人工授精・不妊治療にはいくらかかる?お金を抑えるための方法は

更新日:2021/04/20
なんとなく経済的な負担が大きそうなイメージのある人工授精や不妊治療。実際のところはどうなのでしょうか?それを知っていただくべく、この記事では人工授精の平均費用や不妊治療で使える控除などの制度、また病院選びのコツなどを一挙にご紹介します!
目次を使って気になるところから読みましょう!
人工授精・不妊治療にはいくらかかる?お金を抑えるための方法は
人工授精にかかる費用平均は1回平均1~3万円
まず、人工授精1回あたりにかかる平均的な費用をご紹介します。
人工授精の費用は平均で1回約1〜3万円。
「平均なのにどうしてこんなに差があるの?」と疑問に思った方もおられるのではないでしょうか。
実は、人工授精は自由診療という扱いになります。
これは公的保険の適用範囲外となってしまうものです。
そのため、病院側が「当院では人工授精は○円です」というように自由に値段を設定できる仕組みになっています。
またその他にも、患者や病院の方針によって薬の服用の有無が異なります。
1〜3万円と大きな差があるのは、病院による設定額や薬の有無が異なるからというわけですね。
さて人工授精の平均額がわかったところで、もっと詳しく費用のことを知りたい方もおられますよね。
ほけんROOMには、人工授精の平均的な初診費用や診療費用をより具体的に解説して記事が掲載されています。
下記リンク先から読むことができますので、この記事と合わせてぜひご覧ください。
人工授精とはどのような治療?タイミングは?
「人工授精」と言葉だけは知っていても、実際の治療方法はよく知らない方も多いのではないでしょうか。
人工授精は、
- あらかじめパートナーの精子を採取し、治療当日に持参
- 精子を調整する
- 2で調整したものを、細く柔らかいチューブを利用して子宮のなかに直接注入する
人工授精の妊娠確率は5~10%で高齢になる程妊娠率は低くなる
「人工授精をしてみようかな」と考えておられる方が知っておかねばならないのが、その妊娠率です。
先ほども参照した日本産婦人科医会のデータによれば、1周期あたりの妊娠率は5〜10%。
決して高確率ではないことが伺えます。
さらに、年齢を重ねるごとにこの確率は低くなってしまうのです。
同会のグラフを元に、ざっくりとではありますが表を作成してみたのでご覧ください。
1周期の妊娠率 | 10周期の妊娠率 | |
---|---|---|
20代 | 6〜7%程度 | 22%弱 |
30代 | 5.5%程度 | 19〜20%程度 |
40代 | 3%程度 | 12%程度 |
40代では、20〜30代と比較すると半分程度まで確率が落ち込んでしまうことが見て取れるのではないでしょうか。
なるべく早いうちに人工授精にチャレンジする方が、妊娠する確率は上がると言えます。
また日本生殖医学会の公式ホームページによると、妊娠率は治療6回目程度で妊娠確率が頭打ちになると示されています。
そのため、それまでに妊娠ができなかった場合には、人工授精から体外受精など他の不妊治療に変更することを考えるのも1つの手段かもしれません。
人工授精がおすすめの場合は?
ご紹介した人工授精の妊娠確率は、高いとはとても言えないものでした。
しかし不妊治療を受けることになったきっかけや原因によっては、もっと高い妊娠率を期待することが可能なのです。
この項目では、人工授精によって効果が期待できるケースを解説していきます。
どんな夫婦・カップル(パートナー)たちに人工授精をおすすめできるのか、当事者の方であれば自分たちには人工授精が適しているのか、一緒に詳しくチェックしていきましょう。
性交障害をお持ちの夫婦
まず1つ目のケースは、性交障害を持っている夫婦・カップルです。
そもそも性交障害とはどういったものなのでしょうか?
