高度障害状態とは?なる確率や生活費、生命保険で備える必要性をわかりやすく解説

高度障害状態とは、視力を永久に失った場合などと定義されており、確率は低いです。では生命保険(死亡保険)の保険金で備えることは不要なのでしょうか。今回、高度障害状態の定義やなる確率、なった場合の生活費、保険金請求方法、国の保障はあるのかをわかりやすく解説します。

高度障害状態とは?定義やなる確率、保険金はおりるのかも解説

「高度障害状態」とはどのような状態をいうのかご存知でしょうか?  

「高度」な「障害」という字から、非常に深刻な障害状態であることは予想できます。 

実は、高度障害状態と認定されるには、7つの要件のうち、そのいずれかに該当した場合のみとなります。 

高度障害状態となった場合には収入が途絶えてしまうため生活保障の面でも心配になりますが、公的な制度から障害年金などを受給することができます。 

高度障害状態になるリスクは誰にでも等しく存在しますので、どういった状態が高度障害状態に該当するのか、障害年金や高度障害保険金の受給要件や受け取り方などを知っておくことは非常に大切なことです。 


そこでここでは、 

  • 高度障害状態の定義や確率 
  • 高度障害状態になった時の生活費 
  • 高度障害保険金が受け取れる場合と受け取れない場合 
  • 生命保険会社別の高度障害状態の定義

  • 高度障害保険金の受け取り手順 
  • 保険金請求をする際の注意点
  • 高度障害保険金にかかる税金 

以上のことを中心に解説していきます。 


この記事を読んでいただければ、高度障害状態についてより深く理解していただけると思います。 


ぜひ最後までご覧ください。 

高度障害状態の定義や例を解説

高度障害状態とは、以下の7つのいずれかに該当した場合になります。

※生命保険文化センター 「Q.高度障害保険金を受け取れるのは、どんなときなの?」より


  1.  両眼の視力を全く永久に失ったもの
  2. 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  3. 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの 
  4. 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  5. 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  6. 一上肢を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
  7. 一上肢の用を全く永久に失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの

両眼の視覚障害

両目を失明した場合が該当します。


視力回復を目的とした手術の予定がなく、メガネやコンタクトレンズ等で視力を矯正しても、両眼ともに矯正視力が0.02以下で、回復の見込みがない場合を指します。

0.01が、視力検査で最上段のしるしを示すので、矯正後も0.02以下というのは、日常生活を送るうえでは非常に厳しい状態です。


ただし、視野の一部が欠損する「視野狭窄(しやきょうさく)」や、まぶたが下がって目が閉じる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」による視力障害は、保険金の対象にはなりません。 


BuzzFeedのサイトで、視力0.01の疑似体験ができます。


如何に、日常生活に支障あるかご覧ください。

言語障害またはそしゃく障害

以下の場合が該当します。

  1. 言葉による意思疎通ができなくなった状態
  2. 流動食以外しか摂取できなくなった状態
  3. 次のどれかに該当し、「言葉で自分の意思を伝えることができない状態」で回復の見込みがない状態
①語音構成機能障…
  • 口唇音(ま行音、ぱ行音、ば行音、わ行音、ふ)
  • 歯舌音(な行音、た行音、だ行音、ら行音、さ行音、しゅ、し、ざ行音、じゅ)
  • 口蓋音(か行音、が行音、や行音、ひ、にゅ、ぎゅ、ん) 
  • 咽頭音(は行)の4種類のうち、3種類以上の発音が不能 
  

②中枢性失語症…頭の中で言葉を理解し、また自分で言葉を作り出す働きの障害

 

