医療保険と介護保険の違いと効果的な使い分けとは?併用して使える?

医療保険と介護保険の保障内容の違いはご存じでしょうか?また、これら2種類の保障は併用は可能でしょうか?今回は公的な医療保険と公的な介護保険の根本的な違い、2種類の保障を使い分けるコツ、基本的には併用は不可ですが、併用が認められているケースについて解説します。

医療保険と介護保険は併用して使うことができるのか?

今回は公的な「医療保険」と公的な「介護保険」の保障内容の違いと介護やリハビリの現場でどちらの保障が優先されるのかについて紹介します。

「医療保険」も「介護保険」も名前が似ているのでいざ使うとなるとどっちを使えば良いのか迷うことがあると思います。 それに「2種類の保険は併用できるのか?」、「介護やリハビリの際にどちらの保証を使うのがお得なのか」も気になりますよね。

 

公的な医療保険と、公的な介護保険の併用や効果的な使い分けを考えるためにも両者の保証内容の違いを正しく知る必要があります。

医療保険と介護保険の違い

「医療保険」と「介護保険」の違いについて、大きく以下の6つの点が挙げられます。


  1. 被保険者の違い 
  2. 保障される条件の違い 
  3. 利用における認定の必要性の違い
  4. 自己負担額の違い
  5. 保障の上限の違い
  6. 保険料の支払い方法の違い

1:被保険者の違い 


医療保険は、健康保険証をもっている方が被保険者です。


一方で、介護保険の被保険者は、第一号被保険者と第二号被保険者にわけられます。(保障内容や支給条件などが変わってきますので、それらについては「保障の発生条件の違い」にて説明します。)


第一号被保険者は65歳以上の方で、第二号被保険者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者を表します。


2:保障される条件の違い


医療保険の場合、医療機関で公的な医療を受けた時に、健康保険証を提出すれば、保障されます。


介護保険の場合、介護施設の利用やや訪問介護など介護サービスを利用したときに保障されます。


3:利用における認定の必要性の違い


医療保険の場合は、健康保険証をもっているかどうかです。


介護保険の場合は、第一号被保険者は原因は問われませんが、要介護認定または要支援認定を受けたときに、介護サービスを利用できます。第二号被保険者は、決められた特定疾病によって要介護認定または要支援認定を受けたときに、介護サービスを利用できます。



4:自己負担割合の違い


医療保険の場合は、基本的に自己負担割合は3割負担です。


介護保険の場合は、自己負担割合は原則1割とされていましたが、2015年8月の介護保険改正において、一定以上の所得がある方の自己負担割合が2割にあがりました。


さらに2018年8月から自己負担割合が、一定の所得のある方は、3割となります。


  • 3割負担となる人
    合計所得が220万円以上で、
    単身世帯の場合は、年金 + その他の所得 = 340万円以上、
    夫婦世帯の場合は、年金 + その他の所得 = 463万円以上。
    単身で年金のみの場合は344万円以上。
  • 2割負担となる人
    合計所得が160万円以上で、
    単身世帯の場合は、年金 + その他の所得 = 280万円以上、
    夫婦世帯の場合は、年金 + その他の所得 = 346万円以上。
    単身で年金収入のみの場合は280万円以上。
  • 1割負担となる人
    上記以外(割合としては一番多いとされています。)

5:保障の上限の違い


医療保険の場合は、保障の上限は設定されていません。


介護保険の場合は、介護サービス利用の1ヶ月の上限額が、要支援度と要介護度の数字によって変わってきます。


その上限金額以内であれば、1割負担(人によっては2割負担)で利用できるのですが、その上限を超えた場合は、全額自己負担となるので、注意しましょう。


6:保険料の支払い方法の違い


医療保険の場合は、毎月納付書により納付するか、口座振替するかです。ほとんどの人がすでに支払っているかと思うので、説明を省きます。


介護保険の場合は、第二号被保険者(40歳から64歳まで)は、医療保険の保険料と一緒に介護保険料を納めていることになっています。


第一号被保険者は、年金から天引き(特別徴収)されることが多いです。ただし、年度の途中で65歳になったり、他の市町村区に転入した場合などは、納付書で納付するか、口座振替する必要があります。

