更新日:2022/05/30
会社員・サラリーマンがiDeCoについて絶対知るべきデメリットと注意点
老後のために企業型確定拠出年金とは別にiDeCoに加入して資産運用を行いたいと考えている会社員・サラリーマンの方は多いでしょう。そこで今回は、iDeCoへの加入を考えている会社員が知るべきiDeCoのメリット・デメリットや、手続き方法等について解説します。
内容をまとめると
- iDeCoは企業型確定拠出年金・確定給付企業年金の加入有無により拠出上限額が異なり、会社規約にない場合やマッチング拠出利用時は加入自体ができない
- 会社員・サラリーマンがiDeCoに加入すると大きな節税効果を得られるが、転職により拠出上限額が減り節税効果も薄れるケースがある
- 加入時は無理のない拠出額に設定し、信託報酬や管理手数料等の手数料の安い金融機関を選ぶ
- iDeCoへの加入について悩んでいるなら、顧客満足度93%のマネーキャリアがおすすめ!
- マネーキャリアは対面またはオンラインで無料相談できるから初めての方でも安心!
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 会社員・サラリーマンのiDeCoの掛金上限額
- ①企業年金がない企業へ勤める人
- ②確定給付企業年金がある企業に勤める人
- ③企業型確定拠出年金がある企業に勤める人
- 会社員・サラリーマンがiDeCoに加入するための条件
- 会社員・サラリーマンがiDeCoに加入できない2つのケース
- 会社員がiDeCoに加入するメリット:3つの節税効果
- 会社員がiDeCoに加入するデメリット:上限額が減る可能性がある
- iDeCoに加入してもあまりメリットが大きく得られない会社員の方の特徴
- ①収入が多くない
- ②控除額が既に多い
- ③加入期間が短い
- 会社員・サラリーマンのiDeCoの始め方・手続き方法
- STEP①加入条件を確認する
- STEP②運用商品を選択する
- STEP③掛金を決めて節税効果をシミュレーション
- STEP④金融機関を選ぶ
- STEP⑤加入手続きを行って掛金を納付
- iDeCoの法改正で会社員・サラリーマンが知っておくべきこと
- 改正ポイント①加入可能年齢の拡大
- 改正ポイント②企業型DCとの同時加入
- 会社員・サラリーマンがiDeCoについて知っておくべき注意点
- 注意点①企業型確定拠出年金や確定給付型や厚生年金の加入状況で月額に上限がある
- 注意点②手数料はなるべくかけない
- 注意点③原則途中解約は不可能
- 注意点④ 掛け金が給与天引きか個人口座引き落としか確認
- 注意点⑤各種手続きが思っているより面倒
- iDeCoに関して会社員・サラリーマンの方からよくある質問
- よくある質問①年末調整や確定申告は必要?手続き方法は?
- よくある質問②勤務先に知られたくない場合はどうすれば良い?
- よくある質問③勤務先がiDeCo加入のための証明書を書いてくれないことはないの?
- まとめ:iDeCoについて考え始めたらまずはマネーキャリアで無料相談!
