20代から個人年金は必要?個人年金保険に20代から加入するメリット

公的年金への不安が高まる現代。個人でも老後資金を積み立てる方法に個人年金保険があります。しかし、老後まで時間のある20代でも、個人年金保険に加入する必要はあるのでしょうか。今回は20代から個人年金保険に加入するメリットを解説して、おすすめの理由をご紹介します。

そもそも個人年金保険とは

個人年金保険とは、若いうちに毎月一定額の保険料を払い続けることで、将来定年退職したあとに年金形式で積み立てたお金が返ってくる金融商品のことです。簡単に言うと、国民年金などの公的年金の民間保険版です。


個人年金保険は、基本的に積み立てた保険料よりも、受け取る年金額の方が多くなる商品なので、何もしないでお金を貯めておくよりも、収入のある若い間に積み立てることでお得に老後資金の準備ができます。


近年、年金がもらえないのではないか、という不安が高まる中、個人で老後の貯蓄を準備する必要から、個人年金保険の需要は高まっています。


20代でも、老後に向けてしっかり準備を考えている方も増えてきており、個人年金保険が必要なのか気になる方も多いのではないでしょうか。


今回は、20代から個人年金保険に加入するメリットとデメリットをご紹介し、おすすめの老後資金の準備方法を解説します。




実は、20代から個人年金保険に加入している人は少ない

実際のところ、20代のうちどのくらいの割合が個人年金保険に加入しているかというと、わずか15.3%です。

年金がもらえないかもしれない、という不安から老後資金の準備を考える方は増えていますが、まだ15.3%しか加入していないんですね。

そこで、各年代別加入率を見てみると
年齢加入率
20〜29歳15.3%
30~39歳19.3%
40~49歳25.5%
50~59歳30.2%

となっています。

(参照:生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」)


ここから分かることは、若い世代ほど加入率が低く、老後に近づくほど加入率が高くなるということです。


しかし、加入率が低いからと言って、20代から個人年金が必要ない、というわけではありません。むしろ、若いうちから加入・検討することは非常に重要です。

ここからは、その理由について説明していきます。

20代の加入率は実は急激に伸びている

まず、先ほど示したデータは平成30年度のものですが、実は過去のデータを遡ると、ここ数年で急激に20代の加入率が上昇していることが分かります。


20代の個人年金保険の加入率を、調査年度ごとに並べると

調査年度加入率
平成21年3.7%
平成24年3.9%
平成27年8.8%
平成30年15.3%

となっています。


赤く示した部分から分かるように、20代の個人年金保険の加入率はここ6年で4倍になっています。


つまり、将来年金がもらえないかもしれない、という不安は多くの若者が抱いており、個人で老後へ備えることの大切さに気が付いた層から、個人年金保険への加入が進んでいるということが読み取れます。


昨今の年金不安のさらなる増大を見ると、このトレンドは続いていくと考えられ、ますます20代の加入率は増えていくと予想されます。

20代の加入率が低いのは老後への意識が低いから

また、20代の加入率が15.3%と、他の世代に比べて低い理由の一番は、老後への意識がもっとも低い世代だからです。しかし、これは仕方のないことで当たり前とも言えます。


当然、歳を重ねるに連れて、老後が現実的になっていきます。親の老後を見たり、介護が必要になるタイミングで、自分の老後はどうしよう、と考える方も多くいらっしゃいます。


そうやって自分の老後の準備を考える中で、個人年金保険を検討しメリットに納得して加入される方が多くなるので、加入率も老後が近くほど高くなっているのです。


決して、メリットが小さいから20代の加入率が低いわけではないということですね。

20代からの個人年金保険がおすすめな理由

20代から個人年金保険に加入するのがおすすめな一番の理由は、個人年金保険は早期加入なほど利率が高くなるからです。つまり、同じ金額を積み立てても、若いうちに加入する方が、老後に受け取れる金額が多くなるということです。


一般的な個人年金保険の商品を例に考えてみます。


加入時期が25歳と45歳の場合に、それぞれ65歳まで積み立てたケースを考えます。払込保険料累計額が同じになるように、月額保険料を設定すると以下の図のようになります。

早く加入した場合遅れて加入した場合
加入時期25歳45歳
払込期間40年間20年間
保険料1万円/月2万円/月
払込保険料累計額480万円480万円
年金受取累計額510万円489万円
年金受取率106%102%


