更新日:2020/03/28
他人の車を運転する場合にも自分の自動車保険を使うことができる?
友人から借りた車や会社の車など、他人の車を運転しているときに事故を起こしてしまった場合、自分が加入している自動車保険は使えないことをご存知でしょうか?この記事では、他人の車で事故を起こしてしまった際に使える自動車保険について、わかりやすく解説します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 他人の車を運転する場合に使える自動車保険について解説
- 他人の車で事故を起こしても自分の保険が使える?
- 自動車保険は「車にかける保険」
- 事故を起こした際に使える保険は「その車の保険」が基本
- 一時的に運転を変わってもらった場合
- 注意:他人の運転であっても保険を使えば等級は下がる
- 参考:他人の車に傷をつけてしまった場合
- 他人の車での事故を補償する「他車運転特約」
- 他車運転特約は多くの保険会社で自動的に付けられている
- どの保険会社でも補償の内容や条件はほぼ同じ
- 特約の補償範囲に注意
- 他人の車を運転する場合には短期加入できる自動車保険も便利
- 他人の車を運転する場合はワンコインで加入できる「1日保険」が便利
- 代表的な1日自動車保険を紹介
- 参考:1日自動車保険は通常の自動車保険と補償範囲が異なる
- 注意:レンタカーは1日保険が使えない
- 他人の車を運転する場合にも安心できる自動車保険を見積もってみよう
- 見積もり結果①:ソニー損保の場合
- 見積もり結果②:損保ジャパンの場合
- 見積もり結果③:アクサダイレクトの場合
- 見積もり結果④:東京海上日動の場合
- 同じ条件でも保険会社によって保険料が違う
- 他人の車を運転する場合に使える自動車保険についてのまとめ
目次
他人の車を運転する場合に使える自動車保険について解説
友人と車で出かけた際、遠出をする場合などは定期的に運転を交代することが多いですよね。家族名義の車を借りたり、会社の車を乗ることもありますよね。
他人の車を運転した際、万が一事故を起こしてしまっても自分の自動車保険が使えるとは限らないことをご存知でしょうか?万が一、事故を起こしてしまった際に保険が使えないとなると困ってしまいます。
そこでこの記事では、
- 他人の車で事故を起こした時、自分の自動車保険は使えるのか
- 他人の車での事故を補償できる他車運転特約とは
- 他人の車を運転する機会が多いなら、短期加入保険もおすすめ
- 実際に他車運転特約に加入した保険料の目安
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読むことで、他人の車を運転する機会があるときは保険をどうすれば良いのか理解できるでしょう。
最後まで読んでみてください。
他人の車で事故を起こしても自分の保険が使える?
他人の車を運転していて事故を起こしてしまった場合、残念ですが自分の保険を使うことはできません。
他人の車を運転する機会というのは、友人の車を借りた時や親の車を借りた時などが当てはまります。保険料を安くするために保険の対象となる条件に「本人限定」などをつけていると、保険を使えないこともあります。
自動車保険に加入しているから大丈夫だろうと思って借りる方も多いですが、実際は一定の条件をクリアしていなければ保険は使えません。車を貸した方に大きな迷惑をかけてしまうことも考えられるので、車を借りる場合は保険内容をよく確認しましょう。
自動車保険は「車にかける保険」
自動車を購入した際、自賠責保険と任意保険に加入します。任意保険は強制ではないですが、万が一のことを考えると加入しておこうと考える方が多いです。
そんな自動車保険は、運転者ではなく車にかける保険です。車を2台持っている方はわかりやすいと思いますが、1台1台に自動車保険をかけますよね。
つまり、他人の車を運転していて事故を起こした場合、その車にかけられている保険を使うのが一般的です。さらに、自動車保険には「運転者の範囲」を設定することができます。
運転者の範囲を決められるから運転者にかけているのではないかと勘違いしてしまいそうですが、あくまでも車にかけた保険に運転者の条件を付けただけということを覚えておきましょう。
事故を起こした際に使える保険は「その車の保険」が基本
事故を起こした場合、自動車保険はその車にかけられている保険を使うのが基本となります。事故を起こした際、どこまで保証されるのかは加入している保険によって異なります。
対物賠償特約をつけていなければ、事故により物を壊した分の補償はないですし、運転者の限定を本人限定にしている場合は、その他の方が起こした事故については補償されません。
どこまで補償されるのかは、加入している保険によって気になる方は一度保険会社に連絡して確認しておくといいでしょう。
