更新日:2019/02/08
年金の三階建て部分はどんなもの?三階建て部分を加える必要はある?
日本の年金制度は大きく分けて三種類に分かれており、公的年金以外にも自分で年金制度を付け加えることができる三階建て部分があります。この記事で三階建て部分の年金の種類や、三階部分を付け加える必要性について知り、年金対策としての三階建て部分加入を検討しましょう。
目次を使って気になるところから読みましょう!
日本の年金制度は三階建て!年金の種類や加入の必要性は?
日本の年金制度は三階建てということを聞いたことがある人も多いと思います。
一階部分と二階部分は主に公的年金で加入が義務付けられていますが、老後を迎えた時に本当にもらえるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
実際、現在の日本の年金制度は公的年金だけでは老後の生活は安心とは言えないのが現状です。
では安心して老後を迎えるための対策は無いのでしょうか?
そこで、この記事では老後を安心して暮らすために
- 年金制度の三階建て部分とは?
- 三階部分の年金:個人年金制度
- 三階建て部分の追加でいくらもらえる?
- 会社員は三階建て部分に入っておくべき?
について解説します。
この記事を読んで頂ければ、年金の三階建て部分の必要性を理解でき、安心した老後を過ごせるための方法を知ることができます。
ぜひ、最後までご覧ください。
年金制度の三階建て部分とは?
日本の年金は三階建ての構造と言われています。
- 一階部分:国民年金
- 二階部分:厚生年金
- 三階部分:企業型確定給付年金、企業型確定拠出年金、iDeCo、個人年金保険など
なぜこのように年金制度は三階建ての構造になっているかというと、雇用形態などによって加入できる部分が違うからです。
- 自営業者など:一階部分、三階部分
- 会社役員、従業員、公務員など:一階部分、二階部分、三階部分
- 専業主婦:一階部分、三階部分
どの雇用形態であっても、三階建て部分は任意加入となっています。
任意であるなら加入しなくていい、と判断されるかもしれませんがそうではありません。
実は加入することにより、将来もらえる年金額を増やすこともでき、保険料を払い続ける現役時代にもメリットはあるのです。
年金の三階部分について細かく見ていくことにしましょう。
三階部分の年金:個人年金制度
三階部分は個人年金制度と言います。
将来の年金額を少しでも増やしたいと思われる方は、加入を検討される方がいいかと思います。
しかも、保険料を払っている現役時代でも節税のメリットがあるのです。
個人年金制度は大きく以下の4つがあります。
- 確定給付型の企業年金
- 確定拠出型の企業年金
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- 個人年金保険
それぞれについて解説していきます。
確定給付型の企業年金
会社員の方であれば、まず勤め先に企業年金が存在するのか確認してみるといいでしょう。
ここでは企業年金の1つである、確定給付型の企業年金について解説していきます。
確定給付型の企業年金は誰でも加入できるわけではなく、会社員であり勤め先に確定給付型の企業年金制度が存在する場合しか加入できません。
確定給付型の企業年金は、勤め先が拠出し、運用、管理、給付まで行います。
確定給付型の企業年金のメリットは、勤め先が将来受け取れる年金額を保証してくれることです。
しかし、デメリットもあります。
それは運用する商品を自分で指定できないことです。
資産運用をしたことがない人にとってはメリットにもなりますが、自分で勉強してポートフォリオを組みたい方にとってはデメリットです。
また掛金を拠出、運用する企業の負担が重たいという企業側のデメリットもあります。
そのため、規模が小さい企業は確定給付型の企業年金は導入できません。
現在確定給付型の企業年金を導入している企業でも、この制度を廃止するところも増えてきています。
確定拠出型の企業年金
続いて確定拠出年金について解説します。
確定拠出年金の企業年金も確定給付型の年金同様誰でも加入できるわけではなく、会社員であり勤め先に確定拠出型の企業年金制度が存在する場合しか加入できません。
確定拠出型の企業年金は、自分で運用する商品を選択し掛金も設定することができます。
確定拠出型の企業年金のメリットは、運用結果次第では将来受け取れる年金額を増やすことが可能です。
逆にデメリットは、自分で運用する商品を選択しなければならないことです。
運用する商品により、リスクも様々で資産運用を行ったことがない人にとっては少しハードルが高いかもしれません。
リスクを取りすぎて損失が膨らみ、将来受け取れる年金額が減ってしまうこともあります。
商品のリスクをしっかりと理解した上で運用するようにしましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
それでは、勤め先に企業年金がない場合は自力で運用または貯金するしかないのでしょうか。
そのような人のために、2017年1月から個人型確定拠出年金(iDeCo)が開始されました。
これまで、企業年金など年金の三階建て部分がなかった人たちのためにこの制度が設けられました。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大のメリットは、税制優遇が豊富なことです。
