更新日:2022/12/06
1ヶ月の留学において保険は必要?留学保険か海外旅行保険にするべきか
1ヶ月程度の短期留学や、ワーキングホリデーで渡航する人が増えており、海外旅行保険や留学保険の加入を検討する方も多いと思います。今回の記事では、1ヶ月といった短期間の場合に保険に加入すべきか、また海外旅行保険か留学保険のどちらに加入すべきかなどを紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
1ヶ月の留学に留学保険は必要?
- 留学保険または海外旅行保険を選ぶ際のポイント
- 留学保険と海外旅行保険の補償内容の違い
- 滞在スタイルによる補償内容の違い
- 滞在期間による補償内容の違い
- 3ヶ月以上の長期留学における留学保険の優位点
- 1ヶ月以内の短期留学における海外旅行保険の優位点
保険には入るべし、1ヶ月から留学延長の可能性を考えよう
1ヶ月の短期留学をする場合、海外旅行保険か留学保険のどちらかに加入する必要がありますが、どちらが良いのでしょうか。
一般的に、海外旅行保険は保険期間(滞在期間)の上限が1ヶ月以内・3ヶ月以内などの短期間、留学保険は保険期間の上限が1年以内・2年以内などの長期間に設定されています。
そのため、留学期間が1ヶ月以内であれば海外旅行保険を選び、留学期間が1ヶ月を超える場合は海外旅行保険で補償されないリスクにも備えられる留学保険を選ぶのが良いでしょう。
海外旅行保険または留学保険の補償内容や補償額を選択する上では、以下の観点を考慮しましょう。
- 留学先の医療水準
- 留学先の治安状況
- 留学期間延長の可能性も視野に
- 所属先の学校が指定してくる可能性もある
医療水準は欧米などの先進国は高く、アジア・南米などの後進国は低いのが一般的です。
医療費は医療水準に比例して先進国では高額、後進国では低額になることが多いので、そこから必要補償額を検討します。
また、海外での歯の治療費用は非常に高額ですが、多くの海外旅行保険・留学保険の基本補償では歯科治療費は対象外になっているため、特約で付加する必要があります。
留学先の治安状況では、盗難や事件・事故などが多いエリアの場合はリスクに備えられるよう手厚くカバーしてくれる補償内容を選びましょう。
また、当初1ヶ月の留学予定が3ヶ月・半年などと延長になることもあるかもしれません。
その場合、海外旅行保険では保険期間の上限(3ヶ月以内が多い)を超えると延長できませんが、留学保険では保険期間の上限が長期間になるので、延長により補償を継続できる可能性があります。
海外旅行保険や留学保険を選択する際は上記のような観点から検討する必要がありますが、所属先の学校が所定の留学保険を指定する場合もあるので、自分で加入する前に確認しておきましょう。
留学保険の補償内容とは
留学保険は海外旅行保険が補償する内容に加えて、現地で生活することを前提とした特約補償が付加されています。
海外旅行保険と留学保険の補償内容は、以下のようになります。
海外旅行保険・ 留学保険の基本補償 | 留学保険の特約補償 |
---|---|
・怪我や病気の補償 ・賠償責任補償 ・携行品損害補償 | ・留学生賠償責任補償 ・留学生活用動産補償 ・留学生継続費用補償など |
留学保険は海外旅行保険の基本補償に加えて、日常生活に起因する事故や居住施設(アパート・フラットなどの賃貸物件)の使用・管理に起因する事故にまで補償範囲が広がります。
また、海外旅行保険・留学保険は以下のような特徴があります。
- 滞在スタイルによって内容が異なる
- 滞在期間によって内容が異なる
滞在スタイルによる特徴
海外旅行保険・留学保険は滞在スタイルが宿泊施設または居住施設により、補償内容が異なります。
滞在スタイルは、滞在先により以下のように分類されます。
- 宿泊施設:ホームステイ・学生寮・ホテルなど
- 居住施設:アパート・フラット・シェアハウスなどの賃貸物件
滞在スタイルによる補償内容の違いは以下のようになります。
宿泊施設 | 居住施設 | |
---|---|---|
主に対象となる保険 | 海外旅行保険 | 留学保険 |
滞在先 | ホームステイ・学生寮 ・ホテルなど | アパート・フラット などの賃貸物件 |
室内で盗難や 破損があった場合 | 携行品損害補償 | 留学生活用動産補償 |
火事や水漏れを 起こした場合 | 賠償責任補償 | 長期賠償責任補償 ・留学生賠償責任補償 |
滞在先が宿泊施設(ホームステイ・学生寮・ホテルなど)では、室内で盗難や破損があった場合、海外旅行保険・留学保険の基本補償である携行品損害補償が適用され、その損害を補償します。
また、火事や水漏れを起こして他人に怪我を負わせたり、他人の物を壊して損害を与えて損害賠償責任を負った場合、海外旅行保険および留学保険の基本補償である賠償責任補償適用され、その損害賠償金等を補償します。
一方、居住施設(アパート・フラット・シェアハウスなどの賃貸物件)では、室内での盗難や破損などのトラブルには携行品損害補償が適用されず、代わりに留学生活用動産補償が必要となります。
また、火事や水漏れを起こした場合、賠償責任補償が適用されないため、代わりに長期賠償責任補償または留学生賠償責任補償が必要となります。
滞在期間による特徴
海外旅行保険・留学保険は滞在スタイルだけでなく、滞在期間によっても補償内容が異なります。
