車両保険を使うと必ず自動車保険の等級は下がる?保険料はどうなる?

自動車事故を起こすと自動車保険を使いますが、保険を使うと必ず等級が下がるのか、保険料がどのくらい変わってくるのか気になりますよね。この記事では自動車保険の等級が下がるケース、保険料がどのくらい変わるかを中心に解説していきます。

事故を起こすと自動車保険の等級は下がる?

この記事をご覧のあなたは、自動車保険における「等級」について詳しく知りたいと思っておられることでしょう。
 


等級という言葉は知っているけど、ノンフリート等級とはそもそも何か、事故をおこした際、また事故に巻き込まれた際に等級はどうなるのか、気になっているのではないでしょうか?


新規での加入を考えている方は、任意保険の保険料に「事故歴」や「等級」が関係していることを知らない方もおられます。 


そこで今回の記事では、
 

  • 自動車保険における等級とは? 
  • 事故によって自動車保険の等級は下がる? 
  • 等級が下がる具体的なデメリットとは? 
  • 等級が下がってもリセットは可能? 

これらの点を分かりやすく取り上げていきます。
 


この記事を読んでいただければ、これから新規で任意保険に加入する方、また現在加入している保険から乗り換える方への参考となるでしょう。


ぜひ最後までご覧ください。

事故後は基本的に自動車保険の等級は下がる

自動車保険の中でも任意で加入するかどうかを決められるのが、任意保険です。
 


たとえば、生命保険の場合は「持病」や「通院歴」が、保険加入の可否に影響を及ぼすことをご存知かもしれません。  


同様に自動車保険も、いわゆる「事故歴」が保険料に直接的な影響を及ぼします。
 


そしてその「事故歴」は、加入者それぞれに付される「等級」という指標によって表されます。


では、これは具体的にどのような制度なのでしょうか。


自動車保険の等級とは

任意保険には「ノンフリート等級」という制度があり、その等級はドライバーの事故歴によって決められます。  

  • 事故が多い:等級が下がる 
  • 事故が少ない、またはゼロ:等級は上がる(下がらない)  

初めて自動車保険に加入する場合は誰もが等しく「6等級」からはじまり、その後一年ごとに等級は上がっていきます。
 


等級が上がる条件は、一年間無事故(無違反)でいることです。
 


安全運転を心がけることが、等級を上げていくことにつながるのです。

1等級ダウン事故・3等級ダウン事故とは?その違いは何?

では、被保険者が事故を起こした場合はどうなるのでしょうか。
 


事故を起こし保険が適用されると、等級が下がることになります。
 


等級の下がり方にもいくつかの例があり、主な例が「1等級ダウン事故」と「3等級ダウン事故」というものです。  

  • 1等級ダウン事故:火災、爆発、盗難、人為的ないたずら、自然災害など 
  • 3等級ダウン事故:人的事故、器物損壊、自損事故など  

これらに該当する事故を起こした場合、1等級または3等級分、等級が下がります。


1等級ダウン事故には「防ぎようがないもの」が含まれていますが、3等級ダウン事故はいわゆる「交通事故」にあたるもので、多くの場合にこちらの3等級ダウン事故が適用されます。

自動車保険のノーカウント事故とは?

事故を起こした場合は基本的に等級が下がるのですが、例外として等級が下がる対象とならない場合があります。 


それが、「ノーカウント事故」です。
 


ノーカウント事故は、以下に関わる補償のみが行われた場合に、適用されます。
 

※これらは一例です。保険によって適用範囲が異なります。 

  • 人身傷害保険:怪我による入院や通院、後遺障害、死亡補償 
  • 搭乗者傷害保険:事故による自分や搭乗者が死傷した場合の補償 
  • 弁護士費用賠償特約:法的問題に発展した場合の弁護士依頼費用の補償 
  • 無保険車傷害特約:自動車保険に未加入の車と事故に遭った場合の補償 
  • ファミリーバイク特約:自分や家族の原付バイク使用中における事故補償  

