更新日:2020/06/11
全損は車両保険で補償される?受け取れる保険金額や振込時期を解説!
全損が車両保険で補償されるのか気になりますよね。また受け取れる保険金額はいくらなのでしょうか。振込がいつなのかも気になることでしょう。この記事では、全損とは何かや全損時におりる保険金額について、車両保険の保険金の振込時期と全損時の対応について紹介します。
目次を使って気になるところから読みましょう!
- 全損は任意保険で補償される?全損時の対応についても紹介!
- そもそも全損とは?全損の定義について紹介!
- 物理的全損と経済的全損がある!
- 車両保険で全損扱いにならない場合がある!
- 全損の際に支払われる車両保険の保険金はいくらくらい?
- 車両保険の保険金は満額で受け取れる?
- 廃車の場合でも保険金の受け取りはできる?
- 全損事故の場合、保険会社の保険金振込時期はいつ?
- 保険金を受け取った場合、確定申告は必要?
- 愛車が全損になってしまった時の対応を解説!
- 修理して乗り続ける場合(全損よりは分損の場合)
- 廃車にして買い替える場合
- 補足:全損時に車両保険を利用する際の注意事項
- 車の所有権が保険会社に移る引き上げと免責金額について
- まとめ:全損は車両保険で補償される?
目次
全損は任意保険で補償される?全損時の対応についても紹介!
車が故障してしまったときなどに、修理費を補償してもらえる車両保険。
もし修理不可能なほどの損害があったとき、保険金がもらえるのか気になりますよね。
実は車を修理しなくても車両保険で補償されますが、保険金が支払われないケースや注意しなければならないことがあります。
そこで今回は「全損は車両保険で補償されるか」について
- 全損とはどのような状態か
- 全損になったらいくら補償されるか
- 保険会社から保険金はいつ振り込まれるか
- 全損になったらどう対応するか
- 車両保険を利用するときに気をつけること
を解説していきます。
特に車に愛着のある方は、全損になったときの保険金額や特約などについて知っておくことをおすすめします。
ぜひ、最後までご覧ください。
そもそも全損とは?全損の定義について紹介!
「事故にあって車が全損と判定されてしまった」と聞くと、車が大破している様子をイメージする人もいると思います。
イメージのとおり、全損とは車が修理できないほど大破してしまっていることをいいますが、実はそれ以外にも全損とされるときがあります。
損害保険では保険の対象物がなくなってしまったことや、修理費などが保険価額を超えているようなことを全損としています。
それでは車両保険で補償される全損とは、具体的にどのような状態のことをいうのでしょうか。
車両保険では全損は、
- 物理的全損
- 経済的全損
- 盗難にあった場合
物理的全損と経済的全損がある!
ここではどのようなときに全損として扱われるのかを説明していきます。
物理的全損
車の修理が無理なほど損壊していることを物理的全損といいます。
修理できないということは、どれくらい修理費がかかるか計算することができません。
そのため交通事故などで物理的全損になった場合、受け取れる保険金額の基準となるのは事故にあう前の車両の時価額です。
経済的全損
車両保険で全損扱いにならない場合がある!
次に全損扱いにされないケースについて確認しておきましょう。
以下のケースに当てはまる場合、車両保険では全損扱いとはならず、残念ながら保険金は支払われませんので、注意してください。
- 運転者の重大な過失(飲酒運転、麻薬服用など)による事故の場合
- 故意の事故による場合
- 自然災害(地震、噴火、津波)による場合
これらはすべて、車両保険そのものが補償範囲外としているケースです。
したがって上記のケースに当てはまる場合には基本的に保険金は支払われません。
ただし、保険会社や契約内容(付帯している特約など)によっては、上記のケースでも保険金が支払われる場合があります。
「全損」の定義も各保険会社で共通しているとは限りませんので、必ず約款の内容を確認するようにしてください。
全損の際に支払われる車両保険の保険金はいくらくらい?
