医療保険にも詐欺事件が多い!告知義務違反と保険金詐欺の関係

医療保険に加入する際は告知義務というものが発生します。告知義務に違反すると詐欺罪になることもあります。しかし、故意の違反でなかったり募集人が違反していることもあり得るのです。今回は医療保険における詐欺の扱いについてご紹介します。

医療保険を利用した保険金詐欺の実態を解剖!

あなたは、医療保険の保険金詐欺に関して興味があることでしょう。


日頃のニュースでもたまに、保険金詐欺を扱うことがあります。


また、保険に入る時にふと「保険金詐欺」「告知義務違反」などの言葉が浮かぶこともあるでしょう。


しかし、その保険金詐欺、本当に有り得るのでしょうか?


なかなか個人で告知義務違反をすることは考えられませんし、多額なお金が動くイメージがあります。


そのため、私達個人には関係ないと思われている方も多いでしょう。


実は、知らず知らずのうちに詐欺事件に関わってしまっている、ということも起こり得るのです。


そこで、この記事では、
 

  • 医療保険の告知義務について
  • 医療保険の募集人による告知義務違反について
  • 医療保険の保険金詐欺の事例や還付金詐欺について

以上のことを中心に解説していきます。


この記事を読んでいただければ、医療保険の保険金詐欺について考えるときに役立つかと思います。


是非最後までご覧ください。




医療保険の告知義務、審査には要注意

医療保険において契約を結ぶということは何らかのリスクを負うことでもあります。

契約者としては保険料を支払わなければなりませんが、保険料分の保険金が返還される可能性というものは少ないです。

また募集人(医療保険を扱う会社)にとっては、加入時期が短くとも規定通りの保険金を支払わなければならないといったリスクも生じます。


医療保険では以上のようなリスクを回避するために告知義務というものがあります。


一般的には契約者に対して「最近3ヶ月以内に医師の診察、治療、投薬などを受けたか」、「今までにがんになったことがあるか」、女性であれば「現在妊娠しているか」などの質問事項をあらかじめ確認しておきます。


告知義務に違反した場合は契約が一方的に破棄されたり、内容が悪徳である場合は詐欺罪として立件されることもあります


しかし、これは告知義務に違反する人が契約者の場合であって募集人がするものではありません。


医療保険の詐欺事件の中で悪徳なものは募集人がする事件でしょう。


募集人は医療保険の契約の際に告知義務について説明を行い、重要性の確認をして告知自体の推奨と確認を行わなければなりません。


安易に「この項目は書かなくていいですよ」と述べてきたり、審査として電話確認等をしてこない保険会社は要注意です。

故意ではない可能性も?まずは告知義務を理解しよう

告知義務に関してはあまりよく分からないという方は多いでしょう。

または、とりあえず告知義務を果たすために保険会社から配布された用紙に必要項目を満たしていけば良いとお考えの方もいるでしょう。

告知義務とは保険会社から見れば医療保険の契約内容を遵守するためのリスクヘッジとも言えます。


ゆえに十分に注意を払いながら監視するものでもあります。


そして、告知義務違反として認識される場合は契約内容を一方的に打ち切ることができ、その間に支払われた保険料について返還されることはありません


告知義務の有効期間は2年間とされていますが、この2年間の間に保険金の受け取りや保険料支払免除などの特約を受けていた場合は、2年以上経過した時点でも告知義務違反として立件することができます。