③声帯(喉頭)全部摘出…声帯がなくて声が出せない状態


常時終身介護介護が必要な状態

常時終身介護介護が必要な状態とは、


  • 食物の摂取
  • 排便、排尿、その後の始末
  • 衣服着脱
  • 起居(立ったり座ったりすること)、歩行、入浴

など、いずれもが自分ではできずに「常に他人の介護を要する状態」をいいます。

つまり、1つでも自分でできるのであれば、原則として高度障害状態には該当しません。


では、その程度を具体的に見ていきます。



具体的な状態
①自分で食物を摂取できない状態箸やスプーン・フォークなどの食器を使用しても、
自力で食物を口まで運ぶことができない状態。
②自分で排便・排尿ができない状態洋式便器を基準としており、大小便の排出が自分ではできない状態。ただし、トイレまで行く
こと・便座に座ること・ズボンなどの下着の着脱ができない状態は含まれない。
③自分で排便・排尿の後始末ができない状態大便または小便を排出した後に、体の汚れた部分を
トイレットペーパーなどで拭うことができない状態。
④自分で衣服着脱ができない状態ボタン・チャックがない衣服(Tシャツやトレーナーなど)を、
着たり脱いだりすることが自力ではできない状態。
⑤自分で起居ができない状態横になった状態から、起き上がって座位を保つことができない状態。
⑥自分で歩行ができない状態他人の介助がなければ、自分で歩けない状態。
杖や手すりなどを利用すれば歩行できる場合は該当しない。
⑦自分で入浴ができない状態浴槽に入ったり出たりすることが自力でできない状態。手すりなどを利用して、浴槽に入ったり出たりすることができ、他人の介助を必要としない状態は該当しない。

両上肢または両下肢の障害状態

両手または両足とも失ったか、または動かなくなった状態のことを指します。

失った状態とは、両上肢を手首以上で切断している場合や両下肢を足首以上で切断している場合です。


一方、動かない状態とは、両上肢(下脚)の完全運動麻痺、上肢の場合は肩や肘、手首の各関節すべてが完全に固まり、自分では形態を変えることができない状態(完全強直)で、回復の見込みがない場合を言います。


下肢の場合は股や膝、足首の関節すべてが完全に固まり、自分では形態を変えることができない状態(完全強直)で、回復の見込みがない場合を指します。

1上肢および1下肢の障害状態

先ほどの両手・両足ではなく、片手・片足に障害がある場合は、以下のケースで高度障害状態となります。
  • 一上肢を手首以上で切断し、1下肢を足首以上で切断している場合
    ⇒片手を手首以上で失い、さらに片足を足首以上で失っている場合
  • 一上肢を手首以上で切断し、1下肢の完全運動麻痺、または股や膝、足首の各関節すべてが完全に固まり、形態を変えることができなくなった状態(完全強直)で、回復の見込みがない場合
    ⇒片手を手首以上で失い、さらに片足が動かない(回復の見込みがない)場合
  • 一下肢を足首以上で切断し、1上肢の完全運動麻痺、または肩や肘、手首の各関節すべてが完全に固まり、形態を変えることができなくなった状態(完全強直)で、回復の見込みがない場合
    ⇒片足を足首以上で失い、さらに片手が動かない(回復の見込みがない)場合

高度障害状態になる確率は0.02%?

「0.02%」これが高度障害保険金の請求です。

高度障害状態とは、日常生活を行うにあたって支障があるもので、具体的には後述しますが、「死亡に匹敵する損失」と位置付けられているので、とても重い状態であると認識してください。


請求の数をもとに計算したものなので、高度障害状態になっても、請求していない人もいることを考えると、高度障害状態になる確率はもっと高いと思いますが、それでも1%は大幅に下回る可能性です。


高度障害状態を対象に、その後の生活費を支払うといった生命保険もネットの保険会社などで販売していますが、果たしてこれほどの低い確率のリスクに保険料を支払うことに私は懐疑的です。


なぜなら、保険料は発生確率をもとに定まっているので、不当な金額ではないですが、私自身お客さまと話していると、一般にこれらの保険に加入している人は、「働けない状態=高度障害状態」と考えがちで、自分は働けない時のリスクに備えているので安心と考えがちです。 


