【図解】がん保険とは?7つの基本保障内容と覚えておくべき3つの特徴

年々ニーズの高まるがん保険は、医療保険とは異なった保障の性質があります。また、がんという病気に応じた特殊な特徴があります。診断給付金の免責事由とは?免責期間とは?本記事では、加入者が知らないと後悔するがん保険の基本について図を交えながらわかりやすく解説します。

がん保険とは何か

がん保険とは、様々ながんに対する保障に特化した保険です。


がん保険の特徴は、主に医師から病状について、がんと診断された場合には一時金が支給されます。

そして、手術をする場合は手術給付金、入院をする場合は入院給付金、通院による治療でも通院給付金が支払われます。 


また、特約を付加すれば放射線治療や、抗がん剤治療にも給付金が支払われることが期待できます。がん保険は、がんの治療を広範囲に金銭面で保障している商品となっています。


なお、がん保険は加入する保険のタイプが「掛け捨て」であることがほとんどです。


今回の記事は、そもそも「がん」という病気とは何か?がん治療に備えるための「がん保険」の特徴を説明します。

がんという病気とは何か

がんと一口に言っても、がんの種類はいろいろありますが、大きく分ければ、上皮内新生物(いわゆる初期のがん)と、悪性新生物(いわゆる悪性のがん)に分かれます。以下では図を参考に説明します。

「がん」という病気と進行度

「がん」という病気と進行度

  • 上皮内新生物(初期のがん)

図をご覧いただけるとわかりますが、上皮内新生物とは「ステージ0」に該当するがんです。


こちらは初期のがんであり、「上皮内がん」または「上皮内腫瘍」とも呼ばれています。がんが上皮内に止まっており、基底膜(筋肉腫)を超えず間質細胞を浸潤していない状態を言います。


上皮内新生物は放置すれば深刻な事態となりますが、上皮内新生物の段階で適切な治療を受ければ、治療より3年の生存率は、ほぼ100%と言われています。


これは、上皮内新生物の段階で取り除けば転移や再発の危険性はほとんどない、と言う意味です。 


通常のがん保険では、この上皮内がんは免責とされ、別途の保障を付帯しなければならないという点はがん保険の一つの特徴です。


  • 悪性新生物(悪性のがん)

悪性新生物に該当するのは図のステージI~IIIの状況を指します。がん細胞が増殖し、粘膜の下にある基底膜を超えて間質細胞を浸潤(周囲の細胞に侵入し増殖を続けること)している状態を言います。

図のステージIおよびIIであるなら、最初にできた部位に止まっている段階ですが病巣は深くなっていきます。


そして、図のステージIIIのリンパ節まで浸潤してしまうと、がん細胞はリンパ管や血液にのり、他の臓器に転移するなどして爆発的に増殖します。


この様な状況をステージⅣと呼びますが、この状況になると、完治は非常難しく、生存率も急激に下がることになります。

がん保険のニーズの高まり

悪性新生物(がん)は、心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)とともに、「三大疾病」と呼ばれ、日本人の死因で長年にわたり上位を占めている病気です。


「人口動態統計(確定数)の概況」でも表示されている通り、死亡原因による悪性新生物(がん)の割合は、心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)をはじめ全体の死因の中で3割近くと飛びぬけて高いことがわかります。


日本の死亡原因(2016)

日本の死亡原因(2016)

参考: http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei16/dl/00_all.pdf

(厚生労働省 平成28年 「人口動態統計(確定数)の概況」)


この悪性新生物(がん)をはじめとした三大疾病の発症原因は諸説ありますが、主に次のような原因が指摘されています。
  1. 会社や家庭等の労働や人間関係等のストレス
  2. 食生活の偏り
  3. 運動不足
  4. 喫煙等

以上のような状態が毎日の生活で蓄積されていった結果である、と指摘されています。 


悪性新生物(がん)をはじめとした三大疾病は、自覚症状が無い場合が多く、長い年月が経ってから現れるため、生活習慣を改める機会を得られないまま、病気に至ってしまうケースが多いと言えます。

