車両保険で全損した車を補償!保険会社が所有権を持っているので引き取り?

交通事故等で車が全損した場合は車両保険で補償すると車の所有権が保険会社に移り、引き取りが行われます。愛着のある車を手放したくないですよね。所有権を自分のものにする方法はないのでしょうか。この記事では全損車を補償すると保険会社に引き取りされる理由等を紹介します。

車両保険で全損した車を補償すると引き取りって本当?

「交通事故で車が全損となってしまった。車両保険から保険金をもらうと、車は保険会社に引き取られてしまうの?」


一般に、交通事故等で車が全損した場合、車両保険で補償すると車の所有権は保険会社に移り、引き取りが行われます。


自分の車が突然事故により引き取られてしまうのは、不本意なことでがっかりした気持ちになるのではないかと思います。特に、思い入れのある愛車ならなおさらです。


そこで今回は「交通事故によって全損した車を補償するとどうなるのか」について

  • 全損とは何か?
  • 交通事故で全損した車を車両保険で補償した場合、車の所有権はどうなるか
  • 車両保険で補償した車を自分のものにする方法はあるのか
  • 全損した車がリースの場合はどうなるのか

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、 交通事故によって全損した車を補償した時の所有権や、補償した車を自分のものにする方法などについて知ることができるはずです。


ぜひ、最後までご覧ください。

補足:そもそも全損とは?経済的全損と物的全損

まず初めに、「全損」とは何かについて解説していきます。


全損には、「経済的全損」と「物的全損」があります。


経済的全損とは、修理費が車両保険の保険価額以上になってしまった場合のことを言います。


通常、車両保険に加入する際には、時価額を基に保険価額(補償の上限金額)を設定するのですが、この保険価額を修理費が超えてしまうと、全損という扱いになります。


一方、物的全損とは、物理的に車の修理が不可能な状態まで損害を受けた状態を言います。

交通事故等で全損した車を補償すると、車は保険会社に引き取り!


事故によって車が全損となり車両保険を利用した場合には、その車の所有権は保険会社に移行します。

保険金を支払うことで、車の所有者から保険会社がその車を買い取った形になる、と考えるとわかりやすいでしょう。

保険会社は引き取った車を修理して業者に買い取ってもらうことで、保険金を支払ったことによって支出した費用の幾分かを回収しています。

その際には車の所有権は保険会社にあることが必要となります。

そのため、全損時に車両保険を利用した場合には、その車の所有権は保険会社に移行することとなるのです。

車両保険では保険金の支払い前に所有権が変更される

全損事故で車両保険を利用する場合には、保険会社は保険金支払いの前に所有権変更の手続きを行います。

引き取った事故車両を処分して得た金額を、保険金を支払った分の回収にあてるためにその車の所有権を取得していることが必要だからです。

特に、車両の盗難によって車両保険を支払う場合には、必ず所有権移転手続きを行った後に保険金の支払いが行われるのが一般的となっています。

車両の盗難による車両保険の支払いは、保険金詐欺の可能性が高いからです。

自分で勝手に手続きを進めてしまうと思わぬトラブルに

事故が起きた際に、車両保険を使用するからといって、勝手に車の処分を行ってしまうと思わぬトラブルになります。

車が全損となり車両保険を利用する場合、その車の所有権は保険会社のものとなります。

簡単にいえば、その車は元々の所有者の手をはなれて、保険会社の持ち物となってしまうのです。

そのため、車両保険を利用するからといって勝手に車の処分をするのは、他人のものを勝手に処分することと同じで、認められません。

車の所有権を移さずに満額の保険金を受け取ることはできない


全損事故が起きた際に車両保険の保険金を受け取るためには、車の所有権を保険会社に移行させなければなりません。

保険会社に対して所有権を移行させずに保険金を支払うことによって、保険契約者が不正な利益を取得する可能性があるからです。

ここではその理由について詳しく解説します。

所有権に関する利益の不正取得の防止が目的

全損事故によって保険会社が保険金支払いを行う前に、所有権を移行させる理由は、利益の不正取得を防止することが目的です。

たとえば、保険会社から全損時の車両保険を受け取っておきながら、他方で事故車両を売却するという行為です。

この行為は、車両保険の保険金と事故車両の売却益の両方を二重取りすることであり、不正な利益の取得となります。

所有権を有する者は、その物の処分について排他的な権利を持ちます。

車の所有権は、その車を売却することで売却先に移行し、以後、元の所有者はその車を処分して利益を得ることはできません。

その結果、車を処分する権限は保険会社だけがもつこととなり、元の所有者はその車に対するすべての権利を失います。

元の所有者が車両保険の保険金と事故車両の売却益の両方を得ることは、この原則に違反するので不正利得となり認められません。

保険会社が全損時の車両保険の保険金支払いの前に所有権移行の手続きを行うのはこの理由によるのです。

厳正な対応をするのが一般的な保険会社の姿勢

平成30年度の警察白書によると自動車保険を利用した保険金詐欺事件は160件、被害金額は3憶1千424万円にものぼります。

これだけの金額が、保険契約者が負担する保険料から不正に支払われているのです。

保険金詐欺事件の根絶が求められる所以ですが、保険会社も保険金支払いに関して厳正な対応をすることが一般的となっています。

一般社団法人日本損害保険協会は保険金支払いに関するガイドラインで、保険金の支払いについて適切な管理と運営がなされる必要性を指摘しています。

全損時事故における車の所有権移行には、このような背景があるのです。

補償した車を自分のものにする方法はある?


