更新日:2020/05/19
公務員はいつ、いくらボーナスを貰う?平均支給額や時期など紹介
公務員はボーナスが多いというイメージを持っている方もいると思います。また、ボーナスの支給時期など気になりますね。この記事では公務員のボーナスについて支給時期や平均支給額を国家、地方それぞれに分け、一般企業と比較しながら紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
公務員はいつ、いくらボーナス(賞与)をもらっているのか
一般企業に勤めていると、会社の業績によってボーナス(賞与)の支給額も違ってきます。ボーナスは特別報酬ですから、企業の業績によって違いがあるのは仕方がないことです。
業績が振るわないときは「今年はボーナスが出るのだろうか?」なんて心配になることもあるでしょう。そんな時、「公務員はボーナスの心配がなくていい」と羨ましくなるのではないでしょうか。
では、実際に公務員のボーナス事情とはどうなっているのでしょう?毎年安定して上がり続け、必ず貰えているのでしょうか?
そこで、この記事では以下の気になる点についてまとめました。
- ボーナスはいつ貰える?平均はいくら?
地方によって違いがある?- 一般企業となにが違うの?
主に以上の3つのポイントです。
この記事を読んでいただければ、公務員と一般企業のボーナス事情の違いが詳しく分かります。
ぜひ最後までお読み下さい。
公務員のボーナス(賞与)の支給時期や平均支給額
ボーナスとは毎月定期に支払われる給与とは別に支給される賞与のことで、一般的には夏と冬の2回支給されます。
支給される時期は、公務員の場合は6月と12月、一般企業だと7月と12月が多いうです。
一般企業の場合は、その年度(年)の業績によって支給されるかどうかが決まりますが、公務員の場合、国家公務員が法律で、地方公務員が条例によって支給時期が決まっています。
つまり、公務員の場合は法律・条令によって必ず支給されることになっているのです。
ここが一般企業と公務員の大きな違いです。
公務員のボーナスの内訳はというと期末手当と勤勉手当の二つです。
期末手当は定率で支払われますが、勤勉手当は勤務成績に対する評価で支給額が決まります。
夏は6月30日、冬は12月10日
国家公務員、地方公務員のボーナス(賞与)の支給時期は夏が6月30日、冬が12月10日となっています。
一方、一般企業は夏が6月の末か7月の初旬、冬は12月初旬というところが多いようです。
夏のボーナス(賞与)が7月の初旬の企業は、ほとんどが7月10日に支給(10日が土日の場合は前倒しになり金曜日に支給)する傾向があります。
また、冬のボーナスはというと12月10日、12月15日、12月25日と大きく分かれています。
大企業や財団法人、社団法人などは公務員と同じ時期に支給する傾向にあるようです。
以上を簡潔にまとめると
一般企業 | 公務員 | |
---|---|---|
夏 | 7月10日 | 6月30日 |
冬 | 12月10日 | 12月10日 |
であることが分かります。
ちなみに、2019年度の公務員ボーナス(賞与)の支給月日は
- 夏:6月26日(金)
- 冬:12月10日(火)
となっています。
また、一般企業では年3回支給や、そもそもボーナスという制度が無いという企業もあります。
2018年冬の国家公務員のボーナス平均支給額は約89万
国家公務員といえば、国の公務をする人たちですから、ボーナス(賞与)も高額なのではと想像してしまいますが、実態はどうなんでしょうか。
2017年度よりも増えている?
2018年度冬のボーナス(賞与)の平均支給額を調べてみましたので参考にして下さい。
ここでは4つの疑問をまとめました。
- 2017年度より上がってる?
- 支給平均額はいくら?
- 年齢別ではどのくらいの違いがある?
- 一般企業と比べて高い・安い?
国家公務員の場合、人事や勤務条件の改善を国会や内閣、関係大臣に勧告し待遇を監視する人事院という機関があります。
人事院は主に給与について人事院勧告を通して内閣などに勧告するという強い権限を持っています。
つまり人事院の働きによって支給額が変わるという訳です。
さて、本題ですが、2018年度の支給額は増額改定が行われました。
これにより前年よりも平均で4.4月~4.45月(0.05月増)となり、金額でいうと概ね2万円の増額(2.325月分支給)となりました。
2018年度の支給額はいくら?
