雷、盗難被害等と非常にシンプルに設定されています。


わかりやすいという意味では利点なのですが、基本的に共済加入者全員が同じプランになります。


そのため、「私の家は小高い丘にあるので、水災の保障は要らない」と、内容を変更することはできません。


一方、保険会社の火災保険は補償内容、特約の種類の豊富な点が特徴です。


そのため、火災保険の場合、ご自分の必要に応じて補償を手厚くしたり、不要な補償を外したり、細かくカスタマイズすることができます。


火災共済の保障内容と保障対象

火災共済の基本的な保障内容は、保険会社が取り扱う火災保険と大きくは異なりません。


火災・自然災害の被害で補償される火災保険金が、共済金と名前を変える程度です。


基本的な保障内容は次の通りです。

  • 火災等共済金火災やもらい火、破裂・爆発等でご自分の建物・家財が損傷した時に下りる共済金です。
  • 住宅災害等共済台風や暴風雨、洪水、雪崩、高潮等の被害でご自分の建物・家財が損傷した時に下りる共済金です。
それぞれの共済金は、全焼損または全損壊・流出、半焼損・半壊、一部焼損・一部壊の区分によって、それぞれ下りる共済金額が異なります。

火災共済の共済金支払い例

火災共済では火災の他に台風などの水災も保障されます。そこで、ここでは建物に対する火災および水災の支払い例を紹介します。


たとえば、共済金が2,000万円の木造一戸建て住宅の場合は次の通り。また被害の際、緊急な出費にあてるための臨時費用共済金が支払われます。


火災 

全焼(被害が70%以上)
  • 火災等共済金  : 最高で2,000万円
  • 臨時費用共済金 :     200万円
半焼(被害が70%未満)
  • 火災等共済金  : 共済金額を限度とした再取得価額
  • 臨時費用共済金 : 火災等共済金の15%(200万円まで)

台風などの風水災 

全壊(被害が70%以上)
  • 風水害等共済金 : 300万円(1口につき3万円。300万円まで)
  • 臨時費用共済金 : 45万円
半壊(被害が20%以上70%以下)
  • 風水害等共済金 : 150万円(1口につき1,5万円。150万円まで)
  • 臨時費用共済金 : 22,5万円

風水災についてはこの他にも敷地内の物置や納屋などが損傷した場合に1世帯2万円が支払われる附属建物等風水害共済金があります。

注意:火災共済は地震保険が契約できない

保険会社が取り扱う火災保険の場合、地震保険を希望する時には当該火災保険とセットで加入する必要があります。


また、保険会社が取り扱う地震保険の場合は、補償内容も補償金額も一定です。


地震保険金に関しては一律、火災保険金の30%~50%という金額設定になっています。


しかし、各共済の取り扱う地震保障は補償内容に差があります。


例えば都道府県民共済の「新型火災共済」の場合は、「地震特約」という形で火災共済へセットします。


この新型火災共済の地震特約の場合は、「住宅」「家財」の申込保障額(合計額)15%分が地震等基本共済金として下りることになります。


また、全労済・コープ共済の場合は「自然災害共済」として、地震も風水害や盗難等と共に保障対象の範囲内となっています。


このように各共済によって、地震に関する保障の扱い方がそれぞれ異なります。


おすすめの火災共済を紹介

こちらでは、次の通りおすすめの共済を紹介いたします。


各共済とも、掛金が安く、基本保障は申し分のない商品ばかりです。なかには火災や風水害にとどまらず自宅での火事によるケガや死亡を保障するものもあります。


火災共済を選ぶ際の参考にしてください。

  1. コープ共済の火災共済+自然災害共済
  2. 全労済自治労共済の住まいる共済
  3. JA共済の建物更生共済
  4. 警察職員生活協同組合の新火災共済

コープ共済の火災共済+自然災害共済

コープ共済の場合は、火災や爆発等を保障対象にする火災共済と、地震・風水害・盗難等の保障を強化する自然災害共済に分かれています。


そのため、火災共済のみの加入は可能で、地震・風水害を強化した保障を加えたいならば自然災害共済とセットでの加入も可能です。


基本的な保障の範囲・保障額は次の通りです(600口の場合)。

  • 火災共済:火災等最高保障額6,000万円、風水害等最高保障額300万円
  • 自然災害共済:風水害等最高保障額4,200万円(大型タイプ)、地震等最高保障額1,800万円(大型タイプ)