大事な車が全損になってしまった場合に支払われる保険金は、事故発生時点での契約車両の時価額が上限となります。
この時価額は、契約車両の車種や状態などから、同条件の車両を中古車市場で購入する場合のおおよその金額をベースとして決められます。
したがって、買ったばかりの新しい車であれば時価額も高めになりますし、逆に古ければ古いほど低くなってしまいます。
このとき注意すべきことは、契約している車両保険が一般型かエコノミー型か、という点です。
一般型に比べてエコノミー型は補償範囲が狭く、たとえ全損事故であっても原因によって支払われない可能性があるためです。
以下のケースはエコノミー型では補償対象外となっているため、保険金は支払われません。
- 自損事故
- 転覆・転落
- 当て逃げ
- 自転車との衝突
- 地震・噴火・津波
車両保険の保険金は満額で受け取れる?
全損事故が発生した際、常に保険金を満額受け取ることができれば良いのですが、実際はそうとは限りません。
支払われる保険金は、契約車両の時価額が上限となります。
そのため時価額が車両保険金額を下回ってしまうと、満額を受け取れなくなってしまいます。
このようなことが起こってしまうのは、設定可能な車両保険金額を決める基準と、時価額を決める基準が異なっているのが理由です。
それぞれの基準を確認してみましょう。
車両保険金額の設定範囲を決める際には、各保険会社が独自に作成している自動車保険車両標準価格表(単価表)の価格がベースとなります。
一方で事故発生時に決められる時価額は、車種やグレード、型式、年式、事故発生時点での車両状態や走行距離などを見て、同条件の車を中古車市場で購入する際にかかるおおよその金額から定められます。
このような基準の違いによって、車両保険金額と時価額に食い違いが生じ、結果として満額を受け取れなくなってしまうことが起こり得るのです。
ただしこのような場合でも、相手が対物超過修理費用補償特約を付帯していれば、時価額に加えて別途修理費が支払われることがあります。
仮に自分が加害者となってしまった場合、支払金額が少ないと相手が示談に応じる可能性も低くなるので、心配な方は上記特約の付帯を検討してみてください。
廃車の場合でも保険金の受け取りはできる?
事故によって修復できない損害を被ってしまった場合、修理は諦めて新しく買い替えたいと考える方も多いかと思います。
そんな場合でも、保険金は支払われるのでしょうか?
結論として、車両保険については問題なく支払われます。
ただし修理が条件とされている特約については支払われません(車両全損修理時特約など)。
そもそも物理的全損の場合、定義として修理そのものが不可能な状態です。
そのため修理するかしないかは、支払い条件に含まれないのです。
ただし修理と買い替えでは、支払われる金額に違いが出る可能性がある点に注意してください。
修理して乗り続ける場合には、時価額が上限とされているものの、基本的には修理費用が補償されます。
しかし買い替えの場合は、保険会社の調査員が事故車両の外観から概算を見積もって金額を決めるため、修理よりも支払金額が少なくなる恐れがあります。
全損事故の場合、保険会社の保険金振込時期はいつ?
全損事故が発生した場合、車両保険からの振り込みだけでなく、場合によっては相手の保険からの支払いも発生します。
実際にそれら保険金が振り込まれるまでにかかる期間は、1ヶ月程度がほとんどです。
ただし車両保険については、示談交渉の成立によって示談金額が確定してからの支払いとなるため、その分振り込まれるまでに時間がかかる点に注意してください。
示談交渉が長引けば、その分支払いも先になります。
以下は、それぞれの保険金が振り込まれるまでのおおよその期間です。
- 加害者の自賠責保険からの慰謝料:請求から1ヶ月程度
- 加害者の任意保険からの交通事故保険金:示談合意から1、2週間程度
- 被害者の任意保険からの交通事故保険金:請求から1ヶ月程度
上記の期間は、特に問題がなかった場合のものです。
提出書類に不備があった場合や、調査・確認に時間がかかる場合については、上記の期間よりも遅れることがありますので、注意してください。
保険金を受け取った場合、確定申告は必要?
大きな金額の保険金を受け取った場合、保険金に対しても税金がかかるのか、心配になってしまう方も多いのではないでしょうか。
しかし安心してください。自動車事故で支払われた保険金は非課税となります。
したがって確定申告は必要ありません。
これは保険金が事故による損害に対する補償として支払われる性格の金銭で、マイナスを埋め合わせる意味のものであり、収入ではない(利益がない)と考えられるためです。
ただし傷害保険などで支払われた死亡保険金については課税対象となります。
具体的には死亡保険金の受取人の立場によって、所得税、相続税、贈与税のいずれかが課せられますので、この場合は確定申告が必要となります。
愛車が全損になってしまった時の対応を解説!
