更新日:2020/05/03
車両保険に新車特約(車両新価特約)はつけるべき?メリット・デメリットは?
新車特約(車両新価特約)とは、車両保険に付帯できる特約です。車が全損もしくは新車費用50%以上の損害を受けた際に新車価格相当額を補償してくれます。ただし、使用できる条件が限られていて使うケースは非常に稀です。新車特約は本当に必要なのでしょうか?デメリットなども合わせて紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
車両保険の新車特約(車両新価特約)の意味と補償内容とは?
何年も車に乗っていると、当然車の価値は下がりますよね。そのため、事故で車が壊れてしまった時、車両保険はその車の時価の分しか補償してくれません。
ただ、できればまた新しい車に乗りたい人も多いですよね。
そんな時に役に立つのが「新車特約」(車両新価特約)になります。
新車特約とは、新車で事故を起こしてしまった時に、再購入するための費用を補償してくれる車両保険の特約と言う意味です。
※会社によっては車両新価特約、新車買い替え特約などとも言います。
この記事ではそんな新車特約について
- 新車特約とは何か
- 新車特約は必要なのか
- 新車特約と事例
そもそも車両保険の新車特約とは?
新車特約は保険会社によっては車両新価特約や新車買い替え特約ともいわれます。
新車特約をつけていると、
- 事故によって車が全損になった場合
- 修理費用が契約時に設定する新車価格相当額の50%以上になった場合
- 修理費が車両保険の保険金の上限金額を上回った場合
に新しい車の購入費用を負担してくれます。
補償内容の上限は、加入時に設定する「新車価格相当額」です。いつ事故を起こしても保険の期限内であれば上限金額は変わらないというのがメリットです。
「新車価格相当額」というのは、保険開始日時点で契約車と同一の新車を購入した時に必要な「車両新車保険価額」を元に決定します。
300万円の車を購入してすぐに保険に加入すれば、300万円に近い金額が補償されます。事故が大きく、車が大破してしまった場合は車の査定額もかなり下がってしまいます。
一方車両保険では時価額で保険金がだされるため、以下の図中のオレンジの部分のみ保証される仕組みとなっています。
また、新しい車を購入するときの諸費用(車両本体価格・消費税・付属品など)が補償されるかどうかは保険会社によって異なります。新車を購入する際の諸費用も安価ではありませんので、諸費用が補償対象なのかもしっかりチェックしておきましょう。
また、新車特約は車両保険に付帯する特約であり、車両保険の加入なしでははいれません。
全損の場合や50%以上損害で修理不可能な場合の補償金額が異なる
新車特約が使えるのは車の主要部分に損害が起こった場合のみです。
ボディーや内装大きく損害を受け、損害額が新車購入相当額の50%以上になってもフレームに問題がなければ走行可能なので全損扱いにはなりません。
また、あくまでも新しい車を購入するための補償なので、新しい車を購入しないと新車相当額は保証されません。修理して乗り続ける場合は修理代の補償しかされないのでご注意ください。
車の買い替えにも期限があり、一定期間内に買い替えないと無効になってしまいます。
新車特約(車両新価特約)はどんな人に必要か?保険料はいくら?
新車特約を付ける人は少なく、車両保険に入っている人の加入率は約10%程度となっています。
出典:おとなの自動車保険
新車特約を付けていても、事故に遭った際適用すると等級が3等級下がることや、使う可能性があまりないことから、加入率がとても低いです。
では、どのような人が新車特約(車両新価特約)を付けたほうが良いのでしょうか?
きになる保険料も合わせて見てみましょう。
新車特約(車両新価特約)はどんな人に必要なのか?
加入率が低い特約であると新車特約(車両新価特約)を紹介してきましたが、そのような特約が提供されている以上、必要な人が一定数いると言えます。
では、どんな人が新車特約を付けるのでしょうか?
以下のような人が新車特約をつけるのにおすすめです。
1.運転に自信がない方・高齢者の方
2.事故に遭った際、再び同じクラスの車両を購入したいとお考えの方
新車特約を使う可能性は低い
- 修理不可能(全損)
- 新車費用の50%を超える損害で、車の主要部分に損害あり
- 修理費が車両保険の保険金の上限金額を上回った場合
という事故で、なおかつ新しい車を購入する場合のみです。
車の主要部分に損害が出たり、修理が不可能になるという大事故は非常にまれなケースです。ですから、加入していても利用しないで終わる人が多いのです。
カーナビが壊れたくらいの事故や、少しぶつかってドアが壊れたくらいの事故ではなかなか半損まで行きません。車が水没してエンジンが動かなくなるような状態になってしまったくらいの状態になれば新車特約を使うことができます。
多くの損害は車両保険でカバーできますので、新車特約を付ける人は少ないというのが現状の様です。
新車特約の保険料はどのくらい?