基本的に医療保険と介護保険を併用することはできない

ここまで、公的な医療保険と公的な介護保険の違いについて説明してきました。


では、医療保険と介護保険の併用はできるのかどうかが気になる方がいるかと思いますが、残念ながら、一部の例外をのぞいて、医療保険と介護保険は併用することはできません。


一部の例外といいましたが、医療保険と介護保険との併用が認められている場合は、具体的には3パターンあります。


次にそれらについて具体的に説明していきます。

例外的に医療保険と介護保険が併用できるパターンが3種類ある

例外的に医療保険と介護保険が併用できるパターンについて、それぞれ紹介します。

医療保険と介護保険が併用できるケース1:別の診断名でサービスを受ける場合

診断名が同じ場合は、医療保険と介護保険を併用させて適用することはできませんが、別の診断名とすれば、医療保険と介護保険の併用が結果として可能となっています。

医療保険と介護保険が併用できるケース2:両者を利用する時期が違う場合

診断名が同じ場合は、医療保険と介護保険を併用させて適用することはできませんと言いましたが、これは同じ月での話です。


月が変われば、同じ診断名でも、先月が医療保険で、今月は介護保険といったように、2つの保険の併用が可能となっています。

医療保険と介護保険が併用できるケース3:末期がんのような難病に該当する場合

末期がんのような難病に当たる場合は話が変わります

このような難病患者の場合は、訪問介護を継続しながら、同一の診断名で、医療保険を利用することができることとなっています。

併用禁止のケースでは、医療保険と介護保険のどちらが優先される?

基本的に医療保険と介護保険を併用することはできませんが、例外的に医療保険と介護保険の併用が許されているケースについて説明しました。

それでは、併用禁止のケースでは、医療保険と介護保険のどちらが優先されるのか、説明します。

訪問介護とリハビリでは、治療目的の場合、医療保険が優先される

<訪問介護の場合>


医療保険と介護保険のどちらが優先されるかは、難病を抱えているかどうかと訪問看護指示書があるかどうかで変わります。


難病と訪問看護指示書の有無で優先順位がどのように変わるのかについてはこれから見ていきます。 


厚生労働省が定めた疾病・難病(末期ガンなど)により介護が必要な状況になっているときや、医師が訪問介護指示書(病気の治療の一環として訪問介護の必要性が医師に認められたことを示すもの)を出したときは、病気の治療として認められ、医療保険が適応されます。


そのため、自己負担割合は3割負担となります。


逆に厚生労働省が定めた疾病・難病ではない場合や、医師が訪問介護指示書を出していないときは、介護保険が適応されます。


つまり、訪問介護において、医療保険が優先されるのは、医療目的と認められたケースだけであり、基本的には介護保険が優先されます。


<リハビリの場合> 


リハビリも、病気の治療が目的であれば、医療保険が優先されます。骨折のリハビリなどがわかりやすい例でしょう。


要介護認定または要支援認定を受けを受けて、病気の治療が目的でなく、リハビリを受ける際には、介護保険が適用されます。

訪問介護やリハビリ以外のケースで優先されるのは介護保険

逆に、訪問介護やリハビリ以外のケースであれば、介護保険のほうが医療保険よりも優先されるということです。


訪問介護も難病であったり、石が訪問介護指示書を出しているときや、治療が目的のリハビリである場合は、医療保険が優先されるので、


結局、医療保険が介護保険が優先されるのは、


治療に関わる場合


と考えてもらったら良いと思います。


それ以外のケースでは、基本的には、介護保険のほうが医療保険よりも優先されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。


この記事では、医療保険と介護保険の併用が許されている例外ケースの紹介と、また併用禁止のケースにおいて、医療保険と介護保険のどちらが優先されるのかについて説明しました。


まずはきちんと自分が受けることができる、公的な保障を確認したうえで、それで不足する分を民間の生命保険会社の保険加入で補う、併用していくというイメージで検討しましょう。


この記事の監修者
谷川 昌平
東京大学の経済学部で金融を学び、その知見を生かし世の中の情報の非対称性をなくすべく、学生時代に株式会社Wizleapを創業。保険*テックのインシュアテックの領域で様々な保険や金融サービスを世に生み出す一歩として、「マネーキャリア」を運営。2019年にファイナンシャルプランナー取得。

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