世界の国の借金のランキングって?日本は何位?

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国の借金が4年連続過去最大になり、2019年3月末で1114兆5400億円となりました。国の借金が世界2位で、対GDP比率が世界最下位の日本ですが、経済破綻しないのには日本政府の金融資産が多いことや、日本の対外純資産の規模が世界1位などの理由があります。

世界の国の借金のランキングって?日本は何位?



借金大国と呼ばれている日本。借金によるギリシャの経済破綻のニュースもまだ記憶に新しい人も多いかと思います。


日本の債務に関しては他人事ではなく、世界的にみても非常に多くの借金を抱えているという現状があります。


このような話を聞くと、今後日本の経済は大丈夫なのかと不安になってしまいますよね。


日本に住んでいる以上は、国の借金について現状を知っておくことも大切なことではないでしょうか。


そこで、この記事では「日本の国の借金と世界の国の借金ランキングについて

  • 日本の国の借金の合計と推移
  • 世界の国の借金ランキング
  • 日本が経済破綻しない理由
  • 借金大国日本の将来


以上のことを中心に解説していきます。 


この記事を読んでいただければ、日本の借金の実態と、ランキングによる世界の借金が多い国の実態を知ることができるかと思います。 


 ぜひ、最後までご覧ください。

日本は国の借金が4年連続で過去最大

「国の借金」とは国債、借入金、政府短期証券を合わせた政府の債務のことをいいます。


財務省はその借金が、2020年3月末の時点で1114兆5400億円となったことを発表しました。


この数字は、2019年に比べ11兆1856億円増え、4年連続で過去最大を更新したことになります。 


なぜ、4年連続で過去最大を更新しているのでしょうか。

 

日本は、高齢化が進み医療や介護、年金などの社会保障費が急激に増えているという現状があり、それを税収などでは賄うことができていません。


そのため、国債を追加で発行して補わなければならず、結果として国の借金がどんどん増えていくのです。


内訳は、国債987兆5886億円、短期的な資金繰りのための政府短期証券74兆4188億円、借入金52兆5325億円です。


新型コロナウイルスの影響による今年度の補正予算では、25兆円余りの歳出すべてを国債の発行によって行っています。 


今後の国の財政は一層、厳しい状況になっていくでしょう。

日本の国の借金の合計と近年の推移

財務省が発表した「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」によると、平成29年12月末時点の日本の借金は1,085兆7537億円となっています。


その内訳は以下の通りです。


区分・金額前期末に対する増減前年度期末に対する増減
内国債
956兆2520億円
+6兆2534億円
+21兆3517億円
借入金
53兆7128億円
+1兆596億円
−4兆361億円
政府短期証券
75兆7890億円
−1兆9998億円
−6兆4502億円
合計
1085兆7537億円
+5兆3132億円
+14兆1943億円


これを見ると、債務残高が増えていることが分かります。


しかしあまりに金額が大きすぎるためイメージがしづらいかと思います。


そこでこの1085兆7537億円という数字を、日本の人口を1億2500万人として国民1人ひとりの借金として分配してみます。


すると一人当たりの借金額は、なんと約867万円


今、867万円の借金を自分が背負うと考えたらどうなるでしょう。


おそらく、今の生活を維持しながら返済することは難しくなりますよね。

世界の国の借金ランキング

日本が多くの借金を抱えていることが分かりましたが、債務残高を増やしているのは日本だけではありません。

 国際通貨基金(IMF)によると、すべての国の債務残高の合計は約7620兆円にも及ぶとされています。

この金額は世界のGDPの82%です。それぞれの国が世界的低金利を利用して、積極的な借り入れを行っているためです。

では、世界の中で借金が多い国はどこなのでしょうか。以下のランキング形式でみていきましょう。


順位・国名借金額対GDP比

1位

アメリカ

約2362兆円104.3%
2位
日本
約1300兆円237.1%
3位
中国
約744兆円50.6%
4位
イタリア
約302兆円132.2%
5位
フランス
約301兆円98.4%
6位
イギリス
約270兆円86.8%
7位
ドイツ
約268兆円61.7%
8位
インド
約204兆円68.1%
9位
ブラジル
約181兆円87.9%
10位
カナダ
約169兆円89.9%


