専業主婦の生命保険料も控除の対象です!夫婦の保険料で節税しよう

収入のない専業主婦は生命保険料控除の対象外だと思い込んでいませんか?夫の生命保険料控除額が年間12万に満たないのであれば、専業主婦の生命保険料控除で夫の所得税を減らすことが可能です。知って得する生命保険料控除の概要について解説します。

収入0円の専業主婦の生命保険料は控除される?

収入がないということは所得がないのだから、生命保険料控除の対象外である。これは正しくもあり間違いでもあります。

 例え収入がないと言っても、無職の独身者とは違い、配偶者のいる専業主婦は税制上とても恵まれていることは皆さんご存知でしょう。


 収入0円の専業主婦でも生命保険料控除を受けられるからくりを知ることで、毎年少しずつではありますが、長い目で見れば大きな金額を節税していくことが可能なんです。


生命保険料控除の対象は保険料を支払っている人

生命保険の保険料控除は契約者と申請するものが同一でなければならないと勘違いしている方も多いようですが、契約者が専業主婦である妻であっても夫の生命保険料控除として年末調整・確定申告時に申請することが可能です。 

そもそも生命保険料控除とは、生命保険に加入している人の所得税を軽くするという制度です。専業主婦ということは所得がないということになりますから、専業主婦が契約者の生命保険では控除できる所得がないため生命保険料の控除は行えないというのが基本的な考え方です。 


しかし、その専業主婦の配偶者である夫には所得があり、専業主婦であるということはその夫の所得で生活し、生命保険料も夫の所得で賄っているということが容易に想像できます。この場合、一定の条件を満たせば「夫の所得控除」として専業主婦の生命保険料でも所得控除することが可能です。

専業主婦の生命保険料に夫の配偶者控除が適用するための条件

では「夫の所得控除」とできる一定の条件について細かくみていきましょう。

条件1.戸籍上、配偶者であること

1つ目の条件は「戸籍上の妻である」ということです。つまり内縁関係・事実婚関係では生命保険料の控除を受けられないということになります。 

さらに、生命保険料の控除対象となるのはその年の12月31日時点で婚姻関係にある妻のみとなります。 


年末調整を行うサラリーマンならこの点はクリアできますが、確定申告を行う自営業者は申告が年明けとなりますから、申告年の1月1日以降妻となったものでは控除を受けることができません。

条件2.生計を一にしていること

2つ目には、「生計を同じくしている」という条件があります。

 専業主婦の妻が契約者、保険料の引き落とし口座が妻名義であっても、夫の給与口座から妻の口座に振り込んでいることが明白であれば「生計を一にしている」という証明になります。 


この場合、気になるが夫婦でも課税されてしまう贈与税についてですが、年間110万円以下の贈与であれば贈与税はかかりません。夫が負担している妻の生命保険料が110万未満であれば、贈与税の心配はないということです。

条件3.収入が103万以下であること

 3つ目の条件が、妻の給与収入が103万円以下であることです。例えばパート収入が年間103万以下であれば給与所得控除65万円を差し引き年間所得は38万円となります。

 妻の所得が給与ではない場合には、所得の上限は38万円となるので注意しましょう。


例).給与ではない所得→不動産や譲渡による収入、報酬など

配偶者控除を利用すると、どのくらい控除される?

最終的に、生命保険料の配偶者控除を利用すると、合計どのぐらい控除されるのでしょうか。生命保険料の控除対象となるのは生命保険、医療保険、介護保険、個人年金保険となります。

生命保険料控除で気をつけたいポイントは新生命保険と旧生命保険では計算方式が異なるという点について具体的な例を交え、見ていきましょう。


旧生命保険料控除(旧制度)

旧制度の生命保険とは、平成23年12月31日以前に契約した生命保険のことです。対象となる保険は生命保険と個人年金保険の2つになります。年間支払い保険料で控除金額が異なりますので以下を参考にしてください。 

年間支払保険料と控除金額

  • 25,000円以下→全額控除
  • 25,001円~50,000円まで→保険料÷2+12,500円
  • 50,001円~100,000円まで→保険料÷4+25,000円 
  • 100,001円以上→50,000円

