老後資金を個人年金保険で準備するメリット・デメリットについて

昨今、老後資金の準備として公的年金だけでは不安をおぼえ、民間の個人年金保険に加入を検討されている方も多いと思います。自分で準備することに対してメリット、デメリットそれぞれあります。今回は、個人年金保険のメリット・デメリットを中心にお話をしていきたいと思います。

個人年金保険のメリット・デメリットを紹介します

老後の生活資金として、私達は65歳になると公的年金を受け取ることができます。現在の年金(老齢基礎年金)の支給額は、一ヶ月あたり66,000円ほどで、夫婦だと13万円程度になると言われています。老後の生活に必要な生活費は夫婦で大体22万円程度だと言われていることをふまえると、少し心もとない金額です。

さらに、今後より高齢化が進めば、公的年金の支給時期は後ろ倒しになり、支給額も減らされてしまう可能性が大いにありますので、老後の生活を公的年金だけで補うことは難しいと思われます。

そのような状況の中で、自助努力の方法として、個人年金保険に加入を検討されている方も多いと思います。


個人年金保険の年金額を検討するポイントは、想定される老後の生活費に加えて、社会保障である公的年金の受給額も考慮しながら、シミュレーションし、準備する必要があります。そしてその準備には、メリット、デメリットを必ず押さえるべきです。


公的年金の受給額は、ねんきん定期便で確認ができるので、この数字と老後に必要とされる平均的な生活費と照らし合わせて、その不足分を民間の保険会社が販売していている、個人年金保険で補うのが良いかと思います。

個人年金保険とは?

「個人年金保険」は、所定の年齢から年金を受け取ることができる貯蓄型の保険です。

老後資金の積立だけでなく、教育資金や住宅資金の積立などに利用されることもあります。


年金の受け取り方については、以下4種類が主流です。

  • 「確定年金」:被保険者の生死に関わらず、5~20年など契約時に定めた一定の年金受取期間、年金を受け取ることができる、というものです。万が一年金受取期間中に被保険者が亡くなった場合でも、残りの期間に対応する年金を受け取ることができますので、払い込んだ保険料分の年金をきっちり受け取ることができます。形態としては、貯蓄の取り崩しに近いと言えます。

  • 有期年金」:5~20年など契約時に定めた期間のうち、被保険者が生存している間のみ年金を受け取ることができるというものです。被保険者が亡くなると同時に年金給付も終了してしまいますので、思いがけず早く亡くなってしまった場合などは元本割れを引き起こしてしまいます。

  • 「保証期間付有期年金」:有期年金のうち、保証期間として定めた5~10年間の間は、被保険者の生死に関わらず年金を受け取ることができるものです。保証期間終了後も、被保険者が生きていれば、契約時に定めた年金受取期間までは年金を受け取ることができます。保証期間中であれば、万が一被保険者が亡くなっても、残りの保証期間に対応する分の年金を遺族が受け取ることができますが、保証期間終了後は被保険者が亡くなってしまうと、年金の受取期間が残っていても、遺族は年金を受け取ることができません。

  • 「保証期間付終身年金」:被保険者が亡くなるまで年金を受け取ることができるタイプの年金です。契約時に設定した保証期間中は、被保険者の生死に関係なく、年金を受け取ることができ、その後も被保険者が生存している限り、終身にわたり年金を受け取ることができます。万が一保証期間中に被保険者が死亡した場合でも、保証期間中は遺族が年金を受け取ることができます。死ぬまで年金がもらえるので大変安心感はありますが、その分月々の保険料は高くなっており、よほど長生きをしないかぎり元を取ることはできません。

このほかに、一時金で受け取れる場合もあります。


最近は、日銀の長短金利操作による影響で運用環境が悪くなり、保険料の値上げが相次いだため、「円建て個人年金保険の貯蓄」性が全体的に下がりました。2017年4月には、生命保険業界全体に影響のある「標準予定利率(運用利回りの指標)」も低下、さらなる保険料の値上げが行われました。

このような状況から、なかには、円建ての個人年金保険の販売だけでは保険会社にとっても、デメリットを被ることもあるので、「外貨建て商品」に注力する保険会社もあります。


