更新日:2022/12/06
憧れの国、フランスの治安とは?華やかで美しい観光国に見る光と影
ファッショナブルでハイソな印象があるフランス。豊かな歴史と文化に恵まれ、世界でも有数の人気観光国ですね。しかしその治安にはいろいろと問題があるようです。「憧れの国」フランスに渡航する前に、治安の実態と犯罪への対策方法についてぜひ把握しておいてください。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 世界でも有数の観光地フランスの治安はどうなのか?
- フランスの治安はあまり良くない…特にパリ近郊での軽犯罪には気を付けよう
- どんな軽犯罪に気を付けるべきか?
- 日本人観光客が特に狙われやすいスリや置き引きに注意
- 歩きスマホは絶対にNG!?ひったくりに注意
- 急に写真や絵葉書などを手渡され、無理やり買わされることもある
- パリは地区によって危険度は違う
- 比較的治安が良いと言われている地区
- 治安が良くないとされている地区
- パリ以外の治安はどうなのか?
- マルセイユ~ニースにかけての南仏側の治安はパリほど悪くはない
- 世界遺産の街ボルドーは治安がいい
- まとめ:フランスはそこまで治安のいい場所(特にパリ近郊)ではないので最善の注意を払って旅行をする
目次
世界でも有数の観光地フランスの治安はどうなのか?
フランスには、世界に誇るすばらしい観光名所がたくさんあります。
日本人にとっても、
「フランス料理」
「高級ブランド」
「パリ挑戦権獲得!」
など、昔から「フランス=憧れの国」というイメージがありました。
芸術的な歴史的建造物、美しい街並み、ファッショナブルな人々…
しかしこうしたエリアは、実際にはパリのそれもごく一部にすぎません。
期待に胸を膨らませて渡航する、フランスの現実とは?
今回はフランスの治安と日本人観光客が気をつけるべきポイントについて、包み隠すことなくお伝えしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
フランスの治安はあまり良くない…特にパリ近郊での軽犯罪には気を付けよう
フランスも例外ではありません。
日本人にとっては「フランスは白人の国」というイメージがあります。
しかし19世紀から始まった移民により、フランス人は多様化しています。
二次大戦後には、北アフリカのイスラム国家から多くの移民がありました。
これらの移民に犯罪者が多いとする差別は、フランスの社会問題となっています。
差別がさらなる貧困と治安の悪さを生むという悪循環がフランスにはあります。
2015年にはパリ市街とサン=ドニ地区において、 ISによるパリ同時多発テロ事件が発生。
130人の犠牲者が出ています。
今では街中に軍隊が常駐しているのも当たり前の光景となりました。
少し脅してしまいましたが…
実際のところ日本人観光客がフランスで最も気をつけたいのは、窃盗などの軽犯罪です。
「金持ちの鈍くさいおのぼりさん」
そんな風に見られてしまいがちな日本人は格好のターゲットといえます。
どんな軽犯罪に気を付けるべきか?
日本人観光客が気をつけるべき軽犯罪と、その対策についてお伝えしていきます。
日本人観光客が特に狙われやすいスリや置き引きに注意
フランス、パリ近郊で起こっている日本人のスリ・盗難被害は毎年700件以上。
ただしこれは届出があった件数のみです。
実際はさらに多くの被害が発生していると思われます。
フランスで日本人が遭う犯罪で、最も多いものがスリ。
特にきわだって多いのは、地下鉄のホームや電車内における犯行です。
美術館での鑑賞中など、混雑する場所でも注意してください。
特にスリが多いことで知られるのが、エッフェル塔・ノートルダム大聖堂・ルーブル美術館などのの有名観光地です。
では、スリ被害に遭わないための対処法についてお伝えしましょう。
常に持ち物に注意を配る
スリは十中八九「荷物から気がそれている人」を狙います。
署名をお願いして、そのすきに別の仲間がスリをはたらくというのは定番の手口です。
常に持ち物すべてに気を配りましょう。
特に知らない人に突然話しかけられたときは要注意です。
バッグは身体の前面で持つ
スリというのは「相手にバレないように盗む」というのがテーマです。
リュックやショルダーバッグでも、身体の前面に持ちましょう。
スリからすれば、正面から気づかれないように盗むというのは難易度が高いのです。
あまり多くの現金を持ち歩かない
というか、もはや財布自体を持ち歩かない方がいいでしょう。
財布には現金の他に免許証やカードなど、重要なものが多く入っています。
それをまるごと盗まれたら、金銭以上の被害をこうむることになりかねません。
お札や小銭を分散させ、それぞれ別の場所に入れておきましょう。
ちなみにパスポートはコピーを持ち歩くことをおすすめします。
旅行者とバレないようにする?