しかも、会社員のみならず自営業者の方や専業主婦の方でも誰でも加入することができます。
まず、掛金を支払っている現役時代で掛け金を全額所得控除とすることが可能です。
例えば、会社員のかたで企業年金がない場合は最大月額23,000円拠出することができます。
年間にすると276,000円を拠出できます。
そしてこの拠出した金額全額が所得控除となるのです。
特に年金の三階建て部分がない自営業者の方は、最大月額68,000円も拠出することができ、年間で816,000円も所得控除することができるのです。
しかしデメリットもあります。
まず、確定拠出型の企業年金と同様に自分で運用する商品を選択する必要があります。
また、原則60歳まで引き出すことは不可能です。
所得控除は大変喜ばしいことですが、無理のない掛金を拠出するようにしましょう。
個人年金保険
個人型確定拠出年金(iDeCo)以外にも年金の三階建て部分となる制度もあります。
民間の保険会社などが販売している個人年金保険という商品です。
「保険」という名称となっていますが、仕組みとしては年金の三階建て部分を補う商品です。
こちらも毎月保険料を支払い、老後を迎えたタイミングでお金を受取れる仕組みです。
メリットは貯蓄が苦手な人でも、しっかりと積み立てられるということです。
保険料は毎月銀行口座から引き落としとなるため、使う前に貯められるというメリットがあります。
また、個人年金保険も節税のメリットがあります。
年間の払込保険料にもよりますが、最大で所得税で40,000円、住民税で28,000円の節税を受けることが可能です。
デメリットは、インフレに弱いということが挙げられます。
実は日本でもインフレは起きています。
例えば現在の500万円は40年前の約350万円と同じ価値で、これを踏まえると現在の500万円は40年後約750万円になります。
これは物価の上昇(貨幣価値の下落)によるインフレのためです。
個人年金保険は基本的に固定金利の商品のため、インフレになったとしても金利が上昇せずそのペースについていくことができなくなります。
参考:三階建て部分の追加でいくらもらえる?
では年金の三階建て部分の追加で受け取る年金額はいくら増えるのでしょうか?
ここでは個人型確定拠出年金で月23000円を拠出し、30年運用したとして仮定しましょう。
受け取る年金額はなんと、13,402,948円です。(口座管理手数料などは除く)
ちなみにこれは年率3%で運用した場合です。
この3%は債券など比較的リスクの低い商品で運用した場合です。
仮にこれに株式を組み入れた場合、5%で運用できるようになり受け取る年金額は19,141,949円に増えます。
会社員は三階建て部分に入っておくべき?
公的年金の財政が危ぶまれている今日では、年金の三階建て部分の制度を活用することが正解でしょう。
それはどのような雇用形態であっても同じことが言えます。
特にこれまで自分で年金の三階建て部分を作る意識が低かった会社員の方はぜひとも加入を検討してみるといいでしょう。
これからの時代は自分の資産は自分で守ることが鉄則です。
使える制度はなるべく活用して、老後に備えるようにしましょう。
企業年金は控除が大きい
企業年金は控除が大きいことが特徴です。
年金を受給する際でも公的年金控除を受けることが可能です。
これは年金の三階建ての部分でもある、企業年金でも受けることのできる控除です。
例えば、65歳以上で企業年金を受け取る場合、最大で120万円の公的年金控除を受けることが可能です。
参考:企業年金連合
企業年金が備わっていない場合の個人型確定拠出年金
勤め先に企業年金が備わっていない場合は、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入するといいでしょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)の最大の特徴は掛け金全額所得控除となることです。
例えば、個人型確定拠出年金の商品の中には元本保証型の定期預金もあります。
もし、銀行に定期預金をしても所得控除は受けられません。
しかし、個人型確定拠出年金で定期預金をした場合は掛け金全額を所得控除とすることができます。
まとめ:三階建て部分を上手に活用して老後の対策をしましょう
年金の三階建て部分について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 公的年金だけでは安心した老後は送れない
- 年金の三階建て部分の企業年金や個人型確定拠出年金(iDeCo)を活用する
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)は現役時代でも節税のメリットを受けられる
でした。
これからの日本は少子高齢化でさらなる年金財政の悪化が予想されます。
現在の公的年金の受給開始は原則65歳ですが、今後引き上げられことも予想されます。
老後を迎える時に後悔しないように、今できる対策をしっかりと講じるようにしましょう。
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