どうしてエレベーターは、介護保険の住宅改修支給対象でないの?

介護保険制度でエレベーターは住宅改修の支給対象ではありません。自費でのエレベーター設置も可能であることや、エレベーターの設置が難しい場合、複数人での介助や介護保険の住宅改修支給対象となる可搬型階段昇降機を使用するなど他の方法についても記載しています。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

目次を使って気になるところから読みましょう!

介護保険の住宅改修でエレベーターを設置することはできるのか

高齢になると、階段の上り下りが苦痛になってきます。

5階建て以上のマンションであればエレベーターが設置されていますが、一軒家であれば設置していない家がほとんどであり、二階に上がるだけでも一苦労です。


マンションや階段の上り下りが必要のない家に引越しするという方法もありますが、誰しもが住み慣れた家に住み続けたいと思うのではないでしょうか。


最近ではこうした負担を軽減するために、家庭用エレベーターを設置する家もあります。


そこで、介護保険の住宅改修でエレベーターは設置できるのでしょうか?

まずはエレベーターにかかる費用、住宅改修費での設置可否を見ていきましょう。

家庭用エレベーターはどれくらいの費用がかかるのか

家庭用エレベーターを設置する場合、エレベーターの本体価格、諸官公署等手続きに関する費用、電気代、法定点検





エレベーターの本体価格

エレベーターの本体価格はメーカーにもよりますが、参考据付費と合わせて積載200kgの3人乗り用で330〜480万円、積載150kgの2人乗りで300万円〜400万円かかります。

電気代

1日に20回前後使用したとして、月400円ほどで収まります。

法定点検、メンテナンス費用等のランニングコスト

年1回、昇降検査資格者より法定点検を受ける必要があります。ランニングコスト(維持費)としては、電気代以外に予備のバッテリー交換代などがかかります。

エレベーターは介護保険の住宅改修の支給対象にならない

現在、家庭用エレベーターは介護保険の住宅改修の支給対象にはなりません。

もし設置する場合は全額自費になる

それでもエレベーターを設置することを検討しているのであれば、介護保険、住宅改修の支給対象とならず全額自己負担となります。

エレベーターの代わりに

住宅改修の一つの手段として、室内移動であれば手すりをつける。2階建以上であればエレベーターで移動が必要な方の居室を、1階に生活の場を変更してもらうということも1つの方法です。


自宅外への移動で、エレベーターが必要な2階以上に住まれているのであれば、外出する際に家族様や訪問介護員が手つなぎ歩行で1階まで一緒に降りる、もしくは利用者様を抱える形で階段を移動する、介護者が不安で1名での対応が難しければ2名以上で対応するという案もあります。


無理な介護を続けると家族様や介護者が腰を痛め、主に介護行っている者が身体を壊し、介護ができなくなるということにもつながってしまうため注意が必要です。

可搬型階段昇降機は介護保険の住宅改修の支給対象である

可搬型階段昇降機であれば、介護保険の住宅改修支給対象です。

階段昇降機は、歩行が難しい方が安全に階段を昇り降りするための機械です。

「可搬型階段昇降機」聞き慣れない言葉かもしれませんが、介護保険制度の対象として平成21年度から福祉用具貸与品目となっており住宅改修の支給対象となります。


他にもいす式階段昇降機や車椅子用階段昇降機、いす式斜行型段差解消機とよばれるものもありますが、こちらは介護保険の住宅改修支給対象ではありませんので導入を検討されている方は気をつけてください。

ただし、可搬型階段昇降機は事故が多いので要注意

可搬型階段昇降機は階段上で使用するため、使用を間違えると本人様を巻き込む事故につながってしまいます。

使用に関しては可搬型昇降機についての機種別講習、基礎講習といった講習を受講した福祉用具専門相談員が、家族様などに十分な説明、使用に関する指導を行うことが介護保険で義務付けられています。


これまで事故が起こった例としては普段の使用が少なく操作に慣れていない、または操作はできていても他のことに気を取られ操作を誤ってしまったことがあげられます。


介護保険が該当する可変型階段昇降機は階段で使用するため、特に自宅が一軒家でなくマンションやアパートの場合、他に入居されている方とすれ違う時には、スペースが狭くなってしまっているため注意が必要となります。

その対策としては、近隣の方へ昇降機を使用するタイミングを事前に伝えておくことでお互いに安心して生活できます。


介護保険の住宅改修支給対象となる可搬型階段昇降機を導入する際には、講習を受けた福祉用具専門相談員から家族様や訪問介護員が操作方法に関するレクチャーを受け、安全に使用できるように取り組むことが求められます。

まとめ

介護保険の住宅改修でエレベーターは支給対象とはなりません。

それでもエレベーターが必要と感じるなら自費負担で購入することも可能です。


介護保険の住宅改修が適用される他の方法としては人力での介助・可変型昇降機使用となりますが、無理な介助を行うと利用者様にも負担がかかることや介助する者の腰痛など怪我の危険性につながります。

可変型階段昇降機は使い方を間違えると事故につながる恐れもありますが、操作を理解し周囲と協力することにより、本人様と介護者の負担を減らすこともできます。


介護保険の住宅改修支給対象となる範囲で考えるのか、介護保険の住宅改修支給対象外でもエレベーターの設置を検討するのか。


介護保険の住宅改修といった制度について、本人様・介護者それぞれのニーズを意見交換しながら、お互い一番安心できる方法を選びたいですね。


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