更新日:2019/07/25
年金にかかる所得税と住民税について、税金の控除額と計算式も解説!
年金収入を得ている人にかかる税金は控除ができますが、所得税や住民税がいくら控除されるのかよくわかりませんよね。公的年金の税金控除には65歳未満と65歳以上で控除額に差があるのです。今回は、公的年金にかかる控除額と計算式、確定申告についても詳しく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
年金収入にかかる所得税と住民税の控除方法は?
これから年金の受給を控えている方は、年金にかかる税金について気になっている人も多いでしょう。
年金は、受給額によって税金が免除される場合があるのです。
また、年金を受け取る年齢の違いによっても、かかる税金の金額に違いがあります。
では、年金にかかる税金を控除されるには、どうすれば良いのでしょうか。
年金を受給する前に知っておきたいことですよね。
年金にかかる税金を控除するには、日本年金機構から送付される「公的年金等の受給者の扶養親族等の申告書」という書類を提出して申請する必要があります。
そこで、この記事では「年金収入にかかる税金の控除」について、
- 65歳未満と65歳以上では年金にかかる税金が違うこと
- 国民年金にかかる税金は確定申告をする必要はあるのか
- 年金の控除額を求める計算式
- 個人年金保険(iDeCo)と併用している年金控除について
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、自分が将来受け取る年金にかかる税金の控除について考える時に役立つかと思います。
是非最後までご覧ください。
65歳以上のほうが公的年金控除額が大きい
年金を受け取ることができる年齢は、基本的には65歳とされています。
しかし、申請をすることで早くて60歳から、遅くて70歳から受け取ることもできるのです。
また、年金には税金がかかりますが、その税金の額は、年金を受け取る年齢によって違いがあります。
もし、65歳未満で年金を受け取る場合は、65歳以上で受け取る場合に比べて税金が高くなるのです。
そのため、年金の所得税や住民税は65歳未満と65歳以上では控除額に違いがあり、65歳以上の方が控除額が大きくなります。
65歳未満と65歳以上では年金にかかる税金が違う
年金を受け取る年齢によって、年金にかかる税金に違いがあります。
つまり、年金を受け取る年齢が65歳未満の場合と、65歳以上の場合で差があるのです。
また、70歳以上のお年寄りを扶養している場合には、控除を受けることができます。
そこで、ここでは
- 高齢者を扶養している場合に受けられる控除について
- 繰り上げ支給をすると税金が高くなることについて
ご紹介します。
60歳から年金を受け取ることは、早く受け取れるので良いように思えますが、税金が高くなってしまうというデメリットもあるのです。
逆に、年金は70歳まで繰り下げて支給してもらうこともできるので、自分が何歳で年金を受け取るのがちょうど良いのか考えてみてはいかがでしょうか。
高齢者を扶養している場合が受けられる控除
70歳以上のお年寄りを扶養している方は、老人扶養控除を受けることができます。
この老人扶養控除は、一般的な扶養控除とは違い、控除金額が増額されるのです。
また、同居している場合はもちろん、控除を受けることができます。
他にも、同居していなくても毎月仕送りを送っている場合や、老人ホームなどに入居している場合に、その施設の費用を支払っている場合にも、控除を受けることができるのです。
しかし、老人扶養控除として対象になるためには、いくつかの条件があります。
- 70歳以上であること
- 配偶者以外6親等以内の血縁関係にある人、または3親等以内の姻族であること
- 年金を納めている人と生計を一緒にしている人
- 年間所得金額が、合計38万円以下であること
- 青色申告、または白色申告者として所得金額がないこと
以上の条件を満たしている人が、老人扶養親族として対象になるのです。
繰り上げ支給をすると税金が高くなるので注意
年金は、65歳から受け取ることができますが、申請をすることで60歳から受け取ることができます。
早めに受け取ることができるのは、嬉しいことですよね。
しかし、65歳未満で年金を受け取ることで、年金にかかる税金が高くなるというデメリットもあるのです。
つまり、65歳未満で年金を受け取る場合と、65歳以上で受け取る場合では、65歳以上で受け取る方が税金は少なくなります 。
そのため、繰り上げ支給は、60歳からできますが、年金の支給額が減ったり、税金が高くなるので、もし繰り上げ支給を検討している方は、どうしても必要な場合に繰り上げるようにすると良いでしょう。
国民年金にかかる税金は確定申告で控除する必要がある?
