がん保険選びの大前提と選び方で重要な3つのポイントを徹底解説!

がん保険は生命保険各社の主力商品として、新しい保険商品が続々と登場しています。そのため、加入希望者はがん保険選びになかなか迷われることでしょう。まずは、診断給付金が充実したがん保険を選びましょう。また、一定の年齢になったときにがん保険を見直すことも必要です。

がん保険選びは保障充実度と保険料のトレードオフで考える

悪性新生物(がん)は、心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)とともに、「三大疾病」と呼ばれ、日本人の死因の中で常に上位を占めている病気です。


厚生労働省の報告では、死亡原因による悪性新生物(がん)の割合は、心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)をはじめ全体の死因の中で3割近くと飛びぬけて高い状況です。


日本の死亡原因(2016)

日本の死亡原因()


がん保険とは、その日本人の死因の上位にある厄介な病気:がんに対する保障に特化した保険です。


生命保険各社もがん保険を重要な主力商品と位置づけ、様々ながん保険が登場しています。

なかなか多数の商品があって、ご自分にふさわしい保険選びで迷われているかと思います。


そこで今回の記事は、がんに備えるための「がん保険選びのポイント」を説明します。

がん保険への加入率とがん保険への平均掛け金

がん保険であっても医療保険であっても万能の保険商品は存在しません。

また、加入者希望者の経済的な状況や健康状態等でも、保険料をどのくらい毎月支払うことができて、保障内容をどれほど充実させるのかという希望は、それぞれ異なります。


がん保険の加入率は平成13年度(21.2%)から右肩上がりに上昇し、平成28年度では37.8%となっています。


がん保険加入率推移

がん保険加入率推移

(公益財団法人生命保険文化センター:平成28年度「生活保障に関する調査」参照)


また、生命保険文化センターの発表によると、保険全体の毎月の支払費用は、およそ16,000円前後です。


そのうち、がん保険の掛け金の平均は月々およそ1500円(自社調べ)のようです。

ネット生命保険会社だと1000円を切る商品もありますが、特約などを付加しても5000円程度のようです。

がん保険選びで事前に決めておきたい2つの大前提

【前提①】医療保険とがん保険のどちらを優先するか

医療保険とがん保険、どちらの保険選びが適切なのかを迷われている方がいらっしゃると思います。


医療保険とがん保険の違いは、「何を」「どこまで」保障するかの違いがあります。


【図解】がん保険と医療保険の違い

【図解】がん保険と医療保険の違い

もちろん、特約などにより、スポット的に保障を増やすことが可能なので、同額の保険料とした場合です。

医療保険ではあらゆる病気、特に七大疾病などの生活習慣病を保障します。

一方で、がん保険はがんに特化して、診断時に給付金が出るなどの特色があります。


この場合は、病気の深刻度、経済的負担という観点からすれば、まず「がん保険」に加入することを優先するべきです。

医療保険にはがんによる保障も含まれていますが、そもそもオーソドックスな病気やケガのための保険商品です。

加入を希望する方が健康で重い病気をしたこともなく、親類縁者にがんになった方、がんで亡くなったような方がいなくても、「何となく不安」だという方は医療保険を選んでも構いません。


しかし、経済的リスクから考えるなら、がん保険に加入することをお勧めします。


いざ、がんを発症してしまうと抗がん剤等で多額の費用が家計を圧迫する一方で、病気の長期化により収入の減少もあります。

そのため、がんによる入院・手術の保障のみならず、診断時に必ず給付される一時金や、抗がん剤治療や通院治療に対して、幅広い保障のあるがん保険は頼もしい備えとなります。


また、がん保険は毎月の支払保険料が600円未満という安い商品も登場しています。


特に経済的余裕がない場合は広くて浅い保障の医療保険ではなく、がんという深刻な病気になった場合に、より手厚い保障が受けられるがん保険の方が優先されるべきだと考えます。

がん保険の医療特約や三代疾病特約は不必要

がんが保障されるだけでは少々不安という意見はあるでしょう。

たとえば、がん保険にその他の病気・ケガをカバーする医療特約を付加したり、がんと並び三大疾病と称される心疾患(心筋梗塞)・脳血管疾患(脳梗塞)を保障する特約を付加したりする、このような方法もあります。

