妻と夫が別居していても遺族年金はもらえる?受給に必要な証明とは?子供がいる場合は?

別居中の妻や夫が死亡した場合、遺族年金はどうなるのでしょうか?別居中で離婚していないからと言って、配偶者の遺族年金が必ずしも受給できるとは限りません。この記事では別居中の夫婦が遺族年金をもらうための証明や、もらえる場合ともらえない場合を具体例で解説します。

内容をまとめると

  1. 別居中の場合、夫婦というだけでは遺族年金がもらえない
  2. 一般的に遺族年金は生計を共にしていた家族が受け取れるもの
  3. 別居している場合、遺族年金を受け取るためには生計を共にしていたという証明が必要
  4. 具体的には、別居中に経済的支援があったことや、音信や訪問のあったことを証明しなくてはならない
  5. 例えば、養育費が送られていた場合や、単身赴任で別居していた場合は遺族年金をもらえる
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別居中の場合、夫婦であるというだけでは遺族年金はもらえない

遺族年金は、家庭の生計を支えていた年金保険の被保険者が亡くなった場合、遺族が受け取れる年金です。


その家庭で主に収入を得ていた人が亡くなったときに、その後の生活のために配偶者がもらうというケースが多いですが、夫婦が別居していた場合にももらえるのでしょうか。


別居中の場合は、もらえるケースもあれば、もらえないケースもあります。

つまり、遺族年金を受け取るためには、夫婦であるということ以外の条件があります。


そこで今回は、遺族年金をもらうための条件を解説します。

また、遺族年金の受給に必要な証明についても説明します。


遺族年金を受け取れると思っていたのに、支給が認められなかったとならないように、是非最後までお読みください。

別居中の夫婦が遺族年金をもらうために必要な証明とは

遺族年金は、国民年金の加入者に支給される遺族基礎年金と、会社員などの厚生年金の加入者に支給される遺族厚生年金とに分けられます。


金額はそれまでの積立額などに応じて異なるため一概には言えませんが、残された家族がこれから生活していくうえでは大きな支えとなるでしょう。


通常家族として一緒に生活していれば支給は認められることがほとんどです。


しかし、遺族年金をもらうための要件として、亡くなった人と生計を同一にしていたことが必要です。

婚姻関係にあっても全く交流がなかったり、経済的に独立しているような場合、支給が認められない事もあります。


以下では、別居中の夫婦が遺族年金をもらうために用意しておくべき書類などについて説明します。

1:別居中に経済的援助があったことの証明

生計を同一にしているとは、同居別居にかかわらず家計が一緒であることです。


単身赴任中であれば、夫の給料が振り込まれる通帳から妻が引き出して家計費としていたり、子供が学生で下宿先から学校に通っている場合などには、本人宛の通帳に仕送りとして振り込んでいることが多いでしょう。

こういった証跡が残っていれば同一生計であることの証明が出来ます。


夫婦の折り合いが悪く、別居していてたまに現金で生活費を渡していたという場合は、はっきりとした証明ができないので、経済的援助があったかどうかについて調査が入る可能性があります。


はっきりとした生活費だけでなく、電気代や家賃、固定資産といったものを故人名義で払っているようなときは経済的援助があったと認められますので、証拠となるような領収書や控えは保存しておきましょう。

2:別居中に音信や訪問のあったことの証明

全く交流する事がなく、夫婦関係が破綻しているとなると、遺族年金をもらうのは難しくなります。これは、年金制度が事実関係を基に支給の要件を考えているためです。


音信については、配偶者や子供にあてた手紙、携帯電話の記録、メールのやり取りなども証明とする事ができます。


定期的に訪問している事実があるならば、地域の民生委員や自宅に出入りしているケアマネージャーなどの第三者を通じて証明してもらう事が可能です。


全く不定期の音信や訪問しかなく、証明するものが何もない場合は支給が認められない可能性もありますので、何かしら連絡を取っていたことが分かるような証跡を残しておくことが重要です。