国民年金は所得控除の社会保険控除に該当するので、確定申告をすれば節税することができます。
確定申告書には、社会保険料控除という項目があり、この社会保険料控除の一つに国民年金があるのです。
この国民年金の控除をするためには、必要書類を提出する必要があります。
控除の対象だとしても、申請をしないと税金の面で損をしてしまうことになるので注意しましょう。
そして、控除をするためには、控除証明証明書か領収書を添付することで、控除の申請をすることができます。
年金の控除額を求める計算式
さて、ここまで国民年金にかかる税金は確定申告をする必要があるのかについてご紹介しました。
では、具体的に年金の控除額はいくらなのでしょうか。年金には、所得税と住民税がかかります。
住民税の税率については、地域によって差があるので、自治体のホームページなどで確認してみると良いでしょう。
では、年金にかかる所得税の計算方法についてお伝えします。
所得税にかかる税率は、5.105%と決められています。
しかし、65歳のときに税額を計算するときに引かれる控除の計算方法が変わってくるのです。
簡単には、65歳未満は控除額が小さく、65歳以上は大きくなります。
例えば、65歳以上で収入が350万円の場合は、
3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円
という計算になります。
この225万円が所得となり、これに5.015%の所得税がかかるのです。
公的年金受給者の確定申告不要制度について
公的年金は、原則として確定申告をする必要があります。
しかし、年金を受給している人にとって、確定申告をすることは負担になるので、「確定申告不要制度」が平成23年分の所得税から始まりました。
確定申告不要制度とは、以下の条件を満たしたときに確定申告が不要になります。
- 公的年金等の受給の合計額が400万円以下の場合
- 公的年金などの雑所得以外の所得金額が20万円以下の場合
まず、公的年金とは、
- 国民年金から支払われる年金
- 厚生年金から支払われる年金
- 過去の勤務に基づいて支払われる年金
- 普通恩給
- 確定給付企業年金
です。
また、雑所得以外の所得金額とは、
- 生命保険などから支払われる個人年金
- 給与所得
- 生命保険の満期返戻金
です。
確定申告が必要な場合とは
確定申告が不要になる場合についてご紹介してきましたが、逆に確定申告が必要になるのは、どのような場合なのでしょうか。
まずは、先ほどとは逆の
- 年金が400万円を超える場合
- 年金以外の収入が20万円を超える場合
の人が対象となります。
また、これに加えて、外国の法令に基づく社会保険や、共済制度のような年金を受給している人も含まれるのです。
例えば、年金以外の収入とは、
- 年金をもらいながら働いている人
- 年金に加えて家賃収入がある人
などです。
個人年金保険(iDeCo)と併用している年金控除について
人生100年時代と言われることがありますよね。
つまり、私たちは100歳まで生きると考えて老後のライフプランを立てていく必要があるのです。
そこで、公的年金だけではなく、国民年金にプラスして国民年金基金も併用することもおすすめです。
また、終身型にすることで、死ぬまで国民年金にプラスしてお金をもらうことができるのです。
まず、掛金の上限は、iDeCoと国民年金基金を合わせて年82.6万円です。
そして、掛金が全額所得控除されるというメリットもあります。
例えば、リスクを重視する人は、国民年金基金の割合を多めにしたり、iDeCoをメインで利用して、国民年金基金にはちょっとした保険としてかけるなど、いろいろな使い方ができるでしょう。
まとめ:年金の税金を控除する流れを把握しておこう
年金収入にかかる税金の控除について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回のこの記事のポイントは、
- 65歳未満と65歳以上では年金にかかる税金に違いがある
- 国民年金は確定申告で節税することができる
- 年金の受給の合計額が400万円以下の場合は確定申告が不要になる
- iDeCoと国民年金基金を組み合わせることもおすすめ
です。
年金にかかる税金は、年齢や受給額によって免除されたり控除額に差があります。
また、国民年金は確定申告をすることで節税することができるのです。
また、年金の受給額の合計金額によっても確定申告が必要だったり不要だったりすることがあります。
このように、色々な条件によって年金にかかる税金が変わるので、自分の受け取る具体的な年金額を確認したり、年金を受け取る年齢を考えたりすることが大切です。
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