日帰り入院の定義とは?通院や外来手術との違い・入院給付金を受け取るポイント

医療制度の改正に伴い、一日入院とも呼ばれる日帰り入院の件数が増えています。日帰り入院でも入院給付金の対象となるため、医療保険に加入している方は定義や事例を正しく理解しておく必要があります。そこで日帰り入院の定義を確認しながら通院や外来手術との違いを解説します。

日帰り入院の定義とは?医療保険の入院給付金の請求方法は?


よく生命保険会社のテレビCMやインターネットで商品案内には、「日帰り入院から給付金を保障!」という医療保険もあります。

もちろん給付金が受け取れるのは、私たちにとってありがたいことですが、日帰り入院は通院と何が違うのかと疑問を持ってしまう部分ではあります。


また、日帰り入院に該当するのに、生命保険会社に請求しないケースが見受けられます。


そういった損をしないように日帰り入院とは何なのかをしっかりとおさえておきましょう。

そこで、この記事では「日帰り入院の定義」について、


  • 日帰り入院の定義は通院や外来手術とどう違うのか
  • 日帰り入院と判断されるために必要なこと
  • 日帰り入院で入院給付金を請求する際のポイント
  • 日帰り入院をするのはどんな病気か
  • 日帰り入院の注意点

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、日帰り入院の定義や、通院・外来手術との違いを知ることに役立つかと思いますので、ぜひ最後までお読みください。

日帰り入院の定義を解説|日帰り通院・外来手術との違いとは

生命保険会社の日帰り入院の定義は次の通りです。

  • 入院日と退院日が同じ日
  • 入院基本料の支払がある

入院基本料とは、病院で基本的な医療行為を行った場合に加算されるもので加算されているのかどうかは領収書の「入院料等」の部分で確認できます。


入院給付金を受け取るには、入院給付金の有無で判断されるため領収書を受け取った際に「入院料等」の部分に記載があるのかを確認しておきましょう。


以下では、通院との違い、日帰り入院手術との違いを説明します。

日帰り通院との定義の違いは?

通院とは、医師による患者への治療が必要なため、外来や往診により治療を受けることを言います。

外来や往診の患者で、入院する必要がないと医師が判断した時は通院と定義されます。


少なくとも、外来用のベッドを使用して、点滴や治療が行われただけでは日帰り入院の定義と言えず、通院とされます。


しかし、通院で病気の治療中に、その病気等が原因で体調を崩し、医師がそのまま入院する必要性を感じて何日か入院させた場合は、入院治療となります。


一方、医師が入院の必要性を感じ、患者を入院させてその日の内に退院した場合で、かつ入院基本料が発生していたならば、日帰り入院となります。


また、日帰り入院と通院との違いは、「入院基本料」が発生するかどうかです。


入院基本料とは、入院時の医学管理料・看護料・部屋代の提供を含む一連の費用のことです。


通院の定義と日帰り入院の定義をわかりやすく説明すると次の通りです。

通院

  1. 患者が外来や往診のために通院
  2. 外来ベッドで検査または治療
  3. 体調の異常もないので治療を終え医師が帰宅させた
  4. 診療費に入院基本料なし

日帰り入院

  1. 患者が治療のため医療機関に来院
  2. 外来ベッドで検査または治療
  3. 医師が念のため大部屋等の病室で入院が必要と判断
  4. 大部屋で入院していたが何ら身体に異常も無いので当日中に退院した
  5. 診療費に入院基本料あり

日帰り入院手術との定義の違いは?