あくまでこの条件に当てはまる場合のみ、等級が下がらないだけでなく、契約更新後に等級は上がります。

自動車保険の等級が下がるデメリットとは

すでに取り上げたように、保険に加入している方が事故を起こして保険が適用となった場合、ノーカウント事故を除き、等級が下がります。
 


しかし、「割引率が下がると言っても、等級はランク付けみたいなものだから特に気にしなくても良いのでは?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
 


等級が変わることは、本当に「ランク付け」程度の違いなのでしょうか。
 


次からは、ノンフリート等級が下がることによるデメリットの具体的な部分について取り上げていきます。

保険料が上がってしまう

各保険会社が販売している任意保険において、等級の高さは保険料割引率の高さと比例しています。


等級が上がれば割引率も上がり、次回更新のタイミングから保険料は安くなります。
 


しかし逆に、等級が下がると保険料の割引率も下がるため、結果的に次回更新後のタイミングから保険料は高くなってしまいます。  

  • 等級が高い:割引率が上がる・保険料は安くなる 
  • 等級が低い:割引率が下がる・保険料は高くなる  

安全運転を心がけて無事故でいられるなら、身体的に健康でいられるだけでなく、保険料という出費においても有利にはたらくのです。
 


では、等級の違いにおける保険料の違いは、具体的にどれくらいの金額なのでしょうか。

1等級ダウンした場合(ゴールド免許→ブルー免許)の保険料

自動車保険の等級の違いにおける保険料の違いに関して、ソニー損保の見積もりサービスを用いてシミュレーションしてみましょう。 


【条件】 

  • 現在の等級:14級 
  • 初度登録年月:2017年1月 
  • 車種:トヨタプリウス ZVW50 
  • 年間走行距離:5000km以下 
  • ドライバー年齢:30歳(30歳以上補償) 
  • 補償範囲:本人限定 
  • 対人・対物補償限度:無制限 
  • 人身傷害保険限度:3,000万円 
  • 車両保険:なし 


