民間の医療保険は本当に不要か!?民間の医療保険不要論を徹底検証!

日本には充実した公的保険があるため、民間の医療保険は不要という意見があります。しかし、公的保険が現状を維持したままで今後存続していくか誰にも予測はできません。また、各人がおかれた状況を考慮に入れず、民間の医療保険を一律に不要と判断することは妥当といえません。

医療保険はいらないと主張する、「不要論」を徹底考察


日本には、世界に誇れる先進的な制度があります。その一つが我々が日常的に利用している公的保険制度です。 

誰でも公的保険を利用し安価な費用を支払うだけで、質の高い医療サービスを受けることができます。 

この充実した公的保険があるため、生命保険会社等が扱う医療保険は不要という意見もあります。 

しかし、世界の中で最高水準といえるこの公的保険制度でも、その適用外となる医療サービスは存在します。 

また、近年では少子高齢化が進み、将来的に公的保険制度そのものが変容しかねない可能性も否定はできません。 

今回は、我が国の公的保険制度の特徴と注意点、それを補填する民間の医療保険の必要性について言及します。 


公的保険制度に基づく不要論

民間の医療保険が不要と指摘される理由の一つに、わが国の公的保険制度が非常に充実していることが挙げられます。

公的保険制度は、大別すると事業所に勤務している従業員が加入する健康保険、それ以外の方が加入する国民健康保険があります。

日本国内に居住しているなら、誰でも何らかの公的保険に加入しなければなりません。


公的保険に加入することで、高所得者・低所得の方であっても、多額の費用負担を要せずに同じく高い水準の医療サービスを受けることができます。たとえ、医療費を払い過ぎても所得に応じてお金が戻ってくる仕組みもあります。

こちらでは、公的保険制度の優れている点を説明します。


医療費の自己負担割合

医療機関へ被保険者証を提示すれば、入院・外来ともに保険診療を受ける患者の自己負担額は3割負担となります。 

公的保険制度では、この3割負担になるのが6歳から69歳までの方です。つまり、小学校に入学した児童から「高齢受給者証」が交付される前の60代の方が該当することなります。 

しかし、生まれてから6歳未満までの幼児と、「高齢受給者制度」の対象となる70歳から74歳までの方が、原則として2割負担になります。

更に、「後期高齢者医療制度」の対象となる75歳以上の方は、原則として1割負担となります。

公的保険制度は、特に幼児と高齢者の保険診療費の軽減に配慮した制度といえます。

高額療養費制度があるので自己負担限度額が決まっている

公的保険では、患者が3割負担を超える保険診療費を支払う必要はありません。しかし、治療の状況によって、一時的にせよ患者の費用負担が3割を超えてしまうことがあります。 

その場合に患者が活用できる制度が、「高額療養費制度」です。この制度は、患者が保険診療を受けた際に限度額を超える医療費を支払うと、事後、患者の所得区分に応じた一定の金額が戻ってくる制度です。公的保険制度に加入していれば、誰でもこの制度を利用できます。 

傷病手当金で収入減はカバーできる

事業所に勤務している従業員が加入する健康保険では、「傷病手当金」制度があります。

この制度は、病気・ケガの療養で長期間にわたり休職することによる従業員の収入減をカバーすることが目的されています。

本制度は、従業員が病気・ケガの療養で事業所を4日以上休んだ時に適用されます。

手当金としては、1日当たりの給料(日額)の2/3で、最長1年6ヶ月にわたり受け取ることができます。

医療保険構造による不要論

民間の医療保険が不要と指摘される理由には公的保険制度の充実の他、民間の医療保険の構造が挙げられます。

それは、民間の医療保険の保障内容や条件が、現在の医療技術や患者のニーズに合わなくなっていることが挙げられます。

こちらでは、医療機関の現状や医療技術の進歩、民間の医療保険の問題点について言及します。


入院日数短縮の方向に向かっている

現在の患者の入院日数はおよそ何日間くらいなのでしょうか?厚生労働省ホームページ「平成26年(2014)患者調査の概況」を参照すれば次の通りです。

厚生労働省によれば、全国で平成26年9月中に退院するまでの入院日数は、「病院」では33.2日、「一般診療所」では17.4日となっています。

一方、昭和59年の調査では、「病院」が45.5日、「一般診療所」が24.8日であり、医療機関での入院日数は減少傾向にあります。


この入院日数の短縮については、医療技術の進歩と高齢化によるベッド不足が要因になっていると言われています。

入院期間が短くなれば、貯蓄で十分と判断され、民間の医療保険から支払われる入院給付金(日額)は不要とされてしまうことになります。

患者にとって入院給付金とは、長期入院の場合に医療費を貯蓄で賄うことが困難であるために、給付金で代わりに補うという意味があるからです。

保険加入者にとって不利な1入院の制度

民間の医療保険では、1度の入院で加入者が受け取ることのできる給付金の上限額が決まっています。

例を挙げれば、どの保険会社も「1入院につき○○日まで保障」を契約書や、ホームページ等で明記しています。

この1入院(または1度の入院)には、同じ疾病で1度入院し、退院した後にその疾病が再発して入院した場合も、やはり前回の入院にカウントされてしまいます。


例えば、入院給付金が「1入院につき60日まで保障」とあった場合、ある病気で1回目の入院で40日間入院し、退院後、その病気が再発し30日間入院を余儀なくされた場合には、1入院と見なされ10日分の入院給付金は受け取ることができません。

そのため、保険加入者にとって不利な医療保険契約といえます。

使い勝手の悪い特約

また、民間の医療保険の主契約に付加する特約も不要とされる指摘の一つになっています。

特に、三大疾病特約については使い勝手が悪いと言われています。こちらは、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になった時に保障される特約です。