よく「スリ対策のため地味な服装をして現地人を装いましょう」という話を耳にします。
しかしこれは、かなりの確率で通用しません。
旅行者を見慣れているプロのスリは「日本人旅行者」と「現地に長く住む日本人」とを必ず見分けます。
どんなに質素な格好をしていても、歩き方やら挙動やらですぐ分かるそうです。
現地の人とは思われなくてもいいので、「やたらスキのない観光客」と思われるようにしましょう。
歩きスマホは絶対にNG!?ひったくりに注意
バッグはもちろん、スマートフォンも狙われやすいといいます。
人目につく場所でスマホや現金を出さない
日本人はついやりがちですが、テーブルに意味なくスマホを置いておくのはやめましょう。
歩きスマホなどはもっての他です!
歩くときには車道側にバックを持たない
オートバイによる引ったくりも多く発生しています。
引きずられてケガをすレバ、物以上の被害につながります。
ブランド物を買った後に地下鉄に乗らない
とりわけブランドの袋に買ったものを入れて運ぶのはNGです。
「ここに新品のヴィトンがあります」 などと宣伝しているようなものです。
なるべくタクシーを利用する、または別の袋に入れ替えることをおすすめします。
ホテル内でも置き引きに注意
ホテルの中だからと油断してはいけません。
チェックインやチェックアウトの際に、フロントで置き引きされることだってあるのです。
安ホテルだけではなく、有名な高級ホテルでも置き引きはあります。
外出中に客室に侵入され、荷物や備え付けの金庫が持ち去られる事件も発生しています。
ホテルスタッフが盗む場合もあるとのことで、もはや何を信じたらいいのか分かりませんね。
貴重品はフロントのセーフティボックスへ預けましょう。
急に写真や絵葉書などを手渡され、無理やり買わされることもある
突然むりやりミサンガを手に巻かれたり、絵葉書やポストカードを押し付けられて代金を請求される詐欺被害も多発しています。
対策としては、物売りと思われる人には近づかないこと・目を合わせないこと。
話しかけられても「No thank you」などと返事せず徹底無視を貫いてください。
日本語で話しかけられても返事はしないように。
パリは地区によって危険度は違う
20区の行政区からなるパリ市内の面積は約105㎢で、東京23区の6分の1程度。
そんな狭い中でも、安全なエリアと危険なエリアははっきり分かれています。
パリ市は中心部を東西に流れるセーヌ川によって南北に分かれています。
南部より北部が治安が悪いとされています。
さらに北に行けば行くほど、治安の悪さは際立ちます。
パリ市内の治安のいい場所と悪い場所を具体的に挙げていきます。
比較的治安が良いと言われている地区
5区・6区・7区・16区は高級住宅街とオフィスが並ぶエリア。
ほぼ住宅街・官公庁・オフィス街であるため、犯罪数は少なくなっています。
宿泊料金が高いのが難点です。
13区・14区・15区・17区西部は一般住宅街エリアです。
やはり観光地ではないため、スリなどの被害が発生しにくいようです。
ホテルの宿泊料もさほど高くはありません。
治安が良くないとされている地区
どんな観光地があり何に気をつければいいのか、それぞれの区についてご説明します。
20区
20区には、パリ最大の墓地であるペールラシェーズ墓地があります。
マリアカラス・ショパン。エディットピアフなどの著名人が多く埋葬され、年間数十万人以上の観光客が訪れます。
厳かな空気の中、美しい彫刻がほどこされた墓石や石碑が並ぶさまは壮観のひとこと。
しかしペールラシェーズは、エリアとしてはあまり安全な場所とはいえません。
観光中にも周囲の状況の把握は忘れないようにしましょう。
そして20区の中でも特に近づかない方がいいのはべルヴィル地区です。
中国系やアフリカ系の移民が多く、お互いの抗争が絶えません。
特に日本人は、中国系と間違われて傷害事件に巻き込まれる恐れがあります。
19区
19区にあるビュットショーモン公園は、パリ市内では最大規模の公園です。
大きな池や人工洞窟。人口滝などがあり、休日には多くの人がピクニックに訪れます。