具体的に例を挙げると、
- 勃起障害
- 射精障害
- 性交痛
- 精神的なトラブル
フーナーテストで問題があった夫婦
2つ目のケースは、フーナーテスト(ヒューナーテスト)で問題があった夫婦・カップルです。
フーナーテストとは、性交渉をした後に頸管粘液(けいかんねんえき)、つまり子宮港の入り口の粘液を採取してそのなかに元気な精子がどのくらい存在しているかを調べるテストです。
これで判明するのは、精子が子宮内まで到達できるかどうか。
精液検査では異常が見つからなかったにもかかわらず、このフーナーテストでは元気な精子がいないという結果が出ることがあります。
この場合には性交渉をしたとしても、精子が卵子に辿り着くことはないので妊娠できないケースが多いです。
しかし精子を直接子宮に届ける人工授精を行えば、妊娠できる確率が高くなります。
人工授精以外の不妊治療法を解説【タイミング法・体外受精・顕微授精】
不妊治療には、人工授精以外にも
- タイミング法
- 体外受精
- 顕微授精
- 治療の内容
- 保険適用となるか
- 治療に必要な金額平均
- 妊娠率
不妊治療の費用を抑える方法
不妊治療の費用はステップが上がるごとに結構な負担となり、なおかつ1回で妊娠できる確証はないということをご理解いただけたと思います。
顕微授精は一度で60万円ほどかかる可能性がある上に、そこに行き着くまでには他の不妊治療にすでにお金を使っているなど、かなり厳しい状況になることは想像できてしまうのではないでしょうか。
しかし、「自分たちには不妊治療は厳しいかも…」と諦めるのはまだ早いです!
実は経済的な負担を軽減するために、
- 不妊治療の助成制度
- 医療費控除
- 民間の医療保険への加入
①不妊治療の助成制度の活用
概要
不妊治療の助成金には
- 全国共通(国が運営)のもの
- 国のものにプラスαして使う、地方自治体ごとに異なるもの
回数 | |
---|---|
治療開始時の女性の年齢が40歳未満 | 6回 |
治療開始時の女性の年齢が43歳未満 | 3回 |
適用条件
国の助成金制度は
- 体外受精
- 顕微授精
- 治療初日の段階で、女性が43歳未満
- 前年度の夫婦2人の所得が合計して730万円未満
- 初回:30万円
- その後:1回につき15万円
- 採卵などを行わず移植などのみ:7.5万円
②医療費控除
概要
医療費控除とは、1年間でかかった費用が所定の金額を超えた場合に、その超過分を税金の還付という形で控除される仕組みのことです。
普通の医療費では比較的メジャーな控除の制度ですが、それと同じく不妊治療の費用にも利用することができます。
助成金制度と合わせて利用することができるものです。
適用条件
不妊治療の自己負担額(総額から助成金分をマイナスした金額)とそれ以外の医療費を合計して、1年間で10万円を超過した場合に適用されます。
対象者
前述のように、
不妊治療の自己負担額+その他の医療費≧10万円
これに該当する人が対象です。
注意事項
領収書の提出が求められます。
通院のたびになくしてしまわないよう、しっかり保管しておきましょう。
またこの申請は確定申告時に行いますので、忘れずに申請することが重要です。
下記リンク先の記事では、不妊治療における医療費控除についてさらに詳しく解説しています。
この記事とあわせて、ぜひともご覧になってください。
③民間の医療保険に加入する
概要
民間の医療保険には、不妊治療に際して保障金が出る商品も少しずつ増えてきています。
そういった医療保険に加入することで、あらかじめ不妊治療に備えておくことも1つの手段です。
メリット
加入する商品によっては、不妊治療のみならず出産時にも保証金が給付されることがあります。
出産にも大きな費用がかかりますので、その部分の負担軽減も安心につながるのではないでしょうか。
また医療保険ですので、その他の傷病にも備えられるのは大変心強く、大きな魅力です。
注意事項
商品によっても具体的な数字は異なりますが、
- 保険適用回数
- 加入できる年齢の上限
不妊治療のお金に不安がある方はマネーキャリアで相談を!
不妊治療に要する費用は、複数の方法で負担が軽減できることがわかりました。
そうは言っても、やはりお金のことですのでそんな簡単には安心しきれないのが現状。
まだまだ不安がいっぱいな方も当然おられますよね。
そんなあなたは、マネーキャリアの無料保険相談を利用してみましょう!