その内の急性心筋梗塞に関しては、最悪の場合、数時間で亡くなるケースが多い病気です。

これら心疾患全体の平均入院日数は20日であり、30日を経過すれば社会復帰は十分可能と言われています。

しかし、民間の医療保険では「60日以上継続した入院であること」が条件とされています。そのため、この条件に当てはまる方は非常に稀で特約を付加すること自体、不要と言われています。


また、脳卒中の場合、保障の対象を「くも膜下出血」、「脳内出血」、「脳梗塞」に限定されています。

こちらも「60日以上継続した入院であること」が保障の条件であり、患者が動くこと、話すこともできない状態で60日間ずっといた場合に、保険が下りるということになります。

このような保障要件の厳しさから不要とされる特約も少なくありません。

医療保険はもったいない?

優秀な公的保険を利用できれば、使い勝手が悪い民間の医療保険への加入は不要と指摘されることについて、それなりに理由があることがわかります。

また、生命保険会社が販売する最医療保険のタイプが固定化されてきているのも、利用者の選択の使い勝手が悪いと指摘される要因といえます。

こちらでは、最近登場している保険商品の特徴について検討します。

医療保険は元が取れない可能性が高い

生命保険各社が現在、販売に力を入れている商品が「終身型医療保険」です。

この保険は、契約時に決められた保険料を払い続ければ、一生涯の医療保障が受けられるという特徴があります。そのため、利用者の人気が高まっていますが、このタイプの医療保険はいわゆる「掛け捨て」の商品である場合が最近多くなっています。

「掛け捨て」とは、加入者が医療保険の解約、または亡くなっても以前に支払った保険料は1円たりとも戻ってこない商品のことです。

つまりは、加入者が健康で病気一つせず、入院する機会もないまま亡くなった場合には、支払った保険料に見合った保障を受けることなく、医療保険契約は解消されることになります。


確かに、苦痛を伴う手術や入院をしないまま人生を終えることは幸せな事ではありますが、それならば「高い保険料を払って、医療保険に加入することなんて最初から不要だった」と、遺族は考えるかもしれません。

結果論ではありますが、このように民間の医療保険には元が取れない可能性が高い商品が多いと言えます。


では、医療保険は無駄なのか?

このようにみてくると民間の医療保険は不要と結論付けされても仕方がないと言えなくもないですが、医療保険が必要か不要かは、今後のご自分の健康状態、ライフステージの変化や、将来の公的保険の動向により判断すべきであるといえます。こちらでは、一概に民間の医療保険不要論だけでは片づけられない事実や、将来起こり得る事態を検討します。

高額療養費制度が改悪される心配がある

まずは、今後、高額療養費制度をはじめとした公的保険制度が改悪されるおそれについてです。

少子高齢化が進展し、公的保険制度を支える保険料納付が減少し始めると、それを利用する患者にしわ寄せがくる可能性があります。

例えば、高額療養費制度では高所得者に関して、当該制度の適用外とされてしまうことがあり得ます。

高所得者は貯蓄が多額にあり、そこから負担するようにと方針が変わることは否定できません。


医療に関係するサービス費用は全体的に増額される傾向が表れ始めており、前述した公的保険の制度の一つである高齢受給者制度は、平成26年4月2日以前に70歳の誕生日を迎える方については、1割負担に抑えられていました。しかし、現在は原則2割負担となっています。

また、入院中の食事代についてはもともと自己負担ではあるますが、値上げ対象となっています。

現時点で入院時の1食あたりの費用は原則として360円ですが、平成30年4月1日から100円値上げされ460円となります。

このように医療機関を利用する患者への負担は確実に増加しています。この増加する費用に対応するため、民間の医療保険の活用が期待されます。少なくとも、現時点で民間の医療保険を不要と結論付けるのは早計な判断といえます。

自営業者は傷病手当金制度が利用できない

自営業者の方々は国民健康保険に加入していますが、この公的保険では傷病手当金制度を利用することはできません。

病気やケガで入院すると、休職により毎月の収入が著しく減少し、最悪の場合収入ゼロという事態にもなり得ます。

家族を養っている方は、配偶者や子の生活を支える必要があるので、仕事ができなくなってしまうと家計の圧迫に直結してしまいます。 

そのため、自営業者のような方々の場合には、一概に民間の医療保険を不要と片付けることは妥当ではありません。

医療保険から支払われる入院給付金を生活費の不足に充てることで、収入の減少による家計の圧迫を避けることができるからです。

先進医療特約が必要ないとは言いきれない

先進医療は、公的保険が適用されず全額自己負担とされる医療サービスです。

先進医療の中には、医療費が数百万円に上る場合があり、深刻な病気には大きな効果を上げる医療行為であっても、多額の費用を自己負担しなければいけません。

多くの生命保険各社が販売する医療保険では特約として付加することができ、先進医療特約の負担分は1ヶ月100円程度となっています。

月々わずか100円の負担で、数百万円の先進医療が保障されることは非常にお得です。

まとめ 

いろいろなサイトでは、民間の医療保険は不要と指摘されていることは事実です。しかし、第一に判断すべきは、現在のご自分にとって必要か、不要かということです。

各人の健康状態、経済状態、ライフステージに関する変化はそれぞれ異なり、その各人がおかれた状況を考慮に入れず、民間の医療保険を一律に不要と判断することは適切ではありません。

まず、民間の医療保険に加入するか否かは、各自が現状を把握し、今後を予測した上で判断すべきことといえます。

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