別居中の夫婦が遺族年金をもらえる・もらえない具体例

夫婦が別居していた場合に遺族年金を受給するには、生計を同一にしており、事実上の夫婦関係があることが必要です。


籍が入っているだけで実際には関わりがなければ、遺族年金はもらえません。


ここからは、遺族年金の受給について、具体的なケースをご紹介します。

以下の具体例を読み、遺族年金の制度をより深く理解しましょう。


また、現在配偶者と別居している方は、万が一の場合に備えて証明となる資料があるか確認することをおすすめします。

別居中で遺族年金がもらえないケース

家計を主に支えている夫は自営業者で国民年金に加入しているとします。
また、別居の妻との間には19歳の子供がおり、妻と子供は夫の扶養に入っています。

国民年金の場合に対象になる遺族基礎年金をもらえる遺族は、子供がいる配偶者と子供です。
ここで、子供とは18歳になる年度の末日までの子を指します。

夫が死亡した場合、別居の妻と子供は遺族年金をもらえるでしょうか。

子供は19歳なので、遺族年金の制度上は子供とみなされません。
同時に、妻も子供のいる配偶者でないことになります。

したがって、扶養親族なので生計は同一ですが、遺族年金は支給されません。

夫が単身赴任で別居中だったケース

会社員の夫が単身赴任のため、夫婦が別居していたケースについて考えます。

夫は厚生年金保険に加入しているので、対象になるのは遺族厚生年金です。


遺族厚生年金の場合は、55歳以上の夫を持つ妻に受給資格があります。

子供がいるかどうかは問いません


夫が単身赴任中に55歳で亡くなったとします。


夫の給料は、妻が口座から引き出して日々の生活に充てていました。

当然、通帳にはその記録が残るので、生計を同一にしていたことになります。


したがって、別居の妻は遺族年金を受け取ることができます。

DVなどで例外的に別居中でも遺族年金がもらえるケース

夫婦が生計を同一にしておらず、特段の関わりを持っていなかったとしても、遺族年金がもらえるケースがあります。


遺族年金の例外として、DVなどのやむを得ない事情のために別居していた場合です。


ただし、DV被害者であることが客観的に認められなければなりません。

例えば、

  • 相談所やシェルターなどの施設に避難している
  • 裁判所が法に基づいて保護命令を行った
  • DVの支援機関から証明書が発行され、DV被害者と認められる

という事実が必要です。


遺族年金が支給されるかどうかは、別居の期間や原因、音信の状況などを総合的に考慮して判断されます。

別居中の夫婦の遺族年金に関するQ&A

別居中の夫婦に遺族年金の受給が認められるには、生計を同一にしていたことと、生前ある程度の交流を持っていたことが必要となります。


夫婦の関係にはさまざまな形があり、受給できるかどうかや、もらえる金額についてはケースバイケースで判断することが必要です。


婚姻関係があれば相続の権利などは保障されますが、年金については事実関係が重視されます。


以下では、夫婦が別居していた場合に遺族年金がもらえるかどうかについて、よくある疑問について解説しています。

Q1:住民票が別でも条件を満たしていれば遺族年金はもらえる?

何らかの理由で住民票を別にしている場合でも、同居していたり、生活費を渡しているといった事実があれば遺族年金は支給されます。


住民票が別であっても生計同一要件が認められる場合には、以下のようなものがあります。

  • 住民票上の世帯は別だが、住所が同じ
  • 住民票上の住所は異なるが、事実として同じ家で暮らしている
  • 単身赴任や就学などの理由で住民票を別にしているが、経済的援助や訪問などが定期的にされている

事実婚についても同様で、婚姻関係になかった場合でも生計を同一にしていて、夫婦として生活していたとの事実が認められれば、遺族年金をもらえる可能性はあります。


住民票を別にしている理由については、「生計同一関係に関する申立書」に記入して提出する必要があります。

Q2:養育費が支払われない場合、経済的援助は認められる?

別居する時に子供に対する養育費を払う事を約束した場合、きちんと振り込みされていれば経済的援助としての証跡は十分です。


しかし、中には約束したにも関わらず、全く支払いが行われない事もあります。


その状態が何年も続いていると、経済的援助があったとの事実は認定されにくくなり、経済的に独立していたとして遺族年金がもらえないケースが発生します。


特に別居後は顔を見るのも苦痛で、養育費の請求を諦めてしまったり音信不通になってしまう事も多々見受けられますが、そうなると別居した配偶者に生計を維持されていたとは言えなくなってしまいます。


別居した遺族が遺族年金をもらうためには定期的な交流が必要となりますので、いやでもしっかりとした請求を行う事が要求されます。

Q3:DVなど特別な理由の別居でも、遺族年金はもらえない?

先ほども説明したように、DVなど特別な理由があった場合は例外的に遺族年金がもらえる場合があります。


現在は別居していても、その理由が解消されれば以前と同様に同居または生計同一関係に戻ったという可能性があれば、遺族年金の支給を認められるケースもあるのです。


離れてはいても子供を通して音信があった、警察などに被害届を出していたなど、夫とのつながりに対する何らかのアクションがあると、遺族年金を貰えるかどうかの判断で認められる可能性もあります。


2007年に、別居していて全く交流がなく、生計維持の関係にもないために遺族年金の支給が認められなかったケースで、裁判によって一転支給を認めるようにとの判決が出ました。


支給要件を満たしていない場合でも、やむを得ない理由があったときは遺族年金の受給が認められるケースもありますので、あきらめない事が重要です/

まとめ:別居中の夫婦でも遺族年金をもらえることがある

別居中の妻や夫が遺族年金を受け取ることができるかどうかについて説明しましたが、いかがだったでしょうか。


この記事のポイントは、以下のとおりです。

  • 別居中の夫婦が遺族年金を受け取るためには、生活費などの経済援助があった事、音信や訪問など交流があった事が必要
  • 生計が同一であったことを証明するための証跡を残すようにしておく
  • 住民票などが別でも生計維持関係が事実として認められれば、支給される
  • DV被害など止むを得ない理由がある時は認められることもある
遺族年金は、その後の遺族の生活に大きな影響を及ぼします。

婚姻関係にあっても事実関係が破綻し、全くの音信不通状態である場合などには受給は難しくなります。


反対に別居中でも理由があったり経済的な援助があったという事実があれば、婚姻関係の有無に関わらず認められる可能性は高いでしょう。


年金は複雑で難しい印象を抱きますが、この記事が何かのお役に立てば幸いです。


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