個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込み手続きについて解説します!

最近よく耳にする個人型確定拠出年金(iDeCo)ですが、加入の際には、金融機関の選択・積立金の設定・運用商品の選択・必要な個人情報など、ポイントがいくつかあります。個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込みの流れを解説しますので、加入の際に役立ててください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込みの流れやポイントを解説

節税対策や老後資金を考えている人は、個人型確定拠出年金(iDeCo)について調べていることでしょう。


もともと自営業者や会社員だけが加入できていた制度ですが、主婦や公務員でも加入できるようになり、より多くの人が関心を寄せるものとなりました。


しかし興味があっても、「何をどうすればよいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか。


そこで、この記事では「個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込み手順とポイント」について、

  • 金融機関の選択
  • 積立金額の設定
  • 運用商品の選択
  • 申し込み時に必要な情報

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、個人型確定拠出年金(iDeCo)を申し込むときに役立つかと思います。


ぜひ最後までご覧ください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込みの3つの手順

金融手続きは何かと煩わしいと感じてしまう人も多いかと思いますが、個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込み手順は、大きく分けると次の3つです。


  1. 金融機関を選択する
  2. 積み立てる金額を設定する
  3. 運用する商品を選択する

これら個人型確定拠出年金(iDeCo)3つの手順には、それぞれポイントがありますので、以下詳しく説明していきます。


申し込み手順1:金融機関(運営管理機関)を選ぶ際の3つのポイント

申し込みをするにあたって、まず最初に決めることは、金融機関(運営管理機関)を選ぶことです。


個人型確定拠出年金(iDeCo)で選べる金融機関(運営管理機関)とは、

  • 銀行(都市銀行・地方銀行・ゆうちょ銀行・信託銀行)
  • 信用金庫、労働金庫
  • 証券会社
  • 保険会社(生命保険・損害保険)
  • その他(投信会社・専業会社等)

など、業態も種類も様々です。


たくさんの金融機関がありますが、まずは自分の身近な金融機関や気になっている金融機関をiDeCo公式サイトの「運営管理機関一覧」から探してみてください。

 

そして金融機関選びのポイントは3つありますので、順番にみていきましょう。


サイト内の金融機関紹介ページ(PDF)でも、ポイント3つがわかるようにまとめられているところが多いので、そちらも参考にしてみてください。

ポイント1:手数料

まず1つ目のポイントは手数料です。


個人型確定拠出年金(iDeCo)に新規で加入すると、加入時・運用時・給付時の3つの場面で手数料がかかりますが、次の表を見てください。


初回

加入時

毎月

運用時

都度

給付時

国民年金基金連合会2,777円103円
事務委託先金融機関64円432円

選択した金融機関

(運営管理機関)

金融機関によって

異なる


基本的に上記の金額を負担するのですが、選択した金融機関(運営管理機関)に毎月支払う金額は、各金融機関で自由に設定されるため、手数料が異なります。


気になる手数料は金融機関ごとに0円、205円、255円、303円、313円、366円……と様々ですが、多くが200円~400円までの料金になっています。


中には、加入時期のキャンペーンなど、一定期間0円というところもあれば、資産残高によって0円になるところもあります。


これらは月々の金額ですが、年間手数料にしてみると、2,000円~4,000円の差になり、さらに何十年と運用することを考えると、手数料の差が大きくなることがわかりますね。

ポイント2:商品の多さや信託報酬の低さ

次に2つ目のポイントは商品の多さや信託報酬の低さなど、魅力的な商品があるかです。


個人型確定拠出年金(iDeCo)では、自ら運用商品を選びますが、その商品も金融機関によって異なります。


商品の多さは、例えば途中で商品を変えたいと思った時に選択肢が広がりますし、より幅広い運用ができるというメリットがあります。


しかし中には少ない商品から選びたいという人もいるかもしれませんので、商品の少なさで判断する人もいるかもしれませんね。


また個人型確定拠出年金(iDeCo)の醍醐味である投資信託商品には、その商品を運用するための手数料「信託報酬」がかかりますが、その金額も商品によって様々です。


某都市銀行の商品一覧を見ると、基準価格の0.1620%~1.1880%(年)となっていますから、基準価格が100万円の場合、1,620円~11,880円と、かなり手数料に差が出てきます。


運用がうまくいくかいかないかは、実際に始めてみないとわかりませんが、積立額によってはその信託報酬が負担になりかねません。


自分にとって何が魅力的な商品かを選ぶのがポイントです。

ポイント3:情報提供の内容や提供手段

最後の3つ目のポイントは、情報提供の内容や提供手段が自分に合っているかです。

  • ホームページで簡単に必要な情報が閲覧できるか
  • コールセンターの問い合わせ時間内に対応できそうか
  • 送られてくる運用報告書は見やすいか
  • 運用サポートツールなど、わかりやすい情報が提供されているか など

以上のことは、金融機関を選択するにあたって、大切なポイントです。


「店頭相談可」とインターネットでは書かれていても、実際に店舗によっては対応してもらえない場合もあります。


「ホームページの文字情報だけでなく口頭での説明もしてほしい」、「いつでも相談できるところがいい」など、個人によって譲れない部分もあるでしょう。


金融機関の提供するサービスが充実しているかもポイントに、金融機関選びをしてください。



申し込み手順2:積み立てる金額を設定する

3つのポイントで金融機関を選んだら、次は個人型確定拠出年金(iDeCo)の積み立て金額を設定します。


個人型確定拠出年金(iDeCo)は老後の資産形成のため制度なので、基本的には60歳まで資金を引き出すことができません。


ライフプランや家計を考えて、無理のない金額の設定をすることが大切ですね。


個人型確定拠出年金(iDeCo)で拠出できる金額は?