日帰り入院手術とは、手術を行い医師が入院の必要があると判断して患者を病室にて入院治療を行ったが、特に身体の変調も見られないので当日中に退院したという場合が該当します。

日帰り入院手術 

  1. 患者が手術のため来院
  2. 外来ベッドで手術
  3. 医師が念のため大部屋等の病室で入院が必要と判断
  4. 入院していたが何ら身体に異常も無いので当日中に退院
  5. 診療費に入院基本料あり

日帰り手術

  1. 患者が手術のため来院
  2. 外来ベッドで手術
  3. 患者に痛み止めを飲ませれば入院の必要はないと判断
  4. 患者を帰宅させた
  5. 診療費に入院基本料なし

日帰り手術の例

  • 鼠径ヘルニア 
  • 痔 
  • 胃ポリープ、大腸ポリープ、胆石などに対する腹腔鏡手術
  • 子宮内膜ポリープ、子宮筋腫 
  • 尿管結石 
  • 眼科手術
  • 食道静脈瘤の内視鏡手術 
  • 神経剥離術 など 

病院と保険会社で異なる⁉日帰り入院と判断されるために必要なこととは

日帰り入院と判断する基準は、実を言うと病院を保険会社では表現が若干異なります。


やはり、実際に患者を診察する立場である病院側と、書類だけで保険加入者(受取人)へ給付金を支給するかどうかを判断する保険会社の立場の違いと言えます。


こちらでは、日帰り入院と判断されるポイントと、日帰り入院に該当する治療例を取り上げます。

病院と保険会社はどう日帰り入院と判断する?確認ポイントとは?

こちらでは病院と保険会社それぞれが日帰り入院とどう判断しているのか、ご自分の治療が日帰り入院と判断されるのかどうかを確認するポイントを説明します。


病院と保険会社の日帰り入院の判断


病院の日帰り入院を判断する基準は、次の通りです。

  • 朝に患者が入院し、その日に検査または手術をして、当日の夕方に退院した場合

一方、生命保険会社の場合は、前述した通り入院日と退院日が同じ日・入院基本料の支払の有無が基準となります。


生命保険会社が日帰り入院と判断する基準にあてはめると、前述した病院が判断する基準の他、

  • 深夜(未明)に患者が緊急入院をしたが、容態が回復し、その日の夕方または日付が変わる前に退院した場合

も該当します。


双方の判断内容は、医師が必要と判断しなければ、入院はさせられないし、入院基本料の支払もありませんので、病院と保険会社は表現の差こそあれ、日帰り入院の定義は変わりません。


日帰り入院に該当したかどうかの確認ポイント


日帰り入院が保障の対象となっている医療保険に加入しているなら、まずはご自分で勝手な判断をせず、事前に次の方々から確認をとった後で給付金を請求しましょう。


  • 医師に確認する
    入院を判断するのは医師であるため、入院かどうかは、診察時に担当医師に確認するのが一番確実です。
  • 医療費の支払の時に確認
    医療費を支払うと領収書を受け取りますので、記載されている入院基本料の診療報酬点数(入院点数)を確認しましょう。領収書の見方がわからなければ窓口の担当者と共に確認してください。
  • 生命保険会社のカスタマーセンターへ確認
    今回の治療内容・入院について・領収書の記載内容等を報告し、入院給付金等が受けられるか確認しましょう。受けられる場合は請求書類を取り寄せ、必要事項の記載・添付書類を収集し、生命保険会社へ送付します。

日帰り入院で医療保険の入院給付金を請求する際のポイント

日帰り入院をして入院給付金を請求したい場合、まずは自分の加入している医療保険が日帰り保険に対応しているのか?を確認する必要があります。


また、入院給付金だけでなく手術給付金も受け取れる場合もあります。

ここからは入院給付金を請求する際のポイントを確認していきましょう。

加入している医療保険が日帰り入院に対応しているか

県民共済の場合、日帰り入院でも1日入院となるので入院給付金を受け取る事ができますが、保険会社によっては「入院日数○日以上」など、継続した入院期間がなければ請求が出来ないこともあります。