払込保険料累計額はどちらも480万円で同額ですが、年金受取累計額を見ると、25歳で加入した場合は510万円、45歳で加入した場合は489万円となっており、21万円も違うことになります。


つまり、同じ金額を保険料として支払っているのに、25歳で加入した人は、45歳で加入した人よりも21万円もお得になっているということです。


これが、個人年金保険に加入するなら20代からがおすすめな理由です。

個人年金保険に加入する3つのメリット

ここまで見てきたように、個人年金保険は若い世代に非常にメリットの大きい商品であると同時に、加入率もこれから伸びていく商品であることが分かりました。


では、加入する時期に関係なく、そもそも個人年金保険に加入するメリットはどんなものなのでしょうか。

メリット1:銀行預金よりもお得に積み立てられる

日本の金利は現在非常に低くなっており、日銀のマイナス金利の取り組みからも分かるように、徹底した金融緩和によって、これからも金利が低い状態が続きそうです。


その状態で銀行預金に貯金をしていた場合、ほぼお金が増えない状態となります。


しかし、先ほどもシミュレーションした通り、基本的に個人年金保険は支払った保険料よりも多くの年金を受け取ることができますし、その割合も20代など若い頃から加入することで高めることができます。


せっかく手元にお金があるのであれば、全て銀行預金にするのではなく、一部を積み立てておいて、お得に老後資金を貯めるのがおすすめです。

メリット2:強制的に老後資金が貯められる

銀行預金など、いつでも引き出せてしまう貯金は、手をつけない貯金のつもりでも、いざという時は引き出してしまいますよね。


もちろん、本当に必要な場合には大事ですが、本当は節約できたお金を使ってしまうということもあるかと思います。


個人年金保険の保険料の払込方法は、口座を指定して、そこから毎月自動で引き落としになるので、半強制的に老後資金を積み立てることが可能です。


また、途中解約する場合は積み立てた金額よりも少ない金額の受け取り(元本割れ)になる可能性があるので、解約を思いとどまりやすくなります。


そのため、コツコツ自分で貯金するのが苦手な方や、家計をこまめに管理するのが大変な方は、個人年金保険に加入することで、勝手に老後資金が貯まっている状態を作ることができるので、おすすめです。

メリット3:個人年金保険料控除により節税効果がある

個人年金保険には、税制適格特約というものがあり、この特約を付加した場合には個人年金保険料控除を受けることができます。


これは一般生命保険料控除とは別枠で受けることができる所得控除で、所得税・住民税の節税になります。


所得控除とは

そもそも所得税と住民税は、課税所得に対して税率をかけて計算するもので、所得控除はその課税所得を減らすことができるよ、という制度のことです。


つまり、課税所得が減るので、課税所得に対して税率をかける所得税と住民税も減る、という仕組みです。


そのため、税率が高い高所得者の方ほど、その節税効果は大きくなります。

20代から個人年金保険に加入する場合のデメリット

ここまでで、個人年金保険のメリットについて説明してきましたが、当然デメリットも存在しています。

個人年金保険は大きな買い物なので、メリットとデメリットをよく見て加入を検討するようにしましょう。

デメリット1:インフレリスク

個人年金保険は、加入した時点で支払い保険料、利率が確定します。つまり、その時点で老後に受け取る金額も確定するということです。


しかし、将来物価が上昇し、お金の価値が相対的に減ってしまう可能性があります。例えば、今は100円で買えるパンも、10年後にインフレによって200円出さないと買えなくなった場合、パンの価値(物価)が上昇して、相対的にお金の価値が減っていることになります。


この場合、100円を積み立てて、10年後に110円で受け取っても、パンは買えなくなってしまい、価値は目減りしていることになります。これがインフレリスクです。


20代から個人年金保険に加入するということは、少なくとも40年は保険料を払うことになりますが、その間も物価は当然変動します。もし受け取る頃にインフレしていた場合、老後の貯蓄のつもりで加入した個人年金保険の受取額が、相対的に減少しているかもしれません。




デメリット2:個人年金保険は流動性が低い資産

先ほども触れた通り、個人年金保険は中途解約すると、保険料払込累計額よりも解約金の受け取りの方が少なくなる(元本割れ)可能性があります。そのため、個人年金保険は基本的に中途解約を想定せずに加入すべき、流動性が低い商品です。


