老後の貯金はいくらあれば安心?理想の貯蓄額はどのくらい?

老後の貯金額はいくらあれば安心なのか、貯蓄額の平均はどれくらいなのか気になりますよね。この記事では、独身の方、夫婦の方に必要な老後の貯金額についてそれぞれ解説します。理想の貯蓄金額を知り、今から老後のために備えておきましょう。

監修者
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー証券外務員を取得。

老後の貯金はいくらあればいい?安心できるための必要額は?

平均寿命が伸び老後に必要な生活資金も以前と比べると増えているため老後の生活に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。


「人生100歳時代」とも言われている長い老後生活を安心して過ごすために、貯金はいくら必要なのか早い段階で考えておくことが大切です。


そこでこの記事では「老後貯金はいくらあれば安心なのか」について
  • 老後の理想貯金額 独身、夫婦が必要な老後の貯金額 
  • 40代のうちに貯めておきたい貯金額 
  • 老後の貯金額を考える際の注意点
  • 老後の貯金を貯める際におすすめな制度
以上のことを中心に解説していきます。

この記事を読んでいただければ、老後に必要な貯金額に関しての基本的知識を得ることに役立つかと思います。

老後の貯金の理想金額はどのくらい?


老後の貯金の理想金額は独身が1,500万円~2,000万円程度。

夫婦は3,000万円程度。


60歳で退職すれば年金を受け取ることができる65歳まで貯金で生活することになります。


他にも介護費、葬式費なども必要になるため退職金や年金がいくらもらえるのかも含めて計算すると最低でもこのくらいの金額が理想です。



独身が必要な老後の貯蓄金額

独身が必要な老後の貯金額は、男性が920万円、女性が1150万円。


男女で金額が違うのは平均年齢によるもので、女性の方が男性より平均寿命が長いため必要な貯蓄額も多くなっています。


そして高齢単身者の平均的な支出(生活費)は約161,995円。

(出典)総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2018年」

賃貸に住む場合65歳以上の単身世帯の1ヶ月の家賃の平均は41,562円ですので、賃貸で生活するなら月185,289円が必要です。


また、平均年金額は厚生年金なら147,051円国民年金なら平均55,615円。

老後、賃貸住宅に住み男性は20年、女性は25年生きるとして計算すると


男性は

(185,289-147,051(厚生年金))円/月×12カ月×20年=9,177,120円


女性は 

(185,289-147,051(厚生年金))円/月×12カ月×25年=11,471,400円

しかし、ここには介護費用などは含まれていませんし平均寿命より長く生きる事も考えると2000万円程貯金しておくと安心です

夫婦が必要な老後の貯蓄金額

夫婦が必要となる老後の貯金額は2000万円。



夫婦2人の場合の老後の生活費は2018年の「家計調査年報」の調査によると、 

60歳~69歳までが29万1,019円

70歳以上は23万7,034円


臨時の出費(慶弔金や車の購入、住宅の修繕費など)を考えると月に30万円、ゆとりのある老後生活を送るためには月に約35万円程が必要ということになります。


厚生労働省が2019年に発表した夫婦二人の厚生年金、国民年金のモデルケースは22万1,504円(夫が40年就業し、妻は専業主婦の設定)ですので、必要な金額は


(300,000-221,504(厚生年金))円/月×12カ月×20年=18947040円

しかし、介護費用や平均年齢よりも長く生きる可能性も考えると3000万円程貯金があると安心です。


40代のうちに貯めておきたい老後の貯金金額は?

老後必要になる金額は独身は2000万円、夫婦の場合は3000万円程あると安心です。


65才までに必要金額を貯金するには40代で独身は25年で毎年80万円、夫婦は25年間で毎年120万円貯めておく必要があります。

独身が年齢別に貯めたい金額をシュミレーション

独身の年齢別に見る貯めておきたい老後の貯金額シミュレーションは、65才までに2000万円貯めるとすると

年齢必要貯金額(年)
60才約400万円
50才約140万円
40才 約80万円
30才 約58万円
20才 約45万円

20才代で65才以降の老後生活についてしっかりと考えている人は少ないかもしれませんが、20才からなら毎年45万円(毎月37500円)の貯金で65才までに2000万円を貯める事ができます。


年齢が上がる程、1年で必要になる貯蓄額も増えるので年齢が若いうちから備えておく必要があることがわかります。


また、実際に単身者が貯金している金額の平均は、平成26年全国消費実態調査 単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果によると、単身世帯の貯蓄額は

男性の貯金額女性の貯金額
60才代1611万円1622万円
50才代1482万円1383万円
40才代796万円959万円
40才未満373万円264万円

(出典)平成26年全国消費実態調査 単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果

という結果で、特に女性の方が年収に対する貯蓄額が多いこともわかりました。


複身が年齢別に貯めたい金額をシュミレーション

複身の年齢別に見る貯めておきたい老後の貯金額シミュレーションは、65才までに3000万円貯めるとすると

年齢必要貯金額(年)
60才約600万円
50才約250万円
40才約120万円
30才約86万円
20才 約67万円


実際に二人以上世帯が貯金している金額の平均は


平均額貯蓄
60才代
2133万円
50才代1596万円
40才代930万円
30才代596万円
30才未満348万円

(出典)平成26年全国消費実態調査 結果

https://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/kekka.html


シミュレーションではこのような結果になっていますが退職金の額、妻(夫)が専業主婦なのかによっても年金額も変わるので、これらも考慮し貯蓄する必要があります。


また、老後の生活費だけでなく持ち家の場合は家の修繕費用、車の買い替えが必要になることもあります。


自分の場合はどのくらいの貯金が必要になるのか、目標貯金を貯めるにはどうすればいいのかなどは家庭によって異なりますので、自分にあった貯蓄額や貯蓄方法を知るにはお金のプロであるFPに相談するのがおすすめです。