そのため、まずは自分の加入している保険が日帰り入院に対応しているのか確認しましょう。


自分の入っている保険が日帰り入院に対応しているのかは契約の際に受け取る「契約のしおり」などに記載されています。 


また、「入院」に該当するかどうかは医師の判断できまるため、日帰り入院に対応している保険に加入している場合は

  • 診察の際に「入院」扱いになるかを確認
  • 領収書の「入院等」の部分に診療報酬点数の記載があるかを窓口で確認

領収書を確認すれば入院扱いになっているかはわかりますが、念の為領収書を受け取った際に窓口にも確認しておくと確実です。

日帰り手術なら入院給付金だけでなく手術給付金も受け取れる

日帰り手術を受けた場合は、入院給付金だけでなく手術給付金も受け取る事ができます。


ただし、例えば創傷処理(切り傷などを縫う手術)の場合は手術給付金の支払対象にならないなど、保険会社により手術給付金の支払対象は異なるので自分がどのような手術を受け、給付金の支払対象になるのかを確認する必要があります。


また、 手術給付金を請求するには保険会社に正式な手術名を伝え、領収書を送らなければなりません。


正式な手術名は診療明細書で確認できますので、診療明細書と領収書の保管をしておきましょう。


日帰り入院をするのはどんな病気の時?主な例を紹介

日帰り入院と日帰り入院手術の治療例として2つあげておきましょう。

①急性アルコール中毒の治療

お酒の飲み過ぎは最悪の場合、意識が喪失し命の危険もあります。


緊急に病院へ搬送する必要があります。

  1. 午前12時30分に飲み屋で倒れ緊急搬送
  2. 患者の採血検査
  3. 胃洗浄:アルコールを速やかに排出させます
  4. 外傷の確認:お酒を飲んで意識を失った際に、頭部をぶつけたり、腕や足が骨折したりしていないかを確認します。
  5. 病室で入院:念のため治療後の様子を見ます
  6. 医師が患者の回復を確認・退院:患者がアルコールの後遺症も無く、ケガが見当たらず、意識もはっきりしていれば、当日にも帰宅が許可され、退院します。

②大腸ポリープ切除術

肛門手術のほとんどは、手術後にしばらくの間、病室のベッドで安静にして、全身状態や手術創の様子を観察することが必要です。


日帰り入院手術の流れは次の通りです。

  1. 手術1週間前~手術前日:手術に必要な血液検査・心電図による検査を行います。
  2. 手術当日:午前中に来院します。
  3. 入院準備:病室で着替え・点滴・浣腸等を済ませます。
  4. 手術開始:午後には病室から手術室へ移動します。
  5. 手術終了:だいたい30分程度で手術は終わります。病室へ戻ります。
  6. 回診・退院:夕方まで病室で休みます。全身の状態や手術創の確認を行い、問題がなければ退院します。
また、こちらの記事に医師、保険会社が「日帰り入院」と認める病気の種類や具体例が記載されていますので該当している項目がないか確認してみましょう。

日帰り入院と勘違いしやすい主な例

こちらでは日帰り入院と勘違いしやすい例を2つほどあげます。

例1:外来のベッドを使用して点滴

例えば運動会で児童の気分が悪くなり、病院に連れて行ったら熱中症と診断され点滴を受けた場合が該当します。


このケースは休養目的でのベッド使用であるため、日帰り入院ではありません。


例2:胃カメラでの検査

例えば流性食道炎の心配があるので胃カメラで検査する場合です。


検査の時間だけ(15分程度)ベッドに横たわる検査ですので、検査後に病室で身体を安静にする必要も無く、すぐに帰宅できます。

まとめ|日帰り入院の定義・入院給付金の請求方法について

日帰り入院の定義について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 


今回の記事のポイントは、 

  • 日帰り入院と通院の違いは、診療費に入院基本料があるかないか
  • 日帰り入院になる条件は、医師が入院の必要性を判断し、診療費に入院基本料が含まれていること
  • また、入院日と退院日が同日であることも必要
  • ベッドで横になっても単に休養目的である場合、日帰り入院とはいえない
  • 日帰り入院になるかどうかは医師や、病院窓口、生命保険会社のカスタマーセンターで確認すること
  • 入院給付金を請求する際は加入している保険が日帰り入院に対応しているか確認する


でした。


日帰り入院になるかどうかは自分で判断せずに、まず病院(医師)・保険会社の関係者に確認の後、給付金の請求を行いましょう。


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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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