医療保険の審査とは?審査期間や基準は?通らない場合の対処法も解説

医療保険に加入したいけれど、加入時の審査って何をするの?審査期間はどのくらい?持病があったら通らないのかなど、疑問に思いますよね。そこで、医療保険の審査について詳しく解説していきます。また、告知義務違反についてや引受基準緩和型保険についても解説します。

医療保険の審査とは?内容や基準は?通らない場合はある?

いざ医療保険に加入しようとするとき、どのような手続きが必要か考えますよね。


医療保険の加入時には、いくつかの「審査」項目がありますが、どのようなことを審査されるのか気になるところです。


まずは医療保険の審査はどのようなことをするのかを知り、加入のための準備をしておきたいですね。


そこで、この記事では『医療保険の審査はなにをするか』について、

  • 医療保険で審査される3つの項目とは
  • 告知義務違反とは
  • 持病がある人でも加入しやすい医療保険とは
以上を中心に解説していきます。

この記事を読んでいただいたら、これから医療保険に加入しようと考えているけれど、どのような審査があるのか気になるという方の参考になるかと思います。

ぜひ最後までご覧ください。

医療保険審査は主に3つの要項がある|それぞれの審査基準は?

医療保険の加入時には審査が必要となりますが、それではどのような審査が必要となるかご存知でしょうか。


医療保険の加入時に審査される項目は、以下の3つの項目となります。

  • 健康状態は問題ないか
  • 危険の多い職業に就いていないか
  • 道徳上に問題がないか
各審査項目について、それぞれ詳しく解説していきます。

健康状態の審査:健康診断

医療保険の審査には、まず『健康診断』が挙げられます。

契約者が医療保険に加入する時点で、病気に罹患していないかが保険会社にとって加入を認める重要な判断基準となるからです。


医療保険に加入する時点で契約者が何かしらの病気に罹患していた場合、加入後すぐに入院給付金を受け取る可能性がある、または病気のため働くことができずその後の保険料を支払っていくことができなくなるなど、保険会社にとってデメリットとなる可能性があるからです。


そのため、医療保険に加入する際には直近の健康診断の結果または委託医への診察を受け、健康上問題なしとの診断を受ける必要があります。


また、病歴がなくとも、健康診断で血糖値や血圧が高めで要観察、要検査となっている場合には、医療保険への審査に影響することがあります。


「少し血圧が高いと言われただけなのに」「血糖が少し高いけど、糖尿病とは言われてないし薬も飲んでいない」といった場合でも審査に影響する可能性があります。


近年の医療保険では、持病があっても加入できるタイプも増加してきていますが、ネット媒体でない大手保険会社では、加入時に健康診断の結果の提出は必要不可欠と言えるでしょう。

職業の審査

医療保険の加入には、健康状態だけでなく『職業』についても審査があります。

例えば高所作業を扱う仕事や爆発物など危険物を取り扱う仕事、スタントマンなど日々の職務で危険を伴う仕事に従事している方は、医療保険に加入できない可能性があります。


その理由は、一般の事務などの仕事に比べて怪我を負う、または事故により死亡するリスクが高くなるからです。


医療保険には、病気だけでなく怪我に対しても給付金が支払われる保険が多くあります。


例えば骨折で入院した際には、入院時の入院給付金や骨折時に見舞金が支払われるなどのプランもあります。


勤務中にあまりにも怪我を負うことが多く、給付金の支給が頻繁に起こるようでは、保険会社としても運営に支障をきたします。


そのため、契約者が怪我を負うリスクが高い職業に就いていないかを審査していく必要があるのです。

道徳上の審査

医療保険には、『道徳上』の審査もあります。

道徳上とは、医療保険を不正に使用するために加入をするのではないか、反社会的勢力に該当していないかなどがあります。


一般的にモラルリスクと言われているもので、収入に比べて医療保険の保障金額が高過ぎる場合など、犯罪に関わる可能性が考えられる場合、医療保険への加入を断ることがあります。