車の時価は年々下がっていきます。時価の下がった車を補償をしなくてはいけないので、保険料は年々上がっていってしまうのです。ただ、ローンなどが残っている人は、それでも加入した方がいいこともあります。
これらのことも念頭に入れて加入するか決めたほうがいいでしょう。
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新車特約をつけるために必要な条件や注意点とデメリットは?
ここからは、車両保険に新車特約をつける際の条件や注意点を解説します。
保険会社によって加入する際の条件が細かく決まっていたり、使用した際に等級のダウンが避けられなかったりしするのです。
新車特約をつける条件:加入対象の車とその期間
まず車は初年度登録から一定の期間までです。期間は会社によって異なります。
「新車特約(車両新価特約)」という名前ですが、期間内であれば中古車でも加入することができるのです。
ただし、補償金額の上限である新車購入相当額は、加入時に契約車と同一の車を新車で購入した場合の金額になります。
年数がたってから加入すると実際にかかった金額と違いが出る場合もあります。
以下に各保険会社の新車特約を付帯できる期間をまとめておきます。いつまで加入できるのか気になる人はぜひご覧ください。
保険会社 | 加入期間の条件 |
---|---|
ソニー損保 | 保険始期日時点で初度登録から25ヵ月以内 |
セゾン自動車火災(おとなの自動車保険) | 保険始期の属する月が初度登録から25ヶ月以内 |
あいおいニッセイ同和損保 | 満期日の属する月が初度登録の翌月から61か月以内 |
損保ジャパン日本講和 | 満期日の属する月が初度登録の翌月から73か月以内 |
イーデザイン損保 | 保険開始日の属する月が初度登録の翌月から11ヶ月以内 |
三井住友海上 | 初度登録年月が満期日より遡って61か月以内 |
全労済 | 初回車検の満了日の月末までに契約期間の満了日がある場合 |
東京海上日動 | 満期日が初度登録から61か月以内 |
新車特約をつけた際のデメリットは?等級が3等級も下がる?
- 車両保険と同じように、利用すると等級が下がってしまう
- 使う確率が低い
- 保険料が比較的高い
1.車両保険と同じように、利用すると等級が下がってしまう
「新車特約を使う=車が全損or新車費用50%を超える損害」であるため、等級が3等級下がり、事故あり価格になってしまうのでかなり保険料が上がってしまいます。新車特約を付けている時点で保険料は高いですが、使用した後も自動車保険の金額に影響してしまうんですね。
2.使う確率が低い
これは純粋に事故に遭う確率の話であり、車で事故に遭うあるいは事故をひこ起こしてしまう確率は約1%といわれています。100回乗って1回程度、さらに全損する事故が起きる確率はもっと低いともいえます。
実際使わずに終わる保険ともいわれています。
個人の運転技術や車を運転する頻度なども考慮したうえで新車特約を検討しましょう。
3.保険料が比較的高い
新車特約の保険料は例えば300万円の車両ですと1年目で3000円~4000円になります。以後2、3年目はさらに1000円ずつ程値上がりします。もしも新車特約を利用することになったらこの保険料は高くないとも考えることもできるかもしれませんが、使う可能性も考慮したら無駄になる確率も高いのではないでしょうか。
4.補償範囲が狭い
「盗難」が新車特約では対象外になっています。
車両保険は盗難された場合も補償対象になりますが、新車特約の場合は対象外なので気を付けなくてはいけません。
盗難でも補償されてしまうと悪用される可能性があるため、対象外になっているようです。
盗難に遭った場合は車両保険が適用されるため、新車特約(車両新価特約)に入っていたとしても新車価格ではなく時価額が適用されるということですね。
また、新価特約(車両新価特約)の適用は契約車の所有者に限られているため、所有者以外の方が乗って全損してしまった場合など適用されない点に注意しましょう。
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まとめ
- 新車特約(車両新価特約)とは、車両保険にセットで付帯できる車両の新価が保証される特約
- 新価特約は加入率が低いが適用されるとお得かつ入っておくと安心
- 新価特約は使う機会の少なさや等級の下落などデメリットも多い