しかしそのような状況下の中でも、いままでどおり、「円建て個人年金の」販売を継続する保険会社もあり、保険料控除の対象になることで所得税が軽減されるメリットもあるため、加入を検討している保険会社に試算してもらって、比較して選択するといいでしょう。

個人年金保険のメリット

個人年金保険で老後資金準備や教育資金準備をする際の、メリットとデメリットを整理していきたいと思います。


まずはメリットからお話したいと思います。

メリット1:銀行預金よりも利率が良い

個人年金保険の商品や保険料、銀行にもよりますが、日本銀行がマイナス金利政策を導入してから、銀行の定期預金金利は大きく下がりました。  

現在メガバンクの普通預金の利率はあってないようなもの、そして定額貯金の利息もわずかしかつきません。銀行にとっても、預ける方にとってもデメリットしかありません。


個人年金保険と比較すると、利息だけで何十倍、何百倍も異なることもあり、老後のためにお金を増やそうとしているわけなので、利息による積立後の金額の違いは重要です。

メリット2:長期固定利率なので計画的に老後資金を貯められる

個人年金保険の利率は、変動型を除いて、加入した時点で確定しており、受け取り時まで固定されます。


受け取り時の年金額が契約時に確定しているので、老後にいくら必要なのかを把握した上で加入をすることで、計画的に老後資金の準備をすることができますね。

メリット3:生命保険料控除の対象となるので、実質利回りが良くなる

個人年金保険は、「個人年金保険料控除」の枠でその年の所得から、生命保険料控除をうけることができます。


個人が払う税金のうち、主なものが所得税と住民税です。これらは、収入(所得)に応じて課税されます。収入が多い人ほど、税金をたくさん払わなくてはいけないのですが、このとき、個人の事情を考慮して、課税額を決めるための仕組みに「所得控除」というものがあります。これは、やむをえず何からの出費がかさんでしまった場合、そのぶんは収入から差し引いて考えてもよい、というものです。結果として、税金の額が少なくなります。


控除を受けられるものとして、家族を養っている(扶養控除)や、医療費がたくさんかかった(医療費控除)、自然災害や盗難の被害にあった(雑損控除)などがありますが、そのなかのひとつに「生命保険料控除」があります。生命保険の保険料をたくさん支払った人は、そのぶん控除を受けられるという仕組みです。生命保険料控除は、保険が3つの種類に分かれており、それぞれ、支払った保険料に応じた控除を受けることができます。


ただし、個人年金保険でも、以下の条件に当てはまるものでなければ控除の対象になりません。そして、この条件を満たす個人年金保険には、「個人年金保険料税制適格特約」という特約(=オプション)がつき、控除の対象となります。個人年金保険に加入する際には、必ず忘れずにつけるようにしましょう。

  • 年金を受け取るのが、保険料を払う人本人か、その配偶者であること
  • 受取人が被保険者(保障の対象者)であること
  • 保険料を払う期間が10年以上であること
  • 確定年金(生死に関係なく取り決めた期間年金がおりる)の場合、年金の受取開始時は60歳以降で、受取期間は10年以上であること

さらに、この所得控除を生かすことで、実質の利回りをよくすることができます。

それでは実際に、どの程度の効果があるのか、計算してみましょう。


仮に、年間所得が400万円の人がいるとします。この人が月払1万円の保険料を払って個人年金保険料控除を受ける場合で考えてみます。商品は控除対象の条件にあてはまるもので、次のような商品だとします。