また、他人の車を運転して事故を起こした場合でも、自分の自動車保険を利用することのできる特約も存在します。もちろん、すべてのケースで特約が使えるわけではなく、条件を満たしていれば補償を受けることが可能です。
自動車保険に加入する時は今一度、しっかり補償内容を確認しておく必要がありますね。
一時的に運転を変わってもらった場合
一時的に運転を友人に代わってもらった際に事故を起こした場合はどうなるのでしょうか。たとえ、車の持ち主が横に乗っていて一時的に運転を変わった場合でも、「車を友人に貸した」ことになります。
そのため、このようなケースであっても車の持ち主が支払っている自動車保険を使うことになるでしょう。
もしくは、友人の自動車保険についている他車運転特約などを利用することが可能です。一時的に運転してもらった場合でも、貸した扱いになることは覚えておきましょう。
注意:他人の運転であっても保険を使えば等級は下がる
他人に車を貸して事故を起こされた場合、運転者の範囲を限定にしていなければ車にかけた保険を利用できます。しかし、他人に車を貸したのだから本人は事故を起こしていないのですが、貸した側の等級は下がってしまいます。
等級が下がると、事故を起こした翌年から月々の保険料が上がります。本人は事故を起こしていないのにも関わらず、保険料が上がってしまうのは経済的損失ですよね。
他人の車を借りる際、事故を起こしてしまうとせっかく貸してくれたのにさらに迷惑をかけてしまう可能性があることを十分に考慮する必要があるでしょう。
参考:他人の車に傷をつけてしまった場合
何らかの理由があり他人の車を傷つけてしまった場合、物損扱いとなるので自賠責保険は利用できません。ですので、任意保険で支払いを行う必要があります。
この場合は、自分が加入している車両保険で対応することができます。他人の車に傷をつけてしまった時は焦ってしまいますが、落ち着いて保険会社に連絡しましょう。
ただし、保険が利用できるのは本人が傷をつけてしまった場合のみです。子供が車に傷をつけてしまった場合は、個人自賠責任保険の対象となります。
個人自賠責責任保険とは、学校や火災保険などで加入を勧められる団体保険です。どこまで保証されるのかは各保険によって違いがあるので、子供が傷をつけた場合はまず加入している団体保険に連絡するようにしましょう。
他人の車での事故を補償する「他車運転特約」
他人の車で事故を起こしてしまった際、自分の自動車保険を利用することはできません。ただし、他社運転特約に加入しているのであれば話は変わります。
自分が他社運転特約に加入している場合、他人の車で事故を起こした場合でも自分の自動車保険を使うことができます。ではこの他社運転特約とはいったいどういったものなのか、詳しく解説していきます。
他車運転特約は多くの保険会社で自動的に付けられている
他車運転特約とは、ほとんどの保険会社で契約時にセットになっていることが多いです。
他車運転特約とは、
- 他人の車で事故を起こした際、自分の自動車保険から保険金の支払いが受けられる
- 他人の怪我や財物、借りている車に対する保険金が支払われる
- 自分の怪我や搭乗者の怪我にも対応してくれる
- 事故の相手が無保険だった場合や当て逃げにも対応してくれる
- 他車運転特約に加入している場合、優先的に自分の自動車保険が使える
どの保険会社でも補償の内容や条件はほぼ同じ
他車運転特約の補償内容や補償条件については、どの保険会社でもほとんど変わりません。
補償内容は以下の通りです。
- 歩行者や相手の車の搭乗者に対する補償
- 相手の車やガードレールなどに対する補償
- 借りた車の補償
- 借りた車での単独事故への補償
- 法律上の損害賠償責任(対人・対物・車両)を補償
- 補償を受けられる方のケガを補償
特約の補償範囲に注意
一見、非常に便利な特約に思えますが注意しておきたいこともあります。それは、運転者の範囲です。
運転者の範囲は特約にも適応されます。例えば、娘が友人の車に乗って事故を起こしてしまった場合、父親が加入している自動車保険の運転者の範囲に限定がついていなければ父親の自動車保険が利用できます。
つまり、通常の自動車保険と同じように運転者の範囲の条件にない方が起こした事故には補償を使うことができません。もし、親が子供に車を貸す場合などは一度運転者の範囲を確認しておくと良いでしょう。
また、車両保険に加入していない場合や所有者の承諾なく運転した場合も同様です。特約が使えるのは運転中のみで、停止中や駐車している際の事故では利用できません。
他人の車を運転する場合には短期加入できる自動車保険も便利
他人の車を運転する場合は、短期加入できる自動車保険がとても便利です。短期加入できる自動車保険は、1日ではなく半日での設定や1週間など期間の変更も行えます。
短期保険は1日だけでも加入できるので、他の方の車を借りる際に心配であれば加入しておくと安心ですね。
ここからは具体的にどういったものなのか紹介します。
