検討している学資保険は大丈夫!?元本割れを起こさない為の秘策

貯蓄の為に加入する学資保険には、元本割れする学資保険が続出しています。支払った保険料より受け取る金額の方が少なければ、何の為の貯蓄かわからなくなってしまいます。一体どのように検討すれば良いのか、知っておきたい元本割れのリスクを見抜く秘策を紹介したいと思います。

元本割れする学資保険に加入しない為のすすめ

毎月、子どもの教育資金を貯蓄することができれば良いのですが、なかなか自分で予定通りには貯蓄できないものです。

そのような場合、学資保険に加入することで、保険料として毎月一定の金額が積み立てられていき、子どもの教育資金の準備をすることが可能です。


また、学資保険には『保険料払込免除特約』が付加されていることが多く、契約者に万が一のことがあった場合には、以後の保険料の支払いは免除となり、満期金などの教育資金は支払われるとぃうメリットがあります。


しかし、好景気であったころには、予定利率も高かった為、保険料の割引率が高かったのですが、近年の経済状況から予定利率が下がり、学資保険を含む貯蓄性の保険が、元本割れを起こすようになってきました。

そもそも元本割れとは

簡単に言えば、『受け取る金額より、支払う保険料の総額が多い』という状態になったことを元本割れと言います。

元本割れを起こすには、2つの理由があります。

  • バブル崩壊時からの長引く低金利の影響
  • 加入する学資保険に、保障が付加されている

【低金利の影響】

「バブルの時の金利は良かった」と、一度は耳にしたことがあると思います。1990年頃の学資保険は、予定利率が5%から6%と今では考えられない程となっていましたが、バブル崩壊後は、保険会社も保険料の運用に苦戦することとなり、逆ザヤを防ぐ為に、予定利率を下げざるを得ない状況になりました。


【保障の付加】

払込保険料免除特約をはじめとして、特約を付加することは保障を持つことになるので掛捨てとなり、純粋な貯蓄額にプラスして保険料を支払うことになります。

かんぽ生命「はじめのかんぽ」

2014年4月に学資保険をリニューアルし、他の保険会社と同様、保険料の返戻率に重点を置き、コースを複数にすることで、学資保険シェア率を上げる為に販売が開始されました。

しかし、2016年8月に保険料率が改定され、元本される様になってしまい、2017年4月の予定利率の低下により更なる保険料率改定の結果、返戻率は更に悪くなってしまいました。


かんぽ生命が長期の運用ができる為、返戻率が高い21歳満期の学資保険でも、返戻率が95.2%となり、支払った保険料よりも受け取る金額が少なくなり、元本割れを起こすようになりました。

返戻率の計算式

例えば、子どもが0歳、契約者が30歳で、以下のコースに加入したとします。
  •  毎月の保険料9,700円を18歳まで支払い
  • 大学1年生から3年生まで毎年50万円の祝い金、満期金として大学4年生の時に50万円、合計で200万円の受け取り
上記の内容では、保険料の総額は

 9,700×12ヵ月×18年=209万5,200円


しかし、返戻金として受け取る金額は、

総額200万円200万円÷209万5,200円=約95%

元本割れする学資保険が増えてきている

2017年4月に予定利率が変更となり、保険料の割引率が大幅に下がることになりました。

保険料の割引率には、3つの決まった利率がもとになり、保険料をどのくらい割引できるのかが決まってきます。



  • 予定利率「契約者に約束する運用利回り
  • 予定死亡率「保険金として支払うと予測される数値
  • 予定事業費率「保険会社の運用に予測される数値


この中でも、大きく保険料の割引に関わるのが予定利率です。

予定利率を決める際には、金融庁が決めている標準利率を参考としています。しかし、金融庁は2017年4月に1%から0.25%まで標準比率を引き下げた為、各保険会社は予定利率を引き下げざるを得ず、保険料を値上げすることになりました。



これにより、貯蓄系の保険である学資保険は大きく影響を受け、保険料が上がる一方で、元本割れを起こす商品が増えることになりました。

マイナス金利の影響

マイナス金利とは、一般の銀行が日本銀行にお金を預ける際、一部の金額に対してマイナスの金利を適用するということです。

お金を預かる日本銀行は、一般の銀行に利息をつけるのではなく、手数料を貰うことになり、一般の銀行は預けた金額が減っていき、金利はマイナスになります。

もちろん、一般の人々が利用する銀行の利息は市場の金利低下の影響を受け、預金金利は既に0%に近い状況となっています。


このようなことから、世の中の金利が低下し、保険会社も保険料を何%で運用していくかを決める予定利率を下げなければ、逆ザヤが発生し経営破綻の恐れがあります。


生命保険会社も、世の中の金利状況により、保険料の運用に大きく関わり、保険料の値上げや値下げに響くことになります。

元本割れしない学資保険とは

保険会社のセールスマンは、より良い保障内容を求め、どうしても特約を付加して学資保険の案内を勧めてくるケースが多々あります。

しかし、保障を付加すればする程、元本割れの幅は大きくなり、結果として支払う保険料の方が多かったということになります。


  • 保険料払込免除特約
  • 育英年金特約
  • 医療保障特約

学資保険の種類によっては、特約を付加しなくて良い場合もあります。

学資保険の本来の目的は、あくまで教育資金の積み立てです。どうしても保障を備えたいという場合には、元本割れを理解して加入しても良いですが、あまりオススメはできません。


