更新日:2020/03/09
年金を払っている若者は将来損をする?公的年金の他にも対策を!
現代の若者は、テレビや雑誌などメディアで「将来年金は破綻するかも」など不安に感じますよね。年金は本当にもらえないのか、また年金を払わないとどうなるのかなども気になることがどんどん増えますよね。今回ここでは、年金負担をする若者と将来の対策案についてまとめました。
目次を使って気になるところから読みましょう!
年金は払っている若者は将来損する?払わないとどうなる?
年金の保険料は、20歳以上60歳未満であれば、すべての人が払っている税金です。
しかし、毎月年金の保険料を納めることは、特に若者にとっては負担が大きいでしょう。
また、将来自分が年金を受給する側になったときにいくらもらえるのか、また年金の保険料を納めないとどうなるのかという疑問を持っている人も多いですよね。
それでは、今の若者が将来もらえる年金はいくらくらいなのでしょうか。
また、そもそももらうことができるのでしょうか。
もし、年金の保険料を支払わないと、最悪は差し押さえられてしまうことがあるのです。
また、将来は年金受給開始年齢が上がったり、受給額が減る可能性がありますが、もらえない可能性は低いでしょう。
そこで、この記事では「年金に対する若者が抱えている不安や疑問」について、
- 若者が負担する「年金の払い損」について
- 年金を払うメリットについて
- 若者の年金に対する不安の対策方法について
以上のことを中心に解説していきます。
この記事を読んでいただければ、将来の年金に対する不安や疑問が解消されるかと思います。
是非最後までご覧ください。
若者が負担する「年金の払い損」について
年金は、20歳から60歳未満の現役世代の人たちが保険料を納めて、60歳以上の人が受け取る年金を支えている仕組みです。
しかし、このまま少子高齢化が進むことで、将来は年金の保険料を納める世代の数が減ってしまい、年金をもらう世代の数が増えることになるでしょう。
そのため、将来は年金の保険料が上がり、年金の受給額が減る可能性があるのです。
また、将来もらうことのできる年金に不安を感じている若い人たちも多く、「年金の払い損」とも言われています。では、今の若い人たちの、将来の年金受給額はいくらになるのでしょうか。
そこで、ここでは
- 今の受給者と若者では受給額が異なる「世代間格差」について
- 年金支給開始年齢の引き上げについて
- 若者が将来もらえる年金額について
ご紹介します。
今の若い人たちが将来もらえる年金は、今よりも少なくなってしまったり、年金をもらえる年齢が上がったりする可能性もあるでしょう。
しかし、将来年金がもらえなくなる可能性は低いので、年金を払い続けて損になることはないと言えます。
今の受給者と若者では受給額が異なる「世代間格差」
若い人たちの中で、公的年金の保険料を支払っていても将来払った保険料が戻ってこないのではないか、と考える人たちがいます。
また、今の年金受給者が受け取っている年金と、今の若い人たちが将来もらうことのできる年金額では、大きな差があるという意見もあるのです。
実際に、厚生省が2014年に6月27日に発表した試算によれば、40歳以下の世代が受け取ることのできる厚生年金の額は、現役時代の収入の半分かそれ以下になってしまうとされています。
今の年金を受け取る世代の人たちは、現役収入の約6割ほど支給されているので、今の年金受給者と今の若者のが受け取ることのできる年金受給額は、かなり差があるのです。
しかし、そもそも公的年金制度とは、20歳から60歳の現役世代が、今の60歳以上の受給世代を扶養する「世代間扶養」という仕組みで成り立っている社会保障制度です。
そのため、本来は世代の差について、損得を考えるものではないと言えるでしょう。
年金支給開始年齢の引き上げ
年金受給開始年齢が今の65歳から、68歳に引き上げられるのではないかという話があります。
実際に、財務省の審議会で、「年金の支給開始年齢を68歳まで引き上げる」という検討資料が出されたために、話題となっているのです。
これは、まだ決まったことではなく、今の段階では「年金の支給開始年齢が68歳に引き上げられる可能性がある」という段階なので、すぐに実行されるわけではありません。
しかし、以前は年金の受給開始年齢は60歳でしたが、引き上げられて65歳になっています。
また、2035年以降に、団塊ジュニア世代が65歳になることもあり、それまでに支給開始年齢を引き上げていくべきではないかという話に進んでいるので、今後年金受給開始年齢が上がる可能性はあるでしょう。
若者が将来もらえる年金額はいくら?
