ボーナスから住民税は引かれる?所得税や社会保険料についても解説!

ボーナスの明細で、所得税や社会保険料は引かれているのに、住民税は引かれていないと気が付いた方もいるのではないでしょうか?実は、ボーナスなどの賞与から住民税は引かれません。今回の記事では、住民税はもちろん、課税対象の所得税や社会保険料についても解説していきます。

ボーナス(賞与)から住民税は引かれる?

ボーナスの明細を見ると、「所得税が引かれているのに、住民税が引かれていない。」ということに気がつくでしょう。


住民税を毎月の給料から天引きされている人は、なおさら、不思議に感じるかもしれません。


そうすると、他の税金も毎月の給与とは違う気がしてきて、ボーナスの税金がどのように計算されるのか気になってきませんか?


実は、ボーナスは、通常の給与とは違う計算方法で税金の計算をしているのです。


そこで今回の記事では、「ボーナスから引かれる税金」について、

  • 住民税が引かれていない理由
  • 他にボーナスから引かれる税金
  • ボーナスの税金の計算方法

以上のことを中心に説明します。


この記事を読んでいただけたら、ボーナスから引かれる税金の計算方法が分かります。


ぜひ最後までご覧ください。


ボーナス(賞与)から住民税は引かれない!その理由は?

ボーナスから住民税が引かれていないのは、きちんと理由があります。間違いではありませんから安心してください。


ボーナスから住民税が引かれない理由は、住民税と所得税の違いを知ることで理解できます。


その違いとは、次の2つ。

  • 住民税と所得税は、対象になっている所得が違う。
  • 住民税と所得税は、徴収方法の性質が違う。

この違いについて、詳しくお伝えします。

そもそも住民税と所得税とは?

ボーナスの税金を理解するために、住民税と所得税がどのような税金なのか理解しておきましょう。


  • 住民税は、前年度の所得に対してかかる税金
  • 所得税は、今年の所得に対してかかる税金


税金の算出元になっている所得の年度が違う点に注目してください。

ボーナスから住民税が引かれないのはなぜ?

住民税は、年間の所得金額が確定した後で払う税金です。前年度の所得に対して確定した税額を、12分割して支払う仕組みになっています。

12分割のため、毎月の給与から天引きするケースが多く、その月の給与に対して計算されているように思いがちですが、住民税は、今年の所得とは無関係なのです。

一方、所得税は、年間所得金額が確定する前に、概算で支払います。そして、年末に帳尻を合わせて精算する仕組み。ボーナスも同じです。

このように、徴収方法の性質が違うため、ボーナスからは、住民税は引かれず、所得税のみ引かれることになります。

住民税以外にボーナス(賞与)から引かれる税金

住民税はボーナスから引かれないことをお伝えしました。


しかし、ボーナスから引かれる税金も存在します。


ボーナスからは主に、社会保険料所得税などの税金が引かれることになっています。


ここでは、社会保険料や所得税などの特徴ついてお伝えします。

【社会保険料】健康保険料

社会保険料とは、健康保険料厚生年金保険料雇用保険料から成っています。


これらは、ボーナスの額面から1,000円未満を切り捨てた標準賞与額を元に、国税庁の定めた税率をかけて算出されます。


その中でも健康保険料は、被保険者である本人と扶養している家族が病気や怪我、出産などで医療機関を受診した際に使う健康保険の保険料です。


病院を受診した時に治療費を3割しか払わなくて良いのは、健康保険に加入しているからです。


なお、健康保険料は加入している健康保険組合や地域により、その利率が異なっています。


また、算出された健康保険料の半分は勤めている会社に負担してもらえて、残りの半分のみを負担する仕組みになっています。

【社会保険料】厚生年金保険料

厚生年金保険料は、被保険者である本人が65歳以上である、障害がある、もしくは亡くなったといった場合に給付が受けられる厚生年金の保険料になります。


厚生年金保険料に関しては健康保険料と同じく、半分を勤めている会社が負担し、残り半分を本人が負担します。


ちなみに、厚生年金保険料率は、年金制度改正に伴って段階的に引き上げられてきました。


現在では引き上げが終わり、厚生年金保険料率は18.3%で固定となっています。


また、厚生年金保険料を算出する上での標準賞与額の上限は1ヶ月あたり150万円となっており、それを超過した額については保険料がかかりません。

【社会保険料】雇用保険料

雇用保険料は、被保険者である本人が失業した場合に給付を行なったり、ハローワーク等で再就職の支援を行うことを目的とした、雇用保険の保険料です。


これまで見てきた健康保険料・厚生年金保険料は会社と本人とで折半していますが、雇用保険は会社負担の割合の方が大きくなっています。


例えば、一般事業の会社に勤めている場合、雇用保険料の利率は標準賞与額に対して0.9%となっていますが、そのうちの0.6%会社が負担し、残りの0.3%本人が負担することになっています。

所得税

ボーナスから引かれるものは、社会保険料の他に所得税があります。


所得税の税率(源泉税率)は社会保険料の利率を計算する場合とは異なり、社会保険料控除後の前月給与」と「扶養親族の数」を元に決められます。


ボーナスの前月の給与を元に利率が決められるとなると、前月にたくさん残業をした場合にボーナスの所得税が高くなってしまうのでは、と不安に感じた方がいらっしゃるかもしれません。


