地方公務員の生涯年収(賃金)の平均はいくら?多い自治体なども紹介

地方公務員は給与が安定していると聞くけど、生涯年収(賃金)はいくらなの?と気になる方も多いと思います。そこで、この記事では、地方公務員の生涯年収の平均を自治体別に紹介し、国家公務員やサラリーマンとの比較や行政職だけでなく、教育職の生涯年収についても紹介します。

地方公務員の生涯年収(賃金)の平均はいくら?

地方公務員の給与は安定すると聞きますが、実際はどうなのでしょうか。


年収の面で民間企業には負けないのかなどと疑問を抱えている方は多いと思います。 


賃金だけみると民間企業のほうが高く見えることもありますが、実際は性別や学歴などによって有利不利があることが分かります。


また、地方公務員といっても、自治体や職種によっても違いがあります。


そこで、この記事では「地方公務員の生涯年収」について、

  • 政令指定都市の生涯年収はどれくらいか
  • 国家公務員やサラリーマンとはどれくらい差があるか
  • 自治体によってのランキング
  • 年齢別の地方公務員の給料
  • 地方公務員の退職金事情について
以上のことを中心に解説していきます。  


この記事を読んでいただければ、地方公務員の生涯年収だけではなく、他職種や国歌公務員、民間との違いを知り、比較することができると思います。 


是非最後までご覧ください。

地方公務員(一般行政職)の生涯年収の平均や手取り額を紹介

まずは第一の疑問である、地方公務員(一般行政職)の平均生涯年収手取り額を紹介していきます。


政令指定都市かどうか、職場の場所によって違うのでしょうか。


また、他の職種との違いはどれくらいあるのでしょうか。


ここでは国家公務員との差、サラリーマンとの差、学歴の違いからの観点で比較しました。


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まず最初に、地方公務員(一般行政職)の平均生涯年収や手取り額を紹介していきます。


一般行政職とは、警官や職員などの専門職とは異なり、いわゆる事務的な業務を行う職種のことをいいます。役所を訪ねた際に、窓口で対応してくれる職員さんなどのことですね。 


この地方公務員(一般行政職)の生涯年収について、 

  • 政令指定都市、都道府県、市役所、町役場などの違い 
  • 国家公務員や民間企業の会社員との違い 
  • 学歴による違い 

などについて見ていきたいと思います。


一般的には公務員の給与は比較的高いのではないか、というイメージがあるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。

政令指定都市なら生涯年収は2億8000万円

政令指定都市、都道府県庁、市役所、町役場、特別区をそれぞれ比較しました。


政令指定都市で働く地方公務員(大卒)

生涯年収約2憶8,000円=給与収入約2憶6,000万円+退職金約2,000万円

都道府県庁で働く地方公務員(大卒)

生涯年収約2憶6,000万円=給与収入約2憶4,000万円+退職金約2,000万円

市役所で働く地方公務員(大卒)

この金額はあくまでも平均値であり、市役所によって格差は大きいです。

平均生涯年収約2憶3,000万円=給与収入約2憶1,000万円+退職金約2,000万円

町村役場で働く地方公務員(大卒)

こちらも市役所と同様に平均値のため、町村役場によって格差が出ます

平均生涯年収約2憶3,000万円=給与収入約2憶1,000万円+退職金を約2,000万円

特別区で働く地方公務員(大卒)

