更新日:2022/12/06
飛行機が遅延して旅のスケジュールが台無し…お願い、誰か補償して!
大事な旅行で飛行機の出発が遅延。そんなとき発生した損害を補償してもらうには、どんな方法があるのでしょうか。航空会社に補償してもらう方法、保険にあらかじめ入っておく方法。飛行機の遅延によるリスクを最小限に抑えるための、さまざまな手段をご紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 飛行機が遅延したときの補償ってどうなるの?
- 航空会社の補償は基本的には「補償なし」である
- 飛行機(航空会社)と旅客の契約は出発空港から到着空港までの旅客を運ぶことである
- 例外や特例などももちろん存在はするが絶対というものではない
- LCCなどの格安航空会社は一切補償しない場合がほとんどである
- 海外旅行保険に加入している場合にはどのような補償になるか
- 海外旅行保険のオプションにある航空機遅延費用に加入しておけば補償される
- 6時間以内の遅延、欠航、運休などで利用可能になる
- ただし全額を補償してくれるわけでなく2~3万円程度の補償になる
- まとめ:万が一、飛行機が遅延したときのことを考えて海外旅行保険にある航空機遅延費用を活用しよう
目次
飛行機が遅延したときの補償ってどうなるの?
そんなアナウンスにため息をつく人、苛立ちを隠せない人…
飛行機の遅延、本当に困りますよね。
飛行機というのは、他の交通機関と比べて天候などの影響を受けやすい上に、機体の状態に少しでも不安があれば運航できません。
そもそもが遅延しやすい乗り物といえます。
遅れが長くなると、スケジュールへの影響から思わぬ費用が発生することもあります。
こんなときに何か損害を補償してもらう手立てはないのでしょうか。
この記事では、飛行機が遅延したときの補償について説明します。
ぜひ最後までご覧ください。
航空会社の補償は基本的には「補償なし」である
しかし、原則として航空会社による補償はありません。
到着先から乗る最終バスに遅れても、大事な会議に出られず大損害が発生しても、そこは航空会社が責任を負うところではないのです。
飛行機(航空会社)と旅客の契約は出発空港から到着空港までの旅客を運ぶことである
航空会社には、飛行機に旅客を乗せるにあたっての大前提があります。
「遅れても、無事に目的地に着けば問題ない」
ということです。
飛行機と旅客の契約は、出発空港から到着空港までの旅客を運ぶことだけです。
「遅れについて航空会社が責任を負う」という規定はどこにもありません。
つまりどれだけ遅れても、飛行機が目的地に着きさえすれば契約は遂行できたことになるのです。
航空会社に「遅延による損害を補償する義務」はありません。
例外や特例などももちろん存在はするが絶対というものではない
という方もいるかもしれません。
しかしそれはあくまで航空会社のサービスです。
ドリンクや食事券の配布は義務ではなく厚意なので、航空会社や状況によっては何ももらえない場合もあります。
ただしANAなどの大手航空会社は(天候などの不可抗力ではなく)機材故障など航空会社の責任により遅延した場合についてのみ、以下のような一定の補償規定を設けています。
- 飛行機が翌日以降への振替となった場合、宿泊費・宿泊先までの往復交通費を支給
- 遅延のため到着が深夜になり公共交通機関が利用できない場合、タクシーなどの交通費や宿泊費を支給
- 飛行機をあきらめて新幹線などで移動した場合、払い戻しチケット代+オーバーした差額を支給
いずれの場合も、公共交通機関での移動が最優先となります。
ときどき「交渉して電車ではなくタクシーの代金をもらった」という話も目にしますが、かなりレアなケースと考えていいでしょう。
LCCなどの格安航空会社は一切補償しない場合がほとんどである
日本のLCC (ローコストキャリア)である、
- ピーチ・アビエーション
- バニラエア
- 春秋航空日本
これらは「天候による不可抗力」でも「航空会社責任」でも、払い戻しや変更のみで補償は一切しないということがほとんどです。
※ただしLCCの中でもジェットスターに限っては、航空会社責任の遅延について大手同様の補償があります。
「LCCは遅延が多い」という評判もよく聞きます。
国土交通省のデータから、国内航空11社の遅延率を見てみましょう。
2017年7~9月の平均遅延率(出発予定時刻よりも15分を超えて出発した便)が高かったのは