まずは、「1等級」異なる場合の比較結果です。

  • 14級(ゴールド免許)の場合:22,830円 
  • 13級(ブルー免許)の場合:26,080円 

このように、1等級下がるだけで保険料の年額が約3,000円上がってしまいました。
 


この金額からさらに「無事故割引」が差し引かれると、無事故割引額の2,000円が適用されなくなり、さらに保険料は高くなります。

3等級ダウンした場合(ゴールド免許→ブルー免許)の保険料

では次に、「3等級」異なる場合の比較です。
 


こちらでは、ソニー損保の「保険料の違い」によるシミュレーションで算出してみましょう。 


シミュレーション結果は、以下のようになりました。


【6等級の段階で3等級ダウン事故を起こした場合】

経過年数等級保険料の目安
1年後3等級41,000円
2年後4等級36,000円
3年後5等級32,000円
4年後6等級30,000円

この場合3年がプラスされていますから、4年後にようやく元の等級に戻り保険料も安くなっています。


ちなみに、もし3等級ダウン事故を起こしていなかったと仮定すると、次回更新以降の保険料は以下のようになります。

等級等級保険料
1年後7級
26,000円
2年後8級22,000円
3年後9級21,000円
4年後10級20,000円

この場合、等級の違いで1万円以上の保険料の違いがあります。


当然ながら1等級ダウンの場合よりも3等級ダウンの方が割引率は下がるので、さらに保険料の上がり幅が大きくなります。

事故有係数が適用されてしまう

自動車保険におけるノンフリート等級が下がってしまうことによって、保険料も高くなるのはすでに取り上げた通りです。
 


そして、その等級と保険料の割引率を関連付けさせている要素があります。
 


それが、「事故有係数」です。
 


事故有係数とは、簡単に言えば事故を起こした場合に加算される「年数」のことです。


【事故により加算される年数】

  • 1等級ダウン事故の場合:1年 
  • 3等級ダウン事故の場合:3年  

無事故のまま1等級上がるのには1年が必要ですから、必然的に3等級下がった場合に、元の等級に戻るためには3年が必要となるのです。
 


たとえば、3等級ダウン事故を起こした次の年にも、同じ3等級ダウン事故を起こしてしまった場合、さらに3年が事故有係数にプラスされることになります。
 


この事故有係数があることにより、同じ等級であっても事故歴がある場合は「事故あり」の等級となるため保険料が高くなり、公平な状態が保たれます。
 


年数で換算してみると、無事故のまま等級を上げ続けることのメリットが、よくお分かりいただけるのではないでしょうか。

低い等級のまま新規加入する場合リセットする方法は?

自動車保険(任意保険)におけるノンフリート等級のスタートは、新規加入の場合「6等級」からです。
 


ですから、免許取りたての方がすぐ自動車保険に新規加入する際は誰もが「6等級」となるわけです。
 


では、事故歴がある方が、別の保険に新規加入(乗り換え)する場合はどうなるのでしょうか。 


保険を乗り換えることによって、事故歴をリセットすることは可能なのでしょうか。

等級をすぐにリセットすることはできない

結論から言いますと、事故歴があり等級が下がっている場合、他の保険に新規加入しても、等級をリセットすることはできません
 


なぜなら、加入する保険会社に関係なく、等級情報は共有されているからです。
 


ですから、保険の新規加入時に等級を偽って加入し高い割引額を適用させるのは不可能で、さらに告知義務違反となってしまいます。
 


では、等級が5級以下(デメリット等級)のドライバーは、どうなるのでしょうか。
 


その場合も、ずっと低い割引額が適用され続けるのでしょうか。

等級は13か月たてばリセットできる

実は、ノンフリート等級は保険解約から無保険のまま13か月経過した段階で、リセットされます。
 


以前加入していた保険契約期間内に事故を起こし、デメリット等級となっていても、解約してから13ヶ月経てば、「6級」からスタートすることができるのです。 


また、新しい自動車で別の保険に再契約した場合も、等級はリセットされます。
 


デメリット等級の場合は、1年無保険のまま待たなければリセットされないということになりますが、逆に6等級以上の場合はどうなるのでしょうか。
 


等級が6等級以上の場合は、保険の満期日から8日間でリセットされます。
 


保険を変えようと思って一度解約し、もし新しい保険での契約を忘れてしまうと等級が「すぐにリセットされてしまう」という点に注意が必要です。

1万円以上保険料を節約する方法をご存知ですか?

皆さんは自動車保険をどの頻度で見直していますか?


もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。


  • 加入してから一度も自動車保険を見直していない
  • 車を購入する代理店で加入した
  • 会社の団体割引で自動車保険に加入している

が1つでも当てはまる方は要注意!
高すぎる保険料を払っている可能性が高いです。

心当たりのある方は、一度保険料をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。


以下のボタンから簡単にシミュレーションできるので、ぜひどうぞ!

まとめ:自動車保険の等級が下がるとデメリットばかり

今回は、自動車保険とノンフリート等級の関係性について取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。 


今回の記事のポイントは、  

  • ノンフリート等級とはそれぞれのドライバーにおける事故歴の指標である 
  • 事故によって補償が適用されるとノンフリート等級は下がる 
  • 等級が下がることにより次回更新後以降の割引率が低くなり保険料が上がる 
  • デメリット等級の場合は無保険状態で13ヶ月経過するとリセットされる  

以上の点です。
 


自動車保険(任意保険)において、等級が下がることには確かにデメリットがあります。 


しかし等級が下がるからといって、事故時に申告せず、受けられるはずの補償を受けないのは本末転倒です。
 


保険を選択する最初の段階から、たとえ保険料が上がっても家計の負担となりすぎない、無理なく継続できる自動車保険に加入するようにしましょう。


ほけんROOMでは、この記事の他にも役に立つ記事を多数掲載していますので、ぜひご覧ください

ランキング