更新日:2022/06/04
がんの平均治療費用はいくら?がんに備えるために知るべき制度と保険
もし、がんになってしまった時に心配になることの1つとして、どの程度の治療費が必要になるのかというものがあると思います。そこで今回はがんの平均治療費用はいくらになるのか調べました。合わせてがんに備えるために知っておいた方がよい制度と保険もまとめました。
内容をまとめると
- がんの治療にかかる費用は平均120万円ほど
- がんの治療費は部位や進行度、治療方針で変わってくる
- 無理のない範囲でムダのない組み合わせで保険に入ることが大切
- 保険だけでなく健康の不安からプロに相談したほうがよい
- マネーキャリアなら保険やお金の悩みを無料でプロに相談できる
目次を使って気になるところから読みましょう!
- がんの治療にかかる費用の相場
- がん治療費の統計データ|1回のがん治療にかかる費用
- がん治療費の統計データ|がんの治療に年間でかかる費用
- がん治療費用の内訳
- 治療法別に見るがん治療費用
- ①外科療法(手術)
- ②化学療法(抗がん剤治療)
- ③放射線療法(放射線治療)
- ④先進医療
- がん治療費に利用できる公的制度|100万円を超える手術でも自己負担は3割の30万円
- ①高額療養費制度
- ②公的医療制度
- ③傷病手当金
- 公的制度を利用した場合の自己負担額の相場
- 癌治療のトレンド
- 入院より通院治療
- 新しい治療法:免疫療法と遺伝子検査
- がんの治療費に備えられる保険
- ①がん保険
- ②医療保険
- ③がん保障付き団体信用生命保険
- ④就業不能保険
- 自分の収入や貯蓄の状況に合わせて最適な備えを!
- がん保険を選ぶときに重要なポイント
- コラム①クラウドファンディングでがんの治療費を募集している事例もある
- コラム②がんの治療費が原因で借金を抱える人も…
- がんの平均治療費費用に関するまとめ
目次
がんの治療にかかる費用の相場
がん保険を検討するにあたり、治療にいくら必要になるのか、平均額などを知っておくことは重要です。
しかし、がん治療にかかる費用は
- がんの進行度
- 発症部位
- 治療方法
など様々な要因によって違うものとなります。そのため、一概にいくらということはできません。
そこでここでは、治療法や部位ごとの平均治療費についてご紹介していきます。
それと同時にどのような治療法や選択肢があるのか、どういった保障があるのかなどをまとめています。
まずはがん治療費の統計データなどを確認していきましょう。
がん治療費の統計データ|1回のがん治療にかかる費用
ここでは、発症部位別の平均がん治療費について簡単にまとめてみました。
厚生労働省が平成30年度におこなった医療給付実態調査をもとに総費用を分類ごとに割り、1件当たりの費用を算出しました。
部位 | 治療費 | 3割負担額 |
---|---|---|
女性特有 (乳がん、子宮頸がん) | 60万円 | 18万円 |
直腸がん | 74万円 | 22万円 |
胆管がん | 60万円 | 18万円 |
すい臓がん | 64万円 | 19万円 |
肺がん | 67万円 | 20万円 |
部位 | 治療費 | 3割負担額 |
---|---|---|
女性特有 (乳がん、子宮頸がん) | 4万円 | 1万円 |
直腸がん | 6万円 | 2万円 |
胆管がん | 4万円 | 1万円 |
すい臓がん | 4万円 | 1万円 |
肺がん | 9万円 | 3万円 |
がん治療費の統計データ|がんの治療に年間でかかる費用
がんの治療は1度では終わりません。長期に渡る治療が必要になるため、年間の医療費を見ていきましょう。
年間の医療費 | 構成比 |
---|---|
50万円未満 | 26% |
~100万円未満 | 22% |
~200万円未満 | 16% |
~300万円未満 | 6% |
~400万円未満 | 3% |
~500万円未満 | 1% |
500万円以上 | 3% |
無回答・無効回答 | 23% |
これは
- 治療方法
- 発症部位
- 進行度
- 治療期間
等によって大きく変わるためです。
平均の治療費を準備しただけでは、足りなくなってしまう可能性も少なくありません。金銭的な理由でしっかりと治療が受けられないことにもつながってしまいます。
しかし、
- 保険で備える
- 早期発見・早期治療
などで医療費の上昇を防ぐことができれば、平均よりも少ない治療費負担で済む可能性もあります。がん保険での準備や健康診断・人間ドックの受診を心がけるようにしましょう。
がん治療費用の内訳
それでは、がん治療費用はどういったものが費用としてかかってくるのでしょうか。実際に公的医療保険によって保障されている部分やそれ以外の費用がかかってきます。
国民健康保険や社会保険などで保障されるものとしてあげられるものは大きく分けて6つです。
検査費用
MRIやCT、超音波といった方法でがんの有無やがんの治療方針を決定するためにおこなわれる行為に対する費用です。
