介護保険はみんな加入するもの?保険の内容がもっと知りたい!

介護保険への加入はいつからなのか?加入するとどのような保障を受けられるのか、ここでは介護保険について、公的なものと民間のものを比べながら説明します。年齢を重ねるにつれ、病気やケガで介護が必要となってくることもあります。介護保険について知識を深めていきましょう!

介護保険の加入に関する情報まとめ

高齢化に伴い、2000年に施行された介護保険は、高齢者をみんなで支えていくというしくみになっています。


40歳以上の人が加入し、保険料を納めていくことになります。この納められた保険料が、介護が必要となった人たちへの介護費用に充てられます。

また、自分たちが介護が必要となった時に介護保険を利用した介護サービスを受けることが出来ます。

介護保険は強制加入なのか

介護保険は法律で決められた強制加入であり、強制適用となっています。一定の資格条件に該当する人は、すべて『被保険者』となります。


原則として、本人の希望やサービスの利用がなくても、40歳以上のすべての人が介護保険に加入することが義務付けられています。

この介護保険強制加入は「介護保険法」により定められています。


この介護保険法は、要介護の基準やサービス運営基準などを制定し、公的介護保険の詳細について定めた法律です。

介護保険の介護保険法とは

介護保険法第一条より、

介護保険法は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練な並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その要する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。」


とあります。

介護保険法とは、高齢になり心身の状態の変化のために介護サービスが必要となった場合に、その方の尊厳を守り、また自立支援を行いながら必要な医療保健、福祉サービスへの給付を行うものです。


そして介護保険制度は国民がみんなで支えていく制度となってます。

介護保険の加入条件

介護保険へ加入する人は、原則として40歳以上のすべての国民が対象となっています。

年齢によって被保険者の区分が異なり、保険料や保険料の徴収方法が異なりますので、自分がどの被保険者であるかは、自治体などに確認してください。


65歳以上の人は「第1号被保険者」、40~64歳の人は「第2号被保険者」に分かれています。

介護保険の加入年齢と第1号被保険者・第2号被保険者とは

すべての国民で、40歳になると自動的に介護保険の被保険者としての資格が与えられます。65歳以上の人は第1号被保険者となり、40~64歳の健康保険組合、全国健康保険協会、市町村国民健康保険などの医療保険加入者は、第2号被保険者となります。

第1号被保険者は、原因を問わず要介護認定または要支援認定を受けた場合には、介護サービスを受けることが出来ます。

また、第2号被保険者は加齢に伴う「特定疾病」が原因で要介護や要支援認定を受けた場合には、介護サービスを受けることが出来ます。

保険料の徴収方法は、第1号被保険者の場合、原則として年金からの天引きとなっており、市町村や特別区が徴収しています。


徴収方法には、老齢、退職年金や障害年金などを1年間に18万円以上もらっている人が対象の特別徴収と、特別徴収に当てはまらない人、または年度の途中で65歳となった人が対象となる普通徴収があります。


特別徴収は年金からの天引き、普通徴収は送られてくる納付書か口座振替にて徴収されます。

第2号被保険者の場合、加入している医療保険と合わせて徴収されます。


金額はその人の加入している保険の種類や住んでいる地域、収入などによって異なります。

介護保険の対象となる16の特定疾病

介護保険とは、高齢となった時に介護が必要となった場合、介護サービスなどを受けるためのサポートとなるため、とても心強い制度となっています。


しかし、介護保険制度は高齢者のみが使えるのではなく、第2被保険者にあたる64歳以下の人たちも介護保険制度を使い、介護サービスを利用することが出来ます。


対象となるのは、40~64歳までの人で介護保険の対象となる「特定疾病」により、介護が必要になった場合には介護サービスを受けられます。

この「特定疾病」とは、心身の病的加齢現象との医学的関係があると考えられる疾病であり、以下のすべての要件を満たし、加齢に伴って生じる心身の変化に起因し、要介護状態の原因となると認められた疾病のことです。