家族連れも多く、一見なごやかな雰囲気ですが…
実はこの地区も、20区のべルヴィルのすぐ近くにあります。
ふらっと散歩して、うっかりべルヴィルに入ってしまわないように注意してください。
18区
「聖なる心臓」を意味するサクレクール寺院は18区にあります。
モンマルトルの丘の上に位置し、エッフェル塔と並んでパリ市内を一望できる人気の観光スポットです。
ただし観光するにあたって注意したいことがあります。
サクレクール寺院は地下鉄の「バルベ駅」「アンヴェール駅」の両方からアクセス可能なのですが、バルベ駅での乗降は避けた方が無難です。
バルべ駅周辺は不良集団のがたまり場になっており、絡まれる可能性があります。
またサクレクール寺院では、スリやミサンガ売りの被害も多発しています。
フランスの老舗キャバレームーランルージュも18区にあります。
華々しいショーはぜひ一度見てみたいものですが、ムーランルージュのすぐ東には移民が多く住むエリアが広がり治安が良いとはいえません。
もちろんキャバレー街であるため、特に夜の治安はいっそう悪くなります。
実際観光客が暴力事件に巻き込まれる事態も発生しています。
サン=ドニ地区
正確にはパリ市内ではなく、パリ北部に隣接した郊外に位置するサン=ドニ地区。
治安の良くないパリでもトップクラスの治安の悪さを誇るエリアです。
サン=ドニは、アフリカ系貧困層が住む移民街です。
「アフリカンタウン」と呼ばれ、昼間は安い市場がにぎわう気さくな街。
しかし夜になると恐怖の街に変貌します。
路上を不良集団や薬物中毒者がうろつき、スリなんて甘いものではなくパワー系の強盗事件も日常茶飯事です。
またサン=ドニ地区の歓楽街はには、ぼったくりバーや暴力バーも多くあります。
サン=ドニ地区は2015年同時多発テロの現場にもなりました。
黒人街であるため、日本人が行くとやたら目立ちます。
よほどの用事がない限りは近づかない方がいいでしょう。
フランス・パリ旅行をツアーで申し込む場合は要注意
旅行会社によっては、宿泊費を抑えるためにパリ北部やあろうことかサン=ドニ地区にホテルを取るケースがあるのです。
実際、サン=ドニ地区にホテルを取ったアジア人ツアー客のバス襲撃事件も発生しています。
ツアーを申し込む場合は必ずホテルの場所をチェックしましょう。
パリ以外の治安はどうなのか?
それでは、やはり人気の観光地が多くある南仏の様子はどうなのでしょうか。
マルセイユ~ニースにかけての南仏側の治安はパリほど悪くはない
マルセイユやニースなど南仏の治安は、パリほどは悪くないともいえます。
しかし特にマルセイユにおいては、パリと同じく「北部に行くほど治安が悪い」という現象が発生しています。
黒人の多いパリに対し、マルセイユにはアラブ人が多く見られます。
北部や近郊の町では低所得の移民向け住宅が密集し、麻薬売買や殺人事件・強盗事件が多発しています。
観光客が行く用事はないと思いますが、近づかないよう注意しましょう。
世界遺産の街ボルドーは治安がいい
ワインの産地としてもよく知られていますね。
ボルドーは古くから、ワイン貿易で富を築いてきました。
移民や貧困があまり存在しないことから、フランスの中ではかなり治安がいい方です。
スリや引ったくりはさほど発生せず、バッグを抱きしめて歩く必要もありません。
ただし、駅周辺とサンミッシェル周辺についてはスリに注意してください。
まとめ:フランスはそこまで治安のいい場所(特にパリ近郊)ではないので最善の注意を払って旅行をする
特にパリ北部などは、ヨーロッパでも指折りの治安が悪い地域です。
- 危険なエリアには近づかない
- 夜間の外出を避ける
- 貴重品に注意を払う
などの対策を徹底しましょう。
さて、ここまでフランスの悪いところばかりを強調してしまいました。
しかしもちろんフランスは、壮大な歴史と文化をもつ素晴らしい国です。
フランス旅行を最高のものとするためにも、防犯のポイントは押さえておいてくださいね。
ほけんROOMでは海外旅行保険のおすすめランキングについても書いているので、ぜひチェックしてみてください!