更新日:2022/06/03
生命保険や医療保険にも弁護士特約はある!メリットやデメリットは?
自動車保険に付加されることの多い弁護士特約ですが、実は医療保険や生命保険にもつけることができます。弁護士費用を保険会社が負担してくれる、契約者に有利な制度です。今回はこの特約の特徴やメリット・デメリット、そして利用上の注意などをくわしく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
医療保険・生命保険にも弁護士特約をつけられる
自動車保険につけられることで知られる弁護士特約。
この特約を利用することで、交通事故の示談交渉などを自身で行うのではなく、保険会社の費用で弁護士に依頼することができるようになります。
ところで、この特約は医療保険や生命保険にもつけられることをご存じでしょうか?
どのような状況で弁護士に依頼するのか、追加の保険料はどれぐらいかかるのか、そもそも弁護士特約とは何なのかなど、気になる人も多いことでしょう。
そこで今回は、以下の内容を中心に解説します。
- 弁護士特約とは何か
- 弁護士特約をつけるメリットとデメリット
- 弁護士特約の注意点と利用手順
弁護士特約とは?
弁護士特約とは、なんらかのトラブルで弁護士に依頼することになった際に、その弁護士費用を保険会社が負担する制度です。弁護士費用特約とも呼ばれます。
事故の状況によっては、法律により、保険会社が示談交渉をおこなうことができません。たとえば自身にまったく過失がないもらい事故の場合です。また、相手方との示談がこじれて訴訟に発展した場合なども弁護士に依頼することになります。
弁護士特約をつけていれば、そういったトラブルにおいても費用を気にせずに弁護士を頼ることができるので、経済的な負担や不安を軽減することができます。
医療保険・生命保険で弁護士特約を利用するケース
自動車保険ではイメージがしやすい弁護士特約ですが、医療保険や生命保険ではどのような場合に利用するのでしょうか。
代表的なのは身体障害が残るケースです。
たとえば以下のような状況が考えられます。
- 医療ミスで身体障害が残ってしまった
- 傷害事件に巻きこまれて身体障害が残ってしまった
医療保険・生命保険に弁護士特約をつけるメリット
- 高額な弁護士費用を保険会社が負担してくれる
- 弁護士特約をつけても保険料はほとんど変わらない
メリット①:高額な弁護士費用を保険会社が負担してくれる
弁護士費用は大きく着手金と成功報酬にわかれます。
- 着手金:依頼の結果に関係なく、弁護士に最初に支払う費用
- 成功報酬:依頼が成功した場合に支払う報酬金
着手金額は弁護士事務所によってさまざまです。無料のところから20万円以上かかるところまであります。成功報酬は、示談などで得られた金額から一定の割合で支払われるのが一般的です。
たとえば着手金が30万円、成功報酬20%の契約で、弁護士に依頼するとしましょう。
事故をおこした相手方と弁護士との交渉により、1,000万円の示談金を受け取ることで示談が成立したとします。その場合の弁護士費用は以下のとおりです。
着手金(30万円)+成功報酬(1000万円×20%)=230万円
ほかにも相談料や交通費、弁護士の日当や書類作成にかかる実費などが必要になる場合もあります。
このように高額になりがちな弁護士費用を保険会社が負担してくれるのは大きなメリットといえるでしょう。
メリット②:弁護士特約をつけても保険料はほとんど変わらない
先ほどもお伝えしたように、弁護士費用は高額になりがちです。相談料だけで1時間1万円程度かかることも少なくありません。
月々200円程度の追加で、いざというときの弁護士費用に備えることができるのは、大きなメリットといえます。
保険料は統計をもとに決められる
保険料は基本的に統計をもとに決められています。おこる確率が高いことがらに対して高い保険料を設定することで、加入者間の公平性を保つためです。
持病がある人や、けがのリスクが高い職業の人などは、保険金を受け取る可能性が高いので、保険料は割高になっています。
弁護士特約の保険料が低いということは、弁護士に依頼する確率が統計的に低いということです。支払う保険料がもったいないと感じる人もいるでしょう。
しかし、月々200円程度で、高額な弁護士費用に対する「安心を買う」ことができるのは、精神的な不安を感じやすい人にとって大きなメリットといえるでしょう。