確かに、ボーナス支給時に源泉徴収される税金は高くなりますが、年末の年末調整で多く支払った分に関しては戻ってきますので、心配はいりません。税金の総額としては同じになります。


ボーナスから所得税がどのくらい引かれるかは別の記事でより具体的にまとめているため、もっと詳しく知りたい方はそちらをご覧ください。

ボーナス(賞与)から引かれる所得税の計算方法

ボーナスから引かれる所得税の計算方法を紹介します。

所得税の計算方法は少し複雑で、いきなり計算式に当てはめようとしても計算できません。

手順としては、
  1. 計算に必要な材料を揃える
  2. 社会保険料、源泉税率を求める
  3. 所得税の計算をする
の流れになります。

それぞれのパートを詳しく解説します。

前月の給与所得と扶養親族を確認しよう

所得税の計算のためには、源泉税率が必要です。この源泉税率を求める材料として、2つの数字を把握しておく必要があります。


その2つの数字とは、「前月の給与所得」「扶養人数」です。


前月の給与所得

把握したい数字は、「前月の給与からその給与に対する社会保険料を引いた額」です。

前月の給与-前月の給与に対する社会保険料

扶養親族数

源泉税率を求めるときにもう一つ必要な材料が、扶養家族の人数です。確認しておきましょう。

具体的な計算方法

では、具体的な所得税の計算方法をご紹介します。


計算に必要な数字は、「ボーナスの社会保険料」「源泉税率」です。


それぞれの数字を求め方を解説した後、所得税の計算方法をお伝えします。


社会保険料

社会保険料=健康保険料+厚生年金保険料+雇用保険料

各社会保険料を計算する必要がありますね。


計算式は、次の通りです。

  • 健康保険料=「標準賞与額」×料率÷2
  • 厚生年金保険料=「標準賞与額」×料率÷2
  • 雇用保険料=「賞与額」×料率

健康保険料と厚生年金保険料に登場する「標準賞与額」とは、賞与額の1,000円未満を切り捨てた額です。


また、健康保険料と厚生年金保険料は、加入している健康保険の資料で料率を確認する必要がありますが、全国健康保険協会の場合は、都道府県毎の保険料額表で確認ができます。


雇用保険は、賞与額そのもので計算します。料率は、厚生労働省の資料で確認しますが、雇用保険料率はシンプルで、一般事業は、0.3%。農林水産・清酒製造・建設事業は、0.4%です。(平成30年度)


健康保険料と厚生年金保険料は、会社が半分負担するため、最後に「÷2」をします。雇用保険料は労働者の負担割合と事業者負担割合が違うため、労働者負担分の料率を掛ける計算式です。


源泉税率

次に、源泉税率を求めましょう。


源泉税率は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表 」で確認ができます。


この表の中から、扶養親族数と先ほど計算した前月の社会保険料を除いた給与が当てはまる欄を探してください。


そこから表を左にたどると、「賞与の金額に乗ずべき率」という欄があります。この数字が、源泉税率です。


所得税の計算式

計算の材料が揃いました。やっと計算できます。


ここまで計算した中から、ボーナスの社会保険料源泉税率を用意してください。


所得税の計算式は、次の通りです。

所得税額=(賞与額-ボーナスの社会保険料)×源泉税率

この計算式に当てはめて、ご自分のボーナスの所得税を計算してみてください。

参考:ボーナス(賞与)から所得税が引かれない場合がある?

実は、ボーナスから所得税が引かれない場合があります。
 


「賞与に対する源泉徴収税額の算出表」で「賞与の金額に乗ずべき率」(所得税率)を見ると、一番上は0.000%となっていることが分かります。


この表によると、前月の給与から社会保険料を除いた額が「扶養人数0人で68,000円未満」「扶養人数1人で94,000円未満」などです。


ボーナス額に関わらず、前月の給与所得がこの0.000%に当てはまった場合、ボーナスから所得税が引かれません。


ただし、前月の給与が0円だった場合、別の計算方法を元に、所得税が引かれますので、簡単にご紹介しておきます。


ボーナスが年2回の場合、次の順番で計算していきます。

  1. 仮の月額=「(ボーナスー社会保険料)÷6」
  2. (1)の仮の月額を月額表に当てはめて税額を探す
  3. ボーナスの所得税=(2)の税額×6

ボーナスが年1回の場合は、6を12にして計算してください。


以上をまとめると、

  • 前月の給与があるが額が少ない場合、ボーナスからの所得税は引かれない。
  • 前月の給与がない場合、仮の給与を計算して相応の所得税を引く。

ということになります。


ただし、最終的には、年末調整や確定申告で所得税額を決定し精算するため、どちらが得ということはありません。


もし、ボーナスの前月だけ休みを多く取ったなどで給与が少なかった場合は、年末調整で所得税が追加徴収される可能性がありますので覚えておくと良いでしょう。

まとめ:ボーナスから住民税は引かれない!

ボーナスの住民税やその他の税金について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 住民税は前年度の所得が確定してから払う税金のため、ボーナスからは引かれない。
  • ボーナスから引かれるのは、所得税と社会保険料。
  • 前月の給与によっては所得税が引かれないことがある。

でした。


住民税と所得税の違いが理解できると、ボーナスから引かれる税金が分かりやすくなります。


ボーナスから住民税は引かれないけれど、所得税が引かれます。


所得税は、最終的に年末調整で精算することになりますから、ボーナスの所得税額が少なかった場合は、注意しておきましょう。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたいマネーライフに関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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