このランキングでは、アメリカのランキング1位に次いで、日本がランキング2位と、世界と比較しても借金が非常に多いことが分かります。

日本は対GDP比が最下位

GDPとは、国内で生産された物やサービスの総額のことで、国内総生産と呼ばれます。


この数値が大きいほど経済規模が大きく、借金をしても返済能力が高い国と言えます。 


そして、国の借金の総額がGDPの何%なのか計算したものが、対GDP比(政府総債務残高)と呼ばれるものです。


この数値の大きさで、国の経済規模に対してどれくらい多くの借金をしているかが分かります。


世界各国の借金額を比べるときには、この対GDP比で比較をします。


対GDP比最下位となるのは日本で、その割合は237.1%と他国の数字を大きく上回っています。


これは国の予算の3分の1近くを国債で賄っているためです。


アメリカは債務国ランキング1位ですが、世界最大の経済大国であるため、対GDP比は104.3%にとどまっています。


その他、対GDP比ワーストランキング3位のギリシャは184.9%で、今のペースで増加し続けると2060年には275%に達すると言われています。

国の借金が多い債務国日本が経済破綻しない理由

日本の借金は90年代初頭のバブル崩壊と同時期のアメリカへの対日対策をきっかけに、一気に増えてしまいました。


80年代の対GDP比が50~70%だったので、一気に不況が加速したことが伺えます。


97年には赤字から抜け出そうと消費税を5%に引きあげますが、今度は銀行や証券会社が相次いで破綻し金融不安が起こってしまいます。


そしてそのまま今日の日本に至り、ほぼ毎年20兆円以上国債の発行を続けてしまっているのです。


国の借金総額はランキング第2位、対GDP比もワーストランキング1位と、世界トップクラスの日本。


しかし、なぜこんなに多くもの借金があるにも関わらず、日本は経済破綻しないのでしょうか。


以下の4つが理由として考えられます。


  • 日本政府の574兆円の金融資産
  • 世界1位の366兆円の対外純資産
  • 円で発行される国債
  • 1700兆円の家計金融資産


経済破綻の危機を迎えたことのあるギリシャと比較しながら、日本が経済破綻しない理由を解説していきます。

日本政府の金融資産が多い

日本が経済破綻しない理由として、金融資産が多いことが挙げられます。


日本は政府の金融資産だけで574兆円(2015年3月末時点)もあります。 


政府の金融資産とは、年金給付のための積立金や、政府保有の土地や官庁の建物、国道や堤防などの国有財産のことです。


日本はこの574兆円の金融資産を負債総額から差し引いても、対GDP比は130%と借金は残ります。


しかし金融資産は、返済に充てられるような資産ではありません。


それでも、財政危機に陥ったギリシャでは、借金返済のためにこのような資産さえも売り払らなければならないほど経済が悪化していました。


日本はそこまでには至っていないので、ギリシャよりは、なんとか持ち堪えることができているということです。


つまり、日本には他にもまだまだ資産があるということです。


以下で詳しく解説していきましょう。

日本の対外純資産の規模が世界1位

実は日本は、世界最大の債権国でもあります。その資産は18年末の合計で1018兆円にもなり、それに伴う対外純資産も世界最大です。


対外純資産とは、日本政府・日本企業・個人が海外に持つ資産から、海外での借金を引いたものです。


つまり、日本が海外に持っている「資産そのもの」ということです。 


海外の資産には、海外において建設した工場や、買収した企業、日本の投資家の海外株式や債権への投資も含まれます。


その対外純資産が、2014年度末時点で日本が24年連続ランキング世界一で、366兆円にも及ぶのです。


つまり日本は積極的に海外に工場を作ったり投資をしていて、その金額が世界一大きいということです。 


日本と違うのは、ギリシャの場合は対外純債務と呼ばれる海外への借金もGDPを超えていました。


日本は多額の借金を抱えていても、持っている資産が大きいのです。

日本国の借金(国債)が全て円で発行されている

日本が経済破綻しない一番の理由とされています。


円というのは、政府から独立した日本銀行主導のもと、自国日本で発行されています。


また、日本国債は96%を日本の投資家が、残り4%を海外の投資家が円で購入し、日本銀行が日本国債の1番の保有者です。


つまりもし国債の返済を急に迫られたとしても、日本で円を大量に発行すれば返済することができてしまうということです。


しかし経済破綻したギリシャの通貨はユーロのため、そうはいきません。


これは国債が100%が円で発行され、自国で円を発行しているからこそできることです。


ユーロはギリシャ政府自身が発行しているわけではないため、日本のような返済方法は叶うことはありません。