また、もしもこのような場合に保険へ加入できても、保険料が割高となるなど制限が課せられる場合があります。

参考|借金の有無は保険加入の審査に影響するか

医療保険の審査には、健康に関するもの、職業に関するもの、道徳上に関するものがあることをお伝えしましたが、それでは、借金がある場合は審査に影響するのでしょうか。 


結論としては、借金がある場合でも医療保険の審査には関係ありません。 


借金があるというと、一見印象があまり良くないように思えるかもしれませんが、住宅ローンや車のローンなど多くの一般の方がローンを抱えているのが普通ですよね。 


医療保険の契約の際、職業や勤務先などは記入しますが、資産に関しての記入事項はありませんし、保険会社から確認されることもありません。 

それぞれの審査基準は1つではない!通らない場合も諦めなくて大丈夫

もし、加入しようとしていた医療保険の審査に通らなかった場合、他の医療保険も同様に加入するのはむずかしいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。 


しかしながら、医療保険の審査の基準は保険会社によって異なっていることが多いです。
従って、1回審査に落ちてしまっても、その他の保険会社の保険の審査に通る可能性は十分にあります。
 


また後で詳しくご説明しますが、持病や既往歴のある方でも入れる『引受基準緩和型保険』という保険もあります。


これは、告知項目の数を3つ~5つ程度と少なくして加入の基準を下げている医療保険で、これらの告知項目を全てクリアすると加入できるというものです。 加入前の持病や既往歴に対しても保障されるものもあります。
 


このように、一度審査に落ちても加入できる保険はありますので、過去に審査に落ちた方で医療保険の加入を諦めていた方など、保険相談サービスを利用して、入れる保険を探してみてはいかがでしょうか。 

医療保険の審査|健康状態は告知書で審査される

医療保険の加入時には、健康診断の結果を提出する、またそれと合わせて告知書も記入し、保険会社に提出する必要があります。

告知書とは健康上の質問項目に「はい」または「いいえ」で自己申告し、「はい」の場合は内容を詳しく記入する必要があります。


加入希望の保険によっては告知書や健康診断結果の提出不要なものもありますが、ほとんどの医療保険の加入時には必要となりますので、保険へ加入する際には必要書類を確認しておくようにしましょう。

主な診察要項をチェックしよう

医療保険へ加入する際に申告する健康上の審査項目について、各保険会社によって項目は異なりますが、主な審査項目は以下の

  1. 最近3ヶ月以内に診察や検査、投薬、病気の診断を受けたことがあるか
  2. 過去5年以内に入院や手術をしたことがあるか
  3. 過去5年以内に7日間以上の医師の診断や検査、投薬を受けたことがあるか
  4. 過去2年以内に健康診断や人間ドックで医師から指摘を受けたことがあるか
  5. 身体障害があるか
の5点になります。

