医療保険は短期払いが果たしておススメ!?その疑問にズバリお答え

医療保険には現役世代に支払いを終えて保障を一生涯続ける短期払いのものが昨今多く発売されています。短期払いのほうが、老後の収入減少に対して効率的にも思えますが、医療保険の性質(商品や社会保険制度の変化)を踏まえて考えていくことが大切です。

終身医療保険の短期払い(有期払い)と終身払いはどちらがおすすめ?

終身医療保険(一生涯の医療保障)は、短期払い(有期払い)と終身払いどちらの払込期間がおススメですかということをよく聞かれます。

基本的には、定年後の数千円の支払いによっぽどの自信がない方を除いて、終身払いのほうが安全だと思います。


この記事では、そんな終身医療保険の払込期間における、短期払いと終身払いの違いを解説しつつ、メリットやデメリットを詳しく解説します。


また、短期払いと終身払いにおける損得の分かれ目が何年後に成立するのかなど気になるポイントを抑えつつ、そして、なぜ終身払いの方が一般的にはオススメされているのかという理由を、下記で述べています。


最後まで読んで、自分に短期払いが合っているのかどうかをチェックしてみてください。

短期払いとは、60歳払い込みや65歳払い込みのこと

まず、短期払いとは何かということを説明します。


短期払いとは保険料の払い込みが、定年等による収入ダウンを見越して、60歳や65歳に保険料の払い込みを終えながら、保障については一生涯続けていくものです。


一般的には、60歳や65歳に払い込みが終わるものが短期払いですが、中には一時払い(最初に一括で何百万円の保険料)タイプの商品もあります。


一時払いについては、節税対策で法人で加入するケースが多いので今回の記事では割愛します。

終身医療保険の終身払いと比較したときの短期払いの3つのメリット

短期払いの場合は、以下のようなメリットが挙げられます。

  1. 長生きしても保険料は変わらない
  2. 収入のあるうちに払い済みでき、老後の年金生活が安心
  3. 解約返戻金がある場合もある

メリット1:長生きしても保険料は変わらない

まずは、長生きした場合の保険料分を支払わなくても良いため、健康に自信があり、長生きする可能性が高い方にとっては大きなメリットです。


長生きしても保険料が変わらないメリットに加えて、終身医療保険の場合、更新型の保険でないケースが多く、その場合も保険料は変わりません。


一番のメリットは、現役世代の間に変わらない保険料で、一定の保障を一生持てるため、安定したライフプランの設計ができることです。

メリット2:収入のあるうちに払い済みでき、老後の年金生活が安心

次に、短期払いの最大のメリットを述べます。

老後、家計を揺るがす大きなリスクは「介護」・「長期入院」・「想定以上の長生き」の3点です。


そして、老後は、現役時代の貯蓄を崩しながら生活するため、老後の支出(固定費)は削減したいのが多くの方が考えることです。


短期払いで、現役時代に支払いを終え、一生涯の保障を持つことは心理的なメリットがあるといえます。

メリット3:解約返戻金がある場合もある

短期払いの医療保険の中には、解約返戻金といって、解約した際にお金が戻ってくるものもあります。

入院せず、健康に生活した場合、支払った保険料が戻ってくるのは、掛け捨てではないという心理的な満足感も満たすことができます。この点は、健康に自信のある人には魅力的です(ただ、健康に自信があるという自己宣言ほど、あてにならないものはないなと、保険会社で勤務していて痛感します)。

終身医療保険の終身払いと比較したときの短期払いの4つのデメリット

一方で、終身医療保険を短期払いにした場合には次のようなデメリットがあるので注意が必要です。

  1. 毎月の保険料が高く、途中解約のリスクが高まる
  2. 終身払いのほうが保険の見直しがしやすい
  3. 払い済み特約の恩恵を得られない可能性がある
  4. 保険会社の破綻のリスクがある


デメリット1:毎月の保険料が高く、途中解約のリスクが高まる

短期払いの場合、保険料の払い込み期間は終身払いよりも短い分、保険料も割高になります。

保険の本来の目的は、必要な時にその保障が機能するか否かの一点です。


正直、保障機能を活用する前に解約するなら加入しない方が良いです。その意味では、保険料を払うことを止めて、途中解約することは非常に勿体ないです。


短期払いの医療保険の場合、割高な保険料となるため、老後の入院リスクが高くなる前に解約するリスクが高い点も踏まえて、加入時に保険料が妥当か、継続して支払えるかよく考える必要があります。

デメリット2:終身払いのほうが保険の見直しがしやすい

医療保険の場合、死亡保険と違って、給付事由も変わるため商品の開発が行われやすいです。さらに、社会保障制度も変わりやすく、必要な保障(自己負担額)も変わりやすいです。

具体的には、同じ医療保険といっても、昨今では日帰り入院に対応(以前は、5日以上入院や20日以上入院)になっていたり、手術のカバー範囲の変更(以前は、限定列挙の88種類手術のみ対応)があったり、放射線治療のカバー範囲の拡充といったように大きな進化が見られます。