目次
会社員・サラリーマンのiDeCoの掛金上限額
老後のためにiDeCoで資産形成を始めようと考えているものの、実は月々積み立てられる金額に上限があることを知らない方も多いでしょう。
そこでまずはiDeCoの掛金上限額について、
- 企業勤めの方(企業年金なし)
- 企業勤めの方(確定給付企業年金あり)
- 企業勤めの方(確定拠出年金あり)
①企業年金がない企業へ勤める人
会社員として企業年金がない企業へ勤めている方のiDeCo掛金上限額は、
- 月額:23,000円
- 年額:276,000円
- 企業型確定拠出年金
- 確定給付企業年金
- 厚生年金基金
- 石炭鉱業年金基金
②確定給付企業年金がある企業に勤める人
会社員として「確定給付企業年金(DB)」がある企業に勤めている方のiDeCo掛金上限額は、
- 月額:12,000円
- 年額:144,000円
- 規約型確定給付企業年金
- 基金型確定給付企業年金
③企業型確定拠出年金がある企業に勤める人
会社員で「企業型確定拠出年金(DC)」がある企業に勤めている方のiDeCo掛金上限額は、
- 月額:20,000円
- 年額:240,000円
会社員・サラリーマンがiDeCoに加入するための条件
会社員・サラリーマンがiDeCoへの加入を考える際にポイントとなるのが、
- 企業型確定拠出年金(DC)へ加入していない
- 企業がiDeCoへの加入を規約で認めている
会社員・サラリーマンがiDeCoに加入できない2つのケース
iDeCoへの加入を考えている会社員でも、
- 企業型確定拠出年金でマッチング拠出を行っている
- 会社規約でiDeCoへの加入が認められていない
以上に該当する場合は現状iDeCoに加入できません。
企業型確定拠出年金において会社員自身が掛金をプラスできる「マッチング拠出」を利用している場合はiDeCoと併用することはできません。
たとえば会社による企業型確定拠出年金の掛金が「3万円」である場合、会社員自身は最高「2.5万円」までマッチング拠出により上乗せが可能ですが、さらにそこにiDeCoの分を上乗せするようなことはできません。
そのため、会社による企業型確定拠出年金の掛金が少ない場合などにiDeCoを併用するのが理想です。企業型確定給付企業年金と比較してiDeCoは選べる商品の幅が広く、より柔軟な運用ができるからです。
くわえて現状ではiDeCoの加入について会社規約で定められていない場合の加入は難しいですが、今後行われる法改正によって規約の有無にかかわらず加入できるようになります。この点はのちほど詳しく解説します。
会社員がiDeCoに加入するメリット:3つの節税効果
会社員がiDeCoに加入すると得られる主なメリットが「節税」効果です。
iDeCoで得られる節税効果とは、
- 掛金が所得控除になる
- 運用益が非課税である
- 受け取った年金が一定条件で非課税である
しかしiDeCoによる運用益はすべて非課税となるため、大幅に節税が可能です。
- 年金(全額をまとめて1回で受け取る):公的年金等控除
- 一時金:公的年金と同様に数年にわたって分割で受け取る:退職所得控除
- 年金と一時金:一部を1回で受け取り、残りを分割で受け取る:1と2の両方
- 年齢:30歳
- 年収:300万円
- 掛金(月額):20,000円
- 運用利回り:1.0%
- 企業型DC:加入
- 年金受取年齢:60歳
- 節税額(年額):36,200円
- 節税額(累計):1,083,200円
- 非課税運用益:238,198円
会社員がiDeCoに加入するデメリット:上限額が減る可能性がある
メリットばかりが目立つiDeCoですが、投資としての側面を持つ故のデメリットもあります。
主なデメリットとして挙げられるのが、転職によって掛金の上限が減る可能性があるという点です。すでに解説したようにiDeCoの加入可否や掛金上限額は、
- 会社が企業型確定拠出年金(DC)へ加入しているか?
- 会社が確定給付企業年金(DB)へ加入しているか?
- 会社が規約でiDeCoへの加入を認めているか?