診察費用
医師による診察や投薬、注射などの費用です。
外科療法費用
手術費用です。切開手術や内視鏡手術、腹腔鏡手術など手術方法によっても費用が変わってきます。
抗がん剤治療費用
手術前にがんを小さくしたり、手術だけではすべてのがんを取り除けないとき、手術後の再発予防など抗がん剤を使用した治療を行うための費用です。
放射線治療費用
治療法別に見るがん治療費用
一概にがん治療の費用と言ってもさまざまな方法があります。今回は
- 外科療法(手術)
- 化学療法(抗がん剤治療)
- 放射線療法(放射線治療)
- 先進医療
の4つに分けて、どういった治療法なのかも合わせてご説明いたします。
本来、それぞれの治療法を併用して行い、診療報酬として計算されて費用が決まるので、手術分だけで終わり、といったことや、抗がん剤治療費だけで終わる、といったことは無いことには留意していただければと思います。
①外科療法(手術)
1つ目の治療法としてあげられる外科療法は、早期発見のがんの治療には有効な治療方法の1つです。3大治療法の1つで公的医療保険で保障されるものになります。
がん治療の外科療法はがんを切除することになります。がんの性質として大きくなったり、他の臓器に転移するなどの性質があるので、がんがある臓器を大きめに切除したり複数の臓器を切除しなければならない場合があります。
手術内容によって開腹手術や開胸手術、腹腔鏡や胸腔鏡などの手術の方法や規模によって大きな違いがあり一概にいくらということはできません。
例えば、胃粘膜の手術であれば平均30万円ほどで済みますが、胃の一部切除などとなると平均120万円もの費用がかかってくる可能性があります。手術部位や手術内容、手術方式などによって大きな差が出てしまうため、なるべく早期に発見し、簡単な手術で抑えることができれば治療費用を抑えることもできそうです。
医療の進歩によって体への負担が少ない手術方法や必要な入院日数は減ってきてはいますが、今のところ日帰り手術というわけにはいきません。手術する場合は手術以外にも前後に入院が必要であれば入院費なども必要なってくることには注意すべきでしょう。
②化学療法(抗がん剤治療)
抗がん剤やホルモン剤を使って全身に転移しているがんを治療したり、手術後の再発防止のためにつかわれる治療法が化学療法です。先ほど紹介した外科療法や、後ほど紹介する放射線治療の補助療法としてもつかわれることが多い治療法です。
薬によっては、髪が抜けるなどの副作用があるのがこの治療法で、がん細胞への作用が正常な細胞にも働いてしまうため、患者への負担が大きい治療法とされています。しかし、副作用を抑える薬も開発されたことで、通院治療も可能な点はおおきなメリットとなるでしょう。
しかし、治療が長くなることで、がん細胞に対して抗がん剤が効きにくくなるなどのデメリットがあり、再発を繰り返した際に治療が難しくなっていくことの1つの要因でもあります。
こちらも、がんの症状や進行度、処方される薬の種類によってさまざまで、胃がんの場合数万円から80万円といわれていたりしますが、治療が繰り返されていけば、それだけ治療費は多くかかっていくことになります。
転移や再発を抑えるために使用することも考えると長期間の治療になっていきますので、一概にいくらというのは難しくなっていきますが、化学療法も公的医療保険の保障内となっています。
③放射線療法(放射線治療)
放射線を利用して治療する方法が放射線療法といわれる方法です。がんの病巣がまだ狭い範囲だった場合や骨転移などによる痛みの症状の緩和に使われる場合があります。
放射線治療は複数の角度からエックス線、電子線、ガンマ線などの放射線を照射し、がん細胞にダメージを与えて破壊することでがんを治療する方法です。正常な細胞へのダメージも多少はありますががん細胞ほど強く影響は受けません。
サイバーナイフといわれる従来よりも細く、複数の放射線照射が可能な装置を使うことで、より正常な細胞へのダメージが少なく、がん細胞への高エネルギーを照射し治療することができるようになるなどの進歩を続けています。
上記のような、外部から放射線を放射し治療する外部照射といわれる方法のほかにも、放射性物質を体内に挿入したり、飲み薬や注射で投与することで、内部から照射を行う内部照射といわれる方法もあります。
放射線治療もがんの症状や進行度、場所によってさまざまで、さらに回数によっても変わってきます。多い場合は約150万円や60万円などともいわれます。がんの種類や進行度によっては放射線治療単独で治療が可能な場合もあり、公的医療保険の保障内となっています。
④先進医療
これまでは、公的医療保険の保障内となっている3大治療法をお伝えしてきましたが、それ以外にも、がんに対する治療法はさまざまな方法が研究されています。3大治療法までの安全性や有効性が確認できてはいませんが、厚生労働省が定める高度な医療技術のことを先進医療といいます。