働けないリスク(収入ダウン)に備えることは、死亡リスク以上に現役世代には大事です。


しかし、給与が下がる・仕事ができなくなるリスクに対しては、ただ備えるのではなく、「広く(給付範囲)、長く(何年給付金受け取れるのか)」備えることの方が大切です。


昨今、多くの雑誌では、保険料だけで、専門家と称する方が生命保険商品の善悪を語っています。


私はこの状況に非常に危惧をしています。


果たして、自称専門家の方々が、どれだけ個々の生命保険商品の給付事由(カバー範囲)まで認識しているのかは甚だ疑問です。


すべてのリスクに備えることはできませんが、三大疾病(がん・脳卒中・心筋梗塞)はもちろん車いす状態での生活を余儀なくされたとき、自分が年金をもらえるまでの生活費を備えることは最低限必要だと思います。


例えば、がんや脳卒中にも程度はありますが、少なくとも若い人のがんや脳卒中になった人の多くは今と同じ生活を送るのは難しいです。


仕事柄、私もそういう方に多く対面していますが、思い通りに体が動かなかったり、治療を継続する姿は、見ていて辛いものがあります。


このような場合に、役立つことが「働けないリスク」に備える生命保険としては大切な役割といえます。 

高度障害状態になってしまった時にかかる生活費(介護費用含む)

高度障害状態となった場合には、交際費等は減るため、生活費自体は減りますが、介護費用が必要となるので、一般的に家計の支出は圧迫されるといえます。

一方で、障害基礎年金などの受給もあるため、そのバランスで考える必要があります。

高度障害状態となると毎月15万程度介護費用がかかる

高度障害状態の場合に、必要な介護費用は毎月約15万円と言われています。


現時点で最新の調査月報(平成29年10月審査分)によると、要介護2以上の月平均費用は 14万7,700円 です。 

生活費とは別に毎月約15万円の介護費用が必要というわけです。


万が一こうなったら、自前の蓄えだけではどうすることもできません。


仮に公的介護保険が受けられれば自己負担は1割~2割ですが、受給資格は40歳からであり、また40~64歳のカバー範囲は限定的なため、公的な保障だけでは怖いといえます。

国からの補助は「障害基礎年金」

公的介護保険は40歳からが対象となりますが、40歳未満でも受けられる社会保障は、国民年金の給付のひとつである障害基礎年金です。 


しかし障害基礎年金から支給される金額はどんなに重度の障害でも月額10万円未満です。

【1級】 779,300円×1.25+子の加算

【2級】 779,300円+子の加算    


※子の加算第1子・第2子…各224,300円 、第3子以降 各74,800円


ただ、国民年金保険料を納付していない場合等は、受給ができないケースもあるので、注意しなければなりません。


ただ、この金額だけでは、月額の介護費用はおろか、生活費すらまかなえません。


自営業、パート社員の方は、その点をよく注意して、民間生保での備えも大切です。

厚生年金加入者は「障害厚生年金」や労災保険の「障害給付」も

一方、会社勤めであれば前述の障害基礎年金に上乗せして受けられる保障があります。

厚生年金の給付のひとつである障害厚生年金です。


【1級】(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕 

【2級】(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,300円)〕

【3級】(報酬比例の年金額) 最低保障額 584,500円


※ 報酬比例の年金額は、日本年金機構のHPに計算式を参照


もし業務中に負った障害であれば更に労災保険の障害補償給付も合わせて受給できます。


障害補償給付は、業務上の傷病が治癒した後、障害が残った時に支給される保険給付です。


なお、通勤災害の場合は、障害給付(障害年金・障害一時金)と言います。


第1級から第7級の重い障害に対しては障害補償年金が支給され、第8級から第14級までの比較的軽い障害に対しては障害補償一時金が支給されます。


言葉からもわかる通り、年金は障害を有している間支給されますが、一時金は1回支給されるだけです。


また、障害補償給付の受給権者には、特別支給金である障害特別支給金と、ボーナス特別支給金である障害特別年金・障害特別一時金も支給されます。


※ 厚生労働省のHPより障害補償給付の金額について参照


こうみるとあらためて会社勤めの福利厚生がどれだけ手厚いのかが分かります。

高度障害保険金が受け取れる場合

死亡保険の高度障害保険金を受取れるのは、次の項目にすべて該当した場合になります。
  • 高度障害の原因が、責任開始日以後に発生した「約款所定」の「不慮の事故が原因の障害」または「発病した病気」であること。
  • 約款に定める高度障害状態に該当すること。
  • 症状の回復が見込めないこと。