月払保険料:1万円

契約期間:30年

年金受取総額:426万9,800円

返戻率:約119%


では、この人の税額を税率にのっとって計算し、控除を受けた場合と比較してみたところ…… 


<所得税>

  • 税額:37万2,500円
  • 控除額:4万円
  • 控除後の税額:36万4,500円
  • 節税額:8,000円

<住民税>

  • 税額:40万4,000円
  • 控除額:2万8,000円
  • 控除後の税額:40万1,200円円
  • 節税額:2,800円

この方の場合だと、所得税・住民税合わせて1万800円の節税ということになりました。これが保険料を払い込んでいる期間中、毎年続くのです。

それに、年間1万800円を月で割ると900円になりますから、月払保険料が900円安くなったのと同じことになります。

この個人年金保険の保険料が月払9,100円になったと考えると、返戻率は119%から130%までアップするのです。

つまり、「実質」返戻率が130%になるということです。

個人年金保険のデメリット

次に、個人年金保険のデメリットについて、整理をしていきましょう。

デメリット1:低金利なので、リターンが小さい

これは銀行の預貯金にも言えることですが、個人年金保険の利率についても、昨今のマイナス金利の影響を受けて、ひと昔に比べてその利率は大きく下がってしまいました。


そうはいっても、単に銀行に置いておくことと比べると、利率は比較にならないくらい大きいので、メリットでもありますし、昔の個人年金保険の利息と比較すると、確かに現在の個人年金保険の利息は少ないことは、デメリット面ではあります。

デメリット2:中途解約すると損をするリスクが大きい

仮に急な出費があり、手元に資金がなく、本当に最後の手段として、個人年金保険を中途解約せざるを得なくなってしまった場合には、大変な損をしてしまいます。どうしても今すぐに現金が必要な場合には

、中途解約は仕方ない手段ですが、本当にこれがは最後の最後までおいておくのがベターです。

個人年金を途中で解約してしまった場合、それまで払い込んだ保険料と解約返戻金(=解約したときに戻ってくる際にもどってくるお金)を比較しても大幅に損をしてしまいます。払い込んだ保険料よりも却ってくる解約返戻金は相当少ないです。


なので加入時には、今現在の自分の収入などを考慮して、個人年金保険にどれだけの保険料に入れ込むことができるのかを慎重に考えて、払い込み期間が終わるまでに、なるべく途中で解約をしなくて済むように、無理のない金額を加入時に設定することが大前提です。

もし仮に途中で収入が増えることがあれば、もう一本別に個人年金保険を活用して、積立を開始するべきです。


結論からすると、一度個人年金に加入すると、一般的に受け取り時まで解約したり、減額したりするものではないです。

そのあたりもきちんと考えて、加入時には今の自分の収入からどれだけ個人年金保険を活用して、「老後の資金として貯蓄をするのか」ということをきちんと考えてから、加入検討をしましょう。

デメリット3:インフレリスクに弱い

年金は運用利回りも契約時のものがずっと継続しますいいかえると、数十年間の固定金利での運用という形になるわけです。

現状の個人年金の場合、30歳くらいで加入した場合の個人年金利回りはおおよそ1%程度です(加入年齢が上昇するほど利回りは低下します)。この水準は銀行の定期預金や個人向け国債の利率などと比較すれば高いですが、将来インフレになって物価上昇率が上がった場合にリスクが高まります。


現在、インフレ率はいまはマイナスまたはゼロに近い水準です。そのため、1%の金利(運用利回り)でも十分かもしれませんが、金利水準を上回るインフレになった場合、実質的に目減りしてしまいます。安倍政権は2%のインフレを目標にすると言っていますが、仮に2%のインフレになったら運用利回りよりも物価上昇のペースの方が速くなってしまいます。

他の投資でも同じことはいえますが、銀行預金は最長でも数年単位で満期を迎えるのでインフレ率が上昇したとしてもの時々の金利水準に場合のは、1年満期の定期預金で運用していけば金利がインフレ率に負ける可能性は低いです。


一方の個人年金保険は、加入時から最後まで金利水準(利回り水準)は変わりません。数十年という長期で考えるのに、現在の低金利下での金利水準で固定運用するというのは実はかなりリスクが高い運用であると考えられます。

デメリット4:保険会社が破綻するリスクがある

仮に加入している生命保険が破たんしてしまった場合、引受先の保険会社にもよりますが、場合によっては、当初加入していた個人年金の受取額が減少してしまう場合があります。


しかし、生命保険会社が必ず加入している生命保険保険会社の保険会社的な役割を果たす、「生命保険契約者保護機」が仮に保険会社が破たんした場合、保険会社が請け負ってた保険契約を受け継ぐことになるのでそこまで心配することはないかと思います。