  • 65歳以上の高齢者に多く発生するが、40歳~64歳の年齢層においても発生する病気で、罹患率や有病率などから加齢との関係が認められる病気であって、医学的概念を明確に定義できるもの。
  • 3~6カ月以上継続して要介護状態、又は要支援状態となる割合が高いと考えられる病気であるもの。

介護保険ではこれらを特定疾病とし、16種類の病気を記しています。
  1. がん『末期がん』・・・特定疾病に認定されるがんは、進行性で治癒することが困難ながんに限られています。
  2. 関節リウマチ・・・関節に炎症がおこる病気で、痛みや機能障害が起こります。
  3. 筋委縮性側索硬化症『ALS』・・・脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動神経細胞が侵されてしまう病気です。重い筋委縮や筋力の低下などの症状が表れます。
  4. 後縦靱帯骨化症・・・頸椎を縦につないでいる後縦靱帯が、通常の状態より何倍も厚くなり、骨のように硬くなる病気です。骨化すると脊椎を圧迫し、しびれや痛み、歩行が不自由になるなどの症状が表れます。
  5. 骨折を伴う骨粗鬆症・・・骨が構造的にもろくなり、骨折しやすくなります。
  6. 初老期における認知症・・・40~64歳において生じる認知症のことです。原因となる疾患にはアルツハイマー病やレビー小体病、血管性認知症などがあります。
  7. 進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病・・・大脳や脳幹の以上により、正常な神経細胞が減ることで、静止時の震えや筋肉のこわばり、姿勢障害などが起こる病気です。
  8. 脊髄小脳変性症・・・歩行時のふらつきや手の震え、ろれつが回らないなどの症状が表れる小脳の疾患です。
  9. 脊柱管狭窄症・・・背骨に囲まれた脊柱管が組織の変形により狭くなることで神経が障害され、腰痛や下肢の痺れがなどが起こる病気です。
  10. 早老症・・・遺伝子の異常によって起こるとされ、成人後の早老症の代表的なものはウェルナー症候群です。ウェルナー症候群とは、20歳代から白髪や白内障などが起き、糖尿病などのコレステロールや中性脂肪の異常発生も多く、40歳代で亡くなる方も多かった病気ですが、現在は治療法の進歩により50~60歳代まで寿命が延びてきました。
  11. 多系統委縮症・・・自律神経症、パーキンソン病や小脳変性症などを様々に組み合わせた病気です。
  12. 糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症・・・糖尿病を原因とする合併症で、神経障害や腎症、網膜症などの病気です。
  13. 脳血管疾患・・・脳血管疾患は脳の血管に何らかの問題が発生し、そのことが原因で起こる病気のことです。代表的なものでは、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などがあります。
  14. 閉塞性動脈硬化症・・・手や足の血管の動脈硬化により、血液の流れが悪くなる病気です。手足がしびれたり、冷たく感じたり、悪化すると壊死することもあります。
  15. 慢性閉塞性肺疾患・・・たばこの煙などを長時間吸入することが原因とされ、呼吸機能が低下してしまう病気です。
  16. 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症・・・慢性の関節炎を伴う病気で、ケガが原因で発症することが多いと言われています。はじめは歩き始めの膝の痛みのみですが、次第に関節の稼働域が制限されていきます。

万一40歳~64歳までの自分やご家族がこれらの疾病に罹り、要介護または要支援状態になった場合には、介護サービスを受けることが出来るので、病院の担当部門や自治体などに相談するようにしてください。

介護保険の加入手続き

介護保険への加入により、被保険者となるのは40歳以上のすべての人たちです。

介護保険への加入は40歳となったその日から自動的に加入することになっているので、加入するための特別な手続きは必要ありません。


しかし、40歳以上で要介護または要支援認定を受けていた人が他の自治体へ住所を移した際にはそこで介護保険を受けるための手続きが必要になる場合もありますので、各自治体に相談するようにしてください。