乗っている車への思い入れが強い人は、全損になっても直して乗りたいと思うでしょう。
それでも修理できない状態になってしまったときは、廃車にして新しく車を買わなければなりません。
ここでは愛車が全損になってしまったときのそれぞれの対応について紹介します。
ちなみにローンが残っている場合でも車を買い替えることができます。
そのため保険金を使ってローンの返済を行うことも検討する必要があります。
修理して乗り続ける場合(全損よりは分損の場合)
車が修理できる状態であり、さらに修理費が保険金額よりも低いことを分損といいます。
分損では必要な費用が補償されるため、修理費を保険金でまかなうことができます。
しかしすでに説明しているように、全損は修理費の方が受け取る保険金よりも高いです。
そのため、愛着があるからどうしても乗り続けたいという場合には、赤字になることを覚悟しなければなりません。
できるだけ愛車に乗り続けたいという方には、車両全損修理時特約がおすすめです。
全損と判定され、なおかつ修理したときに、この特約で保険金額では足りない部分を補償することができます。
また全損になり保険金を全額受け取ると、保険会社に車の所有権が渡るため、もしその車に乗り続けたいときは、保険会社に相談する必要があります。
廃車にして買い替える場合
車が全損した場合、廃車にして買い替えるのが一般的です。
車両保険の補償だけでは不十分と考える方もいるかもしれませんが、保険金額を高くすることができる特約が2つあります。
- 車両全損時諸費用特約
- 新車特約
車両全損時諸費用特約は、廃車や買い替えの手続きに必要な費用が補償されます。
基本的に支払われる上限額は「車両保険の10%」と決められており、多くの保険会社では自動的に特約として付いています。
新車特約は、全損時に新車を購入するのに必要な費用が補償されます。
車両保険では時価額が上限ですが、新車特約とつけておくと、新車を購入したときに足りない分が追加で補償されます。
全損になった場合は、修理して乗り続けるのは金銭的な負担が大きくなってしまうため、支払われる保険金も利用して買い替えるのが無難といえます。
補足:全損時に車両保険を利用する際の注意事項
全損になってしまったときは、車を買い替えたり修理するために保険金を使います。
しかし全損で車両保険を利用する際に、注意しておかなければならないことがあります。
注意事項は約款に記されていますが、見落としている方もいるかもしれません。
注意すべき点を理解しておくことで、車が全損したときだけでなく、保険の契約をする時にも役に立つことがあります。
車の所有権が保険会社に移る引き上げと免責金額について
- 車の所有権が保険会社に移る
- 免責金額を支払わなくていい
1万円以上保険料を節約する方法をご存知ですか?
皆さんは自動車保険をどの頻度で見直していますか?
もしかしたら、加入してから一度も見直していない人も多いのではないでしょうか。
- 加入してから一度も自動車保険を見直していない
- 車を購入する代理店で加入した
- 会社の団体割引で自動車保険に加入している
が1つでも当てはまる方は要注意!
高すぎる保険料を払っている可能性が高いです。
心当たりのある方は、一度保険料をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。
以下のボタンから簡単にシミュレーションできるので、ぜひどうぞ!
まとめ:全損は車両保険で補償される?
全損は車両保険で補償されるということについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事のポイントは、
- 物理的全損と経済的全損があり、どちらも車両保険で補償される
- 全損時に受け取れる保険金の上限は、車両の時価額である
- 自動車事故で受け取った保険金は確定申告の必要がない
- 特約を付帯しておくと、支払われる保険額を高くすることができる
- 全損で保険金が満額支払われると、車両の所有権は保険会社に移る
でした。
車両が全損になるほどの事故にあうと、保険会社と何度も連絡を取り、病院に何度も治療に行くなんてことになるかもしれません。
忙しいと車両保険について落ち着いて考えることもできなくなってしまい、良い判断ができなくなる恐れもあります。
あらかじめ全損になったときのことを想定しておくと、いざというときの判断もスムーズにいくのではないでしょうか。
ほけんROOMでは他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。