更新日:2018/06/26
自賠責保険の途中解約には条件がある!?注意点について解説
自賠責保険の途中解約なんて簡単でしょ?実は、自賠責保険の途中解約には、皆が意外と知らない条件がいくつかあります。この記事では、自賠責保険の途中解約についての条件、解約返戻金に関する必要書類や注意点等を詳しく解説しています。
目次を使って気になるところから読みましょう!
自賠責保険の途中解約について解説!
今まで乗っていた自動車を譲渡したり、廃車したりする時に、このようなことを考える人は多いでしょう。
しかし、任意の自動車保険と違って、法律で加入が強制されている自賠責保険の途中解約は難しいのではないだろうか、と心配になることはありませんか?
そこで、この記事では自賠責保険を途中解約する場合の注意点を次の3点に分けて解説します。
- 途中解約できる条件
- 解約返戻金を受け取る手続き
- 解約返戻金の額についての注意
また、自賠責保険の途中解約に関連して、中断証明書の発行による任意保険の無事故等級の引き継ぎについても解説します。
この記事を読んでいただければ、自賠責保険を途中解約する場合に役立つことでしょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
自賠責保険は加入義務があるため、”理由なく解約できない”
そのため、自動車を運行する者は必ず自賠責保険への加入が義務付けられており、違反者には罰則が科されています
自賠責保険を解約する場合にも、一定の条件があり、それをクリアしなければ解約ができません。
なぜなら、仮に自動車の所有者が好きな時に解約ができるようであれば、無保険車が路上を走行するリスクが高まります。
結果、交通事故の被害者が補償を受けられない可能性が高くなってしまうからです。
そうなってしまっては、交通事故の被害者救済を目的とした「自動車損害賠償保障法」制定の主旨が活かされなくなります。
そのようなことのないように、自賠責保険は、理由なく解約できない、こととされているのです。
自賠責保険を途中解約が認められる”条件”
自賠責保険を途中解約する場合には法律で定められた条件を満たさなければなりません。
その条件は「自動車損害賠償保障法」第20条の2に規定されています。
具体的には次の4点です。
- 自動車が適用除外車両となった場合(適用自衛隊関係除外車両とは、自衛隊関係の車両、日本国内のアメリカ軍または国連軍関係の車両、構内専用車両をいう)
- 告知義務違反による場合(告知義務違反とは、正しい自動車の登録番号または種別を告知せずに契約したものをいう)
- 自賠責保険が重複して契約された場合
- 国土交通省令で定める場合
以上の4つの条件のうち、いずれか1つを満たしていなければ、自賠責保険の途中解約はできません。
自動車を廃車にした場合、自賠責保険の”途中解約が可能”
上記4の国土交通省令で定める場合とは、次の2点です。
- 車検の対象車が廃車等によって抹消登録を受けた場合
- 車検の対象でない車が使用を廃止し、ナンバープレートを運輸支局長等または軽自動車検査協会に提出した場合
いずれも所有する自動車の登録を抹消もしくは廃車した場合に、自賠責保険の途中解約が認められます。
上記で紹介した条件のうち、1については通常行われていることではありませんし、2についても同様でしょう。
また、3については、契約手続きのミスによるものです。
そのため、私たちが自動車を使用するなかで考えられるのは、4の国土交通省令で定める場合による途中解約といえるでしょう。
すなわち、自動車を廃車した場合に自賠責保険の途中解約が可能となるわけです。
自賠責保険途中解約の”一定の手続きで”未経過分の解約返戻金を受け取れる
ここではその点について解説します。
自賠責保険の途中解約は保険会社の営業所で行います。
その際に必要な書類は次の4点です。
- 加入している自賠責保険証明書
- 自賠責保険承認請求書(保険会社にあります)
- 保険契約者本人であることを証明できる書類(運転免許証、住民基本台帳カード等)
- 自動車を廃車したことが確認できる公的書類(原付バイクなど、登録が必要ない二輪車の場合には、ステッカー)
- 保険契約者の印鑑
- 解約保険料の振込先を記載したメモ
4の公的書類とは自動車の種別によって異なりますが、次にあげる書類のうち、いずれか1つです。
登録が必要な自動車の場合
- 解除事由証明書
- 登録事項等証明書
- 自動車重量税還付申請書付表1
- 一時抹消登録証明書
- 登録識別情報等通知書
- 輸出抹消仮登録証明書
- 輸出予定届出証明書
小型二輪自動車の場合
- 解除事由証明書
- 検査記録事項等証明書
- 自動車検査証返納証明書
- 輸出予定届出証明書
検査対象となる軽自動車の場合
- 解除事由証明書
- 検査記録事項等証明書
- 自動車重量税還付申請書付表1