民間の介護保険に加入する必要はあるのか

現在、公的な介護保険だけではなく、さまざまな保険会社から『民間の介護保険』が販売されています。

民間の保険となると、将来自分が介護が必要となった時に保険金がきちんともらえるのか、また月々の保険料の負担はどうなのかと心配になりますね。

ここではまず、実際に介護が必要となった時にはどれくらいの費用が必要となってくるのか考えてみます。


要介護状態となった場合、在宅での介護では平均で月3~8万円、入居施設に入所していたり、在宅でもさまざまな介護サービスをフルで利用した場合の介護費用の平均は月に19万円と言われています。


また、介護が必要となった際には初期費用も発生し、介護用のベッドの購入やバリアフリーなどへの自宅の改修などにもお金が必要となりますね。


また、介護以外での支出も増えることになります。


病院へ通うことになれば医療費がかかり、おむつや食事などにも費用が必要です。


このように介護には想像以上の費用が必要となります。

介護とは自分や家族の体力的負担のみではなく、金銭的負担も重くのしかかってきます。いつ始まるか分からない介護ですが、いざ介護が必要となった時に、一時金や給付金をもらえるのが『民間の介護保険』です。

いつか始まるであろう介護への費用負担を抑えるために、安心を買うということは大切なことです。


しかし、介護の必要がなく最期を迎えた場合、掛け金が戻ってこない場合もありますので、必要であれば解約返戻金型の保険に入るようにしましょう。

民間の介護保険の保障内容

公的な介護保険と違い、民間の介護保険では介護状態となった時にまとまった金額が一時給付金として受け取れるものと、介護が必要となってから毎年介護年金が受け取れる、またはその両方を受け取れるものがあります。


また、公的介護保険のように、介護に必要となった費用の何割かを保障してもらえる現物給付を選択できる保険もあります。

保険への加入は、契約年齢が若ければ若いほど保険料が割安になっていますね。ある保険会社の介護保険の加入時の年齢別保険料を見てみますと、500万円の介護保険金で60歳で払込満了となる場合、25歳で月額10,780円、35歳で16,025円、そして50歳では44,500円となっています。


老後の介護費用への負担が心配であれば、早めに保険加入を検討する方が月々の保険料負担を軽減することが出来ます。

民間の介護保険のメリットとしては介護状態への基準が明確で、保険会社の認定があれば給付金がすぐにもらえます。


そしてデメリットは、介護認定に時間がかかると給付金をもらうまでに時間を要し、保障の基準に該当するかでトラブルが起きることがあるということです。


このように長年かけてきた民間の介護保険で、保障の要となる給付金が受け取れるかどうかでのトラブルが起きています。


保険に加入する際には、保障される条件や保障される基準をきちんと確認してから加入することをおすすめします。

公的介護保険で十分であることが多い

民間の介護保険へ加入しておらず、介護が必要となった時に、『公的な介護保険』ではどれくらい介護費用がカバーされるのか説明します。


まず、公的介護保険での保障内容は、介護サービスを費用の1割負担(所得によっては2割)で受けられます。


そして自己負担額が高額となってしまった場合、高額介護サービス費制度などを利用することが出来ます。


介護状態となった時に在宅でヘルパーさんによる介護を受けたり、通所の介護施設へ通ったりと介護サービスを受けた際には費用が発生しますが、公的介護保険を利用すると、そのサービス費用は1割負担(または2割)で済み、自己負担が高額であれば、世帯収入などによって決められた自己負担額上限を超えた分の費用については高額介護サービス費として払い戻される制度もあります。

年金などの収入や介護費用に充てられる貯蓄がある場合、公的な介護保険で介護費用は賄えることがほとんどなので、民間の介護保険に必ずしも入らなければいけないということはありません

まとめ

公的な介護保険は強制加入となっていますが、これは日本の高齢化をみんなで支えていくための大切なしくみです。

また、自分が介護が必要な状態となった時にサポートを受けることが出来るありがたい制度です。


保障内容などをきちんと把握し、いざという時に必要なサポートを受けられるようにしておきましょう。

この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、保険相談や選び方のポイントを伝える「ほけんROOM」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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