渡航先で噴火がおきた時、海外旅行保険でどこまで補償されるか解説!

海外旅行保険では、火山噴火、地震等の自然災害により、契約者が死亡した場合は死亡保険金が、ケガや後遺障害を負った場合は治療費等が補償されることになります。ただし、火山噴火等の自然災害が起きた場合、海外旅行保険だけでは補償されないものもあります。

海外旅行で噴火などの自然災害にあったとき海外旅行保険ではどういう補償が適用になるの?

世界有数の景勝地を巡る楽しいはずの海外旅行、しかし、火山噴火・地震・津波・台風等の自然災害が旅行中にいつ襲いかかるかわかりません。

未曾有の自然災害は東日本大震災に限らず、世界各地で起こっています。渡航先で火山噴火による大混乱に巻き込まれた場合、海外旅行保険は果たして役に立つのでしょうか?


そこで今回は、火山の噴火や地震等の自然災害に遭遇した場合、海外旅行保険でどこまで補償されるのかを説明します。


この記事を読めば、海外旅行保険の範囲や限界の基本的な知識を得ることができると共に、海外旅行先の自然災害のリスクへ事前に備えることの大切さがおわかりになるはずです。



海外旅行保険では、地震、噴火、またこれに起因する津波による怪我は補償が適用される

海外旅行保険では、火山噴火、地震、津波等の自然災害により、契約者が死亡した場合は死亡保険金が、ケガや後遺障害を負った場合は治療費・後遺障害保険金が、契約した保険金額に応じて補償されることになります。


しかし、自然災害に遭遇したからといって、どのようなケースでも海外旅行保険で補償されるわけではありません。

空港が閉鎖された場合など3日間(72時間)は自動的に保険期間を延長する措置がとれることも

海外旅行保険では通常の場合、空港が閉鎖された状況であるなら、自動延長を72時間(3日間)としている保険会社が多いようです。


しかし、火山噴火、地震、津波等により空港が閉鎖された場合、大手海外旅行保険会社の対応は異なっています。


自然災害が収まり空港の閉鎖解除後、手配できる最短の飛行機で直接帰ってくることを条件に72時間に関わらず帰国できるまで保険期間を自動で延長するという措置をとっています。


自然災害に遭遇しても焦る必要は無く、ご自分と同行者の身の安全を確保しつつ、冷静な対応をすることが望まれます。

「航空機遅延費用等補償特約」と「航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約」は対象外になる

飛行機が遅延・欠航し、予定の航空機が搭乗不能になったことで負担したホテル代や食事代、生活必需品等の費用が補償される特約に、「航空機遅延費用等補償特約」や「航空機寄託手荷物遅延等費用補償特約」があります。


しかし、これらは火山噴火、地震、津波等の自然災害が原因で、飛行機が遅延・欠航した時は対象外となります。

海外旅行保険の旅行変更費用担保特約によって、噴火などによる変更費用は保障される

海外旅行の計画を立てたけれども、旅行先の国や地域で火山噴火や地震が起きたという場合、出国を中止した際の費用はどうなってしまうのでしょうか?


残念ながら、旅行の取消料、違約料が発生し、旅行業務取扱料、その他に旅行会社等に既に支払った費用や、査証料・予防接種料等の渡航手続費として支払った費用は、戻ってこない場合があります。


この不運な事態になることを考慮し、損害をできるだけ軽減するために海外旅行保険へ「旅行変更費用担保特約」を付加しておきましょう。


以下ではこの特約について説明します。

海外旅行保険では、帰国日の変更や延泊になった際にかかった費用等は補償はされない

自然災害により足止めを受けた場合、安全な地域に移動するために利用した車両等の交通費、延泊の費用、食事代、安否を伝える国際電話料等の通信費、渡航手続費等を負担しても、海外旅行保険だけでは補償されないケースが多いです。


ただし、この特約を主契約に付けておけば、出国を中止した場合はもとより、海外旅行を途中でとりやめて帰国した場合に、旅行変更費用保険金額を限度として、その費用を負担した保険対象者・法定相続人へお金が戻ってきます。

地震や噴火、津波などの天災を理由に、行かなかったり帰国したりした場合に、かかった費用を補償する特約である

2010年のアイスランドで発生した、エイヤフィヤトラヨークトルの噴火による交通麻痺では、各保険会社が、旅行変更費用担保特約の補償対象として契約者に保険金が下りています。


類似の自然災害によって渡航中止や、途中で現地の旅行をとりやめて帰国便を変更した場合、各保険会社ではこの特約があることを条件に保険金の支給が約束されています。主契約にこの特約を付加しておくことをおすすめします。

クレジットカードの付帯海外旅行保険は、地震や火山の噴火などの際も、海外旅行保険と同じように適用される

「クレジットカード付帯の海外旅行保険」は、告知義務なしで加入でき、傷害死亡・後遺障害、傷害・疾病利用費、救援費用、損害賠償責任、携行品の損害等のオーソドックスなケースが補償対象になります。地震や火山噴火等の際の補償範囲も販売型の海外旅行保険と同様です。


年会費無料で海外旅行保険が付帯しているカードもありますので、ご自分のカードに海外旅行保険が付帯されていないかまず確認してみましょう。


クレジットカード付帯の海外旅行保険には主に2つの種類があります。


○自動付帯


自動付帯とは、クレジットカードを作る際に無条件で付帯される保険のことです。そのため、加入に特別な続きが要求されているというわけではありません。


渡航先で万が一の事態になった時に、クレジットカードを所持していて、かつ、保険会社所定の条件に当てはまれば補償が約束されます。


○利用付帯


利用付帯とは、クレジットカードによる宿泊費用、飛行機代のような旅行代金や、渡航先で公共交通料金の支払が行われたことを条件に、補償が認められる付帯サービスです。


つまり利用付帯の場合、クレジットカードを持っているだけでは保険が利用できないということになります。

補償額が一般の海外旅行保険と比較して少ない

販売型の海外旅行保険で人気があるのは各保険会社の最安プランと言われています。その最安プランで補償される額は治療費の場合は、概ね300~400万円前後となっています。

一方、カード1枚分のクレジットカード付帯の海外旅行保険で受けられる補償は、治療費で200万円前後となっています。


比較的補償額は低いですが、海外旅行保険が付帯されたクレジットカードを複数枚持っていると、治療のための補償上限額を合算し上乗せすることができます。

クレジットカードの付帯海外旅行保険には旅行変更費用補償特約がない

前述したようにクレジットカード付帯の海外旅行保険が複数枚あれば、渡航先では病気やケガの治療費を十分にカバーできます。

しかし、クレジットカード付帯の海外旅行保険には、旅行変更費用担保特約のないものが多く、火山噴火等の自然災害による渡航中止や、途中で帰国便を変更した際、補償を受けることは難しくなります。


そのため、主契約にこの特約を付けたい場合には、販売型の旅行保険へ加入することをおすすめします。

まとめ:渡航先の噴火などの自然災害が心配な場合は特約を海外旅行保険に付帯させよう

日本人に人気のハワイに代表されるように風光明媚な場所には火山はつきものです。日本の富士山も活火山であり噴火が懸念されています。


自然災害はいつ起こるか極めて予想が困難で、いざその災害が起これば現地に甚大な被害を及ぼすことが想定されます。


ご自分や同行予定者が海外旅行の計画を立てる場合、魅力的な観光スポットを探すことは楽しみの一つと言えますが、渡航を予定する国・地域にどんな自然災害のリスクがあるのかも確かめた上で、海外旅行保険及び旅行変更費用担保特約に加入しておくことをおすすめします。

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