ただし、仮に現在加入している保障内容が継続されるのではなく、移管先の保険会社の運用方法に則りますので、当初受け釣れるはずだった年金額が、かならずしも受けとることができない場合もあることは、覚悟しておきましょう。

個人年金保険の種類ごとのメリット・デメリット

それでは次に、個人年金保険の種類ごとのメリット、デメリットに関してお話をしていきましょう。

長生きリスクのある確定年金

典型的な長寿年金は65歳で購入し85歳で受け取りを開始します。

受け取りまでの待機期間が長いことに特徴があり、そのために少ない掛け金でも比較的大きな受け取りが可能となります。


資産運用という視点でみると、別の“カゴ”を用意することになります。たとえば、老後資金として100万ドルを用意して65歳で引退した場合、10%の10万ドルを掛け金として20年後の85歳から毎年2万ドルを受け取る長寿年金を購入します。こうしておけば、85歳までに残りの90万ドルをすべて取り崩してしまっても生活水準の急低下を免れることができるというわけです。

一般に、長寿年金の購入額は65歳の退職時に用意した資金の10%から25%が適当とされています。もちろん、良いことばかりではありません。保険料は掛け捨てとなりますでの、85歳未満で死亡した場合には受取額はゼロとなります。

65歳時の平均余命は約20年ですので、年金を受け取れる確率はほぼ5割ということです。掛け金を回収するためには数年かかりますので、元を取るためには平均余命プラスアルファの長生きが必要となり、損得のみで考えるのであれば、得をする確率は低いと言えます

あくまでも長寿年金は長寿年金“保険”であり、予想外の長生きリスクをヘッジすることが目的だということをしっかりと認識しておくべきでしょう。


日本でも日本生命が今年4月から「ニッセイ長寿生存保険」の販売を開始しています。米国の長寿年金とおおむね同じ商品設計となっています。高齢化では世界のトップを独走する日本ですが、インフレ率が低く、インフレリスクに対する懸念が小さいことや高齢者の医療費も自己負担分が限定されていることなどから、長寿リスクへの関心は米国ほど高くはないようです。

しかし、類似する個人年金保険では受け取り金額が確定していますので、生活費が上昇した場合、購買力が年々低下することになります。


また、今後は健康保険の保険料の引き上げや診察の際の自己負担が増えることで、当初の予想以上に家計が膨らむ可能性がないとも言い切れません。

長寿年金は既に述べた通り、損得で考えると必ずしも得になるわけではありません。

しかし、今後の日本の経済情勢、税制、社会保障費など様々な要因が変化する中で、その需要が高まる可能性は十分に秘めていると言えるでしょう。


老後資金を備えるだけでも難しい時代ではありますが、資産運用をするにあたっては、長寿保険という選択肢があることは知っておいても損はなさそうです。

早死にリスクのある終身年金

冒頭にお話をした、「保証期間付終身年金」は、被保険者が亡くなるまで年金を受け取ることができるタイプの年金です

契約時に設定した保証期間中は、被保険者の生死に関係なく、年金を受け取ることができ、その後も被保険者が生存している限り、終身にわたり年金を受け取ることができます。

万が一保証期間中に被保険者が死亡した場合でも、保証期間中は遺族が年金を受け取ることができます。死ぬまで年金がもらえるので大変安心感はありますが、その分月々の保険料は高くなっており、よほど長生きをしないかぎり元を取ることはできません。

為替リスクのある外貨建て年金

昨今のマイナス金利の影響をうけて、国内の生命保険会社は、一斉に利率を下げました。その際、為替リスクのある外貨建て年金に注目をいし、現在は外貨建ての年金の販売にシフトしている保険会社も少なくありません。


昨今のマイナス金利の影響で、日本円(円貨)の個人年金保険の販売中止や利回りが悪くなっている中、利回りが高い保険として外貨建て個人年金保険は人気が高くなっています。多くの保険会社で取り扱いがされており、通貨や運用期間など商品の種類が豊富です。