この厄介な病気である悪性新生物(がん)の治療に備えるため、がん保険が注目されることになったのです。

がん保険の主な保障内容

がん保険はその需要の高さから、生命保険各社が競って保険商品を販売しています。

生命保険会社等の競争により、がん保険の中には毎月の支払保険料が600円未満という安い商品も登場しています。


生命保険各社とも保障内容自体は遜色なく、がんを広範囲に金銭面で保障している商品となっています。

なお、悪性新生物ばかりではなく上皮内新生物も別途で保障の対象となる保険商品が多いです。

1.入院給付金

入院給付金とは、がんと診断され入院した場合に受け取れるお金です。保険会社より入院日額が概ね5,000円~20,000円まで支払われます。

また、医療保険では給付日数の上限が定められていますが、がん保険の場合は給付日数無制限で受け取ることができます。

逆にいえば、がんという病気はそれだけ深刻な病気であるということを意味しています。

2.診断給付金(一時金)

診断給付金(一時金)は、がん保険においてもっとも重要な保障の一つです。


医師からがんと診断された場合には、診断給付金(一時金)が支払われます。保険会社より一時金として概ね50万円~200万円まで支払われます。

診断時で給付金がおりるというのは他の保険にはない、がん保険の特徴です。


しかし、上皮内新生物と悪性新生物というように、がんの深刻度の違いによっては一時金の額が変わることがあります。

3.手術給付金

悪性新生物を早期に発見した場合や、患者の体力が手術に耐えられる場合には、手術療法が用いられます。


手術給付金とは、この悪性新生物を外科的な手術で取り除く治療を受けた際に、下りるお金を言います。


保険会社より手術1回につき概ね10万円~100万円まで支払われます。


4.通院給付金

がん治療を通院にて行う場合には通院給付金が受け取れます。

保険会社より通院日額が概ね5,000円~10,000円まで支払われます。

ただし、各社とも支払限度日数を「○○日まで」と定めています。

また、医療保険と同様に入院を何日以上していないと給付されないといった条件がつくことが多いので、がん保険に加入する際にはこの給付基準を確実に押さえておきましょう。

5.先進医療給付金

先進医療とは、厚生労働大臣より認定された医療機関で、同大臣が認めた最先端の技術を使用する医療行為のことです。


その中でも、主に陽子線治療、重粒子線治療等のような、がん細胞にダメージを与える効果のある治療を行った場合に、給付金が支払われます。


保険会社より概ね通算600万円~2,000万円まで受け取れます。

なお、一時金も支給してくれる保険会社もあります。先進医療給付金は特約として主契約に付加する場合が多いです。

6.抗がん剤治療給付金

抗がん剤治療給付金とは、抗がん剤(※1)という薬物を使用する治療方法を受けた時に、受け取れるお金です。


保険会社より1ヶ月毎に概ね2.5万円~10万円まで受け取れます。抗がん剤治療給付金は特約として主契約に付加する場合が多いです。


これもがん保険において重要な保障の一つです。

抗がん剤は完治のために必要で、治療が長期に渡りやすいので、この抗がん剤の治療給付金は大きな効力があります。


(※1)抗がん剤・・・がん細胞を消滅させることはできませんが、がん細胞を小さくする効果がある薬物です。この治療方法は副作用を伴います。



7.放射線治療給付金

放射線治療とは、がん細胞に放射線を照射して治療する方法です。この治療を行うと、保険会社から放射線治療給付金が支払われます。1ヵ月に10万円~60万円が受け取れます。


保険各社とも回数無制限で保障されることがほとんどです。ただし、治療を受けた月毎に給付金が受け取れる場合や、60日間に1回の間隔で治療すること等が条件とされている場合もあります。


医療保険の保障対象の違いからみるがん保険の特徴とは

医療保険とがん保険の違いとは何でしょう?

それは下図を見ても分かる通り、医療保険とは、がんを含めた病気やケガに対応する「医療の総合的な保険」と言えます。がんに関しては特約として主契約に付加する形で、その保障を厚くすることができます。

一方、がん保険とは、がんにのみ特化した「がん専門の保険」ということです。がん以外の病気やケガが保障されない分、がんが原因となった入院から先進医療の治療までの保障をカバーしています。

がん保険と医療保険の基本的な違い

がん保険と医療保険の基本的な違い


医療保険か、がん保険かどちらに加入したら良いか迷っている方は、次のような加入の選択の仕方を検討してみるのも一つの方法です。

  1. 自分は健康で病気やケガをする心配は今のところないが、将来のためにオーソドックスな医療保障を受けたい→医療保険
  2. 祖父や父もがんで亡くなったり、闘病中であったりして、自分もいつ、がんになるかわからなくて心配だ→がん保険

がんの発症については遺伝的要因も否定できない以上、親族・親類縁者にがん患者が多いという場合には、万が一のための備えとして、がんの保障に最も厚い、がん保険に加入することをお勧めします。