全労済自治労共済本部の住まいる共済

住まいる共済の場合も、基本的な火災共済と、地震・風水害等の保障を強化する自然災害共済に分かれています。 


基本的な保障の範囲・保障額は次の通りです(600口の場合)。 

  • 火災共済:火災等共済金最高6,000万円、風水害等共済金最高300万円 
  • 自然災害共済:風水害等共済金最高4,200万円(大型タイプ)、地震等共済金最高1,800万円(大型タイプ)

JA共済(農協)の建物更生共済

「建物更生共済 むてきプラス」は、火災・自然災害の他、契約した建物で発生した被害でご自分・家族が死傷した場合も共済金が下ります。


また、共済の保障期間満了時に、満期共済金を受け取ることも可能です。


基本的な保障の範囲・保障額は次の通りです(火災共済金額1,500万円の場合)。 

  • 火災等:限度額1,500万円
  • 台風等:限度額1,500万円
  • 地震等:750万円×損害割合
  • ケガ・死亡:死亡の場合450万円、後遺障害の場合225万円~450万円、治療の場合1人限度額30万円
  • 満期:50万円+割りもどし金

警察職員生活協同組合の新火災共済

この新火災共済は、火災等の補償(火災共済金)、風水害のような災害等の補償(災害共済金)、地震等の補償(地震共済金)、盗難の補償(盗難共済金)が設定されています。


この4つの補償金額はそれぞれ次の通りです。

  • 火災共済金:(建物)最高4,000万円、(建物に収容されている動産)2,000万円
  • 災害共済金:(建物)最高2,800万円、(建物に収容されている動産)1,400万円
  • 地震共済金:30%コース(建物)最高1,200万円・(建物に収容されている動産)600万円、20%コース(建物)最高800万円・(建物に収容されている動産)400万円
  • 盗難共済金:(建物)最高80万円、(動産)40万円

注意:火災保険と火災共済の重複加入(二重加入)に要注意

火災保険と火災共済の二重加入(重複加入)は、次のような場合に可能です。

  • 以前から火災保険または共済に加入していたが、増改築した部分には他社の火災保険(共済)へ加入した
  • 現在の火災保険(共済)で不足している補償金額を別の火災保険(共済)で補った
  • 建物の火災保険(共済)と、家財の火災保険(共済)で保険会社を分けた
火災保険の火災共済も、災害や事故によって受けた損失を補填するための商品です。

そのため、十分な損失の補填を行うための二重加入は認められます。


ただし、火災保険(共済)を複数契約して、契約した保険会社から、それぞれ設定した火災保険金が単純に受け取れるわけではありません。


例えば時価3,000万円の家が全焼した場合、最高でも3,000万円しか保険金を受け取れないということです。


「火災保険金で儲ける。」ということはできないで注意しましょう。

まとめ:火災保険と火災共済を比較して自分に合う方に加入しよう

火災共済の特徴とメリット・デメリットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。  

                       

今回の記事のポイントは

  • 火災保険と火災共済とでは運営主体と契約対象としている人が異なる
  • 火災共済のほうが掛け金が安く、割戻金があってお得感がある
  • 火災保険のほうが補償内容を自由にカスタマイズできる
  • 火災共済と火災保険とでは基本的な保障内容はほぼ同じだが、保障額が異なる
  • 火災保険との重複加入に注意
でした。

火災共済は内容がシンプルで負担も少ないので、家計にやさしく基本的な保障部分を備えておきたい人に最適です。その反面、地震に対する保障が火災保険に比べて低くなっています。地震災害への備えも重視したい方は火災保険への加入を検討するのもよいでしょう。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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