老後の貯金額を考える時には急な支出などにも注意

上記でご紹介した理想貯金額は一般的な生活費の平均額から計算された金額です。 


子供の養育費、持ち家や車がある場合の維持費、大きな病気や怪我をした場合など急な出費があることも考えて老後の貯金とは別にこれらの備えをしておく必要もあります。

病気やケガに備えて資金を蓄えておく

老後資金とは別に

  • 大きな怪我・病気などで長期的に入院、通院が必要になった場合
  • 災害時の緊急資金
  • 冠婚葬祭


など大きな出費が出ることも考えられます。
大きな金額になればせっかく貯めた老後貯金の計画も狂ってしまうので、老後資金とは別に緊急時用の貯蓄も考慮しましょう。


 緊急時用に貯蓄しておく資金は、6ヶ月分の生活費が理想です。

子どもの教育費を考えて貯金計画をたてる

子供がいる場合は、子供の養育費も考えて貯金計画をたてなければなりません。 

全て公立に通った場合

学校区分学費総額
幼稚園(3年間)70万2,000円
小学校193万2,000円
中学校143万7,000円
高等学校135万3,000円
大学25万3,000円(入学料)215万2,000円
合計
782万9,000円

全て私立に通った場合

学校区分学費総額
幼稚園(3年間)144万6,000円
小学校916万8,000円
中学校398万1,000円
高等学校312万円
大学23万円(入学料425万6,000円)
合計2,220万1,000円

(出典)文部科学省「子供の学習費調査」2016年度 

https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/1399308.htm
これらの資金も子供の人数にあわせて用意する必要があります。

リフォーム等にもお金がかかる


間取りや素材などによっても金額は異なりますが家のリフォーム、屋根、外壁などの修繕費、固定資産税なども考慮し老後資金とは別に備える必要があります。 


一般的に一戸建ての場合10~15年ほどで屋根、外壁の修繕が必要になることが多く、
外壁の修繕費なら修繕費は大きさや素材により異なりますが約100万円


屋根の塗り直しや葺き替えなら100万円程かかります。


また、災害時に家が破損する可能性も考え修繕費が賄える保険に加入しておくとより安心です。

老後の貯金を貯める際におすすめな制度

老後資金はコツコツ貯金が基本ですが、それだけでは目標貯金額に不足してしまう人の方が多いです。


そのため、自動積立定期預金、つみたてNISAやiDeCoなどの制度を利用し老後資金を増やす方法もおすすめです。

個人年金保険なら不足分も補える

老後資金の準備のため、個人年金保険など貯蓄性の高い保険に加入している人も増えています。


個人年金保険とは、毎月口座からお金が引き落とされ強制的に貯金が出来る仕組みなので貯金が苦手な方にはおすすめです。


これまで積み立ててきたお金を受け取るには、契約途中で解約をするか契約満期になるまで待つしかありません。


また、払戻率の高い保険に加入していれば銀行預金よりも金利がつくので銀行口座に貯金をしているより少しですがお金を増やす事もできますし、所得税や住民税が安くなることもあります。


税制控除ができ人気が出てきている「iDeCo(イデコ)」

iDeCo(確定拠出年金)は、年金の上乗せとして老後資金を貯めていく自分で作る年金制度のことです。予め自分で金額を決め毎月掛け金を支払い預金、投資信託などを60才まで運用し、その成果に応じた年金額を60才以降に受け取る事ができます。 


iDeCoを利用するメリットは掛け金が所得控除される 利息、運用益が非課税 受取時も税制優遇される などが挙げられます。

非課税期間が20年間ある「つみたてNISA」

つみたてNISAは積立専用の「NISA(少額投資非課税制度)」のことで、
毎月非課税枠(上限は年40万円)までの投資で得られた利益に対し、最長で20年間非課税になります。


投資可能期間は2037年で2018年からつみたてNISAをスタートさせ上限の年40万円まで積立たとすると積み上げられる投資元本は

 40万円×20年=800万円 

になります。


また、つみたてNISAの対象となる投資信託は金融庁による基準をクリアしたもので、販売手数料などのコストも低いため投資初心者でも利用しやすい特徴があります。

老後資金については専門家にライフプラン相談する


その他にも老後資金を貯蓄する方法はあります。


ただ、退職金の金額、教育資金や家の修繕費、自分や家族が病気や怪我をした場合など家族構成や生活環境により必要な貯金額は異なります。


具体的に何歳までいくら貯金をするのか、どのような貯金方法があるのかなど将来のお金に関する事は専門家であるFPにライフプラン相談するのが最適です。 


ほけんRoomでは、このようなお金に関する相談を無料で行っているので自分に最適な方法を一度相談してみてはいかがでしょうか。 


また、現在ほけんRoomではオンライン相談も行っており、わざわざ外出しなくても相談することができます。

まとめ:老後の貯金に必要な金額とおすすめの貯蓄制度

老後に必要な貯金額について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは

  • 老後の理想貯金額は、独身1500万円~2000万円、夫婦は3000万円
  • 独身が必要な老後の貯金額は男性920万円、女性1150万円 、夫婦2000万円
  • 病気や怪我、教育費なども考えて貯蓄する 
  • 個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAなどで資金を貯めることもできる 
でした。

老後資金は高齢になるほど毎月の貯金額も大きくなり負担になります。 

若い時から老後について考え、備えるのは難しい事ですが早めに老後の準備をすることで毎月の貯金額、積立額も少額ですみますので出来るだけ早いうちから準備をしておきましょう。 

ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事を多数掲載しています。ぜひご覧になってください。

ランキング