他人の車を運転する場合はワンコインで加入できる「1日保険」が便利
自動車保険は、1年間ごとに契約するのが一般的です。ですが、実は1日から保険加入できるものもあります。
例えば、1日だけ他の方の車を借りる場合は1日保険への加入をおすすめします。1週間借りる場合は1週間保険に加入するというように、自分で保険期間を決めることができます。
東京海上日動では、ちょいのり保険という24時間単位で加入できる保険があります。(参考:東京海上日動)
24時間500円で加入できるだけでなく、スマホからいつでも申し込みができるので大変便利です。2日加入しても1000円と非常に安いので気軽に加入できます。ワンコインでスマホで簡単申込みが可能なので、今から出かけよう!という時でもすぐに対応できます。
補償内容については保険会社によって異なりますが、賠償に関する補償や搭乗者の怪我、ロードアシストもセットになっている場合が多いです。とても安いのに、補償サービスがしっかりしているのは嬉しいですね。
代表的な1日自動車保険を紹介
実際に短期加入できる自動車保険会社の申込み方法や補償内容について比較してみました。
保険名 (保険会社) | プラン | 申込み方法 | 保証期間 | 料金 | 支払方法 | 割引内容 |
---|---|---|---|---|---|---|
ちょいのり保険(東京海上日動) | 対人賠償責任保険 対物賠償責任保 搭乗者傷害特約(一時金払 ロードアシスト | スマホ コンビニ(ローソン、ミニストップ、ファミリーマート) | 24時間 | 500円 | キャリア決済 クレジットカード | 新たに車を購入した場合、ちょいのり保険で無事故だった場合にのみご利用日数に応じて自動車保険料が最大20%オフ |
乗るピタ! (損保ジャパン) | 対人賠償責任保険 対物賠償責任保険 対物全損時修理差額費用特約 搭乗者傷害特約(一時金払) 自損事故傷害特約 ロードアシスト 臨時被保険者に関する特約 | スマホ パソコン | 12時間 | 400円 | クレジットカード | なし |
1DAY保険 (三井住友海上) | 対人賠償保険 対物賠償保険 対物超過修理費用特約 自損傷害保険 搭乗者傷害(入通院/一時金「1万円・10万円」)特約 搭乗者傷害(死亡・後遺障害)特約 ロードサービス | スマホ コンビニ(セブンイレブン) | 24時間 | 800円 | キャリア決済 コンビニ支払い | 2回目以降の利用は、24時間770円で利用できる |
ワンデーサポーター (あいおいニッセイ同和損保) | 対人賠償保険 対物賠償保険 対物超過修理費用特約 自損傷害保険 搭乗者傷害(死亡・後遺障害)特約 搭乗者傷害(入通院/一時金「1万円・10万円」)特約 ロードアシスト 緊急時サービス費用保険 | スマホ | 24時間 | 800円 | キャリア決済 | 2回目以降の利用は770円 |
参考:1日自動車保険は通常の自動車保険と補償範囲が異なる
1日自動車保険と通常の自動車保険は、保証内容が異なります。1年更新型の自動車保険は保険料が年々下がっていきますが、1日自動車保険は割引を使っても保険料は大きくは変わりません。
さらに注意したいのは車両保険です。1日自動車保険を安く加入した場合は車両保険に加入できていません。プランを選択すれば車両保険を付けることもできますが、通常の自動車保険より補償額が少ないでしょう。
1日自動車保険と通常の自動車保険の違いを見てみましょう。
補償内容 | 1日自動車保険 | 1年更新型自動車保険 |
---|---|---|
保険期間 | 1日~ | 1年ごとの更新 |
等級制度 | なし | あり |
車両補償 | なし(選択可能) | あり |
対人賠償・対物賠償 | 無制限 | 無制限 |
等級制度があることで、通常の自動車保険は保険料が年々減っていく仕組みになっているので、1日自動車保険は価格が変わりません。
また1日自動車保険は、事故を起こした際の相手への補償は十分補えますが、自分に対する補償は自己負担額が増えてしまうと考えておきましょう。
注意:レンタカーは1日保険が使えない
1日自動車保険の対象となるのは、個人所有の自家用車に限ります。レンタカーはもちろんですが、法人所有の車、緑ナンバー、黒ナンバー、原付やバイクは加入できません。
さらに1日自動車保険は、本人名義の車には利用できません。配偶者が所有している車についても加入することができないので注意しましょう。
あくまでも、他の方から車を借りる際の自動車保険であることを覚えておいてください。
他人の車を運転する場合にも安心できる自動車保険を見積もってみよう
他車運転特約を付けた場合、実際の保険料はどれくらいになるのでしょうか。基本的には自動でセットされているのでそこまで気にしたことはないかもしれません。
条件をすべて統一し、保険料がどれくらいになるのかシュミレーションしてみました。見積もりを出すときの条件はこちらです。