がん保険の大きな3つの特徴とは

特徴ポイント1:診断給付金(一時金)が充実している

前述した通り、がんと診断されただけで、保険会社より入院日額が概ね50万円~200万円まで支払われます。

まとまった一時金が受け取れるのは魅力です。それだけ、がん治療に関してその後の治療のために、金銭的に備えておかなければいけないことを意味しています。

診断給付金(一時金)の支払い条件には注意が必要

診断給付金(一時金)は全てのがんについて多額の一時金が受け取れるわけではありません。

支払われる金額は、上皮内新生物と悪性新生物の違いで区別されます。上皮内新生物(初期のがん)の場合は、転移のおそれがほぼ無いことや、完治が十分に可能であることから、生命保険各社とも深刻な病気と解釈していない傾向があります。

そのため、悪性新生物に該当する一時金の内、1/2、1/10程度に一時金が減らされる形で受け取ることになります。

ただし、保険会社によっては上皮内新生物も悪性新生物も、同額保障としている所もありますので、この区別に不満がある場合には、初期のがんも区別無く同額保障する商品を検討願います。

特徴ポイント2:90日間の免責期間が存在する

がん保険も、加入希望者と生命保険会社双方の合意による契約で成立するため、加入の際には申込書、告知書等が必要です。しかし、契約が成立したからといって、いきなりがん保険による保障が始まるというわけではありません。

がん保険には「免責期間」というものがあります。免責期間とは、この期間内にがんと診断されて、入院や治療を受けても給付金や一時金は一切下りないということです。図解すれば以下の通りです。


がん保険と免責期間

がん保険と免責期間

生命保険各社とも、加入後に3ヶ月間または90日間の免責期間を設けています。

この免責期間が終われば、ようやく責任開始日となり保障の効力が発生します。

免責期間が存在する理由

がんは自覚症状が無い場合が多いため、他の加入者との公平性を維持するため、契約した後もしばらく様子をみたいということから免責期間が設けられています。

そもそも、がん保険は生命保険と同様、大勢の保険加入者が、保険料を出し合って相互に保障し合う仕組みで成り立っています。 

つまり、加入者が支払った保険料は加入者の分として、生命保険会社が厳然と分けて管理しているわけではありません。

これは、保険加入者全体の財源として管理されていることを意味します。 

そのため、契約当初からがん保障が適用されてしまったら当該加入者が契約したすぐ後にがんと診断され、給付金や一時金を支払う必要になった場合、真面目に健康管理をしている保険加入者にとっては不公平なことになります。

免責期間が設けられたのは、全体の公平性に反する事態を回避する目的があるからです。 

特徴ポイント3:保障期間が無制限である

とりわけ生命保険各社共通しているのが入院給付金(日額)が無制限ということです。長期入院の場合は有りがたいサービスと言えます。

一方、医療保険の入院給付金(日額)の場合は、30日・60日・120日と1入院で支払限度日数が決まっています。

入院保障よりも通院保障

がんの治療は、その全てが入院しながら治療しなければならないわけではなく、いろいろな治療方法が確立されたこともあって、通院を選ぶ患者も多くなりました。

入院保障は保障期間が無制限ですが、通院保障は概ね60日~180日までと支払限度日数が決まっていることや、退院した日から1年間は通院給付金の日額を無制限で保障するという条件の商品もあります。

しかし、平均的な通院期間は3年~4年と言われており、がん保険を選ぶ際にはできるだけ通院保障の長い支払限度日数や、退院から保障される期間がより長い商品を選ぶことをお勧めします。

まとめ:がん保険とは何か

がん保険に加入できれば治療面による金銭的なサポートはひとまず安泰と言えます。ただし、それで健康面の配慮を怠って良いというわけではありません。

がんはいきなり発症するわけではなく、遺伝的要素も否定できませんが、長い生活習慣の乱れやストレスに曝され、その悪循環の蓄積が要因となることが挙げられます。

お金の面は心配が無くても、保険に入っただけではがんの予防にはなりません。


規則正しい生活、定期の運動、バランスの良い食生活、そしてストレスをためない工夫は必要です。

がん保険のほとんどの商品は「掛け捨て型」と呼ばれる保険であり、がんを発症しないまま亡くなったら一銭も支払った保険料は戻ってきません。


しかし、がんの苦痛を伴う闘病生活を経験しないまま亡くなることは非常に幸福なことです。

まさかのために備えたがん保険は「安心の担保」を形にした一つの手段と位置づけておけば、その備えは決して無駄とはならなかったということになります。

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