認知症患者が加入すべき保険は?特徴や必要性、注意点を徹底解説!

認知症になった患者が加入すべき保険は何でしょうか。認知症患者の状態に合わせて入る保険を選ぶ必要があります。認知症に特化した認知症保険には保険金支払いの条件が厳しめである一方、十分に保障がなされるメリットがあります。特徴や必要性、注意点について確認しましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

認知症に保険は必要?

超高齢社会である日本において、認知症はもはや国民病ともいえるほど身近な病気です。


同じく国民病と言われるがんに「がん保険」で備えるのなら、認知症も保険でカバーしておくべきとは思いませんか?


しかし本当に認知症に保険が必要なのか、認知症にいくら費用がかかるのか疑問に思う方もいるかと思います。


実はいま多くの人が、将来かかるかもしれない認知症に備えて保険に加入しています。


そこで、この記事では認知症をカバーする保険について、

  • 認知症に保険で備えるべき理由
  • 認知症対策として有効な保険とは
  • 認知症保険の選び方のポイント

以上のことを中心にお伝えしていきます。


この記事を読めば将来の認知症リスクが分かり、どのような保険で備えておくべきかも判断できるようになるはずです。


ぜひ、最後までご覧ください。

認知症は保険で対策するべき!その理由を解説

結論から言うと、現代の日本人は将来の介護に備えて認知症をカバーする保険に加入しておくべきです。


しかし、認知症になるかどうかも分からないのに、なぜそう言いきれるのでしょうか。


そして、介護が必要になる原因は認知症だけではないのに、なぜ認知症に限って保険が必要なのでしょうか。


ここからはその根拠として、

  • 日本人が認知症になる確率
  • 認知症介護にかかる費用

これら2点について解説していきます。

2025年には5人に1人が認知症に

日本の認知症高齢者は、2015年時点で約525万人と推計されています。


そして団塊の世代が75歳以上となる2025年(平成37年)には約700万人、なんと65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になることが見込まれています。


つまり、夫婦のどちらかが認知症になる確率は40%ということです。


認知症とは「我が家は関係ない」とは決していえない、誰もが患者または介護者として関わる可能性がある身近な病気なのです。 

認知症にかかる費用

認知症患者には見守りが必要になるため、認知症介護はそれ以外の介護に比べて費用が倍かかるといわれています。


また、認知症患者の起こす事故による多額の賠償金も考慮する必要があります


認知症ゆえに起こしてしまった事故には、以下のような例があります。

  • 店の物を破損して店から損害賠償を請求された
  • コンロの消し忘れなどで火事を起こした
  • 水を止めるのを忘れて下の階に水漏れさせた
  • 他人に暴力をふるってケガをさせた

こういった事故を防ぐには介護者が常に側で見張っておくしかないということになり、現代では介護離職が問題になっているのです。

公的介護保険では補償が不十分

「介護費用は公的介護保険でまかなえる」そう考えてはいませんか?


残念ながら、こと認知症介護に関しては介護保険内のサービスだけではとても足りないというのが現状です。


介護保険は、1割(所得により2割・3割)負担でサービスを受けられますが、認定された要介護度により利用上限が決まっています


たとえば、実はかなり手がかかる「歩ける・話せる認知症」の場合は、要介護1程度に認定されることが少なくありません。


要介護1は、朝から夕方まで預かってくれる「デイサービス」なら通常週3~4回ほどが限度で、それ以上の利用は全額自己負担となってしまいます。


なお、認知症介護の平均月額費用は次のようになっています。

  • 要介護1以下…5万7,000円
  • 要介護4~5…12万6,000円

夫婦ともに認知症なら費用はさらに倍増し、有料老人ホームに入所となれば一人当たり月額20万円以上がかかってしまいます。


こういった認知症介護の費用をカバーできる保険としては、

  • 所得補償保険
  • 就労不能保険
  • 民間の介護保険
  • 認知症保険

などが考えられます。

認知症患者が加入すべき保険はどれ?保険の特徴を比較

ここまでは、認知症に備えられる保険の必要性について説明してきました。


ここからは、先ほど触れた「認知症に備えられる4つの保険」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