- 新たに自動車保険に加入する場合
- セカンドカー割引なし
- 日常・レジャーで利用する
- 車種:ダイハツ ミラココア
- 初度登録年月日:2018年(平成30年)
- 走行距離:3,000km
- 運転する人:契約者本人
- 年齢:25歳
- 免許書の色:ブルー
- 範囲:保険者とその配偶者(年齢制限21歳以上を補償)
- 車両保険:なし
見積もり結果①:ソニー損保の場合
ソニー損保には標準プラント安心プランの2種類があります。
見積もり結果は以下の通りです。
項目/プラン名 | 標準プラン | 安心プラン |
---|---|---|
保険料/年 | 56,370 円 | 58,610円 |
相手側への補償 | 無制限 | 無制限 |
自分や搭乗者への補償 | 車内のみ補償(1人3,000万円) | 車内のみ補償(1人3,000万円) |
弁護士特約 | なし | 自動車事故のみあり |
他車運転特約 | あり | あり |
ソニー損保では他車運転特約は自動で付けられます。
さらに、それぞれインターネット割引や証券ペーパーレス割引によって1,500円割引されています。標準プランは月払いにすると、4,930円となります。
見積もり結果②:損保ジャパンの場合
損保ジャパンは、ディーラーなどの代理店から加入する保険なので保険料は少し高めに設定されています。
見積もり結果は以下の通りです。
項目/プラン名 | エコノミープラン |
---|---|
保険料/年 | 92,250円 |
相手側への補償 | 対人:無制限 対物:1,000万円 |
自分や搭乗者への補償 | あり(1人3,000万円) |
弁護士特約 | なし |
他車運転特約 | あり |
保険料を月支払いにすると、約8,000円前後になります。先ほど紹介したソニー損保より、保険料が高くなりました。
見積もり結果③:アクサダイレクトの場合
アクサダイレクトは2種類のプランがあり、プランの違いは搭乗者への補償金額です。プラン1にはありませんが、プラン2には搭乗者傷害保険が1,000万円となります。他の条件には違いがほとんどありませんでした。
同じ条件で見積もりした結果がこちらです。
項目/プラン名 | プラン1 | プラン2 |
---|---|---|
保険料/年 | 43,940円 | 47,850円 |
相手側への補償 | 無制限 | 無制限 |
自分や搭乗者への補償 | 5,000万円 | 5,000万円 |
弁護士特約 | なし | なし |
他車運転特約 | あり | あり |
見積もり結果④:東京海上日動の場合
東京海上日動は、お客様満足度が非常に高い保険会社です。
こちらもプランが2種類あります。早速見積もりを出してみましょう。
項目/保険料 | プラン1 | プラン2 |
---|---|---|
保険料/年 | 95,340円 | 78,380円 |
相手側への補償 | 無制限 | 無制限 |
自分や搭乗者への補償 | 3,000万円(傷害一時費用保険金20万円) | 3,000万円 |
弁護士特約 | -- | -- |
他車運転特約 | あり | あり |
プラン1の場合、個人賠償責任補償特約が付いていたり、自転車傷害補償特約
(一時金払)があるなど、充実した内容となっています。
月支払いにしても、プラン1は8,350円と安いのではないでしょうか。
同じ条件でも保険会社によって保険料が違う
今回の見積もりは条件を一緒にして出しましたが、保険会社を変えるだけで保険料は大きく変動します。とはいえ、補償内容はさほど変わらないものも多いことがわかりました。
補償内容があまり変わらないのであれば、保険料を安く抑えたいですよね。自動車保険で損をしないためにも、複数の自動車保険会社で見積もりを出して比較し、自分に合った保険を探していくことをおすすめします。
もちろん、保険会社ならではの特約や割引キャンペーンなどもありますので、そちらを優先してみるのも良いですね。まずは、たくさんの保険会社で見積もりを出してみましょう。
他人の車を運転する場合に使える自動車保険についてのまとめ
今回は他人の車を運転して事故を起こした場合、自動車保険はどうなるのかについて解説してきましたがいかがだったでしょうか?
この記事のポイントは、
- 自動車保険は車にかけるもので、基本は事故を起こした車にかけている保険を使う
- 他の人に車を貸して保険を使った場合でも等級は下がる
- 他の人に車を借りる機会が多い場合は、他車運転特約を使うのがおすすめ
- 他車運転特約はどの保険会社でも補償内容はほとんど変わらない
- 他車運転特約は、通常の自動車保険に加入し、対象の車であれば自動で加入される
- 保険に加入していない場合で他の方から車を借りる場合は、1日自動車保険などの短期加入できるものを活用すると安心
- 自動車保険に加入するときはいろんな保険会社で見積もりを出してもらうと安く済ませられる