この記事を読んでいる方のなかには、車に愛着があって、たとえ事故によって車が全損となってもその車に乗り続けたいという方がいるかもしれません。

しかし、車両保険を利用すれば車の所有権は保険会社に移行してしまい、車は手元に残らないのです。

それでは、全損事故であっても保険会社に所有権を移行させずに、車に乗り続けるための何かいい方法はあるのでしょうか。

結論からいえば、方法はあります。ここでは、その方法について解説します。

原則的に所有権を手放さないと保険金は受け取れない

事故によって車が全損となり、車両保険を利用するのであれば、所有権を保険会社に移行させなければ保険金は支払われません。

保険のもつ社会的機能を公平、適切に運営していくために、この原則を曲げることはできないからです。

しかし、車両保険には修理をしたうえでその車に乗り続けることができる特約が設けられています。

それが車両保険超過修理特約と呼ばれる特約です。

車両保険超過修理特約を利用する

車両保険超過修理特約は全損事故であっても、その車を修理して乗り続けることを可能にするものです。

車両保険でいう全損には2種類あります。車が完全に壊れてしまい修理が不可能なものと、修理はできるが修理費用が車両保険の保険金額以上になるものです。

前者については廃車となるので、所有権を移行して車両保険の保険金を受け取る以外に方法はありません。

しかし、後者については車両保険の保険金額を超過する分を自己負担すれば、その車に乗り続けることが可能となります

当然、所有権を保険会社に移行させる必要もありません。この時の自己負担分を保険で支払うというのが、車両保険超過修理特約です。

車両保険超過修理特約を利用すれば、所有権を保険会社に移すことなく、車に乗り続けることができます。

なお、車両保険超過修理特約の保険金は、直接修理工場に支払われます。また、車両保険超過修理特約を付けることができるのは保険の始期日が初度登録年度から25カ月以上経っている車です。

さらに、支払われる保険金額には限度額があり、またその金額は保険会社によって異なるので、加入を検討する場合には保険会社に確認することが必要です。

全損のときでもリース車両の場合は少し異なる


全損事故でもリース車両の場合には、通常の車両保険契約とは異なった取り扱いがなされます。

リース車両は、車の使用者がリース契約に基づいてリース会社に代価を支払い、一定期間車を借りるものです。

車の所有権はリース会社にあるため、全損事故が起きた場合でも、所有権の移行といった問題は生じません。

しかし、リース車両の場合には事故の処理はリース契約に基づいて行われるため、保険金を支払って終了ということにはなりません。

事故車については、保険金支払いとは別にリース契約に規定された処理を行う必要があるのです。

リース会社には残価清算が行われる

リース会社は、新車の価格と一定期間経った後の下取り価格との差額をあらかじめ算出し、利用者にその差額に基づいたローンを組んでもらいます。

この時の下取り価格を残価と呼び、リース会社が様々な資料に基づいて設定するものです。

そのため、確定した下取り価格ではありません。リース会社はリース契約が終了した時点であらためて正確な残価を算出して不足分や余剰分を清算します。

これが残価清算と呼ばれるもので、リース契約の車に特有の仕組みです。全損事故が起きた時には、その時点でリース契約が終了することになっています。

リース期間中途で残価清算が行われるため、利用者は通常のリース契約よりも多くの清算金を支払う可能性がでてくるのです。

そのため、リース車両を利用する場合には車両保険への加入は必須ですが、問題点があります。

全損事故の場合、車の残価清算とは別にリース契約の解約費用を請求されることとなります。通常の車両保険の場合、その費用をカバーすることができず、その分を利用者が自己負担することとなるからです。

車の所有者にリース契約が残ることはない

残価清算と解約に伴う費用を支払うことで、リース契約は終了するため、リース期間に利用している車で全損事故を起こした場合には、リース契約は残りません。

ただし、全損時には車の損害は車両保険によって補てんされますが、先述したような問題があります。

そこで、リース専用の車両保険に加入することをおすすめします。

リース専用の車両保険であれば、車の実損害のほかにリース契約の中途解約に伴う違約金も担保されます。

利用者は自己負担なく、リース契約を終了させることができるのです。

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もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。


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まとめ:車両保険で全損車を補償!保険会社が車を引き取り?

全損した車を車両保険で補償した場合の所有権や、車を自分のものにする方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? 


今回の記事のポイントは

  • 全損には、修理費が保険価額を超えてしまう「経済的全損」と、車の修理が不可能な状態となった「物的全損」がある
  • 交通事故等で全損した車を補償すると、車の所有権は保険会社に移り引き取られる
  • 利益の不正取得防止のため、車の所有権を移さずに満額の保険金を受け取ることはできない
  • 車両保険に車両保険超過修理特約をつけておくことで、全損事故であっても、その車を修理して乗り続けることができる
  • リース車両で全損となった場合、利用者は通常のリース契約よりも多くの清算金を支払わなくてはならない可能性があるので、リース専用の車両保険に入っておいた方が良い

でした。


特に、全損となったとしても、思い入れのある愛車であれば修理して乗り続けたいという人はいらっしゃることでしょう。車両保険には、その備えとしての特約が用意されていますので、加入する際は検討してみることをおすすめします。


ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険の記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者
森下 浩志
2018年に早稲田大学基幹理工学部に入学。保険×テックの領域で保険業界をイノベーションをしていく姿勢に共感し、「ほけんROOM」の運営に参画。2019年にファイナンシャルプランナー、損害保険募集人資格を取得。

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