- ピーチ・アビエーション…22.13%
- 春秋航空日本…20.35%
- 日本トランスオーシャン…15.50%
- バニラエア…15.31%
ちなみに最も遅延が少なかったのは、
- スカイマーク…7.82%
- JAL…9.34%
という結果でした。
15分以上という厳しい縛りでのデータとはいえ、やはりLCCは遅延が多いようです。
一切補償してもらえないとなると、かなり不安ですよね。
実はLCC各社は、追加料金を払うことによる補償プランも販売しています。
バニラエア
「バニラエア保険」では片道700円を払えば、4時間以上の遅延や欠航により生じた交通費や宿泊費8,000円が支払われます。
ジェットスター・ジャパン
保証付きの特別なチケットを販売しています。
「Starter plus」(追加料金1,450円~)
「Starter Max」(追加料金4,000円~)
これら荷物の重量を増やせるオプションに加入すれば、天候・航空会社責任にかかわらず遅延補償も受けることができます。
6時間以上の遅延や欠航で、「Starter plus」は10,000円、「Starter Max」は20,000円の見舞金が支払われます。
ただし出発の12時間前までに遅延や欠航が確定している場合は対象となりません。
ピーチ・アビエーション
少し毛色が違うのはピーチ。
航空券代金の約10%で「ピーチチケットガード」という保険に入れます。
急病などの自己都合で搭乗できなかった場合に、航空代金の返金が可能となります。
これはこれでありがたい補償ではあるのですが、残念ながら遅延により発生した費用については対応していません。
海外旅行保険に加入している場合にはどのような補償になるか
多くの海外旅行保険では、飛行機の遅延や欠航で生じた費用を補償できる特約があります。
海外旅行保険のオプションにある航空機遅延費用に加入しておけば補償される
海外旅行保険ではこのどちらが原因でも、飛行機の遅延や欠航で発生した費用を補償してもらうことができます。
この補償を「航空機遅延費用」といいます。
航空機遅延費用は、大抵の場合はオプションで付帯できる補償です。
ではこの特約の使い勝手はどうなのでしょうか。
6時間以内の遅延、欠航、運休などで利用可能になる
航空機遅延費用には、保険金の支払いに次のような条件があります。
- 搭乗予定の飛行機に6時間以上の出発遅延・欠航・運休があったとき
- 搭乗の予約受付の不備で搭乗ができなかったとき
- 搭乗した飛行機の着陸地変更で、6時間以内に代替機を利用できないとき
- 搭乗した飛行機の遅延・欠航・着陸地変更のため乗継予定の飛行機に搭乗できず、乗継地への到着時刻から6時間以内に代替機を利用できないとき
原因が天候不良であるか航空会社責任であるかは問いません。
多くの保険では、どの項目でも「6時間」がボーダーラインとなっています。
しかし6時間といえば、待つ側からすればかなりの時間。
この時間内に運航できれば保険金の支払い対象外となってしまうことはご了承ください。
ただし全額を補償してくれるわけでなく2~3万円程度の補償になる
- ホテルなどの客室料
- 食事代
- 交通費(ホテルへまでのタクシー代、代替交通手段の費用など)
- 国際電話などの通信費
大半の保険では、1回の遅延や欠航につき2~3万円程度が補償限度額となっています。
超過分は自己負担となりますのでご注意ください。
まとめ:万が一、飛行機が遅延したときのことを考えて海外旅行保険にある航空機遅延費用を活用しよう
大手保険会社は無料で遅延の対応をしてくれるが、「航空会社責任」の場合に限る。
LCCは基本的に補償なしだが、会社によっては有料オプションで「天候不良」と「航空会社責任」両方の遅延について補償可能。
海外旅行保険の航空機遅延費用も有料で付帯可能。
そこで気になるのは、航空機遅延費用の保険料ですが…
これが、とても安価なのです。
一週間程度の海外旅行で100円前後、旅行期間が20日以上でもプラス何十円程度です。
主契約あっての付帯だから、こんなに安くできるのですね。
たとえ何もなくても、あまり損したという気持ちにならない額ではないでしょうか。
海外旅行保険に加入される方は、お守りとして航空機遅延費用の付帯をおすすめします。
急いでいるときには、飛行機の遅延は本当に嫌なものですよね。
多少の遅延には対応できるよう、できる限り余裕のある旅行スケジュールを立てておくことも重要な対策のひとつといえるでしょう。