例えば、陽子線治療といわれる陽子線をがん細胞に照射して治療する方法は約250万円~約300万円、そして、炭素イオン線をがん細胞に照射して治療する重粒子線治療は300万円前後となっています。
また、がん細胞に対しての免疫機能を強化させたり、がん細胞によって抑えられてしまった免疫機能を回復させ、がんを治療する、免疫療法といわれる方法は約400万円ていどの費用がかかるといわれています。
こちらは公的医療保険の保障外となっているので治療費の全額を負担しなければならないことには注意が必要です。
やはり、それぞれの治療法を見ていくと多額の費用がかかることがわかります。また、入院などで収入が低下することも考えなければなりません。つぎに、色々な方法で費用を補う方法をご紹介していきます。先進医療のように制度によっては使えない物もありますので注意してください。
がん治療費に利用できる公的制度|100万円を超える手術でも自己負担は3割の30万円
がん治療費に利用できる公的制度はどういったものがあるのでしょうか。実はがん治療費が100万円を超える手術でも自己負担は3割の30万円に、そこからさらに負担額を減らすことができる方法があります。
- 高額医療費制度
- 公的医療制度
- 傷病手当金
①高額療養費制度
1つめは高額医療費制度です。
高額医療費制度とは、医療機関や薬局の窓口で払った額が、ひと月で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給してもらえる制度です。支給額と上限額は年齢と年収で変わります。
以下は69歳以下の方の上限額です。
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
---|---|
年収約1,160万円~ | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
年収約770~約1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
年収約370~約770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
~年収約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税者 | 35,400円 |
例えば、年収400万円の方が100万円の医療費を請求された場合、3割自己負担になるので30万円です。計算式に医療費100万円を入れて計算すると87,430円になり、実際には87,430円の負担で済むようになります。
しかし、支給されるのが少なくとも3か月後であるということには注意が必要です。
②公的医療制度
69歳以下は医療費の自己負担が3割になる、その残り7割を負担してもらえる制度が公的医療制度です。日本国民は国民健康保険、後期高齢者医療制度、健康保険組合や共済組合などの被用者保険、いずれかに加入することが義務付けられています。
公的医療制度に加入していることで、医療費の7割が免除されます。例えば、100万円の治療を受けた場合は3割の30万円の自己負担額で行うことができます。残りの7割は、保険料の支払先である審査機関によって支払われます。
一部先進医療や試験的な薬、希望して個室や少人数部屋のベッドで入院した場合の差額ベッド代などには公的医療保険が適用されない点には注意が必要ですが、公的医療保険が適用されない治療やサービスなどについては、実施前に説明があることがほとんどです。
公的医療保険は、加入している団体や組合によって、窓口や受けられるサービスに差がありますので事前に確認しておくとよいでしょう。
③傷病手当金
会社員の方が、保険傷病手当金制度は業務外の理由で療養のために仕事ができなくなってしまった時に、1日分の給与の3分の2が支給される制度です。
仕事を3日間連続して休み、4日目以降が療養の対象となることには注意が必要です。仕事ができないかどうかは医療機関の意見や仕事内容をもとに判定されます。
支給される期間は支給開始日から最長でも1年6か月となっています。しかし、その間に復帰し、再び同じ病気やケガの再発で仕事にができなくなった場合は復帰していた期間もあわせて1年6か月と計算されることには注意が必要かもしれません。
また、療養中に給与の支払いがあった場合は支給されません。傷病手当金よりも少なかった場合は差額が支給されることになります。
傷病手当金の制度は健康保険に加入してる方のみの制度になります。自営業の方や個人事業主の方が加入している国民健康保険には傷病手当金の制度は無いので注意しなければなりません。
公的制度を利用した場合の自己負担額の相場
ここまで紹介した公的医療制度と高額医療費制度を使えば、かなり医療費の支払いを減らせることがわかっていただけたと思います。
平均在院期間が15日~20日未満ほどであれば、ほとんどの治療方法の治療費が高額医療費制度適用後の自己負担額は平均9万円ほどに抑えることができます。