確かに特約は安いですし、お手軽感もあります。


しかし、加入目的が異なるうえに、個別の保険よりは特約の保障は充実した内容とは言えません。


それに加え、主契約を見直して他のがん保険に加入する場合には、どんなに特約の保障内容を気に入っても、結局は主契約とともに解約しなければならなくなります。


そのため、余計な特約を付加せず、どうしても医療保険等に加入したければ、別々で両方に加入する方が、より保障の厚い個別の保険へ加入することをお勧めします。

【前提②】終身保険にするか、定期保険(掛け捨て)にするか

がん保険は主に2種類に分けることができます。それが「終身保険」と「定期保険(掛け捨て)」です。


がん終身保険とは、加入者が亡くなるか、解約するまで保障を受けられるがん保険のことです。

がん終身保険は、一度契約をすれば支払う保険料は変わりません。

そのため、支払う保険料が安い若い時に加入しておけば、その後も安い保険料のままで支払いを継続できます。 


ただし、保障内容も固定化されたまま継続するため、新しく登場したがん保険が、より加入者の希望に沿う保障内容の商品であることも考えられます。

がん定期保険(掛け捨て)とは、一定の期間内でがんの保障が可能な保険のことです。


このがん定期保険は、期間がはっきり定められているので、期間満了の度に保険の見直しがしやすいという特徴があります。


期間満了時に継続を断らなければ自動更新となり、決められた保障期間まで保障が開始されます。 

毎月の支払う保険料は割安な場合が多いですが、契約更新時に支払う保険料が値上がりするので、その分の負担は大きく感じてしまいます。 


20代30代なら定期保険、40代からなら終身保険がおすすめ

20代や30代の方なら、若い内に終身保険に加入すればお得であるとは言えますが、終身保険には次のような問題点があります。

それは保障内容も固定化されたまま継続するため、20年、30年先に革新的ながん治療が登場した場合、ずっと若いころから加入していたがん保険では、当該治療の保障が対象外とされてしまうおそれがあるという点です。


がんの治療は特に常に新薬が開発され、手術や治療の簡易化が進んでいるだけに、安易に終身保険に加入するのは危険です。


20代や30代ではがんの発症率も少ないので、がん保険選びとしては、定期保険の加入をお勧めします。


前述したように保障期間は定められていますが、当該保険の中には毎月支払う保険料が500円程度の商品も販売されています。ただし、保障内容は見劣りするものとはいえません。


このような安い保険商品を選び、まずは当面の備えとしておきます。その後、40代以降の保険選びで、保険を見直し、終身保険に加入することも良い方法です。


がんのリスクが高まり始めた頃に、保険料がずっとそのままで、保障もより厚い商品へ移行するのです。

40代から終身保険に加入し直しても、毎月の支払保険料は2,000円後半から4,000円程度と手ごろな保険料で加入ができます。

がん保険選びで重要な3つのポイント

【ポイント①】主契約(メインの保障)のタイプの種類

がん保険の保障内容の種類としては、次の4つがあります。


  • 入院給付金型

がん保険の中でもオーソドックスなタイプです。どんな種類のがんを発病するかわからないのでこのタイプを選び、広範囲ながんのリスクへ備えることを理由とする方も数多くいます。そのため、商品数はかなり多く、特約として様々な保障を選択できるのが特徴です。




  • 実損補填型

とにかく、がんはいくら費用がかかっても良いから最新の治療方法で確実に治したいという方が選び、がんのリスクに備えるタイプの保険です。健康保険の自己負担分の医療費や、ご家族の介添え費用等を補填するがん保険です。全額自己負担となる自由診療を補償する保険も販売されています。




  • 診断給付金型

貯金があまりなく、入院・手術をするためにお金が必要な方は、こちらのタイプを選びがんに備えておくべきでしょう。


入院給付金や手術給付金がついていない場合もありますが、がんと診断されたときに給付金が支払われる保険です。一度にまとまった金額が支払われることが魅力です。



  • 収入保障型

がんで休職してしまい、その後の収入が心配な方が選び、リスクに備えておくのに適した保険です。


毎月、年金という形で保険期間が終わるまで保険金が支払われます。

確実に診断給付金(一時金)タイプにするべき

診断給付金タイプのがん保険のポイントは「必ず*」「診断時に」給付金を貰えるという点です。

(*悪性新生物と上皮がんで受け取りできない、や免責期間ないは受け取りできないなどの免責事項などはあります。後述します。)


「必ず」と「診断時に」というポイントですが、入院保障や通院保障、手術保障に関しては、治療技術の発達と共に必要性が無くなったりしています。


例えば、現在でも、がんの平均入院日数は減っていますし、手術も簡易化してきており、費用は安くなっています。

胃がん、結腸がん、直腸がん、肺がん、乳がんを対象に算出した現在の入院日数は16日程度、入院時治療費の自己負担額分は27万円程度となっています。支払限度額が無制限でもあまり効用は大きくありません。


また、通院保障に関しては、一見重要度が高まっているようで、実は違います。

というのも、通院保障金を受け取るためには、一度入院する必要性があるとか、1年間の通院限定であるとか、がん治療の実態に即していないものが多いためです。


一方で、診断給付金は50万円~数百万円程度が一括で受け取れます。

がんと診断された時点で受け取ることが可能なので、その後の治療で高額な先進医療や自由診療の選択肢が増えたりと、金銭的な面はもちろん、精神的な面でも楽になります。


診断給付金が充実したがん保険を選び、事前の備えとしておくべきでしょう。

診断給付金(一時金)タイプの給付条件と免責事項に注意

何かとお得と言える診断給付金ですが、次の注意点があります。



  • 90日間の免責期間の存在

保険加入後に設定されている免責期間については、この期間内にがんと診断されて入院や治療を受けても一切保障は下りません。免責期間は、診断給付金だけが該当するわけではなく、入院給付金や手術給付金の場合にも当てはまります。