年齢 | 支給額平均(円) |
---|---|
22~24 | 564,991 |
27~28 | 653,390 |
32~36 | 797,236 |
42~46 | 987,965 |
57歳以上 | 1,131,038 |
2018年冬の地方公務員のボーナス平均支給額は約78万
公務員には地方行政を担う地方公務員がいます。
地方公務員と国家公務員のボーナスには違いがあるのでしょうか。
また、国家公務員の場合は人事院が内閣に勧告が行われますが、地方公務員のボーナスは誰が査定しているのでしょうか。
年齢 | 支給額(円) |
---|---|
22∼23 | 458,641 |
24~27 | 513,300 |
32~35 | 650,435 |
48∼51 | 937,810 |
56~59 | 1,002,893 |
地方は自治体によって大きな差がある
国家公務員は文字通り国の公務を行う人達ですから、国の情勢によって支給額が変わります。
地方公共団体の場合も国の仕組みと同じ様に、その期の財政状況によって支給額が変わってきます。
その目安となるのが財政力指数です。
この数値が高いほど財政状況に余裕がある、つまり財政状況がいいという訳です。
参考に平成29年度の財政力指数が比較的高い地域と低い地域の賞与支給額の違いを見てみましょう。
神奈川県 厚木市 | 大分県 姫島村 | |
---|---|---|
平均給与月額(円) | 474,991 | 266,029 |
賞与支給額(円) | 1,061,604 | 671,723 |
財政力指数 | 1.09 | 0.10 |
(賞与支給額は平均給与に支給月数を乗じた推定額です)
*財政力指数:地方公共団体の財政力を示す指数。数値が高いほど、自主財源の割合が高く財政状況に余裕があるとされています。
このように地方公共団体の場合は、財政状況に余裕がある自治体の方がボーナス(賞与)の支給額が多い傾向があると言えるでしょう。
ボーナスの仕組み:期末手当と勤勉手当から成る
地方公務員のボーナスも期末手当と勤勉手当の二種類の手当てを合計したものです。
期末手当は在職期間に応じて支払われる手当で、扶養手当、地域手当などの各種手当が含まれます。
次に勤勉手当ですが、これは勤務態度などを評価した値から計算した手当です。
期末手当は育児休暇や介護休暇などの法定休暇で在籍期間が少なくなれば調整されます。
また、勤勉手当は評価の上位、下位で調整が行われますので、期末手当、勤勉手当ともに例外規定に近いと言えます。
これを踏まえて計算式をつくると以下のようになります。
(給与+地域手当+扶養手当)×支給月数 =ボーナス(賞与)
地域手当とは、地域の物価の差を調整した金額の事です。
東京都と他の地位では物価(家賃など)が大きく違いますから、その分給与を高くして調整するという訳です。
総務省の「平成29年地方公務員給与実態調査の地域手当・扶養手当の平均値』
- 地域手当=18,165円
- 扶養手当=9,325円
支給月数は人事院勧告で一律に決まっていますから、あとは給与の額でボーナスの支給額が変わってくるという訳ですね。
一般企業と公務員のボーナスの違い
一般企業と公務員のボーナス(賞与)の違いとは何でしょうか?