こちらが最も高い水準となっています。

平均生涯年収約2憶8,000万円=給与収入約2憶6,000万円+退職金を約2,000万円

地方公務員の平均生涯年収の手取り額

地方公務員の平均生涯年収から手取り額を計算します。


上記の各地方自治体の平均生涯年収から平均を求めると、約2憶5,000万円です。


ここから社会保険料や税金などを引くと約8割が手取りになるため、

平均生涯年収約2憶5000万円×80%=約2憶円

約2憶円地方公務員の平均生涯年収の手取りになります。

国家公務員やサラリーマンとの平均生涯年収の比較

国家公務員(大卒)の平均生涯年収

約2憶8,000万円=給与収入約2憶6,000万円+退職金約2,000万円

地方公務員の平均生涯年収より高く、政令市や特別区が同じくらいの水準であることが分かります。


サラリーマンの平均生涯年収

サラリーマンの平均生涯年収大卒・院卒か高卒か企業の規模がどれくらいかによっても差があります。


サラリーマンの平均生涯年収については、給与収入と退職金の内訳を省いてご紹介します。  


男女別・学歴別平均生涯年収は、このようになっています。


性別・学歴平均生涯年収
大卒・院卒男性約2憶9000万円
高卒男性約2憶2000万円
大卒・院卒女性約2憶4000万円
高卒男性約1憶6000万円


企業規模別ではこのようになっています。男性のみ、大企業と小企業の比較をご紹介します。

規模・学歴平均生涯年収
大企業・大卒約3億3000万円
大企業・高卒約2憶7000万円
小企業・大卒約2憶1000万円
小企業・高卒約1億8000万円


今後、女性の活躍の促進などにより変化があるかもしれませんが、性別・会社の規模によって、生涯年収に大きな違いがあることが分かりました


地方公務員と国家公務員、サラリーマンの比較

地方公務員と国家公務員、サラリーマンの平均生涯年収を表にすると、このようになります。

学歴平均生涯年収
地方公務員約2憶5000万円
国家公務員約2憶8000万円
サラリーマン(大卒平均)約2憶6750万円


地方公務員が一番低い結果になりましたが、サラリーマンは平均のため、単純な比較はできなさそうです。

地方公務員の生涯年収は高卒と大卒の間で差がある?

一方で、地方公務員は高卒と大卒による違いはこのようになっています。

学歴平均生涯年収
大卒公務員約2憶6350万円
高卒公務員約2憶6380万円


このように、高卒と大卒で生涯年収に大きな差はないことが分かりました。


高卒のほうが年齢の関係で一般的に4年多く働くため、高卒のほうが多少高くなっていますが、ほとんど違いはありません。


大学の学費などを考えると、高卒の方が経済的ではないか、と思う方もいらっしゃるかと思います。


しかし、大学で学べることも多く、転職を考えた際に大卒のほうが有利になる場合もあるかもしれません。

生涯年収の高い自治体ランキング

日本には多くの自治体があるため、自治体によっても年収に大きな差があります。


地方公務員の平均年収は約586万円ですが、上位3位と下位3位はどのようになっているのかみていきたいと思います。


上位3自治体

市区町村名都道府県名平均年収
1位 厚木市神奈川県約751万円
2位 杉並区東京都約742万円
3位 三鷹市東京都約733万円


下位3自治体

市区町村名都道府県名平均年収
1739位 大桑村長野県約404万円
1740位 青ヶ島村東京都約398万円
1741位 下篠村長野県約386万円


このように、上位自治体と下位自治体では平均年収にかなりの差があることが分かります。
上位は首都圏の市が多く、下位は町や村になっています。 

その他の地方公務員の生涯年収の平均はいくらか

今まで紹介したのは、一般行政職と呼ばれる職種でした。地方公務員はその他にも、技能労務職や各種教育系などが存在するので、こちらも紹介します。

公務員の中で比較すると、職種による違いはほとんどないということが分かりました。

教育系については自治体ごとに大きな違いがあるように見受けられますが、比較の際に使う平均年齢も大きく異なっており、単純な比較はできなさそうです。

地方公務員(教育系)の生涯年収

地方公務員(教育系)と地方公務員(事務系)の平均年収などを比較して考察していきます。


地方公務員(教育系)の生涯年収の上位3位と下位3位をみてみましょう。


上位3自治体

自治体名都道府県名平均年収
多摩市東京都約1160万円
三鷹市東京都約1150万円
福生市東京都約1120万円


下位3自治体

自治体名都道府県名平均年収
奈義町岡山県約320万円
梼原町高知県約340万円
池田町福井県約370万円

上位3自治体と下位3自治体の差が大きいように見えますが、平均年齢を加味すると、上位3自治体が高く、下位3自治体が低いため、単純に比較できなさそうです。

地方公務員(教育系)の全体の平均年収は約637万円なので、地方公務員(事務系)の平均約586万円と比較すると、やや高いことが分かります。

地方公務員(技能労務職)の生涯年収

市役所などで働く公務員には、事務系のほかに技術系という、土木や建築などを担当する業種があります。


ここでは総務省の平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要から、技術系職員と事務系職員の月収を比較したいと思います。