  

高度障害状態の原因が責任開始日以降であること

責任開始期前に既に生じていた障害状態に、責任開始期以後の病気やケガを原因とする障害状態が新たに加わって高度障害状態に該当したときも、責任開始期前後の各障害の原因となった病気やケガに因果関係がなければ、高度障害保険金が受け取れます。

約款に定められた不慮の事故や病気が原因であること

高度障害保険金は、一般的な死亡保険金同様、不慮の事故や病気を原因としたものに対して支払われます

そして、事故から何日以内に障害状態になっているか等の時限的制約も設けられています。

例えば、保険契約者または被保険者の「故意(自傷・自殺行為)」によって約款に定める高度障害状態になったときなどは、支払いの対象外です。


実際の約款には次のように定められています。(会社によって異なります)


被保険者が、保険期間中につぎのいずれかに該当したとき 

  1. 責任開始期以後に発生した所定の不慮の事故による傷害を直接の原因として、その事故の日からその日を含めて180日以内に所定の高度障害状態に該当したとき
  2. 責任開始期以後に発病した所定の感染症を直接の原因として、所定の高度障害状態に該当したとき

約款が定める高度障害状態であること

約款が定める高度障害とは上記で述べたような、以下の7つに分類されています。

これらの状態の時に支払われるもので、高度障害状態の判断は保険会社によっても多少異なるもので、「身体障害等級第1級だと認定される=高度障害保険金が受け取れる」ではない点に注意してください。

  •  両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  • 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
  • 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 一上肢を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
  • 一上肢の用を全く永久に失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの

回復の見込みがないこと

所定の高度障害状態に陥っても、回復の見込みがあると判断された場合給付金は支払われません

あくまで、永久的に所定の障害状態が継続すると見込まれた場合に支払われるものです。

高度障害保険金を受け取ることができない場合

次のどれかに該当する場合は、高度障害保険金を受け取ることができません。
  • 約款に定める高度障害状態に当てはまらない場合や、症状が固定していないとき
  • 責任開始日前に発生した障害または発病した病気が原因で、「約款所定」の高度障害状態になったとき
  • 保険契約者または被保険者の「故意(自傷・自殺行為)」によって約款に定める高度障害状態になったとき
  • 特定の障害を保障の対象にしない場合

約款の所定の高度障害状態に当てはまらない時

高度障害状態の規定は、生命保険会社定める約款に記載されています。

基本的にはその記載内容は同様なもので、高度障害状態の基準については、生命保険会社による違いはほぼないといえます。

  •  両眼の視力を全く永久に失ったもの
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
  • 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの 
  • 両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
  • 一上肢を手関節以上で失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
  • 一上肢の用を全く永久に失い、かつ、一下肢を足関節以上で失ったもの

高度障害状態の原因が責任開始日であること

責任開始日前に発生した障害または発病した病気が原因で、「約款所定」の高度障害状態になったときは高度障害保険金は支払われないので、すべての不慮の事故や病気が対象になるわけではありません。

故意(自傷・自殺)により高度障害状態になった場合

保険契約者または被保険者の「故意(自傷・自殺行為)」によって約款に定める高度障害状態になったときは、保険金は支払われません。

保障されていない部位が高度障害状態になった時

特定部位不担保といって、加入時に、特定の部位(眼、耳など)に対する保障を保険会社が行わない時は、その部位を起因とする高度障害状態になった際には、高度障害保険金が支払われないケースがあります。

主に、視力障害・聴力障害が該当します。

特定部位不担保は、期間限定の場合もあるので、加入時に条件が付いた場合はしっかりと確認し、メモしておくことが大切です。

高度障害状態は身体障害者福祉法の要介護状態とは違うので注意

高度障害状態とは上記の「約款の所定の高度障害状態に当てはまらない時」に記載されている
状態のことを言いますので、これに該当しない場合は高度障害保険金は支払われないので注意が必要です。


また、保険会社が定めている高度障害状態は身体障害福祉法などが定めている公的介護保険制度の要介護状態とは異なります。


公的介護保険制度の要介護状態とは

  • 第1号被保険者(65歳以上)
  • 第2号被保険者(40歳~64歳)で初期認知症や脳疾患など加齢に伴う疾病によって要介護状態になった人。

高度障害状態の定義は生命保険会社によって異なる?