例) 

妻の年間保険料が20,000円→全額控除

妻の年間保険料が80,000円→45,000円控除

新生命保険料控除(新制度)

平成24年1月1日以降の生命保険は新制度となり、対象となるのは生命保険、介護医療保険、個人年金保険、その保険料の控除額は以下の通りです。

  • 20,000円以下→全額控除
  • 20,001円から40,000円まで→保険料÷2+10,000円
  • 40,001円=80,000円→保険料÷4+20,000円
  • 80,001円以上→40,000円

例)

妻の年間保険料が30,000円→25,000円控除

妻の年間保険料が50,000円→32,500円控除

控除限度額に注意

生命保険料はこのように控除の対象となりますが、保険契約があれば無限に控除されるというものではありません。生命保険料には控除限度額があり、それは合算で120,000円となります。

控除の合計額が120,000円以上になった場合には限度額である120,000円までしか控除されませんので、もし夫の生命保険のみで限度額に達すると、妻の保険料を控除申請をする意味はないと言えるでしょう。 

生命保険料控除の具体例

以上の点をふまえ、実際に支払う生命保険料から保険料控除額を計算してみましょう。


・夫の生命保険


  • 旧制度個人年金保険料120,000円→50,000円控除
  • 新制度介護医療保険料15,000円→15,000円控除
  • 新制度生命保険料60,000円→35,000円控除

夫の生命保険料控除額・・・合計100,000円


・妻の生命保険

  • 新制度個人年金保険料120,000円→40,000円控除
  • 新制度生命保険料40,000円→30,000円控除

妻の生命保険料控除額・・・合計70,000円


夫婦の生命保険料控除額合計170,000円となるので、この場合は限度額の120,000円が最終的な控除金額となります。


配偶者控除の申請方法

最後に、肝心の生命保険料の配偶者分控除の方法について解説していきます。

夫が会社員の場合は年末調整時に、自営業の場合は確定申告時に申請する


  • 夫が会社員の場合

夫が会社員で給与所得がある場合には、毎年末申請する年末調整時に会社に書類を提出することで申請となります。

必要となる書類は会社からもらう「給与所得者の保険料控除等申請書」、夫婦分の「生命保険料控除証明書」となります。

給与天引きとなっている生命保険料分の控除証明書は必要ありません。


「給与所得者の保険料控除等申請書」を間違いなく書き、生命保険料控除証明書とともに提出するだけで後は会社のほうで手続きをしてもらえます。

控除の結果、毎月支払っていた所得税よりも実際に支払う所得税のほうが少なかった場合には還付金が受け取れますが、その逆であれば所得税を追加で支払う必要があります。



  • 夫が個人事業主の場合

一方、夫が会社員ではなく個人事業主の場合には、年明け2月16日から3月15日の間で確定申告が必要となりますが、その際に生命保険料控除を行います。 


確定申告第一表に、「所得から差し引かれる金額」の生命保険料控除という欄がありますので、そこに生命保険料を記載し、生命保険料控除証明書を添付して提出することで生命保険料控除申請が完了します。

年末調整で申告し忘れても、確定申告時に申請すれば適用される

会社員の方が、もし年末調整で生命保険料控除の申請をし忘れたとしても、確定申告時に手続きをすることもできますので安心してください。

会社での給与以外の収入が年間20万円以上ある方は確定申告が必須となりますから、その際に生命保険料控除の申請を行うことも可能です。 


但し、会社で行ってもらえるはずの手続きを自分だけでするのは少し大変な作業となるでしょう。確定申告で分からないことがあれば、国税庁のサイト上のQ&Aなどを参考にするか、直接税務署の職員の方に疑問点を訪ねてみてください。

まとめ:専業主婦の生命保険料控除について

例え専業主婦であっても、生命保険料が夫の所得控除になるということをよく覚えておいてください。

「所得がないから控除できない」と最初からあきらめている人も多いのですが、所得が多ければ多いほど所得税の負担は大きくなりますから、少しでも節税していきましょう。

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