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は、月々5,000円以上1,000円単位で申し込むことができます。


しかし、制度に加入できる対象者区分(被保険者種別や会社の退職金加入状況)により、拠出できる上限が決まっています。


さらに2018年1月からは、「半年払い」や「年払い」など、自分で拠出する特定月を指定して、拠出することも可能になりました。


これにより毎月拠出する場合は下表の「月額」の範囲内で、それ以外の特定月を指定して拠出する場合は「年額」の範囲内で、掛金を設定することができます。


国民年金

被保険者区分


第1号被保険者第2号被保険者
第2号被保険者
第2号被保険者
第2号被保険者
第3号被保険者

対象者

自営業者会社に企業年金のない会社員企業型確定拠出年金に加入している会社員確定給付企業年金に加入している会社員公務員専業主婦
月額6.8万円2.3万円2.0万円1.2万円1.2万円2.3万円
年額81.6万円27.6万円24万円14.4万円14.4万円
27.6万円
※第1号被保険者は国民年金基金や付加保険料を合算した金額です。

掛金の加入診断はiDeCo公式サイトでも簡単にできますので、そちらも試してみてください。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は年度に一回だけ掛金の変更が可能

個人型確定拠出年金(iDeCo)の掛金は1年に1回のみ可能です。


1年の単位は、12月分の掛金から翌年11月分の掛金(実際の納付月は1月〜12月)となっています。


運営管理機関である金融機関に、被保険者区分に応じた「加入者掛金額変更届」を提出し、変更します。


もし毎月定額ではなく、年払いにするなど納付月も指定したい場合は「加入者月別掛金額登録・変更届」を添付します。


1年に1回掛金を変更できるといえ、途中で「拠出を中止したい」ということはできません。


申し込みの際には、下限である月々5,000円を今後ずっと支払えるかを考慮し、家計に負担のない範囲で金額設定をしましょう。

申し込み手順3:運用する商品を選択する

金融機関と積立金額が決まったら、最後の申し込み手順は運用商品の選択です。


金融機関によって種類は様々ですが、通常3~35の商品が提示されています。


(平成30年5月に商品数の上限が定められましたが、5年間は上限以上の商品を提示しているところもあります。)


商品数が限られているといっても、金融商品に詳しくない一般の人にとっては、どれを選択すればよいのか、迷ってしまいますね。


確定拠出年金では、実は運用する商品を選ぶ際に、1つだけでなく、複数の商品を選択し、さらに積立金をどのくらいその商品に割り当てるかの配分割合を決めることができます。


ここでは、商品を選択するにあたって、まず知っておきたい基礎知識を説明します。

元本確保型商品と元本変動型商品とは?

運用商品の種類は「預貯金」「保険商品」「投資信託」など様々ですが、その種類は「元本確保型商品」と「元本変動型商品」の大きく2つに分かれます。


【元本確保型商品】

元本とは元手となるお金のことです。


その言葉通り、原則として元本が確保される商品で、その元本に所定の利息などが上乗せされていきいます。


代表的な商品は「預貯金」や「保険商品」ですが、「運用なんて面倒」「積立金を確実に残したい」という人に向いている商品です。


【元本変動型商品】

こちらの代表的な商品は「投資信託」で、個人型確定拠出年金(iDeCo)の商品の大半を占めます。


これは、個人型確定拠出年金(iDeCo)の拠出者が拠出したお金を一つの大きな資金として、ファンドマネージャーと呼ばれる運用の専門家が、拠出者の代わりに株式や債券投資をし、その運用益(損失)を拠出割合に応じて拠出者に分配する仕組みです。


したがって、元本変動型商品である「投資信託」を選んだ場合、プロに運用してもらう手数料として「信託報酬」を支払わなければなりません。

これは金融機関選びのポイントでも上述しましたね。


また、運用方法には「パッシブ型」と「アクティブ型」があります。

「パッシブ型」は日経平均株価など市場平均と同じ動きを目指すため、専門家の手間がよりかかる、市場平均を上回る動きを目指す「アクティブ型」に比べると、信託報酬は低くなります。