便利な公的医療制度と高額医療費制度ですが、高額医療費制度の方にはちょっとした落とし穴があります。高額医療費制度は月ごとの医療費を計算するので、月をまたいで入退院した場合、翌月分の医療費が免除金額にならず、自己負担になることがあります。
このため、入院時期については気を付けて決めた方が良いかもしれません。とはいえ、早期に治療を行う事は大切ですので医師と話し合って決めるべきでしょう。
また、先ほども申し上げた通り、先進医療の技術料、1~4人部屋などに入院することで必要な差額ベッド代や食事代などは公的医療制度の保障外になりますので注意してください。
癌治療のトレンド
がん治療も医療の進化と共に変化してきました。近年では、がん=「不治の病」ということも無くなり、がん患者の60%以上が治る時代になりました。
そういった中で、新しい治療方法や検査方法を使い、高いQOL(クオリティオブライフ=生活の質)を維持しながら、がんを治療しつつも、その後の生活に支障がないようにしていく事が課題になってきています。
現在、がんは高齢化に伴い、日本人に2人に1人が付き合っていかなければならない病気になってきています。その中で現在はどういった治療方針や方法をとることが多いのか、いくつかご紹介いたします。
もちろん、全ての人がこの治療方針や方法をとっているわけではありませんが、現在ではこういった考え方が主流になりつつあります。
入院より通院治療
近年のがん治療は医療の進歩などにより、入院治療の期間を減らし、薬物療法や放射線治療などにで通院による治療をすることが増えてきています。
住み慣れた場所で自分らしく過ごすことができ、家事や趣味が自分のペースでできることなど、不安やストレスが軽減され、気持ちが安らぐ生活ができ、仕事を継続しながら治療が可能な場合は経済的な不安や負担が減ることなどのメリットがあります。
反対に、通院のための移動手段の確保や、副作用が起こった時の対処、ケガや感染の予防、食生活の管理など本人や家族、周りのひとの負担が多くなる可能性があることは考慮に入れなければいけません。
また、がん保険の保障内容の中に入院保障があった場合は入院保障が受けられなくなるといったこともありますし、通院保障と呼ばれる通院日数に応じて保障を受けられる制度も増えてきていますので、自身の保障内容と比べつつ入院か、通院か選んで治療を受ける必要もありそうです。
新しい治療法:免疫療法と遺伝子検査
近年では、遺伝子検査や免疫療法と言われる検査法や治療法が新しくできてきました。
遺伝子検査は肺がん、乳がん、大腸がんなど一部のがんで、薬物療法のときに薬が効果的に作用するか、副作用がでやすいかなどの判断を医師が必要と判断したときに行われる検査です。
今までよりも効果的に作用する薬を早い段階で選択することが可能なので進行が進むことを抑えることができます。
免疫療法は人体に備わっている免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法です。がん細胞によって免疫にブレーキを掛けられている免疫細胞のブレーキを外すことによって本来の力を取り戻した免疫細胞の力でがん細胞を攻撃する方法と免疫を取り出し、がんに対する免疫力を上げて体内に戻すことでがん細胞を攻撃する免疫細胞を作りだす方法の2種類があります。
しかし、免疫療法はまだまだ研究段階の治療法で保険の適用外になることも多いことが現状です。治療法として選択する場合は治療効果、安全性とあわせて費用の面も慎重に検討して選択する必要があるので注意が必要です。
がんの治療費に備えられる保険
治療方法や発症部位、によって大きく変わるがんの治療費ですが、がんに発症することによって治療費がかかることには変わりありません。
- がん保険
- 医療保険
- がん保障付き団体信用生命保険
- 就業不能保険
の4つの保険をご紹介します。
組み合わせて適切に加入することで、がんにかかったときにもきちんとした保障を受けることができます。
①がん保険
がんになった際に保障が受けられるものの1つががん保険です。
がん保険には様々な保障がありますが、がんに特化している保険のためがんに対しては手厚い保障が期待できます。
しかし、がんにしか対応していないことは大きなデメリットです。その他の病気やケガはこの保険ではカバーできません。
がん以外の病気やケガに対しては医療特約の付帯や個別の医療保険への加入で対応しなくてはいけないことに注意しましょう。
保障内容を見ていきましょう。
診断給付金
給付条件が「がん診断」となる保障です。治療が開始される前に受け取ることも可能なため、金銭的に余裕をもって治療に臨むことができます。
給付金額は100万円や200万円など、契約によって様々です。使用目的は自由なため、治療費にはもちろん、働けなくなった際の生活費などにあてることもでき、柔軟な対応が可能な保障です。
入院給付金
がんで入院した際に保険金が支給されます。最初に設定した入院日額をもとに期間に応じて計算されます。