しかし日本でも、大量の円を急に発行することは景気に悪影響を及ぼすため、実際にできることではありません。


日本中にお金が溢れかえってしまい、インフレが起きる可能性があるからです。

家計の金融資産が多い

日本には家計の金融資産という、政府や海外の資産以上に大きな資産があります。


家計の金融資産とは、一般家庭の現金や預金、債権や投資信託、株式、年金準備金などの合計資産のことで、日本の金融資産は1700兆円です。 


国の借金返済に使えるわけではありませんが、日本は借金以上の資産を持っているということが分かります。


さらに2019年度9月末には、家計の金融資産が1864兆円以上もあることが分かっています。


つまり政府の借金を差し引いたとしても、700兆円以上の資産があるということです。


これらは、海外の債務に十分な返済ができることとみなされ、外国からの日本の信用力が高さに繋がります。


つまり、持っている国債を売る必要はないということでしょう。

参考:2015年に日本国債の格付けが下がった

2015年には、日本の借金や経済による悪影響も出ています。 


2015年9月に、格付け会社スタンダード・プアーズ(S&P)が日本国債の格付けを「AA-」から「A+」に一段階下げたのです。


それは、アベノミクスに経済成長がみられないと評価されたためだと言われています。


格付けとは債権返済の信用度のことです。評価は22段階あり、最高評価は「AAA」最低評価は「D」となっています。


格付けが高い場合は、信用度が高いため低金利での債権発行、格付けが低い場合は信用度が低いため、高金利での発行となります。


現在の国債の購入は、個人の預金などを元手に日本の金融機関が行っています。


国債を買う元手の預金が減れば、大量の国債を購入できるかは分かりませんし、海外の投資家に国債の購入を促す際には格下げは悪影響です。


破綻しないからと日本が借金をこのまま増やしていくのは、非常に危険なことなのかもしれません。

国の借金が多い日本は今後どうなる?日本の将来とは

では、借金ランキング2位の日本の借金はどのように減らせば良いのでしょうか。また、日本の未来はどうなるのでしょうか。 


財政再建に成功しているドイツを例に解説していきます。


ドイツは大胆な経済政策を打ち出したことにより、2014年には46年ぶりに新規の国債発行がゼロになっています。


ドイツが借金を減らすことができたのは、失業保険や健康保険を見直したことが大きな要因です。


まず、失業保険の給付期間後も、失業扶助に切り替えることで半永久的に給受けることができていた給付金を2005年から廃止しています。


また併せて給付されていた貧困や病気による生活困窮者向けの社会扶助も、対象者を整理し「失業しているが労働が可能」な人には給付を廃止しました。


さらに、職業訓練を受けない、紹介された仕事を断るなどすると失業給付も減額か停止となります。


さらに健康保険の見直しも進んでおり、コンタクトレンズやメガネ、虫歯の詰め物な度は保障の対象から外されました。 


これらの失業保険や健康保険の見直しは国の支出の減少による景気回復や失業者の就労が促進による失業率の低下に繋がりました。  


このように、日本も国民が身を削ることで保障を見直す必要があるかもしれません。


日本では少子高齢化がさらに進み、2050年には総人口が1億人を割る見通しです。


現役層の社会保障負担が増し手取りが減るということなので、さらに人々の生活は厳しくなるでしょう。


日本は、将来のためにも、経済破綻しないからと安心せずドイツの財政政策を参考に保障の見直しを進める必要があるでしょう。

まとめ:日本は国の借金が多い債務国!今のうちから貯金しよう

「日本の国の借金と世界の国の借金ランキングについて」解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回の記事のポイントは


  • 日本の国の借金の合計は、1114兆5400億円で毎年増えている。
  • 世界の国の借金ランキング1位はアメリカ、ランキング2位は日本、ランキング3位は中国
  • 日本が経済破綻しない理由は金融資産、対外純資産、家計金融資産が多くあり、国債の発行が円であるため
  • 借金大国日本はドイツの経済対策を参考に保障を見直す必要がある
でした。

世界の国の借金ランキング2位となってしまっている日本。


日本は資産も多くあるため経済破綻することは考えにくいですが、安心と言い切れるわけではありません。


国債を返済しなければならない事態になり、高齢化が進む日本で社会保障を見直した場合、削った保障分の出費は家計に大きく影響します。 


つまり私たち日本人は、今のうちからしっかりと貯蓄して、将来の日本に備えていく必要があるのです。


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