【図解】がん保険の免責期間

【図解】がん保険の免責期間



  • 診断給付金の支払い条件

診断給付金は全てのがんについて共通の額が受け取れるわけではありません。 

支払われる診断給付金は、悪性新生物(深刻化したがん)のみが条件だったり、上皮内新生物(初期のがん)が保障される場合であっても、支払われる金額が異なったりすることがあるからです。

上皮内新生物は、転移のおそれがほぼ無いこと、完治が十分に可能であることから、生命保険各社とも深刻な病気と解釈していない傾向があります。 


そのため、悪性新生物に該当する診断給付金の、1/2、1/10程度に金額が減らされる形で受け取ることになります。

ただし、保険会社によっては上皮内新生物も悪性新生物も、同額保障としている所もありますので、上皮内新生物の保障も厚いがん保険選びをお勧めします。


【ポイント②】各保障の給付額をいくらに設定するか

診断給付金が充実したがん保険選びの必要性については前述しましたが、主契約や特約として付加する給付金の設定はどうするべきでしょうか?

生命保険各社では取り扱う保険商品ごとに、入院給付金(日額)がプランとして例えば「5,000プラン」「10,000円プラン」と分かれています。日額を多く受け取れるプランほど、毎月の支払保険料額は割高となります。


がんの治療に関しては抗がん剤等以外にも、公的保険制度の適用外となる差額ベッド代(1日につき平均6,000円)および、入院時の食事代(1食360円)が、予想外に多額に上る場合があります。


診断給付金等が設けられていない保険商品であるなら、入院給付金(日額)が10,000円以上のものであれば、これらの公的保険制度の適用外となる医療サービス費用を十分に補填できることでしょう。


ただし、診断給付金の保障が手厚い保険商品の場合には、入院給付金(日額)の高いものが一律に必要となるわけではありません。

以下では、その選び方を説明します。


入院給付金・通院給付金は最小限にしておく

診断給付金とともに入院給付金・通院給付金が主契約として設定されている場合は、最も低い日額を選び、毎月支払う保険料を抑える工夫をしましょう。

入院日数は減少傾向にあることは前述していますし、まとまった診断給付金が下りれば通院給付金を無理に受け取る必要もありません。


特約で通院給付金が付加されていても選ぶ必要はさほどありません。ただし、自宅から通院する医療機関の距離や移動手段によっては、通院給付金が必要になる場合があります。

【ポイント③】高額治療のための特約をどうするか

主契約に付加する形になりますが、優れた最新治療や治療薬があることは事実です。

近年では、抗がん剤治療の副作用を抑えるための治療薬が開発されており、安全に使えるということで利用者が増えています。


しかしながら、治療薬は国の認可が降りていないものもあり、保険診療に該当しないかつ、高額なものが多いです。

毎月15万円かかるような高額の治療薬もあるようです。


それでは、具体的に高額治療の特約を見ていきましょう。

がん保険の特約について

先進医療特約:放射線治療特約や抗がん剤治療特約

先進医療のがん治療には主に陽子線治療・重粒子線治療というより精密で効果の高い放射線治療や、抗がん剤治療があります。

ただし、これらは全額自己負担であり、治療が数百万円に上ることもあります。


特に、自由診療に該当するものは要注意です。

通常の診療も保険診療に該当せず、全額自己負担となってしまうのです。

先進医療/自由診療の自己負担額

先進医療/自由診療の自己負担額


先進医療を受けられるケースは限られていますが、毎月100円程度の負担で特約を付加できます。


診断給付金を厚くする、または先進医療特約を付加して、治療費が高額化するリスクを補填しておくことをお勧めします。


女性特有の特約:乳房再建給付金など

乳がんは女性特有の病気で乳房の乳腺にできる腫瘍のことです。腫瘍は乳房のあらゆる部分に発生するおそれがあります。

乳がんのしこりの大きさが4cm以上になると、乳房の温存手術が適応されない場合があります。そうなると、乳房を切除することになります。


乳がんにより乳房を切除した後に、人工乳房による再建手術を行う場合は、健康保険が適用されず当該費用は100万円程度が必要となります。

乳房の再建に関しては治療行為ではなく、乳房の容姿を美しく整えるための手術ですが、女性の心情からみて大切な手術と言えるため、保障の対象としているがん保険があります。


生命保険各社の乳房再建給付金を設けている保険商品では、手術1回につき50万円~100万円程度を一時金として支払う場合が多いです。

こちらの特約も女性の方は検討しておくことをお勧めします。



まとめ

がん保険は生命保険各社が主力商品として、新しい商品をどんどん登場させています。

そのため、がん保険選びになかなか迷われているかと思います。まずは、診断給付金が充実したがん保険を選びましょう。

また、がん保険も年齢やライフステージの変化毎に選び直し、若い世代の頃なら定期型を選び、40代以降では終身保険に選び直すという工夫も有効です。

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