滞在期間(保険期間)が3ヶ月以上などの長期になる場合、海外旅行保険・留学保険の基本補償である携行品損害補償や賠償責任補償ではカバーしきれない部分が出てくるので、留学保険の特約補償で備えておくと安心です。
滞在期間による補償内容の違いは以下のようになります。
短期留学 (1ヶ月以内) | 長期留学 (3ヶ月以上) | |
---|---|---|
主に対象となる保険 | 海外旅行保険 | 留学保険 |
室内で盗難や 破損があった場合 | 携行品損害補償 | 留学生活用動産補償 |
火事や水漏れを 起こした場合 | 賠償責任補償 | 長期賠償責任補償 ・留学生賠償責任補償 |
長期留学の場合、自分で購入したテレビや冷蔵庫などの生活用の備品は旅行の携行品と見なされず、携行品損害補償は適用されません。
その代わりとして留学生活用動産補償を付加すると、住宅内での家財や携行品の補償が適用されます。
また、火事や水漏れを起こした場合、人に怪我を負わせたり、他人の物に損害を与えた時に賠償責任補償が適用されますが、家主への水漏れ・火災などの賠償責任補償は適用されません。
その代わりとして長期賠償責任補償または留学生賠償責任補償を付加すると、家主に対する賠償責任補償が適用されます。
留学保険と海外旅行保険との比較
お伝えしてきたように、海外旅行保険と留学保険の基本補償は同じですが、留学保険は現地で生活することを前提とした特約補償が付加されています。
留学保険の特約補償は以下のようなものがあります。
- 留学生賠償責任補償
- 留学生活用動産補償
- 留学生継続費用補償
留学生賠償責任補償と留学生活用動産補償は前章で説明した通り、日常生活および居住施設(アパートなどの賃貸物件)における盗難や破損などのトラブルも補償してくれます。
留学生継続費用補償は、留学中に扶養者が病気や事故などにより死亡または重度障害になった場合に補償が適用され、費用の問題で留学が継続できなくなるのを防ぎます。
上記以外にも、緊急一時帰国費用補償・学業費用補償などの特約があります。
1ヶ月以上の中長期留学ならば留学保険が確実ですが、1ヶ月以内の短期留学ならば海外旅行保険でも問題ないでしょう。
ただし、1ヶ月の留学予定が2ヶ月・3ヶ月と延長する可能性もゼロではないかもしれません。
その可能性を視野に入れると、最初から留学保険を選んでおくのが安心とも言えます。
1ヶ月以上渡航する場合の留学保険の優れた点
一般的に、海外旅行保険は保険期間が3ヶ月未満であることが多く、数日間の渡航や1ヶ月の短期留学に向いていますが、留学保険の保険期間は半年・1年・2年など長期間に設定されているため、長期留学に適しています。
海外旅行保険も留学保険も保険期間の延長は基本的に可能ですが、海外旅行保険では上限の3ヶ月を超えて延長することはできません。
一方、留学保険では保険会社により異なりますが、1ヶ月・半年・1年間など保険期間を延長できる可能性があります。
留学保険では海外旅行保険と同様の基本補償に加えて、特約補償も適用されるので、留学の延長に伴って行動範囲や交友関係が広がっても安心して過ごせるでしょう。
ただし、留学保険は所属先の学校があらかじめ指定している場合もあるので、重複して加入しないように事前に確認しておくことが大切です。
留学保険にはない海外旅行保険の優れた点
1ヶ月以内の短期留学で延長の予定がない場合は、海外旅行保険への加入でも問題ないでしょう。
海外旅行保険は留学保険の手厚い特約が付加されていない分、リーズナブルでプランも充実しているのがメリットです。
インターネット専用の海外旅行保険は契約がインターネット上で完結し、24時間いつでも加入でき、保険会社によっては出発当日でも契約できるケースもあります。
インターネット契約では個々の留学プランに合わせて必要な補償だけを選べる自由設計が可能なので、保険料に無駄がなく、合理的に加入することができます。
また、地域細分型の保険料が導入されているため、アジア圏への渡航は保険料が最大半額以上割引されるケースもあります。
留学保険の特約補償は必要なく、1ヶ月の留学から延長をしない場合は、保険料がリーズナブルな海外旅行保険がおすすめです。
まとめ:1ヶ月から留学の延長しないのであれば海外旅行保険がおすすめ
海外旅行保険と留学保険の補償内容について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 保険を選ぶ際は現地の医療水準や治安などを考慮する
- 留学の延長で1ヶ月以上の滞在になる場合は留学保険がおすすめ
- 留学保険は海外旅行保険の基本補償にプラスして特約が付加される
- アパートなどの賃貸物件では留学保険の特約補償で備えることが大切
- 長期留学では留学保険の特約補償で備えることが大切
- 所属先の学校が留学保険を指定する場合がある
- 1ヶ月の短期留学は保険料が安くプランの充実した海外旅行保険がおすすめ
でした。
3ヶ月以上の長期留学では補償が手厚い留学保険が適していますが、1ヶ月以内の短期留学であれば保険料がリーズナブルな海外旅行保険でも問題ないでしょう。
保険選びでは現地の医療水準・治安などを考慮することに加えて、滞在スタイルや滞在期間から必要な補償内容を選択することが大切です。
ただし、1ヶ月の短期留学でも所属先の学校が所定の留学保険を指定する可能性もあるので、重複して加入しないように事前に確認しておきましょう。