例えば、入院日額1万円で10日間入院した場合には10万円が支給される仕組みです。
医療保険には限度日数がありますが、こちらの場合には無制限となる特徴があるため、長期入院にも対応できることが大きな特徴です。
手術給付金
がんで手術が行われた際にその手術に対して決められた金額が支払われる保障です。
入院日額が基準となり手術に対応した倍率で計算されるタイプと、一定額が支給されるタイプに分かれます。
例えば、入院日額1万円で手術倍率が20倍の手術が行われた場合には、支給されるのは20万円です。
通院給付金
がんの治療で通院した場合、その日数に応じて保険金が支給される保障です。通院給付金をもとに計算されます。
がん治療では手術前後に抗がん剤治療のために通院を行うことも珍しくありません。ただし、どの保険でも入院前後の通院に対応しているわけではないことに注意しましょう。
- 入院後の通院
- 入院前後の通院
など、商品ごとに違いがあるため、加入時にはしっかりと確認したいポイントのひとつです。
その他の給付金
がん保険の保障内容は種類が豊富です。
- 抗がん剤治療給付金
- がん死亡給付金
- がん放射線治療給付金
- がん先進医療給付金
- 退院給付金
など様々な保障があります。他の保障とすでにセットになっている場合や、自分で特約を選んで付帯する場合など、商品ごとに様々です。特約付帯は自分の判断となりますが、自由にカスタマイズができ理想のがん保険にすることも可能です。
②医療保険
医療保険でもがんはカバーされます。そのため、がん保険に加入していなくてもある程度の治療費はカバーされます。がん保険との主な違いとしては、
- 入院日数
- 通院日数
それぞれに上限があることです。
そのため、長期の入院や治療に対応できない可能性があることに注意が必要です。
ただし、がん以外にも病気やケガで利用ができる、対象が広いというメリットがあります。がんに対してはこれのみでは不十分と感じる場合には、がん保険などの検討が必要です。
医療保険の内容を見ていきましょう。
入院保障
入院した際に日数分の保険金が支給される保障です。限度日数があるため、長期入院の際には注意が必要になります。
手術保障
様々な手術に対して保険金が支払われる保障です。
- 入院日額に手術ごとの倍率をかける
- 手術ごとに一定金額
など商品によって支払われる金額に違いがあります。
通院保障
通院による治療費をカバーする保障です。
- 入院後
- 入院前後
など違いがあります。しっかりと確認が必要です。
また、上限日数があることに注意しましょう。
医療保険のがん特約
医療保険にがん特約を付帯しておくことで、がん保険のようにがんに特化した保障を受けることもできます。
- がん診断給付金
- がん入院給付金
- がん通院給付金
など、診断一時金がもらえる保障やがんの際には通常の保障に上乗せして手厚くなる保障まで様々です。
がん保険だけではなく、がん特約でもがんの治療に手厚く備えることができます。
③がん保障付き団体信用生命保険
がんの治療費だけががん治療中にかかる費用ではありません。住宅ローンなどを払っている方は、がん治療中でもローンの返済などを行わなければならないでしょう。そんなときの備えとなるのが、がん保障付きの団体信用生命保険です。
団体信用生命保険は、住宅ローンの債務者が返済中に返済をできない状況になったときに、その保険金で、住宅ローンの残高が完済される保険です。その中にがんと診断された時点で団体信用生命保険が利用できるものもあります。
住宅ローンが完済され、毎月の住宅ローンの返済がなくなるということは、それだけ、家計の負担を減らすことができます。その分を、がんの治療費に充てるようにすることで、がんに備えることができます。
加入前に、保障分の金利が上がってしまう事やがんの種類によって保障されないケース、回数などによって保障されないケースもあることには十分注意したうえで加入を検討しなければなりません。
④就業不能保険
入院等で就業不能になったときに、支払われる保険として就業不能保険があります。会社員や公務員等の社会保険に加入している方であれば傷病手当金などがありますが、国民健康保険に加入する自営業や、個人事業主の方には傷病手当金は支給されません。
自営業者や個人事業主が、がん治療で入院し、就業不能状態になってしまった場合に、多くは収入が減ることを気にかけており、就業不能保険の場合、毎月一定の保障が受けられるので不安を減らすことができます。
傷病手当金の場合、期間が1年6か月と限られていますが、就業不能保険は長期間にわたり生活費をサポートでき、傷病手当金と合わせて、保障を調節することが可能なものもあるのでがんの治療費として備えることができる保険となっています。
デメリットとしては、就業不能の範囲が各社さまざまなことと、支払い対象外期間があるので、短期間の入院では保障が出ない場合などもあることには注意が必要です。
自分の収入や貯蓄の状況に合わせて最適な備えを!