高度障害者状態の定義は、どの生命保険会社も基本的な内容は同じですが具体的にどのような状態を高度障害状態とするのか?という判断が異なります。


例えば、他人に介護をしてもらわなければ自力で歩く事ができない人の状態の場合、「本当に介護が必要なのか?本当に歩く事ができないのか?」


という判断基準は各生命保険会社によって違いが出てくる可能性も考えられます。

プルデンシャル生命が定める「高度障害状態」の定義

プルデンシャル生命が定める「高度障害状態」の定義は

  • 手術をしても視力が回復せず矯正しても両目の矯正視力が0.02以下で回復の見込みがない
  • 言語またはそしゃくの機能を全く永久に失い流動食しか摂取できない
  • 中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する
  • 食物の摂取や排便・排尿、衣類の脱着、歩行、入浴のいずれも要する
  • 上肢を手首以上で失っている
  • 両上肢を自力で動かせない、肩、肘、手首の全ての関節全完全強直し回復の見込みがない
  • 両下肢を足首以上で失っている
  • 両下肢が自力で動かせない、股、膝、足首の関節全てが完全強直し回復の見込みがない
  • 1上肢を手首以上、1下肢を足首以上で失っている
  • 1上肢を手首以上で失い、1下肢を自力で動かせない、または股、膝足首の関節が完全強直状態で回復の見込みがない
  • 1下肢を足首で失い、1上肢を自力で動かせない、または肩、肘と手首の関節が完全強固状態で回復の見込みがない

ジブラルタ生命が定める「高度障害状態」の定義

ジブラルタ生命が定める「高度障害状態」の定義は

  • 両目の視力が0,02以下で回復飲み込みがない(視野狭窄および眼瞼下垂による視力障害は視力を失ったとみなされない) 
  • 語音構成機能障害で言語またはそしゃく機能を永久に失っている
  • 中枢神経、精神、胸腹部臓器に著しい障害を残し常に介護を要する
  • 両上肢を手首以上で失っている、又はその用を永久に失っている
  • 両下肢を足首以上で失っている、又はその用を永久に失っている 1上肢を手首以上で失い、1下肢を足首以上で失っている
  • 又はその用を永久に失っている 1上肢の用を永久に失い、1下肢を足首以上の関節で失っている

高度障害状態時の保険金の請求手順

高度障害状態時の保険金の請求手順は

  1. 契約者、又は保険金の受取人が生命保険会社のコールセンターか担当者に請求理由が発生したことを連絡
  2. 保険会社から必要書類を案内され、受取人が請求手続きを行う
  3. 保険会社が保険金の支払い請求書を受理し、支払可否判断が行われてから保険金を受け取る
  4. また、被保険者本人が保険金の請求ができない場合、保険会社によっては契約時にあらかじめ指定代理請求人を指定出来る会社もあります。

指定代理請求人を指定していない場合は「被保険者と同居しまたは生計を一にしている戸籍上の配偶者または3親等内の親族に限る」などの制限があるので注意しましょう。


高度障害保険金の受け取り方

高度障害保険金の受取については、被保険者が高度障害保険金の受取人となります。

つまり,高度障害状態になってしまった本人が受取人です。 

本人の判断能力が失われているときには,前もって決めておいた代理請求者か成年後見人が実際の手続をおこないます。

指定代理請求人の条件

指定代理請求人は、保険会社によって異なりますが、一般的には以下の方を指定できます。


  • 被保険者の戸籍上の配偶者(同性パートナーを認める会社もあります)
  • 被保険者の直系血族(自分の祖父、孫など)
  • 被保険者と同居または生計を一にしている被保険者の3親等内の親族       ※請求時点にも、代理人は上記の範囲内であることが必要です