しかし、将来結婚して子供が生まれたことで、急にお金が必要になったり、重い病気になって医療費がかさむ、あるいは働けなくなってしまって収入が減少する、などのリスクがあります。


その場合、もし引き出し可能な(流動性の高い)資産を持っていなければ、元本割れを覚悟して個人年金保険を解約する必要が出てきます。


そのため、個人年金保険はあくまで老後の積み立て資金として考え、老後までの様々なリスクや可能性については、生命保険や医療保険、がん保険、就業不能保険や学資保険などで備えておくことが大切です。


また、流動性の高い資産として、銀行預金も一定の割合を持っておくことが大切です。

個人年金保険以外の積立方法も検討してみましょう

ここまでで個人年金保険について見てきましたが、老後の資産を準備する方法は他にもあります。

ここでは、最近注目されている個人型確定拠出年金(iDeCo)と投資信託(NISA・つみたてNISA)について、簡単にメリットとデメリット、個人年金保険と比べてどちらがおすすめなのかを紹介していきます。

個人型確定拠出年金(iDeCo)は節税効果が魅力

iDeCoは、自分で運用方法を選び、毎月一定額の拠出をすることで、老後に掛け金と運用益の合計の給付を受けることができる制度です。


iDeCoの魅力は何と言っても節税効果で、iDeCoは掛金全額が所得控除になります。個人年金保険料控除も所得控除を受けられますが、全額控除になるのはiDeCoだけです。


また、平均的な利率もiDeCoの方が個人年金保険よりも高く、長期的に運用がうまく行けば、大きな運用益を受け取ることができます。


60歳まで拠出できるので、20代など若いうちから加入することで大きなリターンを得ることができます。


ただし、iDeCoには注意が必要で運用商品は自分で選ばなくてはならないため、知識や運用商品に関する勉強が必須になります。


また、利率が高い分、リスクも大きい商品なので、当然元本割れするケースもあり、一定のリスクを覚悟した上で慎重に運用商品を選ぶ必要があります。


一方で個人年金保険は利率も受取額も確定しているので、元本割れの心配をすることもなく、老後の資産を準備することができます。


どちらがいいのか、自分のリスクに対する考え方と相談して決めると良いでしょう。

投資信託(NISA・つみたてNISA)は流動性が魅力

NISA・つみたてNISAは、投資信託の少額投資に対して運用益が非課税となる制度のことで、証券会社で口座を開設し、毎月少額を積み立てることで、長期の資産形成を目指す積立方法になっています。


NISA・つみたてNISAの魅力は、流動性にあります。


個人年金保険やiDeCoが途中解約が損、あるいはできないのに対し、NISA・つみたてNISAはいつでも引き出しが可能な上、積み立て期間も最長20年間と短くなっています。


そのため、とりあえずNISA・つみたてNISAで投資しておいて、万が一必要になったら引き出す、ということも可能です。


また、iDeCo同様、個人年金保険に比べて平均的な利率が高いので、正しい投資商品を選べれば大きく増やすことが可能です。


ただし、これもiDeCo同様、利率が高い分リスクも大きく、自分で投資商品を選ばなくてはいけないので、知識・運用商品に関する勉強が欠かせません。


また、当然元本割れの可能性もあるので、個人年金保険とリスクのバランスを考えながら、ご自分に合った方法を選んでみてください。

まとめ:20代のうちから老後の生活を考えることは大切なこと

公的年金への不安が高まり、平均寿命も伸びて老後が伸びることが見えている今、老後資金の準備を若いうちから始めることが非常に大切です。

今回の記事では以下のポイントについて説明してきました。
  • 個人年金保険の20代の加入率は急激に伸びている
  • 個人年金保険は20代から入った方がお得
  • 個人年金保険は老後資金を確実に貯めるのにぴったり
  • iDeCoは節税効果が嬉しいが、リスクに注意
  • NISA・つみたてNISAは流動性が高いが、リスクに注意

個人年金保険は20代から入ることで、利回りに大きな差が出ることを説明しましたが、加入率が伸びていることからも分かる通り、気がつくのが早い方はもうすでに準備を始めています。

「今はまだ老後のことより、今が大事だからあとで考えよう」と課題を後回しにするのではなく、出来るだけ早く対策したいですね。

個人年金保険だけでなく、iDeCoやNISA・つみたてNISAなど、商品に迷ったり、老後の漠然とした不安を確かな安心に変えたい方は、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。


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