大きな違うのは算定方法です。
一般企業の場合は、大きく次の3つに分けられます。
- 定額方式
- 給与連動方式
- 利益配分方式
定額方式とは、小企業に多く役職が細かく分かれていない場合などに多い方式です。
給与連動方式は、一般企業の多くが採用している算定方式です。月の給与に対して支給率を掛けて額を決める方法です。
利益分配方式は、最近多くの一般企業が採用している方法です。
賞与全体の金額をあらかじめ決めておいてから評価点、スキル、各種調整などによって支給額が従業員に配分する方法です。
一方、公務員の給与やボーナス(賞与)は、民間の支給実績と比較して民間準拠で決まります。
公務員4か月分の給与と民間企業のそれと、前年の8月からその年の7月までに支給されたボーナスを比較し、民間の水準に合わせて公務員の給与水準を決めます。
これらを基に人事院勧告が出され、公務員の給与や賞与の支払月数が改定されます。
ボーナス支給額の違い
公務員と一般企業のボーナスの支給額はどのくらい違うのでしょうか。
一般企業の2018年冬のボーナス(東証一部:従業員500人以上)を見てみましょう。
2018年冬(円) | |
---|---|
全体 | 956,744 |
製造業 | 948,013 |
非製造業 | 1,207,875 |
次に、公務員の2018年の冬のボーナスです。
2018年冬(円) | |
---|---|
国家公務員 | 868,192 |
地方公務員平均 | 787,178 |
都道府県 | 807,128 |
市 | 771,063 |
東証一部に上場している大手企業と国家公務員とで比べると、約11万円ほど一般企業の方が支給額は多くなっています。
しかし、一般企業の場合は業績によって大きく支給額が減ってしまったり、最悪は支給されない場合がもあります。
ボーナス支給基準の違い
ボーナス支給時期の違い
公務員の支給時期は前述したように決まっていますが、一般企業の場合は公務員よりも少し遅れて支給されることが多いようです。
一般的には夏が7月初旬、または7月10日前後の金曜日に支給する企業が多いようです。
また、冬は12月5日、12月10日、12月25日の前後と支給日にかなりバラつきがあります。
年末の売掛金の回収時期などによって違いが出るようですが、最低でもクリスマスなどの年末商戦に間に合うように支給されます。
一般企業は法律や条令で支給時期が定められている訳ではありませんので、年に1回、年2回、年3回と支給回数も様々です。
収益を上げている企業の中には、社員のモチベーションアップを期待して利益の一部を決算賞与として支給する場合もあります。
これには法人税の節税目的もありますが、その手法には賛否両論があります。
節税のために現金を使うか、将来のために現金を残しておく方が安全だという考え方に分かれていますので、その時の企業判断によっては支給されないこともあるでしょう。
公務員のボーナス推移
公務員は必ずボーナス(賞与)がもらえると言いましたが、今後も順調に貰い続けられるのでしょうか?
2012年度からのいわゆるアベノミクス効果もあり景気回復の兆しを受けて、公務員の支給額は年々増えています。
このまま順調に支給額が伸びていけばよいのですが、先のことは誰にも分かりませんが、過去のデータから予想をすることはできます。
以下の表で公務員のボーナスの推移を確認してみましょう。
年度 | 年間支給額(円) | 主なイベント |
---|---|---|
2000 | 1,427,000 | ITバブル崩壊 |
2009 | 1,220,700 | リーマンショック の翌年 |
2012 | 1,078,300 | アベノミクス |
2014 | 1,278,300 | 消費税8% |
2018 | 1,520,600 | ー |
2000年のITバブル崩壊からリーマンショック、アベノミクスまでにかけて毎年度減額が続いていました。
しかし、アベノミクスの効果が出始めた翌年度以降は増額に転じ、消費税増税後も大きく落ち込むことなく現在に至っています。
特に2014年度の消費税増税から2018年度にかけては、約25万円も増額されています。
先ほども触れましたが、公務員の給与や賞与は一般企業の動向に合わせて改定されています。
公務員の賞与が増額されているということは、一般企業のボーナスも増えていると言えるでしょう。
このままの状態が維持されていく限り、ボーナスの支給額は期待しても良さそうです。
まとめ:公務員のボーナスはこうなっている
ここまで公務員のボーナス事情について見てきましたがいかがだったでしょうか?
公務員も国家公務員と地方公務員とでは、少々支給実態に違いがありました。
国家公務員は国の情勢で支給額が異なり、地方公務員の場合は、その地域の財政状況によってかなり差があるようです。
一方、一般企業は業績によって支給額が異なり、最悪は支給されないというリスクがありました。
しかし、業績が良ければ公務員以上のボーナスを支給される可能性もありますので、公務員と一般企業と比較してもそれぞれに一長一短があるようです。
今回の記事のポイントは
- ボーナスはいくらくらい貰ている?支給時期は決まっているのか?
- 公務員の支給は法律や条令で決まっている。支給額はどうやって決めているのか
- 一般企業は業績次第。支給されないこともあるし、特別決算賞与が出ることもある
- 公務員の支給額は今後も増える?今後の景気の動向に注目
以上の4つでした。
これから公務員を目指す方や、公務員に転職しようと考えている方は是非この記事を参考にして下さい。
採用年齢の多くは、特別な例外を除けば30歳前後が上限ですので、早めに行動することをおススメします。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険。マネーライフに関する記事が多数掲載されていますので是非ご覧ください。