- 企業型確定拠出年金がある会社に転職:掛金上限が減る
- 規約でiDeCoへの加入を認めていない会社に転職:企業型DCへの移換が必要
- 加入者登録事業所変更届を転職先に提出してiDeCoでの積み立てを継続する
- iDeCoから企業型確定拠出年金への転換を行う
- 資格喪失届を提出することで「運用指図者」になる
iDeCoに加入してもあまりメリットが大きく得られない会社員の方の特徴
老後資金を用意するためにiDeCoを活用することには大いにメリットがありますが、人によってはそこまで大きなメリットを得られないこともあります。
そこで次からは、iDeCoでメリットが得られない人の特徴として、
- 年収が低い
- すでに多額の控除を得ている
- 加入から年金受取までの期間が短い
①収入が多くない
現状年収が少なく家計をやりくりするのに精一杯だという方は、そもそもiDeCoに加入するべきではありません。
理由は単純明快であり、ギリギリの状態でiDeCoに加入しても無理のある掛金拠出によって生活が苦しくなり資格喪失となる可能性が高いからです。さらにiDeCoは原則途中解約ができないため、積み立てた分を下ろして生活費に充てるようなこともできません。
また、年収が低いと節税メリットが小さくなるというデメリットもあります。iDeCoでは掛金が所得控除となるため支払っている税金が多いほど控除額が増えますが、収入が低いと控除額も下がり本来受けられるメリットを十分に享受できません。
②控除額が既に多い
これは①の年収とも関係している点ですが、年収が一定額以下であるとすでに多額の所得控除が適用されているケースが多いため、節税のメリット自体が消えてしまいます。
現在の年収ごとの給与所得控除額は、次のとおりです。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
---|---|
〜1,625,000円 | 550,000円 |
1,625,001〜1,800,000円 | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001〜3,600,000円 | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001〜6,600,000円 | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001〜8,500,000円 | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円〜 | 1,950,000円 |
収入が一番上に当てはまる人などはすでに支払う税金が少ないため、iDeCoの「掛金全額が所得控除になる」というメリットを享受できません。
また住宅ローン控除を受けている人もiDeCoの節税メリットが小さくなります。
住宅ローンは「借入残高の1%」が控除となるため、たとえば5,000万円の住宅ローン残高がある場合、それだけで50万円の所得控除を受けられます。この場合も同様に全額所得控除のメリットがなくなってしまいます。
③加入期間が短い
iDeCoへの加入開始から年金受取までの期間が短いほど、節税額および運用益が少なくなります。
一例として、
- 年収:300万円
- 掛金(月額):20,000円
- 運用利回り:1.0%
- 企業型DC:加入
- 年金受取年齢:60歳
加入年齢 | 合計節税額 | 運用益 |
---|---|---|
20歳 | 1,443,200円 | 2,186,408円 |
30歳 | 1,083,200円 | 1,186,568円 |
40歳 | 723,200円 | 508,738円 |
50歳 | 362,000円 | 122,418円 |
会社員・サラリーマンのiDeCoの始め方・手続き方法
ここまで解説した内容を踏まえて、改めてiDeCoに加入する決心が強まったという方もおられるでしょう。
そこで次は、実際に会社員やサラリーマンがiDeCoに加入する方法について、
- 加入条件の確認
- 運用商品の選択
- 節税効果のシミュレーション
- 金融機関(証券会社)の選択
- 加入手続きと掛金の納付
STEP①加入条件を確認する
最初にiDeCoへの加入条件を確認しましょう。
会社員の場合は企業型確定拠出年金への加入有無と、会社規約でiDeCoへの加入が認められているか確認する必要があります。
実際に自分がiDeCoへの加入条件を満たしているかどうか、iDeCoの公式サイトにある「カンタン加入診断」を行ってみましょう。
加入診断では、
- 年齢は60歳未満か?
- 現在の就労状況はどうなっているか?
- 企業型確定拠出年金に加入しているか?
- マッチング拠出の仕組みがあるか?
- 企業型確定拠出年金の規約でiDeCoへの加入が認められているか?
- 確定給付企業年金に加入しているか?
