年金を増額する方法とは?職種ごとにおすすめな増額方法も紹介!

みなさんは老後の生活に備えて、年金のための保険料を納めている思います。どうせだったら、将来年金をできるだけ多くもらいたいですよね。そこで今回は、全員が使える年金の増額方法、自営業の年金を増額する方法、会社員の年金を増額する方法を中心に解説します。

年金の増額方法は?

日本に住む私たちは、保険料を給与から差し引かれたり、直接納付するなどして、年金を支払っています。


ご自分が一定の年齢になれば、今度は年金を死ぬまで受け取ることが可能となるので、老後は有意義にそのお金を利用したいですよね。


実は、公的年金制度に、受け取る年金額を増額させる方法があることをご存知でしょうか。


払い込む保険料よりも受け取る年金額が更に多くなれば良いに越したことはありませんよね。


そこで今回は「公的年金を増額する方法」について

  • すべての人におすすめの増額方法
  • 自営業の方々におすすめの増額方法
  • 会社員は60歳以降も勤務することで厚生年金が増額する
以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、自分に合った公的年金の増額方法を知ることに役立つかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。


年金の増額や増やす方法は人によって違う

厚生年金では、事業所に勤める給与所得者を対象に毎月の給与から保険料が天引きされます。


一方、国民年金では、被保険者が直接、金融機関の窓口等で保険料を納めます。


納付方法がそれぞれ異なることはもちろんのこと、更に受け取る金額も異なります。


厚生年金の場合は就業年数や給与額等、国民年金の場合はどの位納付したかで、受け取る年金額に差が出てきます。


できるならば、年金受け取り開始までに少しでも公的年金が増額されるように、様々な増額方法を試したいものですよね。


こちらでは、いろいろな国民年金・厚生年金の増額方法と老後資金の貯蓄するための私的年金について解説していきます。

年金の増額方法①:繰り下げ受給

国民年金・厚生年金いずれの場合も、原則として65歳からの年金の支給が開始されます。


しかし、支給対象者となる方々であっても、「まだ貯蓄が潤沢にあるのですぐには必要ない。」という人もおられることでしょう。


その場合に、この支給時期を先延ばしにすることで、その分受け取れる金額を増やすという制度を「繰り下げ受給」といいます。


国民年金・厚生年金いずれでも可能


国民年金で厚生年金でも、受給開始を1ヶ月繰り下げる度に、年金額は0.7%ずつ増加する仕組みになっています。


繰下げ請求と増額率については下表を参考にしてください(昭和17年4月2日以後に生まれた人の場合)。

請求時の年齢増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月8.4%~16.1%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月16.8%~24.5%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月25.2%~32.9%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月33.6%~41.3%
70歳0ヵ月~42.0%

最大で42%もの年金額の増加が期待できます。


長生きすればかなりお得


ご自分が65歳になって5年間繰り下げた場合、70歳から受給することになるので、42%の増額となります。


そうすると、ご自分が82歳となる頃までには65歳で受給した場合の年金受取額と並びます。


それ以降、長生きを継続すれば、この42%の増額がご自分の亡くなるまでずっと継続することになります。


つまり、82歳以上長生きすればかなりお得になるのです。

年金を増額する方法②:国民年金の任意加入

国民年金は原則として20歳~60歳までの40年間支払っていきます。


しかし、さまざまな事情から保険料を免除してもらっている方々はおられることでしょう。


そうはいっても、支払っていない期間があれば受給額にも影響が出てきてしまいます。


このような方々のため、60歳以降でも国民年金に加入をすることができる制度「任意加入」です。


任意加入の条件


次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 日本国内に住所を有し60歳~65歳未満である人 
  • 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない人
  •  20歳~60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の人 
  • 厚生年金保険、共済組合等へ加入していない人

なお、任意加入の申出のあった月からが対象となり、遡って加入することはできません。


任意加入の手続き


任意加入の申し込み窓口は、お住まいの市区町村役場窓口(国民年金担当)または、お近くの年金事務所で行います。


必要書類は次の通りです。

  • 年金手帳
  • 預金通帳・金融機関への届出印
なお、保険料の納付方法は口座振替が原則となります。

年金を増額する方法③:前納制度



国民年金の保険料は、毎月の納付だけではなく「前納制度」もあります。


この制度を利用すれば保険料が割引になります。


前納制度は、「6ヵ月前納」・「1年前納」・「2年前納」の3種類があります。


このうち、2年前納割引は最も割引率が高くなります。 


また、支払が口座振替か現金またはクレジットカード納付かでも、割引額に違いが出ます。 


下表を参考にしてください(平成30年度)。 

前納(割引)制度口座振替現金・クレジットカード
6ヵ月前納 96,930円
(1,110円割引)
97,240円
(800円割引)
1年前納191,970円
(4,110円割引)
192,600円
(3,480円割引)
2年前納377,350円
(15,650円割引)
378,580円
(14,420円割引)

