医療保険を選ぶ時に解約返戻金の有無や返戻率はチェックすべき?

医療保険の中の終身医療保険には、解約返戻金があるものとないものがあります。もし解約返戻金がある医療保険に加入するのであれば返戻率を確認しましょう。貯蓄性は低い医療保険ですが、返戻率が少しでも高い保険に加入することで、解約時に少しでも多くの返戻金が受け取れます。

解約返戻金がある医療保険を選ぶ上で基準の一つとなる返戻率とは

加入している生命保険や医療保険などを解約した際に受け取ることが出来るお金を解約返戻金といいます。
現在では、解約返戻金を抑えるかほぼ0にする医療保険が増えています。しかし、医療保険の加入を考える時に解約返戻金も保障に付けたい場合は、保険会社が販売している“解約返戻金が低く抑えられたタイプ”“解約返戻金があるタイプ”“解約返戻金がないタイプ”をきちんと確認し、自分の加入すべき保険は何かを検討する必要があります。

加入しようとする医療保険に解約返戻金があった場合、ただ返戻金が受け取れるからと喜んではいけません。保険料の払込期間の間に支払った保険料総額に対してどれくらいの割合の返戻金が払い戻されるかが分かるのが『返戻率』となります。
この返戻率が100%を超えると保険料払込総額よりも得をして、100%を下回ると損をするということです。

返戻率の計算方法

返戻率とは、これまでに支払った保険料総額に対し、解約時に受け取れる返戻金がどれくらいであるかを表す数字で、計算式は以下になります。
返戻率=解約返戻金÷払込保険料×100
で求められます。

例えば、10年払込の保険で解約返戻金が50万円、月々の保険料が5,000円だとします。年額6万円の保険料、10年で60万円支払うことになります。
50万円÷60万円×100=83.3%
この場合の返戻率は83.3%となります。返戻率の計算はとても簡単です。

医療保険の解約返戻金の平均的な返戻率

解約返戻金のある医療保険の平均返戻率は60~70%で、生命保険や学資保険に比べると低く設定されています。しかしこれはもともと医療保険は掛け捨てタイプが多く、保険料も割安な商品も多いため、貯蓄性は低くなっています。

終身医療保険の解約返戻金の返戻率は60~70%となる

解約返戻金があるタイプ”の終身医療保険に30歳男性が加入し、60歳までの払込、保険期間は終身とします。保障内容も一般的なもので入院給付金日額5,000円、手術給付金1回につき5~20万円、死亡給付金が50万円です。この場合、月々の保険料は6,380円となりました。
保険期間経過年数と保険料払込総額、解約返戻金の順でそれぞれまとめてみましたので、下記の内容から返戻率の計算方法が分かります。

  • 保険期間経過年数・・・保険料払込総額/解約返戻金
  •  10年・・・76万5,600円/52万9,865円
  •  20年・・・153万1,200円/112万1,990円
  •  30年・・・191万4,000円/144万9,215円      (60歳となり払込期間終了)  
  •  40年・・・191万4,000円/138万5,400円 
返戻率は解約返戻金÷保険料払込総額×100で計算出来るので、保険期間が10年経過した時に保険を解約すると返戻率は69.2%となります。20年では73.2%、30年では75.7%、40年経過では72.3%となります。注意が必要なのは、保険料払込終了の30年の時点が返戻率のピークとなり、その後は返戻率が下がってくる傾向にあります。

一時払い医療保険では返戻率は80~100%となる

保険加入時に一括して保険料を支払うタイプの保険を『一時払い医療保険』といいます。契約時に保険料の支払いが終了し、保障期間内は保障がずっと受けられます。

契約時にまとまったお金が必要にはなりますが、この保障期間中は険料支払いが必要ないので、途中で保険料が支払えなくなり保障が打ち切られるなどの心配がありません。

また、終身タイプの一時払い医療保険に加入した場合、長生きをすればするほど保険料はお得になります。契約時に一括で保険料を支払っていることから、生きている間は一生涯保障を受けられるのです。
しかし、逆に一時払いで保険に加入し、数年後死亡した場合にはそこで保障は終了してしまいますので、最初に一括で支払った保険料分の保障は受けられないかもしれません。
このように一時払い医療保険にはメリット・デメリットがあります。

ですが『一時払い医療保険』には解約返戻金(死亡保険金)が付いていることが一般的ですので、支払った保険料が全て無駄になるということはありません。低解約返戻金型の場合を除き、一時払いの場合の解約返戻金の返戻率は高い傾向にあります。
そして契約者が保険加入後すぐに死亡しても、長生きし80代90代で死亡した場合でも返戻金の返戻率は80~100%相当となっています。この返戻金は保障期間中に何度入院給付金や手術給付金などを受け取っていても、死亡した時には変わらず受け取ることが出来ます。

返戻率が100%を超えることはありませんが、保険料払込総額も抑えられ、返戻率の高い解約返戻金が死亡保険金として受け取れる一時払い医療保険はメリットの方が大きいのではないでしょうか。しかし、一括で支払う場合の保険料は200万近くかかることもありますので、保険内容と返戻率などをよく確認することをおすすめします。

医療保険の低解約返戻金型特約の特徴と注意点

低解約返戻金型とは、解約返戻金の額を低く抑えたり、保険料払込期間の解約返戻金をなくすことで保険料を割安にしているタイプの特約です。
保険会社によってさまざまな保障内容となっており、ある保険会社では保険期間を通じて返戻率が30%となっていたり、他の会社では保険料払込期間の解約では解約返戻金はなく、払込期間経過後の返戻金は死亡給付金と同額としています。
このように保険会社によって異なる低解約返戻型特約を付ける際には、きちんと内容を把握しておくことが大切です。