ここでは、月収30万円の20代の人が将来もらえる年金についてご紹介します。
例えば、単身世帯の場合は月額約8万9千円です。
もし、会社員の夫と専業主婦の世帯の場合は月額約12万5千円になるでしょう。
現在の60歳の人で、平均月収の単身世帯の人が65歳に受け取れる年金は、月額約12万1千円です。会社員の夫と専業主婦の世帯の場合は、月額約18万2千円です。
そのため、年金の支給額は、今の60歳の人と20代の人では、単身世帯だと26.4%減ることになります。
また、会社員と専業主婦の世帯だと、31.3%減ることになるので、大きな差があることになるでしょう。
年金の受給額についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ読んでみてください。
それでも年金を払うメリットはある
さて、ここまで若者が負担する「年金の払い損」や今の若者が将来もらうことのできる年金受給額について説明してきました。
今の年金制度では、自分が年金を受給する歳になったときに、もらえないかもしれないという不安を抱えている若者が多いです。
厚生年金に加入している場合は、給料から天引きされるので、誰もが支払っているでしょう。
しかし、国民年金に加入している人の場合は、自分で払うことになりますよね。
そのため、「将来もらえないかもしれないのなら、払わなくてもいい」と考えて、年金を払わない人が増えているのです。
しかし、年金を払うことにはメリットがたくさんあるのです。
そこで、ここでは「年金の保険料を納めるメリット」について、
- 老後の生活資金の一部になること
- 社会保険料控除の対象となること
- 遺族年金・障害年金が支給されること
以上のことについてご紹介します。
年金を払うことのメリットがあることが分かれば、年金を納めていない人も、なんとなく年金を納めていた人も、年金を納めることの意味が理解できるでしょう。
大事な老後の生活資金の一部になる
2017年に厚生労働省が公表したデータによれば、日本人男性の平均寿命は80.75歳で、女性は86.99歳です。
そのため、65歳で定年退職をした後にも、男性は約15年、女性は約20年以上の老後の生活があると言えるでしょう。
そのため、将来年金をもらうことは、老後の生活のために欠かせない資金となるのです。
また、趣味を充実させたい、より豊かな生活をしたいと考えている場合には、受給される年金だけでは足りない可能性もあるでしょう。
そのため、老後の生活のために早いうちから資金形成について考えることが大切です。
社会保険料控除の対象となる
年金を支払うことで、社会保険料控除の対象になるというメリットがあります。
国民年金に加入している人は、自営業やフリーターの人など、給料から年金の保険料が天引きされないのです。
そのため、自分で確定申告をする必要があります。
そのときに、支払った国民年金の保険料全額を控除対象とすることができます。
その分、所得税や住民税などを安くすることができるのです。
所得税や住民税は、支払ったとしても自分に返ってくるものではありません。
そのため、将来自分に返ってくる年金のために、年金の保険料を納めておく方がお得になるのです。
遺族年金・障害年金が支給される
他にも、遺族年金や障害年金を利用できるというメリットもあるのです。
年金の保険料をしっかりと納めていることで、もし障害を負って障害者と認定されれば、障害年金を受けることができます。
ちなみに、2018年では、障害者等級1級と認定されれば、年額で約97万円支給されるのです。
2級では年額で約78万円となります。
また、年金の保険料を納めていた人の家族は、遺族年金を受けることができるのです。
2018年では年額約78万円受け取ることができます。
子供がいた場合には、子供の人数が1から2人までは約22万円、3人目以降は約7万円加算されるのです。
このように、年金の保険料を納めることで自分が65歳になって年金を受給する以外の面でも、役に立つ保障があります。
参考: 年金を払えない場合は猶予の手続きをしておこう
ここまで、年金の保険料を納めることのメリットについてご紹介してきました。
もし、国民年金を納めていなかったという人は、ぜひ納めることをおすすめします。
また、年金の保険料が支払えないという場合には、国民年金保険料の猶予の手続きをしましょう。
収入が少ないなどの理由で保険料を納めることが難しい場合には、未納のままにせずに、「国民年金保険料免除・納付猶予制度」手続きをします。
手続きをすることで、保険料の納付猶予を受けた期間でも、障害年金や遺族年金を受け取ることができるというメリットがあるのです。
若者の年金に対する不安の対策方法を紹介
さて、ここまでは年金の保険料を納めることのメリットについてご紹介してきました。
しかし、年金の保険料をしっかりと納めていても、将来もらえる年金だけでは豊かな生活ができない可能性があります。
そこで、公的年金以外にも積み立てをして資産運用することがおすすめです。
早いうちから老後の生活に備えて資産を形成することで、安心した老後を送ることができるでしょう。
そこで、ここでは
- iDeCoについて
- 積立NISAについて
ご紹介します。
iDeCoと積立NISAは、どちらも将来のためにお金を積み立てて運用する制度です。
どちらが自分に合っているか検討する際の参考にしてみてくださいね。
個人型確定拠出年金(iDeCo)へ加入する
60歳以降まで使う予定のない資金ならiDeCoがおすすめです。
定年後に公的年金を受け取るまでの期間の生活費のための資金や、老後の資金として貯蓄したいという場合には、iDeCoが良いでしょう。
iDeCoだと、運用益が非課税というメリットがあります。
それに、掛け金全額が所得控除の対象にもなるのです。
そのため、所得税を払っている人なら、積立をしているときにも節税できるというメリットがあります。
しかし、原則60歳になるまでお金を引き出すことはできませんが、老後の資金として蓄えたいという場合には、計画通りに資金形成ができるでしょう。
積立NISAへ加入する
60歳よりも前に使う可能性があり、10年以上先に使う資金であれば、積立NISAがおすすめです。
積立NISAはいつでも引き出すことできるので、60歳未満でもお金を引き出すことができます。
また、積立NISAでは金融庁が定めている基準を満たした投資信託などが選ばれているので、投資初心者だとしても運用しやすいというメリットがあります。
まとめ:若者は将来もらえる年金についての対策を検討しよう
年金に対する若者が抱えている不安や疑問について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 年金は、今の受給者と若者が将来もらえる受給額には違いがあること
- 将来は年金が受給できる年齢が上がる可能性があること
- 年金の保険料を納めることにはメリットがあること
- iDeCoや積立NISAに加入して対策をすることがおすすめであること
です。
年金は、今の高齢者がもらっている受給額と、今の若者が将来もらえる受給額には、差が出てくる可能性が高いです。また、将来的には年金がもらえる年齢が上がるかもしれません。
しかし、それでも年金の保険料を納めることにはメリットがあるのです。
例えば、老後の資金となったり、遺族年金や障害年金が支給されます。
しかし、将来もらうことのできる年金だけでは、生活費を賄うことは難しいかもしれませんので、今のうちに老後に備えて積み立てをすることがおすすめです。
早いうちに、自分の老後の資金への対策をしておくことで、安心した老後を過ごせることに繋がるでしょう。
ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。