表を見れば、口座振替でかつ2年前納が15,650円割引と、最も割引率は高くお得になることがわかります。

年金を増額する方法④:iDeCoへの加入

個人型確定拠出年金(iDeCo)は、任意で加入する私的年金の一つです。


こちらは証券会社が中心となって運用される商品です。


この商品は、税制上の優遇措置が充実しており、掛金を積み立てている時は、その全額が所得控除の対象となります。


また、運用期間中の運用益は非課税となります。


一方、年金を受け取っている時も、退職所得・年金所得として扱われるので、税金はかかりにくくなっています。


ただし、運用コストとして管理費が毎月170円~600円程度かかってしまいます。


個人型確定拠出年金は、家計に負担となったからと言って、原則として途中解約する方法は認められていません。


しかし、例外的に次の場合は途中解約が認められています。


(1)脱退一時金を受けるとき(以下の条件すべてを満たす場合に限られます。)

  • 国民年金被保険者で、年金の全額免除または一部免除、納付猶予を受けた
  • 確定拠出年金の障害給付金受給権者とは違う
  • 通算拠出期間3年以下か、個人別管理資産が25万円以下の場合
  • 企業型確定拠出年金・個人型確定拠出年金の加入者資格喪失日より2年以内
  • 企業型確定拠出年金で脱退一時金を取得していない

(2)加入者がケガ・病気で障害を負った:障害一時金または障害年金を受け取ることが可能です。


(3)加入者の死亡:加入者が死亡すると解約扱いになって、遺族が死亡一時金を受け取ります


iDeCoについてもっと詳しく知りたい方はこちら!

自営業におすすめの年金を増やす方法

会社員のように事業所へ勤務する給与所得者は、受給開始時に「国民年金(老齢基礎年金)+厚生年金」が受け取れます。


およそ受け取る金額は、約174万円(年間)が平均額と言われています。


一方、自営業の方々は、国民年金(老齢基礎年金)のみの加入となります。


そのため、満額(年間77万9,300円を受け取っても、受給額がどうしても厚生年金受給者より少なくなってしまいます。


そこで自営業の方々は次のような方法で、積み立てておくことも大切です。

  • 付加年金
  • 国民年金基金

自営業におすすめの年金増額方法①:付加年金

「付加年金」とは、国民年金を納付する方々が、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やす方法です。


付加年金は毎月の保険料に400円多く付加する事で、年金受給額を増加させることができます。


「200円×付加保険料を払った月数」が増加分の金額となります。


仮に、40年間付加保険料を納めていた場合は次のような年金額となります。

200円×480月(40年)=96,000円

96,000円分が受け取る年金に毎年増額されることとなります。

申込先は市区町村役場の窓口(主に国民年金課)となります。

付加保険料の納付は申し込んだ月分からとなり、納期限は翌月末日と決められています。 

たとえ、納期限を経過しても、期限から2年間は付加保険料の納付が可能です。


ただし、既に国民年金基金へ加入している人は、付加保険料を納めることはできないので注意が必要です。

自営業におすすめの年金増額方法②:国民年金基金

「国民年金基金」は、自営業者をはじめとした国民年金受給者の、老後の所得保障の役割を担う制度です。


掛金月額は、選択した給付の型(終身年金・確定年金)、加入口数、加入時の年齢、性別によって決定されます。


掛金の上限は月額6万8,000円となり、加入者が指定した金融機関から口座振替によって納付されます。


加入方法は、加入申出書を、各地域の国民年金基金事務所か、職能別の国民年金基金事務所に提出します。

会社員は60歳以降も勤務することで厚生年金を増やせる



厚生年金の受給額は、平均標準報酬額と被保険者月数をもとに計算されます。


厚生年金の加入年数に上限は定められておらず、60歳以降も保険料を納め続ければ、その分受給額が増額することになります。


ご自分の事業所の就業規則には従う必要はありますが、勤務延長制度等がある事業所ならば引き続き雇用してもらい、働き続けるのも一つの方法です。

まとめ:年金の増額について

公的年金を増額するいろいろな方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

                 

 今回の記事のポイントは

  • 公的年金には年金の繰り下げ受給や、国民年金の任意加入、国民年金の前納制度の活用等、様々な増額方法がある
  • 自営業の方々には、付加年金、国民年金基金、を活用し、年金を増額する方法がある
  • 会社員の場合、厚生年金の加入年数に上限が定められていないので、事業所が認めれば引き続き雇用され、保険料を納め続けて年金を増額させることも可能
でした。

公的年金の様々な制度を活用して年金の受給額を上げることは可能ですが、それでも公的年金だけでは長寿命化する老後の生活コストをすべて賄うことは難しいでしょう。そこで、iDeCoなどの私的年金にも加入して公的年金以外にも老後の生活資金を作ることが大切です。

特に自営業者の方や厚生年金の加入資格の無い方は通常の貯蓄よりも税制面でのメリットが大きく利回りのあるiDeCoへの加入は必須といっても過言ではないでしょう。

もちろん会社員や公務員の方も是非はいるべき制度です。

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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