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自賠責保険と労災保険はどちらを優先すべき?ケースごとに解説

自賠責保険と労災保険には優先順位があるのでしょうか?この記事では、両者の補償内容などについて解説した後、ケースごとに優先すべき請求先について説明しています。これら2つの保険は重複して保険金請求をできないので、この記事を読んでしっかり比較検討しましょう。

自賠責と労災は請求先が自由に選べる!どちらを優先すべきか解説

交通事故に遭い自賠責保険と労災保険のどちらかを請求することになった、ということも突然起きるかもしれません。

交通事故と言えば自賠責保険への請求になるかと思いますが、その事故が通勤中や業務中であれば労災保険も関わってきますよね。

しかし、自賠責と労災のどちらを優先して請求すればいいのか、そもそも自賠責と労災の補償の違いが何なのか分からない方も多いことでしょう。

そこでこの記事では、『自賠責保険と労災保険のどちらを優先して請求するべきか』について
  • 自賠責保険と労災保険についての解説
  • 自賠責と労災の補償範囲について
  • 交通事故の場合、自賠責と労災のどちらを優先すべきか
以上を中心に解説していきます。

この記事は、自賠責保険と労災保険の違いを知りたい、そして、もしもの事故のときにどちらを優先して請求すればいいのか知りたい方のお役に立てるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

自賠責保険と労災保険について解説

自賠責保険と労災保険は仕事をしたり車を運転する上でよく耳にする保険ではあります。

しかし、それぞれの保険の補償内容や補償金額はご存知でしょうか?

そこで、『自賠責保険』と『労災保険』について補償範囲などを解説していきます。

自賠責保険の補償範囲

自賠責保険とは、自動車や原動機付自転車を運転中に他人にケガをさせたり、死亡させてしまったりした際の対人賠償を補償する保険です。

自賠責保険で補償される保険金額は法律によって以下のように定められています。
損害の範囲保険金限度額
傷害による損害治療費・休業損害・慰謝料等最高120万円
後遺障害による損害慰謝料等障害の各級による
第1級:最高3000万円
第2級:最高75万円
死亡による損害葬儀費・慰謝料等最高3000万円


そして事故による対物賠償事故(建物や他人の所有物・車や二輪自動車など)、自身のケガ自動車の損害には補償を適用できないので注意が必要です。

労災保険の補償範囲

労災保険とは、労働者が通勤中や業務中にケガや障害状態になったり、病気になったり、死亡してしまった場合に、その損害を補償し保険金が支払われるようになっています。

そして労災保険を受けられる労働者とは、正社員やパート、アルバイトや派遣など雇用形態に関係なく、労働者はだれでも労災保険の適用者となります。

それでは、労災保険には保険給付の種類がいくつかありますので、解説していきます。
  • 療養(補償)給付・・・病院等での療養費の支給
  • 休業(補償)給付・・・4日以上療養のために働くことができない場合に給付基礎日額の6割を支給
  • 傷病(補償)給付・・・療養開始後1年6ヶ月経過しても傷病が治らず、なおかつ傷病等級1~3級に該当する場合に給付基礎日額の313~245日分を支給
  • 障害(補償)給付・・・身体に一定の障害が残った場合に等級によって給付基礎日額を支給
  • 介護(補償)給付・・・かかった介護費用を支給
  • 遺族(補償)給付・・・労働者が死亡した際、遺族に対して遺族(補償)年金または遺族(補償)一時金を支給
  • 葬祭料または葬祭給付・・・葬祭費用として315,000円と給付基礎日額30日分を合わせた金額または給付基礎日額60日分のうちどちらかの高い金額を支給
  • 二次健康診断等給付・・・定期健康診断等で数値に以上が合った場合に受ける二次健康診断と特定保健指導を現物給付
以上が労災保険による保険給付となり、給付の名称が“業務災害”と“通勤災害”で異なります

業務災害の場合、給付名に補償が付きます。

自賠責と労災の併用はできないので注意

自賠責保険と労災保険は保険の名称も異なりますし、どちらの保険からも重複して補償が受けられるかのように思われがちですが、自賠責と労災は併用することはできません

しかし補償項目が被らない部分に関してはどちらの保険にも請求することができます

例えば、休業(補償)給付に対し自賠責保険から給付を受けていても、労災保険からも、ある給付金が受け取れるのです。

労災保険から支給される休業に対する保険金の内訳とは「給付基礎日額6割と休業特別支援金2割」となります。

この労災保険の「給付基礎日額6割」は自賠責保険と重複して請求することはできませんが、「休業特別支援金2割」は労災保険から別途受け取ることができるのです。

自賠責保険と労災保険は重複して請求することはできませんが、補償項目が被っていない保険金は請求可能であることを覚えておきましょう。

自賠責と労災は交通事故の場合どちらを優先すべきか

ここまで自賠責保険と労災保険の補償範囲についての説明と、この二つの保険は併用して使えないことをお伝えしてきました。

しかし、いざ交通事故に遭った際にどちらの保険を優先して使うべきか悩みますよね。

法律上、自賠責保険と労災保険のうちどちらかを優先して請求しなければならないという決まりはありません。

そして自賠責と労災、どちらを優先して請求するかは自身で決めることができるのです

それでは、どちらの保険を優先するべきか、『自賠責保険』『労災保険』それぞれのケース別に解説していきます。

通常は自賠責保険を優先した方がよい

通勤中や業務中での交通事故の場合、一般的には『自賠責保険』を優先するべきと言われています。

しかし、実際は事故の状況などにより自賠責保険を優先するよりも、労災保険を優先した方がいいという場合もあります。

それでも一般的に自賠責保険を優先するべきと言われる理由は、給付金のうち“休業補償額”が自賠責保険の方が高額となり、また自賠責保険請求後も労災保険の“休業特別支給金”を後から申請することができるからです。

相手が任意保険未加入の場合や自分の過失割合が多いなら労災保険

それでは、労災保険を優先して請求すべきケースはあるのかと言いますと、以下のような場合には労災保険を優先した方がいいでしょう。

  • 自身の事故の過失割合が場合・・・交通事故での過失割合が大きい場合、自賠責保険の保険額が減額されるため
  • 事故車両の所有者が運行供用責任を認めない場合・・・自賠責保険とは車の所有者の事故に対して補償をするものですから、その車が盗難車であった場合や所有者の許可なく運転されていた場合には自賠責保険への請求は難しくなるため
  • 相手が無保険者または対人補償が十分でない場合・・・事故の相手が無保険の場合、自賠責保険での請求はできませんし、また任意保険のみの加入者の場合、対人補償額が十分ではない可能性があるため
一般的に通勤中や業務中の交通事故では『自賠責保険』を優先すべきとお伝えしましたが、上記のような場合には『労災保険』を優先して保険請求をしましょう。

まとめ

通勤中または業務中の交通事故野場合、自賠責保険と労災保険のどちらを優先するべきかについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

この記事のポイントは、
  • 自賠責保険と労災保険の補償範囲
  • 通常は自賠責保険を優先すべき
  • 相手が無保険など、ケースによっては労災保険を優先すべき
以上です。

仕事柄車を運転するという方も多く、また、仕事のために出掛けていたり、通勤中に思わぬ事故に遭うこともあります。

そんな時にしっかりと補償が受けられるよう、『自賠責保険』と『労災保険』の補償範囲や保険請求の優先順位をきちんと確認しておきましょう。

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