外貨建て個人年金保険とは、保険料の支払いや保険金の受取りを米ドルやユーロ、オーストラリアドルなどの外貨で行う個人年金保険です。日本円(円貨)で支払った保険料はその国の外貨で国債などで運用され、一般的に円貨よりも利回りが高くなる傾向があります。

特に長期運用する場合には、円貨と比べ大きな差がでてくるのが特徴です。また、保険料を支払う時と、保険金を受け取るときの為替相場によって、円に交換したときの金額が大きく変わります。

保険会社によって異なりますが、保険料は一括支払いタイプや積立支払いタイプがあります。

また、保険金の受け取りは、年金方式だけではなく、一括受け取り方式も指定できるのが通常です。

外貨建て個人年金は、円貨のものに比べて、利回りが高いのが特徴です

予定利率は、保険会社や外貨の種類によって変わりますが、人気のオーストラリアドルの場合、利率が2~3%になっていることも珍しくありません。これは、オーストラリアの経済状態が良いことが影響しているため、景気が悪くなれば利率が下がる可能性が高いと言えます。

一方、円貨の個人年金の場合、1.0%程度が一般的のため、3倍以上の利率が期待できます。なお、加入時の利率は随時変更されていますが、固定利率型の商品が一般的で、加入時に外貨ベースでの受取額は確定しています。例えば、外貨建て個人年金保険(一括支払いタイプ)の場合、契約時に決められた利率が変動することはないため、受け取る額は一定です。1万オーストラリアドル支払い、年3%の利率であれば10年後に30%アップの1.3万オーストラリアドル受け取れる事になります。受取り時の老後生活を日本で過ごす場合は、1.3万オーストラリアドルを日本円に両替する方が多いと思います。


しかし一方で、受け取る時点の為替が契約時よりも円高になっていれば、日本円に交換した場合の金額が減ることになり、逆に円安になっていれば増えることになります。したがって、外貨建て個人年金は、円貨のものに比べて利回りが高いですが、受け取り時に外貨受取りではなく、日本円に両替した場合には為替変動の影響を受けます。

運用成績次第では損をするリスクのある変額年金

変額個人年金保険は、投資対象となる投資信託の運用成績によって受け取る年金額が変動する可能性があります。

定額個人年金と異なりインフレに強いという面があり、投資を楽しむこともできるため、まとまったお金が用意できる高齢者に人気の商品となっています。変額個人年金は、2002年以降、銀行や郵便局の窓口で販売されるようになり、銀行や郵便局で売られている商品ということで、信用力も相まって多くの方が加入しました。


2008年にリーマン・ショックが起き、その後ユーロ危機や東日本大震災があり、日本経済は混乱をきたしました。

変額個人年金は、投資信託の運用成績次第で年金原資が増減しますので、基本的に景気が良い時には、メリットを享受できますが、景気が悪い時には大きなダメージを受ける、デメリットになる可能性があります。特に、経済的なショックが発生する直前に変額個人年金を購入した場合、そのダメージは甚大で、デメリットになるしかありません。

個人年金保険のデメリットの対処法

それでは、これまでお話をしてきた個人年金保険のデメリットに対しての対処法について、お話をしていきたいと思います。

大きなリターンを欲しいなら、変額年金か外貨建て年金か個人型確定拠出年金(iDeCo)

より大きなリターンを求めるなら、その分のリスクはもちろんありますが、変額年金か外貨建て年金か、個人型確定拠出年金(iDeCo)を選択するのが良いかと思います。

とくに個人型確定拠出年金(iDeCo)は2017年1月から加入資格が拡大され、老後資金準備の一つとして、注目されています。

そもそも個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、「国の公的年金だけに頼るだけではなく、国民一人一人に自身で老後に備えた資産形成をしっかりやっていってもらいたい」という国家の目的があり、そのために優遇税制という、メリットのある個人型確定拠出年金という既存の制度の使い勝手を高め、制度の内容をわかりやすくしたり、加入できる対象者の範囲を拡大したりしています。


実際に2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金制度のある会社員にも拡充され、国民のほぼすべてが加入できる制度になりました。