STEP②運用商品を選択する
加入診断を行ったら、次は運用商品を選びましょう。
iDeCoで選択できる金融商品は、
- 元本確保型:満期時に受け取れる金額が約束(確保)されている商品
- 元本変動型(投資信託):元本の価値が常に変動し続ける商品
- 可能な限りリスクを避けて安全な運用を行いたい
- リスクを避けながらもバランスの取れた運用を行いたい
- ある程度のリスクを許容して効率的に資産を増やす
STEP③掛金を決めて節税効果をシミュレーション
運用商品を決めたら、次は月々の掛金を決めます。
実際にiDeCoを初めた方がどれくらいの金額を掛金に設定しているのか、次の表をご覧ください。
職業(グループ) | 平均拠出額 |
---|---|
自営業(第1号) | 27,529円 |
企業年金なし(第2号) | 16,316円 |
企業年金あり(第2号) | 10,971円 |
共済組合員(第2号) | 10,953円 |
専業主婦(第3号) | 15,725円 |
会社員が当てはまる「第2号被保険者」の月間平均拠出額は「14,196円」です。会社員は企業年金の有無によって掛金の上限額が変わるため一概には判断できませんが、必ずしも上限額まで掛けている人が多いわけではないことが分かります。
そこで拠出額を決める際は、大前提としてiDeCoは60歳まで原則引き出せないことを念頭に置くべきです。そのうえで60歳まで確実に出資を継続できる、無理のない金額に設定します。
特に20代から初める方は積立期間が長いため安定性よりもリスクを取ることがありますが、20代は30代、40代と比較して収入額が少ないことが多いため、家計に無理が生まれないように掛金を慎重に決める必要があります。
STEP④金融機関を選ぶ
ステップ③と同時に、iDeCoの口座を作る金融機関を選択します。金融機関を決める際に重要なポイントとなるのは「自分が運用したい商品があるか?」という点です。
iDeCoは金融機関によって取り扱っている商品(投資信託)の種類が異なります。ステップ②の段階ですでに運用商品を決めているなら、たとえ候補が多数あったとしても選択肢を絞ることは難しくありません。
また金融機関を決める際には他の要素として、
- 手数料の安さ
- 運用管理費用の安さ
- サポート体制の充実さ
- 金融機関変更に伴って手数料が発生する場合が多い
- 運用商品の買い直しが必要
- 変更後1年間は再変更ができない
STEP⑤加入手続きを行って掛金を納付
iDeCo口座を作る金融機関を決めたら、実際に金融機関にiDeCo加入の手続きを行います。
窓口に行かなくてもネットで申込みができる「楽天証券」の例を挙げると、申込手順は次のとおりです。
- 資料請求を行う
- 申込書類に必要事項を記入して返送する(会社員は「事業主の証明書」を同封)
- 1〜2ヶ月後、手続きが完了したら掛金を納付し運用を開始する
iDeCoの法改正で会社員・サラリーマンが知っておくべきこと
iDeCoは2022年以降の法改正によってルールが若干変更されます。
会社員にとって知っておくべき改正内容について、
- 加入可能年齢が拡大される
- 企業型DCとの同時加入条件が緩和される
改正ポイント①加入可能年齢の拡大
2022年5月からiDeCoの加入可能年齢が「65歳未満」へ拡大されます。現在は上限が60歳であるため、5年ほど緩和されることになります。
会社員の場合は無条件で加入可能年齢が引き上げられますが、会社員以外の「第1号」および「第3号」に該当する方は国民年金に加入していることが加入条件です。
また、それより早く2022年4月からは年金の受給開始年齢も「60〜75歳」の間で自由に選択できるように改正されます。
改正ポイント②企業型DCとの同時加入
2022年10月からは、企業型確定拠出年金に加入している場合のiDeCo加入条件が緩和されます。
すでに適用されている過去の改正によって企業型確定拠出年金に加入している場合でもiDeCoに加入できるようになっていますが、くわえて2022年10月からは会社規約にかかわらず会社員なら原則誰でも加入が可能となります。
企業型確定拠出年金加入者はiDeCoの掛金と合わせた拠出額の上限が次のように定められます。
掛金の種類 | 企業型DC加入者 上限額 | 企業型DC・確定給付企業年金 加入者上限額 |
---|---|---|
企業型DC | 55,000円 | 27,500円 |
iDeCo | 20,000円 | 12,000円 |
企業型DC+iDeCo | 55,000円 | 27,500円 |
ただし企業型確定拠出年金の方でマッチング拠出を行っている場合は加入できない点は変わりません。