どんなに利率の良い学資保険に加入しても、保障に対する特約を付加すればする程、掛捨てになる保険料は多くなる為、返戻率は低くなります。

むだな特約や保障をつけない学資保険

学資保険を完全な貯蓄として加入をしたい場合、特約の代替案となる方法が、それぞれの特約にはあります。


【育英年金】

契約者に万が一のことがあった場合、学資保険が満期を迎えるまでの期間、一定金額を毎年受け取ることができる特約です。

しかし、この特約は契約者自身の保障とも言える為、契約者本人の生命保険の保障を必要な内容に見直すことで、付加する必要がなくなります。


【医療保障】

被保険者である子どもの入院や手術に備える為の特約です。

最近では、各自治体の子どもに対する公的保障が手厚くされていることが多く、乳児医療制度を利用することによって、医療費にかかる負担は、そう多くはありません。

このようなことから、公的保障がなくなるまでは、付加する必要性は低いとも言えます。

元本割れしないように返戻率を上げる方法がある

学資保険の一般的な保険料の支払い方は、毎月一定の金額を支払う『月払い』となります。

しかし、保険料の支払いの仕方によって、割引率があるので、それを利用すれば保険料の返戻率を上げる方法があります。

保険会社が預かった保険料を運用できる期間が長ければ長い程、返戻率が高くなるいうことになります。


例えば、1つのものを購入する時に、何年もかけて支払うよりも、期間が短ければ短い程、支払う金額は安くなります。一括で支払う場合は、なおさら利息がないので、安くなりますよね。


これと同じ原理が、保険料の支払い方にも当てはまるのです。

月払いから年払いにする

少しでも保険料を安くすませたいと思った時に、比較的多く用いられるのが『年払い』方法です。

1年分を先に支払うので、毎月支払うよりも保険料が割引されます。


保険料を1年分先まで支払うので、保険会社も運用利益を見越して保険料を割り引くことが可能となります。


例えば、A保険会社で月々10,920万円の学資保険に加入する場合

1年間支払う保険料は131,040円ですが、年払いで保険料を支払った場合、130,528円となり、年間512円安くなります。

18歳まで支払った場合、月払いでは返戻率は101.7%となるのに対し、年払いでは102.1%と若干ですが、返戻率が上がることになります。

払込期間を短くする

総支払い保険料を、短い期間で支払うということは、月々の保険料額は高くなりますが、保険会社は保険料の払込が早く終わる為、満期金の支払い時期までに、保険料の運用を確保することができます。

この運用する期間を保険料の割引に充てることができるので、保険料の総合計を少なくすることが可能となります。


例えば、A社の学資保険で、18歳に満期金を受け取るプランに子どもが0歳で加入した場合

18年間支払う場合は、月々13,350円となり18年間で288万3,600円支払うことになります。

しかし、同内容で10年間で18年分の保険料を支払う場合には、月々23,320円が10年間で、279万8,400円となります。


このように、同じプランでも、18年間毎月支払った場合の返戻率が104%に対し、10年間で支払った場合には、返戻率が107.2%まで上がることになります。

一括支払いにする

良く間違われるのが、『前期前納』『一時払い』です。内容としては、一括払いで同じになるのですが、保険料の扱い方が違います。

前期前納は、保険会社が一旦保険料を一括で預かり、その保険料を年払いと同じように、毎年学資保険の保険料に充当していくことになります。


しかし、一時払いは完全な一括払いで、先に保険料を支払ったことになるので、その分前期前納よりは割引率は高く、返戻率は高くなります。


ここで注意しておきたいのが、前期前納は途中で解約した場合は、保険料を保険会社が預かっているので、最後まで保険料を支払ったことにはならない為、充当されていない期間の保険料は契約者へ返金されますが、解約返戻金としては、元本割れする可能性が高くなります。


しかし、一時払いは既に満期まで支払っている為、その分前期前納よりは、返戻率は高くなります。ただし、『保険料払込免除特約』が付加されている場合には、一時払いを選択していた場合は、適用されません。以後の保険料は払込をしなくて良いという特約に対し、最後まで支払いを終えている為、以後の保険料が発生しない為です。

まとめ

一昔前であれば、学資保険は貯蓄に有利とされていましたが、金融庁の標準利率の引き下げにより、元本割れを起こす学資保険が増えてきました。

学資保険に、掛捨てとなる保障を加えれば、元本割れに大きく影響します。


支払い方法により、返戻率を上げることは可能ですが、学資保険の種類によっては、やはり元本割れをする商品が多くなってしまっているのが現状です。

学資保険に加入する際は、満期金だけでなく、元本割れのリスクを必ず確認するようにして下さい。

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