なお、投資信託は、

  • 国内債券型
  • 外国債券型
  • 国内株式型
  • 外国株式型
  • バランス型 

など、投資先を何をメインにするかによって種類が変わり、考えられるリスクや、期待できるリターンも変わってきます。


投資信託は、運用によって元本が変動するので、言い換えれば「元本が確保されないかもしれない」商品です。


しかし、選ぶ商品によってはハイリターンも期待できますし、ローリスクな商品もありますので、「積極的にチャレンジしてみたい」という人や、「将来積み立てたい金額に少しでも早く到達したい」という人には、向いているかもしれませんね。


このように、運用商品の仕組みや特徴は様々ですので、わからないことは金融機関のホームページで調べたり、直接電話をしたりしてみてください。

運用する商品そのものや資産配分を変更することは可能

実は加入の際に決めた商品や資産配分は、途中で変更することができます。


  • 「運用がうまくいっていないので、他の商品に変更したい」
  • 「かなり運用益が出たけれど、このまま運用しているとマイナスになるかもしれないので、元本変動型から元本確保型に変えておきたい」
  • 「株価が上がってきているので、株式型の商品を増やしたい」
  • 「新しい低コスト投資信託商品が出たので、試してみたい」

など、理由はいろいろあると思いますが、ここでも方法は2つあります。


今後の掛金に対して、運用商品ごとの配分割合を変更することを「配分変更」といい、毎月でも手数料なく変更が行えます。


この単なる変更とは別に、保有している資産の一部や全部を一度売却し、他の商品を買い替えることを「スイッチング」といいます。


売却益にかかる税金や商品購入に対する販売手数料はかかりませんが、投資信託の解約手数料である「信託財産留保額」がかかる商品も中にはあります。


また元本確保型の商品には、中途解約利率が適用されたり解約控除金が差し引かれたりと、解約することで元本割れしてしまうものもあります。


とはいえ、いつでもインターネットで気軽に変更も行えるため、申し込みの際、あまり気負わず選ぶこともできそうですね。

個人型確定拠出年金に申し込むときに必要な3つの情報は?

申し込み手順とポイントがわかったところで、いよいよ最後の準備です。


個人型確定拠出年金に申し込むときに、確認しておくべき3つの情報があります。


いざ申し込みをしようと思っても、これらの情報がわからなければ手続き開始できません。


あらかじめ確認し、スムーズに手続きできるようにしましょう。


情報1:現在の被保険者種別

「申し込み手順2:積み立てる金額を設定する」でも触れましたが、自分が今国民年金の被保険者何号に属しているか、まずは被保険者種別を確認しましょう。


  • 国民年金第1号被保険者:自営業者など
    (国内に住む20歳以上60歳未満の第2号被保険者、第3号被保険者にも属さないすべての人)
  • 国民年金第2号被保険者:会社員・公務員
    (厚生年金の適用を受けている会社などに勤務している人)
  • 国民年金第3号被保険者:専業主婦
    (第2号被保険者の配偶者)


被保険者種別によって、拠出金額が変わるだけでなく、申し込みの際や、加入後の手続き変更の際に別の書類を準備する必要があります。


常に自分が第何号被保険者なのか、意識しておきましょう。

情報2:他の確定拠出年金から移換する年金資産があるか

退職前、企業型確定拠出年金に加入していた人は、個人型確定拠出年金に申し込みをするにあたり、今まで積み立ててきた年金資産を移換する必要があります。


その場合「個人別管理資産移換依頼書」という手続き書類に記入し、今後積み立てる資金と合算をすることになります。


「今まで企業型確定拠出年金の運用なんてしてたっけ?」という人も、退職後に必ず「確定拠出年金加入者資格喪失手続完了通知書」が自宅へ送付されますので、その書類に書かれている内容を転記してください。

情報3:申し込むために必要な個人情報・基礎年金番号

個人型確定拠出年金の申し込みをする際に、「個人型年金加入申出書」を提出しますが、それには基礎年金番号を記入します。


基礎年金番号とは、国民年金の加入資格をもったときに、渡された国民年金手帳に書かれている、基本的には一度付与されると一生変わらない管理番号です。


国民年金手帳はもちろん、1年に1回送付される「年金定期便」でも確認できますし、「確定拠出年金加入者資格喪失手続完了通知書」にも記載されています。


会社員の方は、人事などの管理部門に確認することもできますので、申し込みの際には事前に基礎年金番号がわかるものを準備しておきましょう。


まとめ:まずは選んだ運営管理機関に申し込みの連絡を!

「個人型確定拠出年金(iDeCo)の申し込み手順とポイント」について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 金融機関は手数料や商品、サービスで選ぶ
  • 拠出金の設定は1年に1回のみ変更できる
  • 運用商品には元本確保型と元本変動型がある
  • 商品自体の変更や資産配分も変更して運用できる
  • 申し込みの際には、基礎年金番号などの情報を個人情報を確認する

です。


節税対策や老後資金対策として注目されている、公的制度の個人型確定拠出年金(iDeCo)。


ポイントをつかめば、自分の身近な金融機関や、なんとなく気になる金融機関など、絞り込みも難しくはないはずです。


まずは選んだ運営管理機関に申し込みの連絡をして、アクション開始しましょう!


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

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