更新日:2017/05/01
生命保険には災害特約や免責条項があります!詳細を解説します!
生命保険には災害特約がありますが、これは不慮事故を想定した保険であり、自然災害を対象とした保険ではありません。そのため、生命保険に加えて、地震保険や火災保険の加入も検討し、地震や津波、火災に対する金銭的な備えを前もって準備しておくことが重要です。
目次を使って気になるところから読みましょう!
生命保険の災害死亡保険
生命保険の定義する災害とは
生命保険の災害死亡保険金が支払われない場合がある
生命保険各社がこの支払われないケースを列挙しているものを「免責条項」と呼んでいます。
不慮の事故と見なされないとき
概ね生命保険各社とも、主に被保険者が引き起こす事故を列挙しています。
被保険者の犯罪行為はもちろんのこと、精神障害や泥酔の状態が原因となった事故、運転資格を持たない運転や法令を無視した無謀運転で起きた事故等は、不慮の事故とは認められていません。
災害特約とは
傷害特約との違い
一方、傷害特約では被保険者が不慮の事故または所定の感染症により死亡した場合は、災害死亡保険金が下りることは災害特約と同じですが、不慮の事故で身体に障害を受けた場合には、障害の程度に応じて障害給付金を受け取ることができます。なお、感染症は原則として保障の対象外です。
生命保険の免責条項
ただし、保険契約者、被保険者、受取人が注意を払っていても生命保険金を受け取れないケースも挙げられています。
戦争、地震、津波など大規模災害では生命保険は支払われない
保険契約者、被保険者、受取人の不注意とはとても言えない場合でも、保険金支払額やその対象者が莫大な数に上るリスクがあるための対応と言えます。
これは、通常の生命(死亡)保険金も支払われないと言う意味ではなく、契約中である通常の生命保険の免責条項に列挙されていない限りは、通常の生命(死亡)保険金分は受け取ることができます。
ただし、天災に遭った場合に、通常の生命(死亡)保険金だけでは生活の保障がとても成り立たないと言うおそれもあります。
東日本大震災は特例
これに対応し、生命保険各社は通常の生命保険で地震等に関する免責条項が明記されていたものは不適用とし、災害特約についても同様に免責条項を適用せず保険金・給付金の全額を支払うことにしました。
ただし、この措置は東日本大震災があまりにも被害が大きかったためにとった特例措置であり、通常の天災では、各社ともこのような措置はまず行わないと言えます。
大規模災害には地震保険や火災保険で対応
たとえ生命保険や、災害保険に加入していても、これに加えて損害保険に加入することがより確実な方法と言えます。
- 損害保険とは
損害保険は自然災害や、自動車事故など、偶然の事故により生じた損害を補償することを目的とした保険です。
保険会社が予想する損害率(保険料を保険金で除したもの)に応じて損害保険料が定められます。
- 地震保険
地震保険は損害保険の一種であり、地震をはじめ津波、噴火による自然災害により損失が発生した場合に補償される保険です。
1966年に「地震保険に関する法律」の制定を受け、国と損害保険会社(民間)が共同で運営する保険として登場しました。
地震保険の販売や、保険金の支払いは民間保険会社が行います。
地震保険は独立の保険ではなく、加入の際には必ず火災保険にも加入しなければなりません。
地震保険の保険金額は加入時に、火災保険の保険金額のおよそ30%から50%の範囲内で設定します。
地震保険で支払われる保険金額は、建物が5,000万円、家財が1,000万円までと上限が設けられています。
地震保険は、被災した方の生活の安定に主眼をおいた保険のため、住宅(店舗併用住宅も含む)や、生活用動産(家財道具)が補償対象とされます。
最近では、「地震補償保険」という保険商品が登場し、火災保険に入らなくても単独で加入できる保険もあります。
これは、民間の保険会社が自社で設計した保険であるため、地震保険に関する法律の対象外となっています。
- 火災保険
火災保険は損害保険の一種であり、住宅や工場などの建物や建物内部に収容された家財道具、設備や商品等が火災により損失が発生した場合に補償される保険です。
火災保険は様々で、補償対象が火災のほか落雷、風雪災等の損害も含めた「住宅火災保険」や「普通火災保険」、それに加え、落下や衝突、水漏れ、盗難など対象を拡大した「住宅総合保険」や「店舗総合保険」等があります。
加入の際は、ご自身の生活環境を踏まえた火災保険への加入を検討しましょう。
ただし、地震、津波、噴火のような大規模災害が火災保険の対象外であるため、住宅の場合は、国が管轄する地震保険を、工場、住居部分の無い事務所や店舗は、地震拡張担保特約を契約する必要があります。
なお、火災の場合であるならいかなる状況でも保険金が下りるわけではありません。
戦争やその他の変乱をはじめ、住宅・工場等の建物の欠陥や自然の消耗による火災、保険契約者または被保険者に重大な不注意があった、保険金目当てに放火した等のような場合には保険金は下りません。
まとめ
不慮事故による被保険者の死亡や障害に対応するには災害特約は有効ですが、大規模な自然災害へ対処するためには地震保険の加入をご検討願いたいと思います。
この地震保険は、単独で契約をすることができず、火災保険と合わせて加入することになります。
いささか面倒に思う事があるかもしれませんが、日本では、東北に限らず、ごく最近まで地震が起きていなかった九州地方でも、地震は発生しています。
日本で生活している限り、日本全国どこであっても地震に遭うリスクを自覚し、日頃からしっかりと対策を講じておくことが大切であると考えます。