それでは、各項目について詳しく解説していきます。 

最近3ヶ月以内に診察や検査、投薬、病気の診断を受けたことがあるか

3ヶ月以内に病院に通院した場合申告する必要があります。


保険会社によって異なりますが、かぜで通院した場合でも審査に影響があることがあります。 


また医療機関では受診せず、薬局で市販の薬を購入した場合は記載の必要がないことがほとんどですが、保険会社に申告が必要かを問い合わせてみましょう。

過去5年以内に入院や手術をしたことがあるか

5年以内の入院、手術について入院日数や手術名など詳細に申告する必要があります。


過去に入院や手術をしたことがあっても、5年以上経過していれば申告する必要はありません。


しかし、入院や手術を受けてから5年以上経過していても、その病気で現在も通院や投薬治療をしている場合は1の欄で申告する必要があります。  

過去5年以内に7日間以上の医師の診断や検査、投薬を受けたことがあるか

過去5年以内に医療機関を受診して、初診日から完治まで7日間以上かかった場合に申告する必要があります。 


例えば、医療機関を受診し10日分の薬が処方された場合には申告する必要があります。


しかし、7日間以上通院や投薬があっても5年以上前のことであれば申告する必要はありません。

過去2年以内に健康診断や人間ドックで医師から指摘を受けたことがあるか

過去2年以内に、健康診断や人間ドックを受けて要治療・要精密検査・要再検査・要経過観察など指摘を受けた場合に申告が必要です。  

身体障害があるか

視覚・聴力・言語・咀嚼機能の障害や手や足、指について欠損や機能障害、背骨や脊椎などの変形や障害がないかなどの申告になります。 


以上のいずれか1つにでも該当した場合は、できるだけ詳しく(病名や入院日数、手術名など)申告する必要があります。 


もしも記入する際に記入する必要があるのか迷った場合には、必ず保険会社に申告の必要があるかの確認を行ってください。


後で記述しますが、申告漏れがあると告知義務違反となる可能性があるためです。

医療保険の審査期間はどのくらいかかる?

医療保険の審査にかかる期間とは、通常1~2週間ほどとなります。

申告内容に不備があったりする場合、審査に時間がかかる可能性があり加入時期が遅れてしまいます。


医療保険加入時の申告書を記載する際には、正確に記入するようにしましょう。


そしてもしも他社の保険会社から医療保険の切り替えなどで加入を検討している場合には、切り替え時期に注意しましょう。


今までの保険を先に解約してから新しい医療保険への加入申請、審査を受けるようにすると、万が一審査にて加入できないとなった場合には、医療保険未加入状態となってしまいます。


このように万が一に備えて、保険の解約時期は十分検討しましょう。


保険の見直しを検討されている方で、上記のポイントをご存知なかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。


このことを知らずに、保険を解約してしまっていたら、新しい保険に加入できず、未加入の状態になるリスクもあるのです。


保険の見直しをされている方、 万が一に備えて、保険の見直しをする際は専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)へ相談することをおすすめします。

医療保険の加入審査機関中に病気にかかってしまった場合どうなる?

もし、加入審査中に病気やケガをして入院してしまった場合、審査にはどのように影響するのでしょうか。
 


加入者としては、告知書を提出した後に病気になってしまったのだから、虚偽の告知ではないから加入できるのではないか?と考えてしまうかもしれません。 


しかしながら、医療保険の契約が完了するタイミングは、告知書の提出だけでなく、初回の保険料の払い込みなど諸々の手順を全て完了し、保険会社から加入が承認された時点となります。 


従って、この保険会社から加入が承認された時点よりも前に、病気やケガで入院した場合には、厳密には、告知内容と異なるということになってしまいます。

 

その結果、審査中に病気やケガを負った場合は、その保険への加入ができなくなる可能性があるといえるでしょう。

医療保険の審査における告知義務違反について

告知義務違反とは、簡単に言うと保険加入時に『嘘の申告をする』ことです。

例えば、現在医療機関へ通院しているのにその旨を申告しなかった、日帰りの入院または手術を受けたけれど、申告不要と判断し告知書に記入しなかった、などです。


もしも告知義務違反があると、入院や手術をした時に給付金が支払われず、契約自体が解除となってしまうなど、厳しいペナルティが課せられます。


加入時に必要事項の申告をしておらず、契約成立し保険加入できたとしても、その後2年が過ぎれば告知義務違反を犯していたと判明しても、保険会社からは契約を解除することはできません。


したがって、2年間告知義務違反がバレなければ大丈夫、と思って加入しようとする人も中にはいますが、悪質な告知義務違反の場合、2年経過していても保険会社は契約を解除することができます。


そして詐欺罪として訴えられることもありますので、告知義務違反は絶対にしないようにしてください。


告知義務違反が判明した場合、給付金はもちろん支払われることはありませんし、それまで支払った保険料が返ってくることもありません。


安心して医療保険を受けられるように、保険加入時には必要事項をきちんと申告し、告知義務違反とならないように注意しましょう。


実際に告知義務に違反し発覚した場合の例を、関連記事でご紹介しています。こちらの記事を読んでいただければ、告知義務に違反した場合どうなるか、よりリアルに感じていただけると思いますので、興味のある方は是非ご覧ください。

気になる審査のゆるい保険会社は?