地方公務員(技術系)の平均月収は約35万円です。


地方公務員(事務系)の平均月収が約36万円のため、生涯平均年収も大きな差はないと考えられます。 

地方公務員(警察官)の生涯年収

警察官もまた地方公務員の職種の中の一つです。


ここでは警察官と事務系職員の比較をします。


技術系職員と同じく、 総務省の平成30年地方公務員給与実態調査結果等の概要から、月収で比較したいと思います。


地方公務員(警察官)の平均月収は約37万円です。


地方公務員(事務系)の約36万円より多少高いのは、銃器犯罪捜査従事手当(銃器を使用した犯人等の逮捕業務)や爆発物処理作業手当(爆発物の回収、解体、爆破等の業務)などが含まれているからだと考えられます。 

高卒地方公務員の年収は?学歴によって差はある?

サラリーマンの生涯年収で学歴による差があるように公務員にも差があるのでしょうか。 


 ここでは高卒と大卒で生涯年収にどの程度差があるのか見ていきたいと思います。 


 下記の表は地方公務員の高卒と大卒の生涯年収を比べたものです。

学歴金額
高卒
263,897,742円 
大卒 263,564,672円 


意外なことに地方公務員での学歴による年収の差はほとんどありませんでした。 


参考①:年齢別の地方公務員の年収の推移

地方公務員の年収は年功序列で上がっていくと考えられていますが、具体的にどれくらい増えるのかみていきましょう。


年齢区分年収ボーナス(内数)
18~19約286万円約76万円
28~31約471万円約110万円
44~47約721万円約170万円
56~59約801万円約190万円

このように、年功序列で安定して上がっていき、40代で700万円の高水準が続くことが分かります。


その代わり、大企業などと同じ年収をもらうには、管理職など一部に限られるということになります。


40代の平均年収についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。

参考②:地方公務員の退職金額は多い?

上の「参考①」で、地方公務員の年収は年齢序列型で上がっていくが、大企業並みの年収が得られるのは管理職になれる一部のみであることがわかりました。 


それでは、退職金についてはどうなのでしょうか。
 


地方公務員には、都道府県庁・指定都市・市区町村がありますが、それぞれの全職種での退職金、および60歳定年での退職金の平均額を、総務省「給与・定員等の調査結果等(平成31年)」をもとに比較してみます。 


 【退職金】 

自治体都道府県(47団体)指定都市(20団体)市区町村(1,589団体)
金額約1,127万円約1,327万円約1,390万円

     

全職種での平均値ではありますが、自治体としては最も規模の小さい市区町村ほど金額が高く、都道府県が最も低い金額になっています。 詳細を見ないとわかりませんが、市区町村の公務員ほど勤務期間が長くその分退職金が多いのかもしれません。


 【60歳で定年の退職金】 

自治体都道府県(47団体)指定都市(20団体) 市区町村 (1,270団体)
金額約2,214万円約2,161万円約2,022万円 


一方、60歳定年での退職金は、市区町村が最も低く、都道府県が最も高くなっています。 定年まで勤め上げれば、都道府県の退職金が最も高いことがわかります。

まとめ:地方公務員の生涯年収について

地方公務員の生涯年収について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは、  

  • 地方公務員の生涯年収は、約2憶5000万円
  • 首都圏の自治体は生涯年収が高い
  • 民間と比べて平均生涯年収は低いが、安定して給料がもらえる 

でした。 

 

地方公務員は、自治体、職種によって、また、国家公務員とも給料が違うことが分かりました。 


また、年功序列で安定して給与が上がっていくところも魅力の一つだと思います。 


就職や転職で職種を選ぶ際は、生涯年収のだけにはとらわれず、安定性など、多角的に分析して決めましょう。 


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたいお金に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。


特に国家公務員と地方公務員との生涯年収の差が知りたいという方は、国家公務員の生涯年収についての記事を参考にしてみてください。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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