会社員・サラリーマンがiDeCoについて知っておくべき注意点
いざ会社員がiDeCoをはじめようとすると、予想外の制約にぶつかることがあります。
そこで次は、会社員がiDeCoをはじめるときに知っておくべき注意点について、
- 企業型確定拠出年金・確定給付企業年金等の加入状況による掛金上限について
- 手数料について
- 原則不可能である途中解約について
- 掛金の引き落とし方法の選択について
注意点①企業型確定拠出年金や確定給付型や厚生年金の加入状況で月額に上限がある
iDeCoは冒頭の『会社員・サラリーマンのiDeCoの掛金上限額』で解説したように、企業型確定拠出年金および確定給付企業年金・厚生年金へ加入有無で掛金の月額上限が変わります。
加入状況ごとの上限についてまとめると次の表のとおりです。
加入の有無 | 掛金上限(月額) | 掛金上限(年額) |
---|---|---|
企業型確定拠出年金なし | 23,000円 | 276,000円 |
企業型確定拠出年金あり | 12,000円 | 144,000円 |
確定給付企業年金あり | 20,000円 | 240,000円 |
この金額を超えて出資することはできないため計画を立てるときは注意しましょう。
注意点②手数料はなるべくかけない
iDeCoの口座選びに伴って、可能な限り手数料が安い金融機関を選択することで余計なランニングコストにより運用益が目減りするのを避けられます。
iDeCoは完全に自分だけで行う投資行為とは異なり、口座を有する金融機関が運用を行うため、
- 口座管理手数料
- 信託報酬
- 加入・移換時手数料
- 還付手数料
このような運用上の手数料が発生することは避けられませんが、運用コストがゼロに近い金融機関を選ぶことは可能です。
特に信託報酬は掛金を支払い続ける期間中はずっと発生します。とりわけ長期間運用を考えると大きな損失につながる場合があるため、信託報酬が低い金融機関を選ぶべきです。
信託報酬は金融機関によって「0〜3%」という大きな開きがありますが、各金融機関の信託報酬を比較してくれるウェブサイト等を活用することで、基本的に「信託報酬が安い金融機関を選ぶ」ことは難しくありません。
またインデックス型ファンドよりもアクティブ型ファンドの方が信託報酬が高くなる傾向にあるため、低コストを重視するならインデックス型ファンドを選択するべきです。
注意点③原則途中解約は不可能
iDeCoはあくまで「年金」制度であるため原則途中解約は不可であり、銀行預金のように途中で資金を引き出すようなことはできません。
しかし「どうしても掛金が支払えなくなった」とか「突然まとまったお金が必要になった」などの状況は起こり得ます。
実は、途中解約はできないものの一定条件を満たせば「脱退一時金」を受け取ることが可能です。脱退一時金を受け取るためには、
- 国民年金第一号被保険者で保険料の全額・一部免除、執行猶予を受けている
- 確定拠出年金の障害給付金受給者でない
- 通算での拠出期間が5年以下、個人別管理資産が25万円以下
- 企業型確定拠出年金・確定給付企業年金の資格喪失日から2年以内
- 企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していない
- 加入者が死亡(死亡一時金)
- 加入者が一定等級以上の高度障害状態(障害給付金)
注意点④ 掛け金が給与天引きか個人口座引き落としか確認
iDeCoの掛金は、
- 銀行口座から引き落とし
- 会社の給与から天引き(第2号該当者のみ)
- 年末調整のために掛金総額を把握しておく必要がない
- 支払いを忘れる心配がなくなる
注意点⑤各種手続きが思っているより面倒
iDeCoは加入時や資産移換、転職時やその他加入者情報の変更に伴って予想以上に多くの手続きを求められます。
実際にどのようなケースで手続きが必要になるのかというと、
- 運用者情報の変更:国民年金基金連合会に各種書類を届け出
- 転職による種別の変更:事業主の証明書と変更届などを提出
- 掛金額の変更:掛金金額登録変更届を提出
- 資格喪失:加入者資格喪失届、個人型年金の加入者資格喪失に係る証明書を提出
- 資産の移換:移換申出書の提出
iDeCoに関して会社員・サラリーマンの方からよくある質問
iDeCoによる資産運用を上手に行いたいなら、些細な疑問も解決したいと思うのは当然のことです。
そこで最後に、
- iDeCoの掛金は年末調整や確定申告が必要?
- iDeCoの加入を勤務先に知らせないことは可能?
- iDeCoの加入時に必要な「事業主の証明書」を勤務先が書いてくれない場合は?