弁護士特約をつけるデメリットはほとんどない
弁護士特約にはデメリットがほとんどありません。
弁護士特約を利用したからといって、契約者の不利になることはないからです。自動車保険のような等級制度がないため、更新時に保険料が上がることもありません。
あえて挙げるとすれば、月々の保険料が200円程度増えることです。しかし、得られる保障や安心感を考えると、比較的小さなデメリットといえます。
弁護士特約の注意点と利用手順
医療保険や生命保険の弁護士特約には大きなメリットがあることをお伝えしてきました。
それでは実際に弁護士特約を利用する際の注意点や利用手順についてを解説します。
どのように使えばいいかを確認しておきましょう。
弁護士特約は適用範囲に注意
- 弁護士費用の上限額
- 利用回数制限
- 適用できる事件や事故の種類
- 離婚調停
- 労働紛争
- 遺産分割調停
- 借地や借家に関するトラブル
- 他人の所有物を壊してしまったとき
また、一般的な保険でも日常生活弁護士費用等特約をつけることで、これらの内容に適用できるようになります。
このように医療分野以外でも弁護士特約が適用できることがあるため、契約している保険内容を確認しておきましょう。
弁護士特約の利用手順
弁護士特約の利用手順は以下のとおりです。
- 弁護士を探す
- 保険会社と弁護士事務所に連絡する
- 必要書類の作成・提出
基本的にはこれだけです。
①弁護士を探す
一般的には保険会社からの指定はないため、自身で依頼する弁護士を探すことになります。依頼内容に関しての知識と実績のある弁護士を選ぶことがポイントです。
依頼した弁護士を途中で変更することも可能ですが、着手金やそれまでにかかった実費などは返還されないので、慎重に選ぶようにしましょう。
②保険会社と弁護士事務所に連絡する
保険会社に連絡し、弁護士特約の利用を希望する旨と、依頼する弁護士名を伝えます。
依頼する弁護士事務所にも、保険会社の担当者名を伝えておきましょう。
③必要書類の作成・提出
委任状と委任契約書、そのほか保険会社や弁護士事務所に要求される書類を作成します。
自身で行う手続きは、基本的にはここまでです。弁護士費用は保険会社に直接請求されるため、いったん立て替える必要もありません。
費用の立て替えが不要で金銭的負担がないことも、弁護士特約の強みです。
保険会社が弁護士特約の利用を嫌がる場合の対処法
弁護士特約は契約者のメリットが大きい制度のため、保険会社が利用を嫌がることがあります。
保険会社から弁護士特約を使えない(もしくは使う必要がない)という返答があったとしても、基本的には気にせずに弁護士に相談しましょう。
弁護士特約の利用を嫌がるおもなケースは、被害者側と加害者側の示談の合意ができている場合です。弁護士に依頼しなくても解決できるため、保険会社は高額な弁護士費用の負担を嫌います。
しかし、弁護士に依頼することで示談金額が上がることは珍しくありません。また、適切な示談金額かどうかを、法律のプロ目線で確認してもらうことにデメリットはないといえます。
弁護士特約は不利な条件なく利用できる制度です。積極的に活用しましょう。
弁護士特約をつけずに自身でトラブルを解決するのは負担が大きい
まず、弁護士に依頼する場合は、高額な弁護士費用を自身で支払うことになります。
弁護士に依頼せず自身で示談交渉をおこなう場合は、以下のような事態が想定されます。
- 示談金額や賠償金額を低く見積もられる
- 資料作成や手続きを自身で行うことになる
交渉には時間的にも体力的にも、そして精神的にも負担がかかります。
長期の交渉に耐えられず、妥協した条件で合意してしまうことも少なくありません。
このような事態を避けたいのであれば、弁護士特約を検討してみましょう。
まとめ:弁護士特約について不安があるなら保険のプロに相談!
医療保険や生命保険につける弁護士特約について解説してきましたが、いかがでしたか?
この記事のポイントは、以下のとおりです。
- 弁護士特約により、費用を気にせず弁護士に相談することができる
- 高額な弁護士費用を支払わずにすむ弁護士特約はメリットが大きい
- 弁護士特約をつけるデメリットはほとんどない
下部のボタンから1分程度で予約できますので、ぜひご活用ください。
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