個人型確定拠出年金(iDeCo)のメリットとして、まず一つ目には、掛け金が全額所得控除されます。二つ目に、通常金融商品を運用してでた利益に対しては、源泉分離課税がかかりますが、idecoについてはその運用益が非課税となります。

また最後には、個人型確定拠出年金(iDeCo)の老齢給付金を一時金で受け取る場合には、「退職所得控除」、年金として受け取る場合には、「公的年金等控除」が受けられます。このように、税制優遇などのメリットがあります。

もちろんメリットだけではなく、デメリットももちろん存在しますが、なにも老後資金の準備を個人年金保険だけが選択肢ではありません。


老後資金の準備には、多くの方法があります。自分に合った運用方法をかんがえてみましょう。

中途解約しないように払い済み・自動振替貸付・契約者貸付制度を利用する

仮に個人年金保険に加入中に、中途解約をすると相当な損をしてしまうお話をしましたが、何も安易に全額解約するのではなく、その保険自体を可能であれば、払い済みにしたり、その保険から「自動振替貸付」や「契約者貸付制度」を利用することも、ひとつの手だと思います。

インフレリスクを小さくしたいなら、月払いがおすすめ

インフレとは、物の値段が高くなり、それにより相対的にお金の価値が落ちることです。

この説明だけだと分かりづらいと思うので、具体例で説明します。 


物の価値が高くなり、相対的にお金の価値(100円の価値)が落ちる=インフレです。お金の価値が落ちるのがインフレです。

インフレにいつなるかは、だれにも予測することができません。ですので一度に大きな保険料を払ってしまうのではなく、月払いで世の中の様子をみながら、加入を検討するのがおすすめです。

50代からの加入であれば、インフレリスク・保険会社の破綻リスクは小さい

個人年金保険は年金として受け取りたい金額の合計を積み立ててためていく積立預金のようなイメージの商品で、若い人が加入するものという考えの人もいますが、実際には50代で個人年金保険に加入する人も多くいます。

50代から個人年金に加入すると、保険料の払込期間が10年から15年くらいしかないので、月払いなど分割で保険料を支払うとかなりの金額を毎月積み立てる必要があります。

そのため、すでにある程度まとまった金額が手元にあるなら、必要な保険料を一度にすべて支払う一時払いの年金保険がおすすめです


一般的に老後のお金の準備は早いうちから始めることで、運用効果が大きく有利に老後のお金を貯めることができます。そのため同じ金額を用意する場合も20代から準備している方が必要な保険料の総額は少なくなります。


それでは50代から個人年金に加入するのは遅すぎてデメリットがあり、無駄なことかというとそうではなく、50代から個人年金保険に加入した場合のメリットもあります。


<50代で一時払い個人年金保険に加入するメリット>

  • 戻り率が高くなる
  • 必要な年金額が把握しやすい
  • インフレリスクを低減できる 」
  • 外貨建て個人年金や変額個人年金で収益を狙うこともできる

まず、一時払い個人年金保険に加入した場合は、月払いで保険料を支払うよりも戻り率が高くなるのが一般的ですので、月払いの個人年金保険に加入するよりも必要な保険料が安くなります。さらに50代になると、自分がもらえる公的年金が把握できているので、公的年金以外で必要な収入もわかり個人年金保険に加入する場合も年金額などの計画が立てやすく無駄が少なくなります。50代の人で自分の年金がわからないという人は毎年送られる「ねんきん定期便」やインターネット経由で「ねんきんネット」を確認することで将来の見込み公的年金額を確認することができます

まとめ

老後資金を確実に準備するという点で、定額年金は魅力的かもしれません。銀行預金(積立貯金)などと比べてリターンは高く見えるかもしれません。

しかしながら、個人年金保険には、「途中解約できない(途中で解約できても、全くの損しかない)」、「固定金利運用なのでインフレになったら弱い」、「ローンを組むなら逆ざやとなる可能性がある」といったデメリットもあります。


単に老後資金が心配だから、年金だけでは不安だからといった理由だけで簡単に加入を決めるタイプの商品ではありません。まずは自分が活用できる社会保障なども調べたうえで、個人年金保険への加入検討を行いましょう。



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