通常は、上記のケースでほとんどカバーすることができますが、天涯孤独や親戚間での不仲等があるケースなどは、保険会社に問い合わせ、例外規定の場合は本社申請をしてもらうと良いでしょう。


その他の留意点として、生命保険会社は指定代理請求人からの請求に基づいて保険金等を支払ったことを被保険者に連絡することはありません。


したがって、被保険者が知らない状況で、保険金等が支払われたことにより、保障内容(保険金額、保険料)が変わったり契約が消滅したりすることがあります


保険金等が支払われた後に、契約者(被保険者)から契約内容についての問い合わせが直接生命保険会社にあると、生命保険会社は回答せざるをえないこともあります。

高度障害状態時に保険金請求をする際の注意点

高度障害状態になり保険金を請求する際、被保険者本人が請求できず代理人が必要なケースが多くあります。 


さらに保険金請求をしたあとは保険契約が消滅するため、特約の保障をつけている場合や、高額な死亡保険が付加されてる場合は注意しなければなりません。 


ここからは高度障害状態時に保険金請求をする際の注意点についての詳細を確認していきましょう。

本人が保険金請求不可の場合は指定代理請求人が代行

死亡保険金の受取は、ご遺族が行えば良いですが、高度障害保険金の場合は被保険者が生存しているため、受取手続きは被保険者が生存中に受け取ることになります。

これらの場合、被保険者が自分たちで請求できない状態であることもあります。


また昨今では高齢化社会の進展で、健康でなくとも長生きする方も増えており、自署ができないケースなども多々あります。


私も、生命保険会社に勤めるものですが、受取人が自身で請求できないケースにも多く立ち合います。


生命保険は、契約であり、請求は申込のように容易でないケースもあります。(保険金を受け取るケースは高齢の方も多く、ネット等でその手続きを行えるとは、実務を経験するものとして到底思えません。)


そこで、指定代理請求人といって、被保険者本人に「特別な事情」がある場合、契約者があらかじめ指定した代理人が被保険者に代わって、保険金等を請求できる代理人を指定することができます。(具体的な指定代理請求人の条件は後述します。)


加入時の保険料は無論大切ですが、支払われる出口の部分も非常に大切です。 


実際に給付金の手続きに立ち会うたびに、対面販売でない場合や、ネット等で加入し、来店型の支店がないケースで、この人たちはどうやって保険金・給付金の請求をするのかと心配になります。


おせっかいであっても、保険については、万一の時に備えて、常にコンタクトのとれる担当者がいることが望ましいと思います。 

高度障害状態で保険金請求すると、保険契約が消滅する

約款に定められた所定の高度障害状態(言語またはそしゃくの機能を全く永久に失った場合)になった場合、死亡保険金と同額の高度障害保険金が受け取れます


また、保険料が免除される契約もあります。


高度障害状態に該当すると思うときは、まずは加入している生命保険会社に問い合わせ、請求書等の必要書類を取り寄せ、医師の意見書等を添付し、請求することになります。


支払いの可否は、現実的には、この医師の意見書によるところが非常に大きいです。


ただし、留意点は、受け取った時点で契約が消滅することです。したがって、別の高度障害状態に該当したり、死亡した場合に重複して保険金が支払われることはありません。


その中でも、消滅に関して、特に注意しないといけないのが、特約の保障についてです。


特約で入院・手術・通院等の保障がついている場合は、その部分も消滅してしまいます。

 

高度障害保険金を受け取る状態ですから、入院・手術のリスクは高いと考えるのが一般的で、今後、入院・手術を受けることも十分に考えられるので、高度障害保険金を受け取ることでその特約も消滅することも勘案することが大切です。


