介護保険における住宅改修条件を満たすリフォームとはどんなものか

介護保険では住宅改修条件を満たすリフォームに関して、かかった費用の9割を支給する仕組みを採用しています。これは上限である20万円まで利用できる便利な仕組みとなっています。介護保険の住宅改修条件を満たしているかが最大のポイントです

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

住宅改修条件を満たす工事を行う際には介護保険の支給を受けられる

自宅で介護を行う上では介護に適した住居へと改修することが必要になることもあります。廊下に手すりを設置したり、段差を無くしたりすることは非常に重要です。


しかし、それらの改修には思いの外費用がかかってしまいます。そこで介護保険を活用してその費用負担を緩和することをお勧めします。

介護保険を上手く活用するために

介護保険といえば、介護サービス利用料の負担額が1割になる保険として知られていますが、介護に関係する住宅改修費用などもその対象になっています。


このことは意外にも知られておらず、全てを自己負担して改修したり、改修することを断念してしまったりしているケースがあります。しかし、介護保険の住宅改修条件を満たしていれば負担を減らすことができます。

住宅改修条件を満たしていればOK

住宅改修条件を満たしていれば介護保険で工事費用を支給してもらうことができます。上限はあるものの、支給される額は費用の9割であり、大幅に負担が軽減されます。


実質的には1割の負担で住宅改修を行うことができるので、必要だと感じた場合は積極的に介護保険を活用していきたいところです。

介護保険における住宅改修条件にはどういったものがあるのか

改修費用を介護保険で軽減するには住宅改修条件を満たしている必要があります。住宅改修条件には3つの条件があります。そのうちの1つは要介護あるいは要支援の認定を受けているということです。


その住宅に住んでいる人物が要介護か要支援の認定を受けていることで、住宅改修の必要性があると見なされます。その結果、介護保険が活用できるということです。



自宅であることが条件の1つ

2つ目に住宅改修条件は住所地に指定している住居のみ適用されるということです。一時的に身を寄せている住居や別荘などは対象になりません。


もし、引っ越して指定の住所と実際の住所が異なっている場合に申請を行っておく必要があります。サービスを受ける際にも住所は重要な項目なので常に最新のものにしておきましょう。

住宅改修条件を満たすためのポイント

住宅改修条件の3つ目は介護に関する改修であるということです。当然ながら介護と何ら関係のないリフォームなどでは補助を受けることができません。


居を住みやすくするリフォーム、改修工事の場合、それが介護のためなのか、そうでないのかは判断が難しいので明確に規定されています。それが介護保険において規定されている住宅改修条件です。

介護保険の住宅改修条件を満たすリフォームの内容について

介護保険の住居改修条件を満たすリフォームの1つが手すりの取り付けです。手すりならどこでも良いわけではなく、ベランダなどの落下防止の手すりは対象外となっています。


トイレや浴槽、廊下といった場所への手すりの取り付けは介護保険の適用対象となっています。工事を伴わない手すりの設置は住宅改修条件を満たさないので注意しておきましょう。

段差解消の重要性とは

段差の解消も介護保険の住居改修条件を満たすリフォームです。段差があると介護を受ける方が転倒してしまう恐れがあるので、極力バリアフリーにしておく必要があります。


段差の横にスロープを作る際や一層低い場所の段差を無くすための床の底上げなども介護保険における住宅改修条件の対象となっています。

滑りにくくすることも住宅改修条件の対象

滑り止め防止にために床材を変えることも住居改修条件に適合しているリフォームです。畳は靴下を履いた状態で高齢者の方が足を滑らせてしまうことがあります。


特に浴槽は転倒事故が起こりやすいとされています。ノンスリップマットを設置するだけといったことは住宅改修条件を満たさないので注意が必要です。

トイレは事故が起こりやすいので特に工事が重要

介護を受けている方にとっては和式便器は負担が大きくなります。そのため、和式便器を洋式便器に変えることも住宅改修条件を満たすリフォームです。


和式便器から洋式便器に変える際には壁の補強や給排水に関する工事などを行わなければならない場合もありますが、それも介護保険が適用されます。

介護保険でどこまで負担が減るのか

介護保険の住宅改修条件を満たしているリフォームでは工事費用の総額のうち、9割までが支給されます。一部には8割支給となるケースもありますが、いずれにしても大きな負担軽減です。


ただし、注意しておかなければならないのが支給される上限が20万円となっていることです。これは一生涯において変更されない仕組みになっており、上限に達すると住宅改修条件を満たしていても支給されなくなります。

上限に達するまで介護保険を活用できる

補助の上限である20万円に一度の工事で到達しなかった場合は次の工事でも支給を受けることができます。


住宅改修条件を満たしている工事である限りは、20万円の上限の中で何度でも支給される仕組みです。ただし、合計20万円に到達したらその後は支給を受けられないので注意しておきましょう。

まとめ

自宅で介護を行うにおいて住居の改修は重要です。介護を受ける方が暮らしやすくなるだけでなく、家族の負担を減らすことにも繋がります。特に段差や滑りやすさは改修しいておかないと事故に繋がってしまう恐れがあります。


上限の20万円は介護保険の保険料をしっかりと払っている方に対し、均等に用意されている額なので該当する工事を行う場合は是非とも申請しておきたいところです。

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