このマネーキャリアの無料相談では、あなたが抱える不妊治療に関する経済面での悩みを、プロが保険という視点から解決へと導いてくれます。
例えば、1つ前の箇所で「民間の医療保険へ加入することで費用を抑えることができる」と紹介しましたよね。
しかし肝心の保険商品が決められなければ、加入は当然のことながら不可能です。
ここでマネーキャリアに相談すれば、不妊治療への保障を持つ商品のなかからあなたにぴったりのものをプロとともに見つけることができます。
保険選びは一個人ではなかなか難しいものですので、この機会にプロを頼ってみませんか?
保険相談を含むマネーキャリアの相談サービスについては、下記のリンク先からさらに詳しい中身を知ることができます。
スマホ1つで気軽に相談することができるので、どんな些細な内容でもぜひご利用になってみてください!
参考:不妊治療の病院を選ぶポイント!
不妊治療を行うにあたって、まず最初に悩むのはどの病院で治療を進めるかということではないでしょうか?
「ネットでの評判があまり良くないけれど信じていいの?」「費用を安く抑えたいけれど、あまりに料金が安い病院はなんだか怖い…」「大きめの病院に行くべき?」など、それぞれ様々な疑問を抱えておられることと思います。
そこで最後に、不妊治療の病院を選ぶコツとして
- 病院は通いやすい位置にある?
- 医師との相性を考えよう
交通費を抑えるためにも!自宅からの通いやすさ
不妊治療の病院選びにおいてもっとも重要であると言っても過言ではない要素、それが「自宅からの通いやすさ」です。
不妊治療は通院が多く、平均して月に4〜6回、多ければ月に10回以上も病院へ通うことになります。
この時もし病院が遠かったり通いにくかったりすると、通院そのものがストレスとなってしまう可能性があるのです。
それから不妊治療は、自分の都合で診察日を決めることができない場合があります。
特に薬を注射していると経過観察が必要となったり、また採卵のタイミングを図っている際には、医師がここだと見極めた日に絶対に診察を受けなければなりません。
そのため、自分の状況とは関係なく「明日来院してください」「この日に診察を受けてください」と言われてしまうことも少なくないのです。
また経済面での負担が気になる場合は、少しでも無駄を省きたいところ。
自宅近くや通勤途中などの病院を選べば、交通費を節約することができます。
これらの理由により、通いやすい病院を選ぶことが大切なのです。
医師との相性
前項でもお伝えしたように、不妊治療は月に4〜6回、場合によっては10回以上もの通院が必要です。
そうなると必然的に医師と会う回数も増えますよね。
そのため医師との相性も病院選びでは欠かせないポイントとなっているのです。
例えば治療方針1つとっても「医師に決めてもらいたい」という方もおられれば、一方では「希望を聞いてもらいながら相談して決めたい」という方もおられますよね。
こういった治療を受ける上で避けられない部分において、医師と合わないというのはストレスが蓄積されることとなるのです。
ただでさえ不安が重くのしかかってしまいがちな不妊治療。
そこで支えとなるのは医師やスタッフとの信頼関係です。
信頼といった面でも医師との相性が欠かせません。
とは言え、「通院してみないと医師との相性はわからないのではないか」と考える方もおられるでしょう。
実は不妊治療を専門としている医療機関では、通院の前に不妊治療に関する知識をつけることを目的とした説明会を開催している場合があります。
そこでは医師や病院の雰囲気を見ることができるため、判断材料として参加してみるのが良いでしょう。
まとめ
人工授精に必要な平均費用を中心に、不妊治療の経済的負担を軽減できる制度などを解説してきましたがいかがだったでしょうか。
今回の記事のポイントは、
- 人工授精は1回あたり平均で1〜3万円要する
- 人工授精は、性交障害を持っていたりフーナーテストで異常があった方々におすすめ
- 不妊治療には他にもタイミング法・体外受精・顕微授精がある
- 不妊治療の負担を軽減するには、助成金制度・医療費控除・民間の医療保険への加入という方法がある
- 不妊治療を行う病院は、通いやすさ・医師との相性を重視して選ぼう
子どもを授かりたいけれど、どうしてもなかなか難しい…。
そんな人の手段として、人工授精などを含む不妊治療があります。
しかし経済的な負担がかかりそうというイメージがついているのも事実。
そこで今回は、人工授精の費用について