  • 所得補償保険

通常の認知症よりさらに経済的に困るのは、65歳未満で発症する若年性認知症です。


働き盛りの世代で認知症になれば、失職することで介護費用のみならず生活費にも困窮してしまいます。


そんな事態に備えられるのが、所得補償保険です。


第3分野保険の一種で、契約後に病気やケガで働けない状態になれば保険金を毎月受け取ることができます。


保険期間は1年~5年程度、加入できる年齢は「53歳まで」「69歳まで」など商品により異なります。


保険金額は直近12ヶ月の平均所得の6割程度で設定しますが、もし支払事由が発生したときの所得が保険金額より少なくなっていれば、実際の所得の平均額が支払われます。


保険金が支払われる期間は「1年」「5年」「60歳まで」などがありますが、認知症が完治しない病気であることを考えれば長期を選んだ方が良いでしょう。

  • 就業不能保険

所得補償保険に似た商品として就業不能保険がありますが、これは生命保険の一種です。


就業不能になったときに「5年間」「60歳まで」と、保険金を受け取れるところは同じです。


就業不能保険は保険金額を実際の所得に関係なく決めることができます。


保険金を受けとる際にも、事前に決めた保険金額がそのまま受け取れます。

  • 民間の介護保険

脳血管疾患・骨折など認知症以外の病気やケガにも備えておきたいなら、民間の介護保険を検討しましょう。


これは、所定の要介護状態になったときに、保険金を年金または一時金で受け取れる保険です。


要介護1の場合、1割負担の方のサービス自己負担金は1万7,000円程度ですが、2割負担はその2倍、3割負担は3倍かかります。


その他にも、おむつなどの消耗品費・通院のタクシー代などが発生します。


これらの費用を払うにあたって収入や資産に不安があるなら、ぜひ加入しておきたい保険です。

  • 認知症保険

通常の介護費用なら出せるが認知症介護にかかる費用は捻出できそうにない場合は、認知症保険がおすすめです。


これは、所定の認知症と診断されたときに保険金が受け取れる保険です。


内容については後述したいと思います。

認知症に絞りたい方におすすめな認知症保険

ここまでは、認知症に備えられる保険についてお伝えしてきました。


どういった事態に備えたいかで必要な保険は異なりますが、ここからは特に認知症に特化した保険である認知症保険について、

  • 補償内容支払い適用条件
  • 保険料の目安
  • 契約・解約方法

以上の項目を解説していきます。

補償内容と支払い適用条件

ただ認知症になっただけでは、保険金は支払われません。


保険金を受け取るには、次のような条件を満たす必要があります。

  • 医師による認知症の診断を受けた
  • 器質性の認知症である…アルツハイマー型・脳血管性など。アルコール性や一過性のものは含まない。
  • 公的介護保険で要介護1以上と認定された
  • 見当識障害がある…時間、場所、人物などが分からない。

保障内容としては、年金(年額60万円など)や一時金(300万円など)が受け取れるというのが一般的です。


また損害保険会社は、前述したような「認知症を原因とする事故」に対応した損害補償型認知症保険も販売しています。

保険料の目安

認知症保険は商品により保障内容が大きく異なるため、毎月の掛け金にもかなりの差があります。


掛け金の目安の一つとして、いま人気のある二つの認知症保険から


「保険期間:終身/認知症診断給付金:300万円」


という条件における月額保険料を紹介します。


商品A

  • 加入条件緩和型(持病があっても入れる)
  • 加入可能年齢…20歳~85歳
  • ※所定の疾病による入院給付金や骨折給付金あり
年齢男性女性
30歳3,009円4,510円
40歳3,708円5,419円
50歳4,897円7,276円
60歳6,862円10,197円
70歳10,499円16,295円
80歳17,218円28,807円 

商品B

  • 標準型(健康型)
  • 加入可能年齢…40歳~75歳
年齢男性女性
40歳1,293円1,533円
50歳2,010円2,388円
60歳3,465円4,077円
70歳6,669円7,740円