よくある質問①年末調整や確定申告は必要?手続き方法は?
iDeCoに加入している会社員は、年末調整によってiDeCoの掛金で支払った分を必ず申告する必要があります。もし申告しなければ所得控除による所得税および住民税の減税を受けることができません。
ただし年末調整手続きが必要なのは「掛金を給与天引きしていない場合」のみです。掛金支払いを給与天引きに設定している場合は申告する必要がありません。
実際に年末調整でどのような手続きが必要なのかというと、
- 事前に国民年金基金連合会から「小規模企業共済等掛金払込証明書」を受け取る
- 「給与所得者の保険料控除申告書」の「個人型又は企業型年金加入者掛金」欄に掛金合計額を記入する
- 1「小規模企業共済等掛金払込証明書」と2「給与所得者の保険料控除申告書」を会社に提出する
手順1の「小規模企業共済等掛金払込証明書」には予定額含め加入者が支払った掛金の詳細が記載されているため、受け取った段階で年末調整時にすぐ参照・提出できるように保管しておきます。
手順2の「給与所得者の保険料控除申告書」とは年末調整書類のことです。会社から同書類を受け取り、「小規模企業共済等掛金払込証明書」に記載されている年間の合計拠出金額を記入し、会社の経理担当者等に提出します。
よくある質問②勤務先に知られたくない場合はどうすれば良い?
現状では会社員がiDeCoに加入するためには必ず「事業主証明書」が必要でありこの段階を飛ばして申し込むことはできないため、勤務先に知られずにiDeCoに加入することはできません。
そのためどうしても現在勤務している会社に知られずにiDeCoに加入したい場合は転職するか、会社を退職し第1号被保険者または第3号被保険者としてiDeCoに加入するしか方法はありませんが、現実的ではありません。
ただし2022年10月から適用になる法改正により、会社の労使合意および規約変更がなくても本人が希望すればiDeCoへの加入が可能となるため、iDeCoに加入するハードル自体は大幅に下がります。
また国民年金基金連合会の「事業主様へのお知らせ(2022 年以降の iDeCo 制度改正について)」によると、2024年以降には加入時の事業主の証明書提出も不要になる見込みです。
よくある質問③勤務先がiDeCo加入のための証明書を書いてくれないことはないの?
これは「よくある質問②」と関連する内容ですが、加入者がiDeCoへの加入を希望している場合でも勤務先が証明書の作成等で非協力的になる「iDeCoハラスメント」が多発しています。
証明書を書いてくれないケースとしては、
- 企業型確定拠出年金に加入していない会社で勤務しており担当者の理解がない
- 企業型確定拠出年金に加入している会社での申込時に嫌味などを言われる
あくまで一例ですがこのような事例が挙げられます。
社員がiDeCoに加入する場合、会社(担当者)側も事業所証明書の作成や現況届の提出などいくつもの手続きが必要になります。
とりわけ企業型確定拠出年金に非加入の会社に勤務している場合はiDeCo自体への理解が乏しいことも珍しくないため、「仕事より投資行為を優先するな」とか「繁忙期に無駄な仕事を増やすな」などの圧力を受けて加入できない、というような事態が多発していました。
そこで一個人ができるiDeCoハラスメントの対策として、
- 担当者にiDeCoの用途と加入する目的を明確に伝える
- 事業主の協力は「確定拠出年金法」で定められていることを伝える
- 会社側でどのような手続きが必要なのかを加入者自身もある程度理解しておく
まとめ:iDeCoについて考え始めたらまずはマネーキャリアで無料相談!
今回は会社員のiDeCo加入に関してさまざまな点を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
老後資金を積み立てるために有用なiDeCoのメリットを理解できても、「果たして自分の収入で加入して大丈夫なのか」とか、「会社が手続きしてくれるかどうか心配」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで利用できるのが、無料FP相談サービスである「マネーキャリア」です。マネーキャリアではオンライン形式でお金のプロフェッショナルに直接iDeCoに関する悩みを相談できます。実際にマネーキャリアを利用した方の満足度も93%と高いため、年金・投資初心者でも安心して利用できます。
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