団体割引の個人年金保険の仕組みやメリット、留意点について

団体割引の個人年金保険とはどのようなものなのでしょうか。個人年金保険とはどのような保険なのか、団体割引の個人年金保険の場合に勤務先はどのような関与をするのか、団体保険と団体扱いの違いはどういった点にあるのか、などについて詳しく説明します。

団体割引の個人年金保険とは、勤務先が募集して加入する個人年金保険

個人年金保険とは、国民年金や厚生年金などの公的年金を補填する目的で加入する私的年金の1つです。

個人年金保険は、契約時に定めた年齢(60歳、65歳など)から、一定期間(5年、 10年など)、あるいは一生涯にわたって毎年、一定額の年金を受け取ることができる貯蓄型の保険です。

勤務先が保険会社と団体割引の契約をしていると、勤務先が保険の募集を行い、保険料を社員の給与から天引きすることができます。


勤務先が一度に大人数を募集するので、保険料が安くなる

団体割引の個人年金保険は、勤務先の社員など大人数が一度に応募することになりますので、保険料が割安に設定されています。

また勤務先が保険会社の代わりに保険料の徴収をしてくれるので、本来保険会社がコストをかけて行っている集金業務に相当する分保険料を安くすることが可能だということができます。

さらに保険設計上、勤務先の会社の状況を踏まえて同一の契約内容で商品設計を行うことが一般的なので、個人個人に異なる商品を提案する必要もないため、この面についてもコストが抑えられていると言えます。

したがって、一般の保険の保険料に比べたら安くなるということができるのです。

若い人からすると、保険料が割高になってしまう可能性がある

団体割引の個人年金保険では保険料が一定になっていますので、年齢が若い人にとっては、割高になってしまう可能性があります。

団体保険にとっては。割引があるとは言え、勤務先の会社の平均的な年齢などをベースに保険料などが設定されているため、勤務先の中で平均よりも若い従業員にとっては、一般の保険料であれば年齢に応じた保険料が提示されることに比べると、年齢に相応した保険料よりも高い保険料となってしまうことが考えられます。

勤務先によっては退職後、保険契約が解除されることもある

団体割引の個人年金保険に加入していた人が勤務先を退職してしまった場合には、その保険契約が解除されてしまう場合があります。

団体割引の個人年金保険に加入できるのは、勤務している本人か家族に限定されていますので、勤務先を退職した時点でこの保険の加入資格を失って契約が解除されてしまう可能性があります。

団体割引の個人年金保険は、勤務先と保険会社との契約をベースに団体保険としての割引を実施しているため、退職者にも同様の割引を続けることは他の保険契約者との比較のうえで不公平だと言われてしまう可能性が高いと言えます。

したがって、退職者とはこれまで契約していた個人年金保険の契約を続けることができない、ということになることがありうるのです。

自分の勤務先が、退職後引き継げるかどうかを確認すること

勤務先と保険会社との契約によっては、勤務先を退職した人であっても、これまでの個人年金保険の契約を引き継ぐことができる場合があります。

会社を辞める時には、これまでの勤務先が保険契約を引き継ぐことができるかどうかを確認しておくことが重要です。

勤務先の会社と保険会社との契約によっては、これまでの団体割引がそのまま適用されなくなるとしても、退職後に個人年金保険契約を生かしたままにすることも可能です。

退職後、引き継いだ場合、個人年金保険が保険料が少し上がる

勤務先を退職しても個人年金保険を引き継ぎことが可能だった場合、個人年金保険の保険料は少し上がると考えられます。

これまでは大勢の社員の一員として給与天引きで保険料を払い込んでいましたが、退職により、このようなスケールメリットが失われて、手間がかかりコストが上がっているから、と言うことができます。

前述したように、団体割引はコストを抑えられる仕組みになっていましたが、退職後にそのまま団体割引の仕組みで運用することは難しいと考えられます。

したがって団体割引の個人年金保険の保険料から比べると少し高い保険料が適用されることになるでしょう。



団体割引の保険は、団体扱いの保険とは異なる

「団体保険(団体割引の保険)」も「団体扱いの保険」も勤務先の給与から保険料が天引きされて保険会社へまとめて支払われる点は共通ですが、以下のような点が異なっています。

  

団体保険(団体割引の保険)では、勤務先が保険を募集し、従業員は勤務先で保険の申し込みを行います。

勤務先を通して募集される保険で、加入することができる人は勤務先の従業員や家族などに限定されています。

また、前述したように、一度に大人数の保険の募集を行うため、一般の保険に比べると保険料が大幅に安くなります。

また、団体保険では、福利厚生の一環として、勤務先の従業員全員が強制的に加入する保険があります。

このような場合では、保険料は福利厚生費用として会社が負担するようになっていると思われます。  


団体保険(団体割引の保険)では、医療保険や働くことができなくなった場合の就業不能保険などを取り扱うケースもあります。

保障の内容はそれぞれの保険で異なりますので商品内容の確認が必要ですが、保険料が割安なものや、健康状態の告知が比較的緩やかなものもありますので、勤務先に確認をしてみることをオススメします。


一方、団体扱いの保険とは、加入する保険の保険料が団体扱いの支払い方法になっているものを言います。

保険の募集は保険会社が、保険の応募は従業員が、それぞれ直接行います。

しかし保険料は従業員の給与から直接天引きされる形になり、全従業員の保険料を会社がまとめて保険会社に支払うことになります。

この場合には、保険会社と勤務先の間で保険料を給与から天引きするという契約があるということの他には、一般の保険契約と何ら異なっている点はありません。

保険会社からすれば一般の保険契約に比べて手数料がかからないため、その分保険料を安くすることができますが、給与から天引きされることを望まない場合には加入しないことを選ぶことも可能でしょう。

団体割引と団体扱いの違いは、勤務先が保険を募集するかどうか

団体割引の場合は、保険の募集そのものを勤務先が行います。

あたかも従業員が勤務先に保険を申し込むような形になるのですが、勤務先は保険会社の代わりに保険の申し込みに対する受付を行っているにすぎません。

この場合でも、保険商品の説明は保険会社が従業員を集めて説明会を実施したり、商品説明の電話対応を行ったりします。

勤務先の会社はあくまでも保険の募集に関する事務を代行して行うことになります。


一方で団体扱いの場合は、勤務先は保険の募集はせず、従業員個人が保険会社に対して保険の申し込みを行います。

団体扱いでは保険料を給与から天引きする点では勤務先の会社に事務負担が生じますが、団体割引の保険に比べると保険商品への関与度は低いと言わざるをえません。

まとめ

団体割引の個人年金保険の商品設計は、勤務先の会社の状況を踏まえて作られていますが、団体扱いの保険との違いを理解することが重要です。

福利厚生の一つとして団体割引の保険を用意している企業もありますが、従業員が全員強制加入(保険料は会社負担)の場合を除き、商品性の理解と退職した場合の取り扱い(退職したら保険契約が解除されてしまうのか、退職後でも保険契約を引き継ぐことができるのか、など)などを十分に確認したうえで、保険への加入を行うかどうかを検討することが重要です。

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