このように、引受基準緩和型は標準体と比べて割高となっています。


また、年齢が上がるにつれて保険料は高くなるため、総支払額でもお得な若いうちに加入しておくことがおすすめです。

契約・解約方法

認知症保険はどのように契約し、そして解約するのかを大まかに解説します。


契約方法

認知症保険には対面販売型と通信販売型がありますが、基本的な流れは同じです。

  1. 契約内容を確認し、申込書へ署名・捺印する
  2. 告知書へ記入する
  3. 生命保険会社が契約を承諾し、第一回保険料の払い込みをもって契約完了となる

解約方法

  1. 営業担当者・代理店・コールセンターなどに解約を申し入れる
  2. 解約請求書類に必要事項を記入し、生命保険会社に送付する
  3. 生命保険会社に解約請求書類が届いた日をもって(書類に不備がなければ)解約となる

※解約請求書の他に本人確認書類や保険証券が必要なこともあります。


なお、認知症になると保険に加入していることを忘れてしまう可能性があるため、家族などを指定代理請求人(本人以外に保険金を請求できる人)と決めておきましょう。


そして必ず、その指定代理請求人に保険に加入したことを伝えておいてください。

認知症保険を選ぶポイントは?

ここまでは認知症保険の概要や、契約方法・解約方法についてお伝えしてきました。


さて、どうせ加入するなら将来的により役立つ保険に加入したいですよね。


ここからは、優良な認知症保険を選ぶためのポイントとして、

  • 支払事由は連動型か
  • 医療保障や死亡保障はついているか
  • すぐに保険金が給付されるか
  • 支払い方法は一時金か年金か

以上の4点について解説していきたいと思います。

支払事由は連動型か

認知症保険には、保険金支払事由が公的介護保険の要介護度と連動しているものと、独自の基準を設けているものがあります。


保険会社の基準のみで支払いが決まるものは、判断根拠が曖昧であったり厳しかったりするものが多く、スムーズに保険金が支払われない場合があります。 


「公的介護保険で要介護1以上」というような連動型を選んでおいた方が、揉めることなく保険金を受け取れる傾向にあります。

医療保障や死亡保障はついているか

認知症保険の中には、認知症に対する保障以外にも「医療保障」や「死亡保障」などが付いているものもあります。


もちろん保障は多いに越したことはないのですが、保険料がその分高額になることにはご注意ください。


また、加入中の保険と保障が重複していないか・保障が過剰になっていないかも、契約前にしっかり確認しておきましょう。

すぐに保険金が給付されるか

認知症保険の中には「180日(90日)症状が続くこと」という継続条件が設けられている商品が多くあります。


発症から半年も保険金を受け取れなければ、その間の介護負担はかなりのものになってしまいます。


もちろん給付に必要となる継続期間は少なければ少ないほど良いでしょう。 

受取り方法は一時金か年金か

受け取りを一時金型とするか年金型とするかも、選択の重要なポイントです。


一時金として受け取れば、施設入居金・同居の準備費用・住宅改修費用などにあてることができます。


年金として受け取れば、毎月の施設利用料・日常の介護費・家族の減収分などとすることができます。


ただし、年金型の場合は受け取り期間が「10年間のみ」などとされている商品もあることにご注意ください。


 介護期間をしっかりカバーできる商品を選ぶようにしましょう。

まとめ:認知症はケースに合わせて保険を選ぼう

認知症をカバーする保険についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。


この記事のポイントは、

  • 認知症介護には大きな費用がかかるため、保険で備えておくべき
  • 認知症に備える保険には、所得補償保険・就労不能保険・民間の介護保険・認知症保険などがある
  • 認知症保険は、支払条件や保障内容をしっかり確認した上で加入するべき

以上のことでした。


残念ながら、公的介護保険のサービスは徐々に削減される傾向にあります。


現状のサービスが将来も同じように受けられるという保証はどこにもなく、そういった意味では民間の保険の方が頼りになる存在です。


ぜひ自らの力で、自分と家族の未来を守っていきましょう。


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