- 自動車検査証返納証明書
- 軽自動車検査証返納確認書
- 輸出予定届出証明書
原付バイクの場合
- 解除事由証明書
- 軽自動車税廃車申告受付書
- 標識交付証明書
これらの書類を揃えて、保険会社に提出し、手続きを行います。
手続きは、郵送や代理人によって行うことも可能です。
代理人によって行う場合には委任状が必要となります。
その際の委任状の書き方や郵送による手続きについては、契約している保険会社に確認してください。
参考:自動車保険(任意)と自賠責保険の解約にあたる”書類は別物”なので注意
一方は国によって定められた強制保険であり、もう一方は民間の保険会社が運営する保険です。
そのため、解約に際して使用する書類はまったく別個のものとなりますので、注意してください。
任意保険で使用する解約書類を、自賠責保険の解約手続きに使用しても、手続きを進めることはできません。
その場合には、改めて自賠責保険の解約書類を提出し直さなければならず、余計な時間がかかってしまいます。
場合によっては、解約返戻金の額にも影響することとなりますので注意してください。
自賠責保険の途中解約について知っておくべきこと
その他に自賠責保険の途中解約について知っておくべきこととしては、解約の時期と解約返戻金の金額との関係があります。
また、自賠責保険の解約とともに任意保険の解約手続きを進める必要がありますが、その際には中断証明書の発行も検討しましょう。
中断証明書は、後日、自動車を購入して任意保険に加入する際、保険料の軽減を図るうえで欠くことのできない書類です。
以下、これら2点について解説します。
解約日が遅れるとそれだけで解約返戻金が少なくなる
未経過期間は月割となっているため、月が替わるごとに解約返戻金の額は少なくなります。
そのため、未経過期間が残り1ヵ月を切ってしまうと、解約返戻金は0円となってしまうのです。
また、自賠責保険の未経過期間は保険会社が解約書類を受理した日から計算します。
もしも、書類の不備などで、再提出となると、その分、時間がかかってしまいます。
書類の提出が月をまたいだ形になってしまうと、解約返戻金が少なくなってしまいます。
自賠責保険を途中解約する場合には、事前に保険会社に確認するなどして、余計な時間がかからないようにしましょう。
自動車保険の等級は家族に引き継げるので、中断証明書の発行も検討
中断証明書は、解約した時点での等級が、次に任意保険に加入する際に適用される効力を持った書類です。
適用される等級は、7~20等級で、有効期間は中断証明書の発行から10年間。
利用できる人は中断証明書記載の自動車の所有者、被保険者以外にその同居の親族が含まれます。
自分の無事故等級を、10年間は同居している家族に引き継ぐことができる証明書なのです。
中断証明書が発行できるのは、廃車などで自動車の登録が抹消されている場合や盗難などの場合に限定されます。
これまで解説してきたように自賠責保険を途中解約する場合には自動車の抹消登録が必要です。
そのため、任意保険の無事故等級が7~20等級であれば、中断証明書の発行が可能ですので、発行を検討するのもよいでしょう。
高すぎるバイク保険に加入していませんか?
バイクに乗っている方であれば、自賠責保険だけではなく、バイク保険(任意保険)にも加入しているのではないでしょうか。
自賠責保険だけでは賄えないたくさんの補償をしてくれるので、必ず入るべきですよね。
ただ、その保険料について見直したことはありますか?バイクを購入する時のショップで言われるがままに加入していたりしませんか?
実は、バイク保険は少し条件を見直すだけで年間の保険料が1万円近く安くなることがあるのです。
ただ、自分で多くの保険会社で見積もりをして比較するのは大変ですよね。
そんな時は一括比較サービスを利用してみましょう。一括比較サービスであれば、一度の入力で多くの保険会社の見積もりを取ってくれます。
しかも何度利用しても無料です。一度利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
自賠責保険の途中解約について解説しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
今回の記事のポイントは次の3点です。
- 自賠責保険の途中解約は自動車の廃車などの場合でなければできない
- 自賠責保険を途中解約した場合、所定の手続きをすれば解約返戻金を受け取ることができる
- 解約返戻金は未経過期間に応じて支払われるため、手続きは早く正確に行うことが必要
自賠責保険の途中解約にはいくつか制約がありますが、手続き自体は難しくありません。
ただし、解約返戻金の問題がありますので、必要書類の収集には注意しましょう。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。