しかし、告知義務違反というのは必ずしもわざと行うものではありません。


先ほど述べたように、安易に告知義務を取り扱う、いわゆる不告知教唆を行う業者もいます。


知っている現状については的確に書きましょう。


なお、告知は契約を結んだあとにも申告が可能となっています。

告知義務違反の場合、契約違反となり保険金が支払われない

告知義務違反として認識された医療保険というのは白紙に戻すことができます。

ただし、白紙に戻すということは契約前にリセットすることではありません。

文字通り契約自体が無かったことになりますので、それまでに支払われた保険料というのが契約者に返納されることはありません。

また医療保険の詐欺事件の争点となるのが保険料に対する正当な保険金が支払われているかという点です。


保険金というのはそれまでに支払われてきた保険料に見合ったものでなければなりません。


しかし告知義務違反として白紙になった医療保険の保険金を支払う会社はありません。


もし医療保険会社が不告知教唆で意図的に告知義務の状態を作っていれば重大な詐欺事件となります。



保険会社は告知義務違反の保険金詐欺をどう調査しているのか

保険会社が告知義務違反を突き止めるために行う方法は基本的にヒアリングとなっています。

まず被保険者に対して現状の確認のために電話もしくは面接を用います。


もし、被保険者本人の対応が難しいと判断されれば親族や配偶者に話を聞くことになります。


医療保険の中でも多額の保険金が関与する場合は保険会社が被保険者の身辺調査をする場合があります。


しかし、この事例は極端に少ないため、基本的にはヒアリングで事実確認をするものだと思ってよいでしょう。


告知義務違反が無いかを確認するために重要なものに同意書があります。


この同意書は契約者とのものではなく主治医が問題となっている症状に関して問題が無いと証明するものです。


証明のためにはカルテの提出を求めることもあります。


中にはカルテの提出を拒む病院もありますが、弁護士法23条に基づき弁護士がカルテ内容の聴取を行うことができます。

医療保険を利用した保険金詐欺の事例

ここまで医療保険会社が意図的に不告知教唆を行い、告知義務違反をさせることもある、という内容を見てきました。


これは重大な詐欺事件に該当し、知らず知らずのうちに犯罪の片棒を担いでしまうことにもなりかねません。


ですが、もっと大がかりな詐欺になってくると、なかなか想像がつきませんよね?


そこで次項ではアメリカで起きた巨額の医療保険金詐欺事件や、奈良県での診療点数報酬詐欺を説明します。


具体的な手口はどのようなものなのでしょうか?

アメリカでの巨額医療保険金詐欺事件

日本では治療費の多くが国や地方自治体の負担で賄われていますが、アメリカではヘルスケア事業に国から支出されている予算は10%程度です。

では残りの分はというと、医療保険の多くは民間企業の運営なのです。


ただし、低所得者や高齢者に対する一定の医療を供給されるための制度も設けられています。


このような環境の中、2010年頃に民間企業が国に不当な請求をしていることが明らかになりました。


国は正当な審査をしないまま、保険会社や病院に言われるがまま、保険金を支払っていました。


そのため、メリーランド大学のDavid Hyman教授(法学部)の論文 によれば、12兆円ほどの医療保険金が本来必要としない人や組織に流れているということです。


医療保険金の詐欺事件としては非常に多額の事件であり、これは告知義務を疎かにした結果として表れたものです。


そのうえ、診察対象となっている被保険者は事実をほとんど知らないという現状も明らかにされています。

2014年奈良県での診療点数報酬詐欺

では日本はというと、奈良県で平成20年1月~21年9月の21カ月間にわたり、計360万円の診療報酬をだまし取ったとされる詐欺事件が発生しています。

実際には診察をしていないのにも関わらず、診察したとする虚偽の「診療報酬明細書(レセプト)」を県国保連合会に提出していたのです。

1か月に80万枚ものレセプトが同連合会に持ち込まれるものの、三市委員会にはレセプトの根拠となるカルテを照合する権利はありません。


そのため、審査が疎かになってしまい医療費を支払う手続きを取ってしまったという事件です。


この詐欺事件の問題点は詐欺行為が国の予算にまで及んでいるという事実であり、国民の血税が詐欺によって搾取されていたという事です。


今回の事件では元従業員の保険証番号を悪用しての犯行でした。

医療保険の還付金詐欺にも要注意

日本で発生している医療保険の詐欺として身近なものには還付金詐欺というものがあります。

還付金すなわち、お金の返納をしたいので口座番号や個人情報を確認したい、あるいはATMで所定の手続きを行うように指示して来るものです。


このような手口では携帯電話にかけながら指示をしてくるものが多いため、携帯電話を持っていないと言えば切られることがほとんどです。


また、社会保険庁および健康保険組合等は電話によってATMでの手続きや個人情報の聞き出しは絶対に行いません


必ず手紙による通知を出します。


ゆえに通知の手紙が無い場合は該当の組織に確認するか警察に相談しましょう。

医療保険の詐欺事件のまとめ

医療保険の保険金詐欺について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。


今回のこの記事のポイントは、

  • 医療保険で告知を怠ると告知義務違反となり、内容によっては詐欺罪となる
  • 医療保険の募集人が不告知教唆を行う場合もある
  • 最近では国が保険金詐欺被害を受けており、還付金詐欺も増えている

です。


告知義務違反は犯罪ですが、募集人が不告知教唆を仰ぐ手口もあります。


これに乗ってしまうと、実際起きた詐欺事件のように、片棒を担いでしまうことになりかねません。


また、最近では医療保険の還付金詐欺も増えています。


社会保険庁および健康保険組合等からは電話ではなく手紙が来ますので、注意をしてください。


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この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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