ここまで、がんに対する備えとして、
- がん保険
- 医療保険
- がん保障付き団体信用生命保険
- 就業不能保険
マネーキャリアなら保険の相談からお金の相談まで、経験豊富な専門家に無料で相談することができます。
自分の今の収入から、必要な保障やライフプランを最低限の保険料で最大限の保障を受けられるように見直すところから始めると不安を減らすことができるでしょう。
がん保険を選ぶときに重要なポイント
がん保険を選ぶときに重要なポイントがいくつかありますが今回は3つほどお伝えします。
- 診断給付金、一時給付金の有無
- 長期間の通院治療にも備えられる
- 一生涯の保障がある
コラム①クラウドファンディングでがんの治療費を募集している事例もある
近年、海外ではがん治療費をクラウドファンディングで募集している事例もあります。クラウドファンディングとは主にインターネットに目標を提示し不特定多数から小額ずつ資金調達を行う事で目標を達成する方法です。
海外でも、がんの治療費の高騰や高額な治療費の支払いが不可能な場合の1つの方法として、クラウドファンディングという方法がとられることが増えてきているようです。
お伝えしてきた通り、がんの治療は長期間、方法によっては公的医療保険制度の範囲外になることもあり、高額になることが多くあります。仕事をできなくなる場合もあり、その場合の資金調達方法の1つとしてクラウドファンディングという方法がとられることがあるようです。
寄付に近い形とはいえ、クラウドファンディングを募る場合は資金の使い方を明確に、プロジェクト内容以外には使えず、支援者に対してリターンとして何か返さなければならないなどの制約があるので気軽に使える方法ではないかもしれません。
コラム②がんの治療費が原因で借金を抱える人も…
先に申し上げた通り、がんの治療費は長期間になることが多く、また、抗がん剤治療や手術、放射線治療などで対応が難しくなり、公的医療保険制度の範囲外である先進医療などに頼らざるをえなくなってしまった場合は全額自己負担となり、300万円や400万円の治療を受けなければならない場合などもあります。
保険に加入しておらず、貯蓄もない状態で治療を受けることでがんが治っても返済に追われる、又は返済することができず、大きく生活水準を下げなければならなくなるといったことが起こることがあります。
治療が終わり、完治して同じように働けるようになればすぐに返せる、と思っていても、がんの場合は再発率や長期にわたり治療が必要な場合も多く、なかなか同じように働くとはいかない場合も多くあります。
結果的に借金を抱えて、債務整理や悪循環が続いてしまい、大きく生活水準を下げなければならないといったこともあるので万が一に備えておきたいですね。
がんの平均治療費費用に関するまとめ
ここまで、治療法やがんの部位によってどれくらいの差があるのか、また、どういった保障があるのかなど、それぞれのがんの平均治療費用についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか?
全体の平均治療費としては120万円ほどでしたが、がんの部位や進行度、入院するか通院するかなどの治療方針、手術や抗がん剤、放射線、先進医療などの治療方法の選択、さまざまな選択によって治療費は変わってきます。
状況によって治療費は変わってきてしまうので、平均といっても大きな差が出てきてしまいます。可能な限り、リスクに対処できるよう、無理やムダが無いように計画性をもって保障を付けることで、突然の事態にも対応できる余裕を持つことが大切です。
まず、自分自身がどの程度の保障を付けることができるのか、どういった保障を付けるべきなのか、保険相談の経験豊富な専門家にまずは相談してみることで、不安を取り除くことができるのではないでしょうか。
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