これらの進化は、わずか20年の間で起こっています。


これらの変化を考えると、医療保険を短期払いという形で固定してしまうことは、その商品自体が陳腐化するリスクを備えていることを理解する必要があります。


また、新しい商品が出ても、その時には健康状態によっては加入できない点も意外と盲点なので、念頭に入れておきましょう。

デメリット3:払い済み特約の恩恵を得られない可能性がある

医療保険については、メインの保険ではなく、死亡保障等に特約として付加されているケースも多いです。

そして、それらの場合、メインの保障である死亡保障等が払い込み終了となる際に、特約である医療保障も一定の金額を支払うことで継続することができます。


ただし、多くのケースで発生しているのが、メインの死亡保障に加入したのが数十年も前であることが多く、医療保障も相応に古いものであり、現在の医療技術と照らし合わせて給付事由が狭いことも問題となっています。


生命保険はいざというときに機能して初めて意味があります。進化の激しい医療保険については、常に情報を仕入れることが大切です(加入の保険会社に問い合わせるとすぐに教えてもらえます。)

デメリット4:保険会社の破綻のリスクがある

これは、意外と盲点といえます。

例えば、60歳で払い込みが終わったとして、医療保険が本領を発揮するのは、そこから20年、30年先です。

平均寿命が延びる中、もっと長くなるかもしれません。


何十年という単位で、加入している保険会社の存続は果たして自信を持って大丈夫といえるでしょうか?


日本生命や第一生命といった名の通った大手生保はともかく、会社によっては倒産リスクは必ず念頭に入れた方が安全でしょう。


一般的な商品と異なり、生命保険は住宅同様に長いスパンで考えることが特に大切です。

終身医療保険を短期払いにしたほうが良い人の特徴とは?

これらも踏まえて、終身医療保険を終身払いではなく、短期払いにした方が良いと思う方は、以下のようなケースです。

  • 健康に自信があり、長生きする可能性があると考える方
  • 現時点の医療保険が、将来的にさほど進化しないと考える方
  • 定年後に収入ダウンが大きく、保険料を支払う自信がない方(自営業者の方で、年金額に不安のある方)

理論上はいつ短期払いにする損益の分岐が起きるのか

条件としては以下の通りにします。

  • 終身医療保険
  • 30歳(1987年生)男性の場合
  • OX生命の商品

終身払いの場合、月々2,512円の充実プランでのプランの実験をしてみようと思います。


終身払いでも月払い、半年払い、終身払いを用意してみました。

保険料は以下のようになっています。

払込期間単位あたり保険料年間合計支払保険料
終身払い
(月払い)
2,512円
30,144円
終身払い
(半年払い)
14,912円29,824円
終身払い
(年払い)
29,316円29,316円
短期払い
(65歳払済)
3,172円38,064円
短期払い
(60歳払済)
 3,581円42,972円

65歳払い済みの場合の合計支払い保険料は、38,064円×35年なので、1,332,240円となっています。


60歳払い済みの場合の合計支払い保険料は、42,972円×30年なので、1,289,160円となっています。


なので、65歳短期払いとの損益の分岐点は、1,352,400円÷(当該保険料)の計算式で出されるので、

  • 終身払い(月払い):44.20年
  • 終身払い(半年払い):44.67年
  • 終身払い(年払い):45.44年

となります。


45年間払込、すなわち75歳ごろの年齢で短期払いはお得であったと言えるようになります。

65歳までやや高い払込金額をしなければならいため、あまり得策ではないことがお分かりになるかと思います。


また、60歳短期払いとの損益の分岐点は、1,289,160円÷(当該保険料)の計算式で出されるので、

  • 終身払い(月払い):42.77年
  • 終身払い(半年払い):43.23年
  • 終身払い(年払い):43.97年

となります。


こちらだと、およそ43年払込、すなわち73歳ごろの年齢で短期払いの方がお得になります。


70歳付近の年齢までの40年間で医療の進歩が全くないとは到底考えられませんし、高齢者の医療制度には後期高齢者制度があるので、それほど負担額としては大きくないかと思われます。

まとめ:終身医療保険の払込期間は終身払いがおすすめ

終身医療保険の払込期間(短期払い・終身払い)について述べてきました。


その中で、私個人としては医療保険は、生命保険の中では、今後も進化を続けていくことになると思います。


また、医療と介護は、年を重ねるごとにリスクと必要性が増していきます。つまり、生きていくうえで、隣り合わせのリスクであり、一生付き合っていく必要があります。


一生付き合っていくリスクであるが故に、それに応じた保険料は定年を前に必要経費と見込んで、ライフプランを立てておくことが大切だと思います。


さらに、社会保険制度の変更は国の財政に応じ度々おこなわれるため、それに応じて生命保険を活用して効率よくリスクヘッジすることは今後ますます重要になります。(すべて貯蓄で賄うと、せっかくの資産を殺してしまいかねません)


このことを踏まえて、老後にリスクと必要性がピークに達する医療保険は終身払いで、一生付き合うとともに、いつでも柔軟に見直せるようにすることが大切だと思います。

この記事を読んで、老後の収入減に向けて、生活費の見直しを行うきっかけになって頂ければ幸いです。



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