通常の解約返戻金が支払われるタイプの保険では、返戻金を積み立てるために保険料が上乗せされ月々の支払いが割高になります。しかし、低解約返戻金型特約の場合、解約した時の返戻金を低くしておくことで保険料を安くすることが出来ます。
どちらのタイプが自分に合っているのか、現在の収入やライフプランによって考えていきましょう。


医療保険の低解約返戻金型特約は返戻率が高い

低解約返戻金型特約では、月々支払う保険料が安く抑えられていますね。そのため、解約返戻金も低く設定されていますが、保険料の払込期間が終了した後も解約返戻金額に大きな変化はないので、その分返戻率は高くなると言えます。

ただし途中解約すると大きく損をする

よく耳にすることとは思いますが、『低解約返戻金型特約』の保険を保険料払込期間完了前に解約すると、返戻金が全くない、またはかなり返戻率が低い返戻金しか受け取れないということがあります。
これは低解約返戻金型特約の最大のデメリットとなります。

払込期間を30年など長く契約していた場合、途中で保険の見直しや保険料が払えなくなるなどの不安があるようでしたら、払込期間を10年にするなどしてこのデメリットを避ける方法もあります。保険料を短期間で払い込むことにより、保険料の割引がある場合もありますので、解約返戻金の返戻率も上がることにもなります。

医療保険を返戻率で比較する上で注意すべきこと

返戻率とは、保険の貯蓄性を表した数字で、加入する医療保険に返戻金がある場合にはこれを参考にすればどれくらい得をするか簡単に分かります。しかし、単純にこの返戻金が高いから得する、低いから損をすると考えるのは危険です。

保険会社の比較サイトを見てみると、各保険会社の返戻率が並べられており、保険加入の際の参考にはなります。
そこで、返戻率が一番高い保険会社Aの返戻率90%、次に保険会社Bの返戻率が80%と表記されており、各保険会社のサイトを見てみますと、保険会社Aの場合、返戻率が高い代わりにインフレ対応や保険料免除特約などの対応がありません。メリットとするものを省き、その分返戻率を上げているのです。
保険会社Bの場合、返戻率は低くなりますが、その分将来起こりうる物価の上昇や、市場金利の上昇によるインフレに柔軟に対応出来るようになっています。
このように、返戻率の高さを比較しただけで保険会社を選ぶと、保障内容に落とし穴がある場合もあります。

保険会社から自社の保険の返戻率が一番だからと勧められて加入しても、それが保障内容をトータル的に見てみると、他の保険の方がよかった、では遅すぎます。お得だからと返戻率の高さのみで比較するのではなく、きちんと保険内容のメリット・デメリットを確認しましょう。

保険加入目的を忘れないこと

これまで医療保険の解約返戻金の返戻率についてお話してきましたが、もともと医療保険とは貯蓄性を求めるもではなく、公的医療保険だけではサポートしきれない病気やケガによる入院・手術、または死亡した時に給付を受けることを目的に加入するものです。
加入しようとしている医療保険に解約返戻金があることはもちろん嬉しいことですが、そればかりに気を取られず、本来の保険加入目的のための保障内容をよく見るようにしましょう。

貯蓄目的の場合、生命保険の終身保険や養老保険、または個人年金保険は貯蓄性も高く、解約返戻金の返戻率も高い傾向にありますので、無理に医療保険に加入せず、生命保険への加入を検討するといいでしょう。

医療保険では返戻率の高さよりも保障内容を重視すべき

先述したように、医療保険では返戻率が高くても保障内容に落とし穴がある場合があります。せっかく万一の病気やケガの備えのために医療保険に加入したのに、解約返戻金の高さで保険を選んだために、必要な保障が受けられなかったのでは元も子もありません。

医療保険へ加入する際には、保障内容を重視し、その保険に解約返戻金があり、返戻率も高い保険であればラッキーだな、と思うくらいがちょうどいいのです。

返戻率が高いと保険料が高い場合もある

解約返戻金があるタイプの医療保険で、さらに返戻率が高い保険となると月々の保険料が高額となります。解約返戻金がないタイプの保険と解約返戻金があるタイプの医療保険の保険料はおよそ2倍の違いがあることもあります。

返戻率が高いということは、保険料払込期間に返戻金の準備のための積立金が必要となっています。そのため、返戻率が高い保険の保険料は割高となっていますので、返戻率の高さのみ見るのではなく、月々の出費がどれくらいになるかも確認する必要があります。
返戻率が高い場合、思っているよりも高い保険料を払い続けなければいけないかもしれません。もちろんその分解約時の返戻金は増えますが、現在の家計やライフステージのことも考えながら可能な保険料支払額を検討していきましょう。

まとめ

医療保険に加入する多くの人に人気なのは、保険解約時に解約返戻金のない「掛け捨て」タイプの保険です。掛け捨ての保険は貯蓄性の高い保険に比べて月々の保険料が安いというメリットがあります。
しかし、支払った保険料を少しでも受け取りたい、また保険の保障を受けるとともに貯蓄もしていきたいという場合には、返戻金のある医療保険に加入する方がよいでしょう。

しかし、終身医療保険の特徴として、契約時の年齢が高くなれば保険料も割高になり、年を重ねて持病をもった場合には新たな保険に加入出来ないというデメリットがあります。このため、解約返戻金がある場合でも、新たな保険見直しが困難で保険の解約はしない、または出来ないということにもなりかねません。
そうなると解約返戻金があるからと高い保険料を支払い続けるのはもったいないことですね。

これらのことをよく検討し、医療保険に加入するようにしましょう。

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