高度障害保険金とは死亡保険金の前受というイメージなので、仮に死亡保険金(定期保険特約等)の満期が数か月後に近づいている場合等は、高度障害保険金を受け取っても良いと思いますが、以下のようなケースでは、高度障害保険金の受取は慎重に考えた方が良いでしょう。

  • 高額な死亡保険金が付加されている定期保険特約等で満期まで時間が残されているケース
  • 保険料の払込が高度障害時に免除される特約が付加されているケース
  • 現在、入院中やその予定がある場合

 一方で、高度障害保険金の支払いを早く受ける場合は、治療に多額の費用を要するケースや定期保険特約の満期が近い場合(満期を超えると、死亡保険金額が激減するため)などが挙げられます。

高度障害保険金と税金の関係性について

高度障害保険金は非課税となりますので、税金はかかりません。

ただし、そのお金を据え置いて死亡した場合は、生命保険の非課税枠を使えないうえに、遺族に相続税が発生してくるので注意も必要です。

基本的には全て非課税である

高度障害保険金は非課税となります。

高度障害保険金は、本人が受け取るものであるが、所得とはみなされないため非課税です。


これは、高度障害保険金だけでなく、がん保険の一時金なども同様の扱いとなります。


一般に、自分の病気や障害に対する給付金は非課税です。


ただし、法人が受け取る場合などは、法人の利益とみなされるケースもあるので、法人契約で加入している方などは注意する必要があります。

高度障害保険金を残して相続を迎えると課税の可能性

高度障害保険金は、本人が受取りますが、使い切らずに亡くなった場合は、相続税の対象になります。

特に、高度障害保険金が支払われた際に、そのお金を生命保険会社に据え置いていた場合等は、死亡保険金の場合と異なり、非課税枠も使えません。


さらに、相続の際は、すべての相続人の署名が必要となります。


一般に高度障害保険金を受け取る場合は、受け取った本人の意思がないケースも多く、信託財産としてどのように使用するか相続人で話し合っておくと良いです。

参考:高度障害状態になった時の団体信用生命保険

団体信用生命保険の場合も高度障害状態になれば保険金が出ます。

  • 団体信用生命保険の高度障害状態の定義は、 両目の視力を永久に失っている
  • 言語、そしゃく機能を永久に失っている 
  • 中枢神経、精神、胸腹部臓器に著しい障害を残し常に介護を要する 
  • 両上肢を手首以上で失っているか、またはその用を失っている
  • 両下肢を足首以上で失っているか、またはその用を失っている 
  • 1上肢を手首以上で失いかつ、1下肢を足首以上で失っている、またはその用を失っている 1上肢の機能を完全に失い、かつ、1下肢を足首以上で失っている

となっており、基本的には他の生命保険会社の定義と同じです。

まとめ:高度障害状態になったときの対処方法

高度障害状態について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。 

今回のこの記事のポイントは、 
  • 高度障害状態と認められるには定義があり、その確率は0.02%程度である 
  • 高度障害状態になると介護費用に毎月15万円程度かかる 
  • 国からの補助として「障害基礎年金」が、厚生年金加入者の場合は「障害厚生年金」と場合によっては労災から「障害補償給付」ももらえる 
  • 高度障害保険金は非課税だが受給要件がある 
です。 

高度障害状態は、可能性は極めて低いものですが、そうなってしまった場合に備えて国民年金保険料を確実に納めることに加えて、民間の生命保険で備えることが大切です。

また、高度障害状態だけでなく、この記事をきっかけに、高度障害状態以外にも生活費や治療費が長くかかる三大疾病や介護状態への備えを真剣に考える一助になれば幸いです。


以下に、「長患いが家族(主に配偶者)にどれだけ負担があるか」を表にしましたので参考にしてみてください。


死亡長患い
(がん等)
免除住宅ローン残る
※免除の場合有
遺族年金
不要治療費必要
1人分生活費2人分
制約なし仕事介護しながら
再婚不可

「自分のライフスタイルに対する適正な保険のカバー範囲」という大切な部分について深く考えてみる必要があるのではないでしょうか


なお、ほけんROOMでは、他にも読んでおきたい保険に関する記事が多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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