ネットで販売されている医療保険などでは、持病があっても加入することができる審査に甘い保険商品があります。

医療保険は支払事由が多数あり、保険金が支給されることが多く、一般的に保険会社の審査は厳しため、審査に落ちる申請者もおられます。

しかし、持病があっても完治が可能であることや、治療中でも診断書を提出したり、健康診断の数値によっては審査を通過することもあります。


告知書の内容や加入条件によって、持病があっても審査に落ちることなく加入できる保険は持病を持っている方にとってはありがたい保険ではあります。


しかし、保険料が割高であったり、保険の給付条件が厳しいなど保障内容に制限がありますので、加入の際には保障内容をよく確認しておくことが大切です。

加入時の告知事項がゆるい医療保険!引受基準緩和型保険例を紹介

『引受基準緩和型保険』とは、一般的な医療保険に比べて加入のための基準が低く、持病がある方でも加入しやすい医療保険のことです。

よくテレビCMなどで宣伝されている「持病があっても大丈夫」というものは、このタイプのものが多いです。


現在通院または治療をしていても、過去2年以内にがんを発症していない、入院や手術を医師から進められていないなど、上記で申告が必要とお伝えした告知内容よりも条件が緩く設定されています。


持病の悪化による入院や手術などにも給付金支給の対象となっているため、持病のある方にとってはとてもありがたい保険と言えます。


しかし、注意が必要なことは、加入後1年以内に手術や入院をした場合、給付金額を減らして支払われたり、一般の医療保険と比べて保険料が割高となるケースもあります。


給付金を受け取るときにこんなはずでは、ということにならないためにも、保障内容をよく確認して加入することをおすすめします。


『引受基準緩和型保険』の中の一つの保険商品Cを紹介します。


保険商品Cは、3つの質問の答えが全て「いいえ」であれば加入できる『引受基準緩和型保険』です。
 


通常の病気やケガに加え、加入前の病気が悪化した場合の保障もあり、また、先進医療を受けた時の技術料を通算2,000万円まで、さらにその10%を一時金として受け取ることができます。 


この先進医療の保障は、他社の医療保険では特約として扱っているものも多いのですが、保険商品Cでは基本保障の中に含まれています。
 


また、特約に関しては 

  • 死亡保障 
  • 引受基準緩和型重度三疾病一時金特約(2019) 
  • 引受基準緩和型入院一時金特約 
  • 引受基準緩和型通院治療支援特約 
  • 七大生活習慣病入院給付特則 

などの中から、ニーズに応じた特約を付加することもできます。
 


この保険商品やその他の『引受基準緩和型保険』についても知りたい方、保険相談サービスなどを利用することをおすすめします。


※保険業法・金融庁ガイドラインの観点で具体的な名称は伏せています。

医療保険の審査まとめ|基準や審査期間・告知義務違反・落ちた場合の対処法


この記事では、医療保険の審査について解説してきましたがいかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  •  医療保険の加入審査には、『健康』『職業』『道徳上』の3つの項目の審査がある。 
  • 健康状態は告知書や健康診断の結果で審査される。 
  • 健康状態での告知内容には、現在または過去定められた期間内に医療機関で受診または投薬や手術、入院の経験があるかなどを問われる。 
  • 告知義務違反は保険金が給付されなかったり保険解除となりかねないので、必要事項はきちんと告知する。 
  • 持病がある方でも加入しやすい引受基準緩和型保険は加入時に保障内容をよく確認する必要がある。 

以上です。


病気やけがに備えておきたい医療保険ですが、加入時には健康状態や職業などの告知が必要となり、告知内容に虚偽が見つかると告知義務違反となります。
 


告知義務違反となればこれまで支払ってきた保険料も無駄になってしまうので、加入時には告知漏れがないよう十分に注意し、安心して医療保険が受けられるようにしておきましょう。 


ほけんROOMでは、ほかにも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。 

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